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学校現場における里親家庭で暮らす子どもへの支援 ジョン・デガーモ(著) - 明石書店
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学校現場における里親家庭で暮らす子どもへの支援 (ガッコウゲンバニオケルサトオヤカテイデクラスコドモヘノシエン) 里親、ソーシャルワーカー、教員へのガイド (サトオヤソーシャルワーカーキョウインヘノガイド)
原書: HELPING FOSTER CHILDREN IN SCHOOL

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発行:明石書店
四六判
224ページ
並製
価格 2,700円+税
ISBN
978-4-7503-5680-8   COPY
ISBN 13
9784750356808   COPY
ISBN 10h
4-7503-5680-8   COPY
ISBN 10
4750356808   COPY
出版者記号
7503   COPY
Cコード
C0037  
0:一般 0:単行本 37:教育
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2023年12月1日
書店発売日
登録日
2023年11月7日
最終更新日
2023年12月22日
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紹介

家庭養育が推進される一方、学校現場では社会的養護に関する知識が不足している。本書は、学校での里親養育支援のあり方について、里親、ソーシャルワーカー、教員それぞれの立場から、初学者にも分かりやすい形でまとめられた教育関係者必携の実践書である。

目次

序文[ハロルド・スローク]

 謝辞
 はじめに

第1章 里親養育――入門編
 米国における里親制度の沿革
 里親養育
 里親養育下の子どもたち
 面会交流
 里親
 ソーシャルワーカー

第2章 里親委託がもたらす混乱
 不安障害
 反応性アタッチメント障害
 うつ病
 怒り

第3章 学業成績と学校での行動

第4章 里親制度からの「自立」
 ホームレス状態
 失業
 貧困
 犯罪行為
 自立生活スキル
 ヘルスケアとメンタルヘルス
 妊娠

第5章 教員・ソーシャルワーカー・里親はなぜ苦戦するのか
 教員
 ソーシャルワーカー
 里親

第6章 里子の学校生活に何を期待すべきか
 読書能力の発達ステージ
 行動

第7章 教員にできること

第8章 里親にできること

第9章 ソーシャルワーカーにできること

第10章 支援チームの結成

付録 里親養育下の新規生徒の受け入れ手順とチームミーティング資料
 ソーシャルワーカー・里親・教員用チェックリスト
 里子支援チームミーティング評価フォーム
 ミーティング評価フォーム

 参考文献

 監訳者あとがき
 著者・監訳者・訳者紹介

前書きなど

はじめに

 教職に就いた当初、里親になる前の私は、里親養育について、また里子について、ほとんど何も知らなかった。実際、私が里親養育下の子どもたちや里親制度について知っていると思っていたことは、真実からほど遠いものだった。一般の人たちと同じように、私も里子について間違った考えや信念をもっていたし、その多くはネガティブなものだった。これは主に、社会にあふれている誤った固定観念によるものだった。その結果、自分の教室にいる里親養育下の生徒たちが抱える多くの切実なニーズに応える準備ができていなかった。さらに、大学で何年も学び、教育に関するワークショップにも参加していたにもかかわらず、教室でさまざまな苦労をする里子たちへ最適な支援を届けるための訓練は受けていなかったし、同僚もそうだった。
 何人かの里子を自宅に迎え入れては送り出した後、私は里子たちのために自分の教え方を見直す必要があるだけでなく、自分自身が里子たちの学校での擁護者になる必要があるのだということを理解し始めた。私は、同僚の教員たちの教室で、自分の里子たちが悪戦苦闘しているのを見た。また、その教員たちが、里子が日常的に経験しているさまざまな情緒的困難を理解していないのも目の当たりにした。実際、私が自分の里子のために丁寧に口を挟まなければならないこともあった。また、同僚の教員とテーブルを挟んで、私の里子の行動がどれほど授業の妨げになっているか話し合わなければならないこともあった。同僚と里子の両者をよりよく支援したいという思いから、私はこのテーマを追究するために博士課程に進んだ。私は単に、里子たちが学校でうまくやれるように助けたい、そして里子たちの苦労について学校側の意識を高めたいと思ったのだ。
 里子は概して、一般家庭の生徒たちと比べて、経済的に恵まれない家庭の子どもたちと同様に、学力面と行動面で平均を下回る傾向がある。里親養育を受けている子どもの大半は、公立学校に在籍している間に行動上の問題を経験する。また、ネグレクトが原因で実親家庭から離れた里子は、さまざまな成長発達の遅れを積み重ねている。例えば、言語能力や語彙の発達が不十分で、コミュニケーション能力が損なわれていることがある。
 里子たちは学力が低いことが多く、また教育目標の異なる別の学区から転入してきた苦労もあるため、里子たちが通う学校の教員たちは、このことをしっかり意識する必要がある。里子たちは里親宅にいる間、多くの個人的・情緒的な問題と悪戦苦闘しており、夕方から夜の時間には宿題どころではないことが多い。日によっては、里子の直面している情緒的な問題の対処に追われる晩もある。里親は、里子を受け持つ教員にこのことを伝え、協力してもらう必要がある。また、教員はこのことを念頭に置いて、子どもの問題に配慮しながら宿題を出す必要がある。里親は、里子の転入時に、学校の教員やスクールカウンセラー、場合によっては管理職にも会って、これらの懸念を説明することが大切だ。私がかつてそうであったように、彼らも里子と接した経験があまりなく、里子がどのような課題に直面しているのかもわからない可能性が高いからだ。
 もしあなたが里親なら、教員たちに連絡を取り、できるだけ多くの情報提供とその頻繁なアップデートを求める必要がある。あなたが里子の学校生活に積極的に関わり、関心をもつことが、里子が学校でうまくやるために不可欠なのだ。学校でボランティア活動をする方法を探してほしい。課外活動に積極的に参加するよう、里子を励ましてほしい。里子の学校の勉強に関心をもち、毎晩、本人にできる限りのことをさせるようにしてほしい。勉強を手伝い、よくできたときは褒めてほしい。小学校低学年の里子がいる場合は、毎晩、読み聞かせをしてあげるか、音読するのを聞いてあげてほしい。綴りや作文の勉強を手伝ってあげてほしい。端的にいうと、教員たちに対する里子の擁護者、そして学校での里子の擁護者になってほしいのだ。
 本書では各章の初めに、その章のテーマに関連して、里親や里親と一緒に仕事をしたことがある人の個人的な体験談を載せている。これらの体験談は、里親制度のなかに身を置いて日々を過ごし、里子と関わりながら働く喜びや悲しみ、そして困難を経験した人ならではの見識を含んでいる。これらを読むことで、里親養育に関し、どのような研修や書籍からも得られないような貴重な知見を得ることができるだろう。また、付録として、里親養育下の新規生徒の受け入れ手順とチームミーティングのテンプレートをつけている。これらはコピーして個人で使用することができる。
 これを書いている今、私の住んでいる地域では学校が始まろうとしている。現在わが家で暮らしている二人の里子の担任の先生方とは、すでに会っている。幸いなことに、先生方は、長年にわたって私たち夫婦が迎えた多くの里子たちを教えた経験があり、先生方とは、良いときにも悪いときにも健全な協働関係を築くことができた。里親・教員・ソーシャルワーカーが力を合わせてこそ、里子が学校でうまくやっていける可能性が生まれるのだ。

 (…後略…)

著者プロフィール

ジョン・デガーモ  (ジョン デガーモ)  (

アメリカ・ジョージア州在住。教育分野において博士号を取得し、里親養育機関のコンサルタントを務めながら、TEDxTalksでの講演や、CNNのメディア出演など、里親養育制度や養子縁組制度の改善と普及に努めている。自身もこれまでに40人以上の子どもを養育してきた里親・養親であり、その経験をもとに講演や研修を行っている。
[主な著書]
Love and Mayhem: One Big Family's Uplifting Story of Fostering and Adoption(Jessica Kingsley Publishers、2014年)
The Foster Parenting Manual: A Practical Guide to Creating a Loving, Safe and Stable Home(Jessica Kingsley Publishers、2013年)

中村 豪志  (ナカムラ タケシ)  (監訳

愛知県立大学人間発達学研究科博士後期課程単位取得満期退学。修士(人間発達学)、社会福祉士。尾張旭市・瀬戸市スクールソーシャルワーカーを経て、現在、早稲田大学社会的養育研究所研究助手。専門はスクールソーシャルワーク、子ども家庭福祉。
[主な著書・論文等]
「スクールソーシャルワーク支援における『秘密の保持』の配慮・工夫のプロセス」(『人間発達学研究』第14号、p.43-51)
「スクールソーシャルワーク支援における2021年『個人情報保護法』改正の意義と課題」(『人間発達学研究』第13号、p.73-80)

高石 啓人  (タカイシ アキト)  (監訳

早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。博士(文学)。山梨県立大学講師等を経て、現在、日本大学文理学部助教。専門はスクールソーシャルワーク、児童福祉。
[主な著書]
『教職をめざす人のための特別支援教育――基礎から学べる子どもの理解と支援』(分担執筆、福村出版、2021年)
『子どもの権利と多様な学び』(分担執筆、エイデル研究所、2020年)

上鹿渡 和宏  (カミカド カズヒロ)  (監訳

博士(福祉社会学)、児童精神科医。佐久総合病院、静岡県立こころの医療センター、京都市児童福祉センター、信州大学医学部、長野大学社会福祉学部等を経て、現在、早稲田大学人間科学学術院教授、社会的養育研究所所長。厚生労働省「新たな社会的養育の在り方に関する検討会」構成員。2023年度よりこども家庭審議会委員。
[主な著書・訳書]
『シリーズみんなで育てる家庭養護 中途からの養育・支援の実際――子どもの行動の理解と対応』(共編、明石書店、2021年)
『欧州における乳幼児社会的養護の展開――研究・実践・施策協働の視座から日本の社会的養護への示唆』(福村出版、2016年)
ジリアン・スコフィールド『アタッチメント・ハンドブック――里親養育・養子縁組の支援』(共監訳、明石書店、2022年)
チャールズ・A・ネルソン、ネイサン・A・フォックス、チャールズ・H・ジーナー『ルーマニアの遺棄された子どもたちの発達への影響と回復への取り組み――施設養育児への里親養育による早期介入研究(BEIP)からの警鐘』(共監訳、福村出版、2018年)
カレン・バックマン、キャシー・ブラッケビィ他『フォスタリングチェンジ――子どもとの関係を改善し問題行動に対応する里親トレーニングプログラム』(共監訳、福村出版、2017年)

佐藤 明子  (サトウ アキコ)  (

東京大学理学部生物化学科卒業。理化学研究所勤務を経て、英語・フランス語翻訳に携わる。
[主な訳書]
ジェニファー・ウェイクリン『里親養育における乳幼児の理解と支援』(共訳、誠信書房、2023年)
トマ・ピケティ『来たれ、新たな社会主義』(共訳、みすず書房、2022年)
ウィリアム・R・ミラー、キャスリーン・M・キャロル『アルコール・薬物依存症を一から見直す』(共訳、誠信書房、2020年)

上記内容は本書刊行時のものです。