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東アジア理解講座 金 光林(編著) - 明石書店
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東アジア理解講座 (ヒガシアジアリカイコウザ) 歴史・文明・自然・環境 (レキシブンメイシゼンカンキョウ)

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発行:明石書店
A5
320ページ
並製
価格 3,000円+税
ISBN
978-4-7503-5597-9   COPY
ISBN 13
9784750355979   COPY
ISBN 10h
4-7503-5597-6   COPY
ISBN 10
4750355976   COPY
出版者記号
7503   COPY
Cコード
C0036  
0:一般 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2023年4月30日
書店発売日
登録日
2023年4月25日
最終更新日
2023年6月23日
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紹介

新潟産業大学特別講座「東洋史」(2022年春学期)は国内はもとより中国、カザフスタンからも多彩な講師を迎え、「東アジアの歴史・文明・自然・環境」などについて、オムニバス形式での授業をおこなった。本書はそれをもとに一冊に構成した。

目次

 まえがき
 『東アジア理解講座――歴史・文明・自然・環境』本書の概要

第一部 東アジアとは?

第一章 十九世紀に海を渡った一本の標木から考える東アジア[金光林]
 一、新潟の海岸に漂着した一本の標木
 二、峨眉山の山麓に建立された良寛の詩碑
 三、標木が朝鮮のチャンスンである可能性
 四、朝鮮に生まれた峨眉山の地名
 五、東アジア史の正確な理解のために

第二章 東アジアとは?[宋念申]
 一、アイデンティティとしての「アジア」を問う
 二、「東アジア」とは?
 三、中国はChinaではない。日本はJapanではない
 四、ロマンチック・アジア
 五、おわりに――共同体の視点から見た東アジアの近代性

第三章 東アジア文明の諸相――東アジア文明認識における若干の問題[金勲]
 一、東アジアの「道文化圏」
 二、東アジアの「漢字文化圏」
 三、東アジアにおける「大乗仏教文化圏」
 四、東アジアにおける「儒教文化圏」
 五、「東アジア文化圏」

第四章 ユーラシアの自然環境[沼岡努]
 一、中国大陸の自然環境――地質構造・地形を中心として
 二、ヒマラヤ山脈とアジアモンスーン
 三、ロシアの永久凍土とタイガ
 おわりに

第二部 東アジアの地域

第五章 アジアにおける仏教美術の地域的特性[片岡直樹]
 はじめに
 一、インド
 二、中国
 三、韓国
 四、東南アジア(タイ)
 五、日本
 むすびにかえて

第六章 中央アジアと東アジアの関係――その過去と現在[キム・ゲルマン]
 一、地理および文明は地域や国の歴史に影響を与える
 二、ユーラシア諸国を結ぶ古代シルクロードと新シルクロード
 三、中央アジアと東アジアの関係――その古代から現代までの諸要因
 四、中央アジアと日本の今日的関係
 五、カザフスタンと韓国の関係における韓国人ディアスポラの影響力
 結論

第七章 近現代におけるモンゴル世界の多様化[ボルジギン・ブレンサイン]
 はじめに
 一、世界各地のモンゴル人
 二、モンゴル人とは誰のことを指すのか
 三、モンゴル人の農耕化
 四、モンゴル人の都市化
 五、ステレオタイプは如何につくられたのか
 おわりに

第八章 ベトナムの「家訓」文献から見たベトナム人の礼[佐藤トゥイウェン]
 はじめに――要旨を兼ねて
 一、ベトナム「家訓」文献の現存状況
 二、字喃(チュノム)による翻案とその歴史
 三、ベトナム「家訓」文献から見る往時のベトナム人の礼
 おわりに

第三部 東アジア間の交流と統合

第九章 〈踏み落とし〉再考――要らざる用語を安易に用いるなかれ[古田島洋介]
 序言
 一、近体詩の基礎
 二、〈踏み落とし〉という言葉
 三、〈踏み落とし〉の孤立性と語弊
 四、〈踏み落とし〉の比率
 五、近体七言詩〈踏み落とし〉=〈第一句/不押韻〉の作品
 結語

第十章 高齢化社会で注目される伝統医学――中国・日本における漢方医学[魯紅梅]
 序
 一、伝統医学をめぐるWHOの働き
 二、西洋医学と漢方医学の特徴
 三、中国における伝統医学
 四、日本における漢方医学の歴史
 五、疾病構造の変化と西洋医学の限界
 六、再び注目される漢方
 七、政府支援と漢方医学の普及
 八、今後の課題
 結語

第十一章 東アジアの国際関係――地域統合の可能性について[若月章]
 はじめに
 一、〈東アジア地域〉の国際関係の経緯とその特徴
 二、東アジアにおける“新”国際関係秩序の構築に向けた現状と可能性
 おわりに

第十二章 東アジア地域における「人的・文化的交流」の歴史と「共生」――日韓の架け橋となった人々を中心に[権寧俊]
 はじめに
 一、日中韓関係の現状と課題
 二、日韓の人的・文化的交流の歴史
 三、日韓「共生社会」にむけて
 おわりに

 コラム 朱子学の伝統は現代社会の危機を救える[エマニュエル・パストリッチ]

 執筆者一覧

前書きなど

まえがき

 本書は、ユーラシア財団 from Asia の新潟産業大学への助成講座「ユーラシア共同体のための東アジアの歴史・文明・自然・環境への理解」の二〇二二年度および二〇二三年度の講師の方々と協力しながら、編纂したものである。日本国内外の十四名の講座に関わる研究者陣によって編纂された本書には、東アジアの歴史・文明・自然・環境などに関する内容が幅広く盛り込まれ、東アジア理解のための大学のテキスト・参考書として、また一般読者の東アジア理解にも役立つ書物ともなっている。
 編者は新潟産業大学経済学部で二〇一一年度からこれまで十年以上にわたり、「東洋史」の講義を担当してきた。その間、日本の大学教育における東アジアの歴史に関する内容が中国史中心に展開されている場合が多く、統合的な地域史として東アジア全体に対する均衡のとれたアプローチに欠けるところがあると常々感じてきた。また、近年は東アジアの政治・経済に関する内容が増加の傾向にある中、アジアの歴史・文化の側面から東アジア全体に対する多面的理解を助ける、分かりやすい書物が意外と少ないことにも気がついた。
 こうした問題点を感じている中で、幸い二〇二二年度から新潟産業大学の「東洋史」講義をユーラシア財団 from Asia の助成講座として開講する運びとなった。コロナパンデミックの最中に急速に普及したオンライン講義にも助けられ、日本国内外から多彩な講師を迎え、それぞれの講師の専門分野を生かした形で、東アジアについて幅広い内容の講義をオムニバス形式で行うことができた。そのおかげで二〇二二年度の春学期に開講された「東洋史」講義には大勢の学生と市民が受講し、授業は好評を得た。
 そこで、二〇二二年度・二〇二三年度のユーラシア財団 from Asia の新潟産業大学への助成講座の講師の方々と協力し、この助成講座のテキストとして、また大学教育における東アジア理解の参考書としても活用してもらうことを目的に本書を編纂した。本書は十二篇の論文と一篇のコラムで構成されている。

 (…後略…)

著者プロフィール

金 光林  (キン コウリン)  (編著

新潟産業大学経済学部教授
東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。【専門】東アジア文化史・比較文学。【著書】編集協力『北東アジア事典――環日本海圏の政治・経済・社会・歴史・文化・環境』(3項目執筆、国際書院、2006年)、共著『歴史・文化からみる東アジア共同体』(創土社、2015年)、編集協力『森鷗外事典』(6項目執筆、新曜社、2020年)。【論文】「高麗神社からみた朝鮮渡来文化」(『比較文学研究』第64号、1993年)、“A Comparison of the Korean and Japanese Approaches to Foreign Family Names”(Journal of Cultural Interaction in East Asia Volume 5、2014年)など。

上記内容は本書刊行時のものです。