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アジア系アメリカを知るための53章 李 里花(編著) - 明石書店
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アジア系アメリカを知るための53章 (アジアケイアメリカヲシルタメノゴジュウサンショウ)

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発行:明石書店
四六判
356ページ
並製
価格 2,000円+税
ISBN
978-4-7503-5834-5   COPY
ISBN 13
9784750358345   COPY
ISBN 10h
4-7503-5834-7   COPY
ISBN 10
4750358347   COPY
出版者記号
7503   COPY
Cコード
C0336  
0:一般 3:全集・双書 36:社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2024年10月30日
書店発売日
登録日
2024年9月19日
最終更新日
2024年11月29日
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紹介

2020年代、アメリカでは新型コロナウイルスの拡大とともに、アジア系の人々に対するヘイトクライムが相次いだ。しかし、アジア系に対する差別や偏見は19世紀から繰り返されてきていた。エスニシティが多様化する中で、アメリカのアジア系とはどのような人々を指し、コミュニティの実態はどうなっているのか。アメリカにいるアジア系の歴史と現在をひもとく画期的書籍!

目次

 はじめに

 地図1 アメリカ合衆国地図
 地図2 最大アジア系エスニック集団
 地図3 アジア系が州人口に占める割合
 図表1 アジア系州別人口分布
 図表2 州別アジア系人口

Ⅰ ヒストリー/ストーリー

第1章 アジア系とは(1)――裁判と移民法にみる「アジア系」の境界(小田悠生)
第2章 アジア系とは(2)――センサスにおける分類の変遷(菅〈七戸〉美弥)
第3章 アジア系とは(3)――アメリカにおけるアジア系という共通アイデンティティ(佐原彩子)
第4章 日系(1)――19世紀末から20世紀前半を他の移民集団と比較して(一政〈野村〉史織)
第5章 日系(2)――強制収容とリドレス(竹沢泰子)
第6章 日系(3)――メキシコ人との集団間関係史(徳永悠)
第7章 日系(4)――20世紀後半の「新一世」(佃陽子)
第8章 日系(5)――グアムにおける「日系(日本)人」とはどういう存在か(池上大祐)
第9章 沖縄系――沖縄系移民のヒストリーと母の沈黙についてのストーリー(新田万里江)
第10章 コリア系――太平洋の2つの帝国のはざまで(李里花)
第11章 日系とコリア系の「写真結婚」――個人の夢から集団の使命へ(田中景)
第12章 中国系(1)――1965年以前の移民史(園田節子)
第13章 中国系(2)――1965年以降の移民史(吉田晋也)
第14章 フィリピン系――アメリカ植民地主義の歴史と人びとの今(北田依利)
第15章 ベトナム系――戦争難民からエスニック・マイノリティへ(佐原彩子)
第16章 モン系――国を持たずクランと共に生きるモン(吉川太惠子)
第17章 インド系――IT、医療、階層、宗教、ジェンダー:多様な経験と変遷(野沢恵美子)
第18章 中東系――「白人」じゃない私たち(佐藤まな)
第19章 アジア系クィア――二重のマイノリティ化に直面する人びと(兼子歩)
第20章 アジア系とミックスレース――その歴史と現在(菅〈七戸〉美弥)
第21章 アジア系とインターマリッジ――境界を越える結婚、つくる結婚(南川文里)

Ⅱ ライフ/カルチャー

第22章 アジア系と排除の歴史――黄禍論を中心に(廣部泉)
第23章 アジア系とブラック・ライヴズ・マター運動――人種的階層性への加担とマイノリティ共闘への試み(和泉真澄)
第24章 アジア系とインターセクショナリティ――多様性だけで終わらせず、権力構造を見抜くには(エダハルキ)
第25章 アジア系の連帯――黒人とアジア系の歴史的なつながり(松坂裕晃)
第26章 アジア系と社会運動――ウィスコンシン大学における学生団体を事例に(柳川大貴)
第27章 アジア系アメリカ研究――大学カリキュラムの確立とその発展(佐原彩子)
第28章 アジア系とアファーマティブ・アクション――「犠牲者」と「成功者」のはざまで(南川文里)
第29章 アジア系と経済界――「頭脳流出」と経済覇権の行方(下斗米秀之)
第30章 アジア系と政治――増加し、民族的に多様化するアジア系の政治家たち(武田興欣)
第31章 アジア系と教育――「モデルマイノリティ」の光と影(南川文里)
第32章 アジア系と音楽――エスニック伝統と多様性のなかでの創造・実践・消費(吉原真里)
第33章 アジア系とラップ――「こえるこえ」(FUNI)
第34章 アジア系とアート――戦略としてのカテゴリー(江崎聡子)
第35章 アジア系と演劇――統合的アイデンティティ探求からトランスボーダー化へ(山本秀行)/216
第36章 アジア系と文学――その多義性とトランスナショナルな転向をめぐって(牧野理英)
第37章 アジア系とコメディアン――ステレオタイプとの闘いとその逆利用(和泉真澄)
第38章 アジア系とフード――アジアの祖国の食べ物がアメリカ料理になるまで(今井祥子)
第39章 日系と博物館――過去の不正義を語り継ぐ民主主義の守り手(佃陽子)
第40章 中国系と歴史博物館――コミュニティ史の発信(園田節子)
第41章 アジア系と宗教――多宗教化の進展するアメリカ社会(高橋典史)
第42章 アジア系と墓――墓が語る移民のヒストリー(平川亨)

Ⅲ ナショナル/トランスナショナル

第43章 アメリカと故郷を往来する言葉の文化――中国系移民の「家族の夢」を支えて(田中景)
第44章 アジア系の反帝国主義――アメリカとアジアをつなぐ革命の思想(松坂裕晃)
第45章 「慰安婦」メモリアルでつながるアメリカとアジア――日本軍性暴力問題を考え、行動するアメリカ市民たち(河庚希)
第46章 アジア系セトラーコロニアリズム――その系譜と論点(新田万里江)
第47章 アジア系アメリカ人の民族的な帰還――祖先の地で揺れ動く帰属意識(津田岳雪/吉田のえる訳)
第48章 アジア系のルーツを探す旅と観光――遺伝子検査とIT/DXが紡ぎ出すルーツ・ツーリズムの世界(河上幸子)
第49章 辿れないルーツ――「国際養子縁組」のアジア系(キー・ビョングン/吉田のえる訳)
第50章 越境する教育――「新移民」の教育(山田亜紀)
第51章 ハワイ文化の越境と変容――福島県いわき市におけるフラの再構築(目黒志帆美)
第52章 越境する映像世界――南半球と北半球をつなぐアジア系ディアスポラ(クニガミ・アンドレ・ケイジ/吉田のえる訳)
第53章 トランスナショナルとアジア系――同じアジア系でも、出身国によって違うあり方(武田興欣)

 おわりに
 アジア系アメリカをもっと知るためのブックガイド

前書きなど

はじめに

 (…前略…)

(…)新型コロナウイルスのパンデミックによってアジアン・ヘイトがアメリカ国内で再び高まり、アジア系に対する差別や暴力が全米各地で顕在化すると、アジア系アメリカ人に対する暴力がなぜ歴史的に繰り返されないといけないのか、ということが改めて問われることになった。こうした中で、例えばアジア系アメリカ人研究者で、カリフォルニア大学バークレー校エスニック・スタディーズ教授のキャサリン・セニタ・チョイは、アジア系の歴史がアメリカの中で消し去られてきた問題を現代的文脈から問い直し、アメリカの歴史からアジア系が不可視化されたことで、アジア系は非人間化(dehumanize)され、それがアジア系に対する短絡的なステレオタイプ化へとつながり、暴力にさらされるようになったのだと厳しく批判している。
 同じように、アジア系で、詩人のキャシー・パク・ホンも、冒頭のエッセーにみられるように、白人社会においてアジア系が現在も「存在しないもの」として認識されていることが、アジア系の実存を否定することにつながっていると指摘している。つまり新型コロナウイルスのパンデミックによって引き起こされた「暴力」は、アジア系に対する理解が進んでいない現状を浮き彫りにするものとし、こうしたアメリカ社会のあり様に対してアジア系は再び声を上げ、「社会正義」を改めて問いかけているのである。
 それではアメリカの中で不可視化されたアジア系アメリカの歴史はどのようなものなのだろうか。アジア系はどのような生活や文化を築き、いかに存在してきたのであろうか。本書はヒストリーとストーリー、ライフとカルチャー、ナショナルとトランスナショナルという視点から、アジア系の歴史と現在をひも解いていく。

 (…中略…)

 本書を手に取ってくれた人の中には、日本の大学や市民図書館で偶然手に取った人もいるかもしれない。またアメリカに対する関心がない人もいるかもしれない。しかし冒頭のアジア系アメリカ人で詩人のキャシー・パク・ホンが「歴史や政治、文学や大衆文化をはじめとする西洋のあらゆるものが、かれら〔白人〕には自分のものとして存在する。だから人種が話題になるとき、私は自分が存在しないということも突きつけられる」と指摘するような状況が繰り広げられる中、本書の専門家たちは、アジア系アメリカがアメリカのヒストリーやストーリーに存在し、ライフやカルチャーを形作り、アメリカの国境を越えたトランスナショナルな世界にも広がっていることを教えてくれる。
 アジアン・ヘイトが起きる中、アジア系アメリカ人が伝えようとしたのは、「知らない」ことが、アジア系アメリカ人の実存を否定し、ステレオタイプ化を引き起こし、暴力にさらされることにつながる、ということではないだろうか。そうであるならば、「知る」ことでそれをなくすことに貢献できるのではないだろうか。本書は、「知る」ことを出発点とすることで、誰もがステレオタイプや暴力にさらされない世界につながることを願ってつくった本である。本書の一ページをぜひ開いてみてほしい。

著者プロフィール

李 里花  (リ リカ)  (編著

中央大学総合政策学部教授。社会学博士。専門は、歴史社会学、移民研究、環太平洋地域研究。アメリカ移民の父と在日コリアンの母の下で日米を往復しながら育った。最近は日米のマイノリティをめぐるレイシズムとジェンダーの問題に取り組んでいる。主な著書として、李里花『「国がない」ディアスポラの歴史――戦前のハワイにおけるコリア系移民のナショナリズムとアイデンティティ1903-1945』(かんよう出版、2015年)、編著に『朝鮮籍とは何か――トランスナショナルの視点から』(明石書店、2021年)などがある。

追記

【執筆者一覧】

池上大祐(いけがみ・だいすけ)
琉球大学国際地域創造学部准教授。西洋史、アメリカ太平洋史専攻。主要業績に『アメリカの太平洋戦略と国際信託統治――米国務省の戦後構想1942-1947』(単著、法律文化社、2014年)、『島嶼地域科学を拓く――問い直す環境・社会・歴史の実践』(共編著、ミネルヴァ書房、2022年)など。

和泉真澄(いずみ・ますみ)
同志社大学グローバル地域文化学部教授。専門は北米日系人史。特に太平洋戦争中の強制収容に関する法律、歴史、政治、文化の視点からの論考多数。主著は『日系アメリカ人強制収容と緊急拘禁法――人種・治安・自由をめぐる記憶と葛藤』(明石書店、2009年)、『日系カナダ人の移動と運動――知られざる日本人の越境生活史』(小鳥遊書房、2020年)。

一政(野村)史織(いちまさ〈のむら〉しおり)
中央大学法学部教授。専攻は、地域研究、移民史、女性史。主な著書、論文として、「米国における女性平和運動の越境性とナショナリズム」(『アメリカ太平洋研究』第24号、2024年)、「20世紀はじめの米国の社会改革運動と国際女性平和運動――エミリー・グリーン・ボルチの民族,国家,国際協調の思想を中心に」(『アメリカ研究』第56号、2022年)。

今井祥子(いまい・しょうこ)
東京農業大学農学部助教。博士(学術、東京大学)。研究テーマは文化地理学的観点からのアメリカ合衆国および世界における日本食の受容について。業績として、「高級日本食レストランNobuのネットワーク形成と真正性の構築」(農学集報67(3)、東京農業大学:100-110、2022)、“Nobu and After: Westernized Japanese Food and Globalization.” In Globalization, Food and Social Identities in the Asia Pacific Region, edited by J. Farrer, 271-286 (2021)など。

江崎聡子(えざき・さとこ)
聖学院大学准教授。専門分野はアメリカ視覚文化、アメリカ美術、ジェンダー。著書に『エドワード・ホッパー作品集』(単著、東京美術、2022年)、『描かれる他者、攪乱される自己――アート・表象・アイデンティティ』(共著、ありな書房、2018年)、『ニューヨーク――錯乱する都市の夢と現実』(共著、2017年、竹林舎)などがある。

エダハルキ
コロラド大学コロラドスプリングス校社会学助教授。在日コリアンやコリアン・アメリカンの社会運動でLGBTQ+が民族主体性に与える影響を通じ、コリアン・ディアスポラと祖国統一運動の新たな関係性を研究している。

小田悠生(おだ・ゆうき)
中央大学商学部准教授。Ph.D.(コロンビア大学、歴史学)主な業績に、編著『はじめて学ぶアメリカの歴史と文化』(ミネルヴァ書房、2022年)、共著『よくわかるアメリカの歴史』(ミネルヴァ書房、2021年)、訳書:メイ・M・ナイ『「移民の国アメリカ」の境界――歴史のなかのシティズンシップ・人種・ナショナリズム』(白水社、2021年)。

兼子歩(かねこ・あゆむ)
明治大学政治経済学部准教授。専門はアメリカ社会史およびジェンダー論。主著に『「ヘイト」に抗するアメリカ史』(共編著、彩流社、2022年)、『「ヘイト」の時代のアメリカ史』(共編著、彩流社、2017年)など、訳書に『クィアなアメリカ史』(共訳、勁草書房、2023年)など。

河上幸子(かわかみ・さちこ)
京都外国語大学国際貢献学部グローバル観光学科教授。北米のアジア系エスニックタウンでの文化人類学的な調査を経て、近年は、和歌山県美浜町三尾地区(通称アメリカ村)を拠点として移民母村の歴史継承や次世代育成をテーマに実践的な研究に取り組む。

Kee Byung-keun(キー・ビョングン)
作家、アーティスト。ソウル生まれ、アメリカ合衆国育ち。現在は東京在住。

北田依利(きただ・えり)
米国およびアジア太平洋地域の人種・ジェンダー・セクシュアリティ・近代植民地主義を勉強
している。米国ラトガーズ大学歴史学研究科で博士号取得。主要業績は“Fragments of Multi-Layered Settler Colonialism: Mixed-Race Children in Japanese Schooling, the American Philippines, 1924-1945,” Settler Colonial Studies (October 2023): 1-20; Kendra Boyd, Marisa J. Fuentes, Deborah Gray White eds., Scarlet and Black, Volume Two: Constructing Race and Gender at Rutgers, 1865-1945 (New Brunswick: Rutgers University Press, 2020), など。日本の関東の大学で非常勤講師をしている。

André Keiji Kunigami(クニガミ・アンドレ・ケイジ)
カリフォルニア大学アーバイン校人文科学部映画・メディア学科准教授。日本およびブラジルの映画、アジア・ラテン系アメリカ研究、人種と視覚性、写真と映画史と理論などについて、研究・指導を行っている。Journal of Cinema and Media Studies, Journal of Latin American Cultural Studies, Verge: Studies in Global Asias, Galáxia, Logos などに論文多数。現在はDislocating Yellowness: the visual regimes of race between Japan and Brazil. を執筆中。

佐藤まな(さとう・まな)
英日翻訳者。京都大学大学院人間・環境学研究科修士課程修了。パレスチナ人を中心とした難民・移民による英語文学に関心がある。論文(佐藤愛名義)に「在米ディアスポラ詩人スヘイル・ハンマードにおける『パレスチナ』――記憶の継承、ブラック・アメリカ、そしてパレスチナ人になること」(修士論文、2018年)、「未来のパレスチナ――在米ディアスポラ詩人スヘイル・ハンマードにおける'home'と'people'」(『日本中東学会年報』第3412号、2018年)。翻訳作品に映画「リトル・パレスティナ」日本語字幕など。

佐原彩子(さはら・あやこ)
共立女子大学国際学部教授。アメリカ研究(移民・難民)。主な業績に、兼子歩・貴堂嘉之編『ヘイトに抗するアメリカ史』(第8章「刑罰国家化時代の移民行政――「非合法外国人」と「外国人犯罪者」という移民像」担当、2022年、165-183頁、彩流社)、樋口映美編『歴史との対話』(「難民のトラウマ経験と戻らない家族」担当、2023年、53-67頁、彩流社)など。

下斗米秀之(しもとまい・ひでゆき)
明治大学政治経済学部准教授。専門分野はアメリカ経済史。
主要業績に『冷戦期アジアの軍事と援助』(共著、日本経済評論社、2021年)、『現代アメリカ経済論――新しい独占のひろがり』(共著、日本評論社、2023年)、“Brain Drain from India to the U.S. during the Cold War: Focus on Technology Transfer and the Development of Highly Skilled Talent, ”(『国際武器移転史』18号、2024年)など。

菅(七戸)美弥(すが〈しちのへ〉みや)
東京学芸大学教育学部教授。博士・学術。専門はアメリカ史、環太平洋の移民・移住史、アメリカ・センサス。主要著書に『アメリカ・センサスと「人種」をめぐる境界─個票にみるマイノリティへの調査実態の歴史』(勁草書房、2020年、2021年アメリカ学会中原伸之賞受賞)、『南北戦争を戦った日本人――幕末の環太平洋移民史』(共著、筑摩書房、2023年9月)。

園田節子(そのだ・せつこ)
立命館大学国際関係学部・国際関係研究科教授。博士(学術、東京大学)。専門は南北アメリカの華僑華人研究、東洋史、移民研究。主要業績に“Achieving Economic Success and Social Mobility,” Canadian Journal of History, 54(3), 2019、『南北アメリカ華民と近代中国――19世紀トランスナショナル・マイグレーション』(東京大学出版会、2009年)など。

高橋典史(たかはし・のりひと)
東洋大学社会学部教授。博士(社会学)。専門は宗教社会学。著書に『移民、宗教、故国――近現代ハワイにおける日系宗教の経験』(単著、ハーベスト社、2014年)、『現代日本の宗教と多文化共生――移民と地域社会の関係性を探る』(白波瀬達也・星野壮との編著、明石書店、2018年)など。

竹沢泰子(たけざわ・やすこ)
関西外国語大学国際文化研究所教授。京都大学名誉教授。専門はアメリカ研究、文化人類学。主たる著書に『アメリカの人種主義――カテゴリー/アイデンティティの形成と転換』(名古屋大学出版会、2023年)、『新装版 日系アメリカ人のエスニシティ――強制収容と補償運動による変遷』(東京大学出版会、2017年、澁澤賞受賞)など。

武田興欣(たけだ・おきよし)
青山学院大学国際政治経済学部教授。プリンストン大学 Ph.D. (政治学)。主著に、Asian American Politics (with Andrew L. Aoki, Polity Press, 2008), "A Forgotten Minority? A ContentAnalysis of Asian Pacific Americans in Introductory American Government Textbooks" PS: Political Science and Politics 48 (3) (July 2015): 430-39. 現在、アメリカ人研究者2人と、アメリカの学部生向けの新しいアジア系アメリカ人政治の教科書を執筆中(under contract, New York University Press)。

Takeyuki Tsuda(津田岳雪)
アリゾナ州立大学社会・行動科学部教授。1997年、カリフォルニア大学バークレー校にて博士号(人類学)を取得。シカゴ大学助教授、カリフォルニア大学サンディエゴ校比較移民研究センター副所長を歴任。初期の研究関心は、国際移住、ディアスポラ、エスニック・マイノリティ、民族的・国家的アイデンティティ、トランスナショナリズムとグローバリゼーション、民族的還流移民、アメリカおける日系ディアスポラ、マルチレイシャルのアジア系アメリカ人についてなど。近年は、日系アメリカ人およびその文化的伝統との関係、アメリカ合衆国におけるミックスのアジア系について研究している。主要著書は、Strangers in the Ethnic Homeland(Columbia University Press, 2003), Japanese American Ethnicity(New York University Press, 2016), Diasporic Homecomings(Stanford University Press, 2009)など。

田中景(たなか・けい)
東京経済大学全学共通教育センター准教授。アメリカ移民史。近年は20世紀初頭広東省四邑からの渡米移民の家族の変容を考察。業績に「渡米移民と四邑の妻の間の大衆文芸――民謡於と木魚書の中の『金山婆』」(『人文自然科学論集』、151号、東京経済大学人文自然科学研究会、2022年)など。

佃陽子(つくだ・ようこ)
成城大学法学部准教授。日系アメリカ人コミュニティや、日本における日系人のメディア表象について研究している。主な論文に「小説『二つの祖国』をめぐる虚実とプロパガンダ」『教養論集』30号(2022年)など。

徳永悠(とくなが・ゆう)
京都大学大学院地球環境学堂/人間・環境学研究科准教授。Ph.D.(歴史学)。専門はアメリカ移民史。主な業績はTransborder Los Angeles: An Unknown Transpacific History of Japanese-Mexican Relations (University of California Press, 2022)、「胃袋の定住――日本人移民とカリフォルニア米」『移民の衣食住Ⅰ――海を渡って何を食べるのか』(文理閣、2022年)、「排日から排墨へ――一九二〇年代カリフォルニア州における人種化経験の連鎖」『環太平洋地域の移動と人種――統治から管理へ、遭遇から連帯へ』(京都大学学術出版会、2020年)。

新田万里江(にった・まりえ)
武蔵大学国際教養学部グローバルスタディーズ専攻専任講師。専門分野はアメリカ研究、トランスナショナル・ヒストリー、アジア・太平洋諸島系アメリカ人研究、食の文化史。主な著作に“Identities Crossing Borders: Race, Gender, and Sexuality in Asian American Stories”(武蔵大学総合研究所紀要別冊『移民と離散の諸相:歴史と現代』所収)など。

野沢恵美子(のざわ・えみこ)
中央大学法学部准教授、Ph.D. in Education。専門分野は比較教育学、社会言語学、ジェンダー論。主な著書・論文『「つながる」ための言語教育――アフターコロナのことばと社会』(共編著、明石書店、2021 年)、『教育からみる南アジア社会――交錯する機会と苦悩』(共編著、玉川大学出版部、2022 年)、Boys’ Love, Transmedia Storytelling, and LGBT Awareness in Contemporary Japan. In S. Salenius (ed.). Gender in Japanese Popular Culture: Rethinking Masculinities and Femininities. Palgrave Macmillan. pp. 175-207. 2023.

河庚希(は・きょんひ)
ノースカロライナ州立大学世界言語文化学部助教授。2016年カリフォルニア大学サンディエゴ校博士課程修了、Ph.D.(EthnicStudies)。明治大学大学院特任講師を経て現職。専門は日米人種研究、トランスナショナル・フェミニズム。近著に“Transpacic Feminist Movement: Challenging Japanʼs Military Sexual Slavery System.” Lily Wong, Christopher B. Patterson, and Chien-ting Lin eds., Transpacific, Undisciplined. (University of Washington Press,2024)など。

平川亨(ひらかわ・とおる)
明治大学文学部兼任講師、明治学院大学非常勤講師。日本ハワイ移民資料館リサーチ・アドバイザー(非常勤)。明治大学大学院文学研究科地理学専攻博士課程を修了。博士(地理学)。歴史地理学、文化地理学。専門はハワイ日本人移民で、日本人墓地調査をベースとして、日本人移民の移動と定着とコミュニティ形成をテーマに研究をおこなっている。業績に「ハワイ日本人移民の死と葬送――ハワイ島コナの墓地調査から」(『移民研究年報』第29号、2023年)、「『移民の島』を旅する」『Dear Maui マウイを巡る12の物語』(リトルギフトブックス、2024年)など。

廣部泉(ひろべ・いずみ)
明治大学政治経済学部教授。Ph.D.(アメリカ史)。業績:「猿は何者か――『猿の惑星』にみる人種表象」岩野卓司・丸川哲史編『野生の教養』(法政大学出版局、2022年、所収)、『黄禍論――百年の系譜』(講談社選書メチエ、2020年)ほか。

FUNI(ふに)
中央大学国際経済学部卒業。2002-2010年KP(Korean Power,Korean Pride)で活動。現在はHHP(HipHop therapy)を軸としたラップワークショップを少年院、識字学級、国内外で実施。小池百合子が朝鮮人虐殺の追悼文を送らないことをきっかけに社会運動をラップで実践する。

牧野理英(まきの・りえ)
日本大学文理学部英文学科教授。専門は現代アメリカ文学。単著に『抵抗と日系文学――日系収容と日本の敗北をめぐって』(三修社、2022年、第八回日本アメリカ文学会賞)。共編著に『アジア系トランスボーダー文学――アジア系アメリカ文学研究の新地平』(小鳥遊書房、2021年)などがある。

松坂裕晃(まつさか・ひろあき)
立命館大学国際関係学部准教授。Ph.D.(歴史学、ミシガン大学)。グローバルヒストリー、思想史、人種・エスニシティ研究。論文に“Cross-Imperial Critique of Border Control: Japanese Socialists’ Responses to the US Immigration Act of 1924,” Takahiro Yamamoto, ed., Documenting Mobility in the Japanese Empire and Beyond (Palgrave Macmillan, 2022)など、共訳書にパトリシア・ヒル・コリンズ『インターセクショナリティの批判的社会理論』(勁草書房、2024年)など。

南川文里(みなみかわ・ふみのり)
同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科教授。博士(社会学)。社会学・アメリカ研究。主な著書として、『アファーマティブ・アクション――平等への切り札か、逆差別か』(中公新書、2024年)、『アメリカ多文化社会論[新版]――「多からなる一」の系譜と現在』(法律文化社、2022年)など。

目黒志帆美(めぐろ・しほみ)
東北大学大学院国際文化研究科准教授。専門はハワイ史、アメリカ研究。主な業績に『フラのハワイ王国史――王権と先住民文化の比較検証を通じた19世紀ハワイ史像』(御茶の水書房、2020年)など。

柳川大貴(やながわ・だいき)
一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了。現在、同研究科博士課程に在籍。専門は移民研究、人種・エスニシティ研究。日本における移民統合・同化のあり方を、在日コリアンの集団および個人のアイデンティティより研究している。

山田亜紀(やまだ・あき)
玉川大学リベラルアーツ学部准教授。UCLA教育学大学院修了(PhD)。主な著作に、書籍『ロサンゼルスの新日系移民の文化・生活のエスノグラフィ』(2019)、「ロサンゼルス日系コミュニティーにおける新一世の教育ストラテジー」(移民研究年報、24号:2018)、“Shin-Issei Identity Politics in Los Angeles” (Japanese American Millennials Rethinking Generation, Community and Diversity, 2019)など。

山本秀行(やまもと・ひでゆき)
神戸大学大学院人文学研究科教授。専門はアメリカ文学・演劇(特にアジア系アメリカ人の文学・演劇)。主要業績:『アジア系アメリカ演劇――マスキュリニティの演劇表象』(単著、世界思想社、2008年)、『アジア系アメリカ文学を学ぶ人のために』(共編著、世界思想社、2011年)、『アジア系トランスボーダー文学――アジア系アメリカ文学研究の新地平』(共編著、小鳥遊書房、2021年)など。

吉川太惠子(よしかわ・たえこ)
法政大学・獨協大学非常勤講師。同志社大学アメリカ研究科博士前期課程(修士)、法政大学国際文化学部博士後期課程(博士)。主な業績に『ディアスポラの民モン――時空を超える絆』(単著、めこん、2013年)、「杉原千畝」『国境を越えるヒューマニズム』(共著、法政大学出版局、2013年)など。

吉田晋也(よしだ・しんや)
一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了。現在、ミネソタ大学大学院歴史学研究科博士課程に在籍。専攻は20世紀アメリカ史、人種/エスニシティ研究、アメリカ-アジア関係史。主要な業績は“Across the Pacific: Overseas Chinese Franchise and Chinese America, 1912-1914,” The Journal of American and Canadian Studies 42: 31-52, 2024.

吉田のえる(よしだ・のえる)
中央大学大学院総合政策研究科修士課程修了。現在、同研究科博士課程に在籍。専門は、植民地期の日朝人物交流史、吉野作造をはじめとする日朝知識人研究、大正デモクラシー研究。

吉原真里(よしはら・まり)
ハワイ大学アメリカ研究学科教授、東京大学グローバル教育センター教授。専門はアメリカ文化史、アジア=アメリカ関係史、ジェンダー研究、カルチュラル・スタディーズ。著書に『「アジア人」はいかにしてクラシック音楽家になったのか?――人種・ジェンダー・文化資本』(アルテスパブリッシング、2013年)、『親愛なるレニー――レナード・バーンスタインと戦後日本の物語』(アルテスパブリッシング、2022年)、『不機嫌な英語たち』(晶文社、2023年)など多数。

李里花
編著者紹介を参照。

上記内容は本書刊行時のものです。