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取引情報
北欧の教育再発見
ウェルビーイングのための子育てと学び
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2023年4月30日
- 書店発売日
- 2023年4月28日
- 登録日
- 2023年2月24日
- 最終更新日
- 2023年5月2日
紹介
「北欧の教育と子育てを等身大に理解するための本」第二弾。人々のウェルビーイングや基本的な権利、多様な人との共生をテーマに、北欧の第一線で活躍する研究者をはじめとする知見も経験も豊富な執筆者によって、北欧教育の美点と課題を立体的に紹介した。
目次
はじめに
0 北欧人教師との出会いからもうすぐ250年
第1章 北欧モデルの現場から
1 就学前から始まる「話し合う」生活文化
2 「教育の輸出」に励むフィンランド
3 スウェーデンで広がるeスポーツ教育
4 6歳からの史料批判
5 教師から政治家に
6 平等の国アイスランドの私立園
7 フィンランドの「村の学校」の行方
8 揺らぐ「民主主義のモデル」としての学校
9 担い手不足の学校理事会
10 スウェーデンのエリート高校
11 個人情報にたじろぐスウェーデンの学校
12 スウェーデン・キルナ 町ごとの引っ越しと学校
13 レゴ社と市が協働する子ども中心の街づくり
14 世界で最も持続可能で差別のない地域を目指して
第2章 子どもと大人のウェルビーイング
1 フィンランドのウェルビーイング・デイ
2 子どもと大人を支援する特別支援学校・センター
3 受講生に時給? スウェーデンのサマースクール
4 スウェーデンの高校生の夏期講習
5 全国学力テストを廃止し新テストに
6 市も協力 教員の働き方改革
7 掃除は仕事ではない! 教員組合が反発
8 デンマークの学校給食論争 背後に貧困問題
9 放火や対教師暴力 SNSで広がる学校の荒れ
10 皇太子妃も取り組むデンマークのいじめ対策
11 子どもへのわいせつ行為 デンマークの対策
12 スウェーデンの性教育とユースクリニック
第3章 多様な人と共に暮らす
1 白夜の国のムスリムとイスラーム学校
2 「ゲットー」と地域スポーツクラブ
3 異文化の境界に鳴るキックオフの笛
4 フィンランドにおける「継承語教育」
5 障害のある人のための「食育」
6 カラフル靴下が拓くダウン症への理解
7 LGBTQ+関連のイベントと学校
8 デンマークの男性保育者
9 タトゥーと学校
10 学校の食堂で高齢者がランチ
11 平和の担い手を育てる体系的な取り組み
12 「こぼれ落ちた人たち」にも開かれた民衆大学
第4章 ゆりかごから墓場まで
1 デンマークの「森の幼稚園」
2 学びの土台をつくるデンマークの「0年生」
3 学校向けに多数のサービス ノーベル博物館
4 お誕生会は一大事!
5 放課後活動は楽団からピカチュウまで
6 コミュニケーションを生み出すデジタル端末
7 成績表が存在しないデンマークの多様なテスト
8 フィンランドの中退予防策 JOPOクラス
9 ノルウェーの高校にある10の職業科コース
10 組織的カンニングに揺れるスウェーデン
11 スウェーデンの成人教育機関コムブクス
12 教師が皆、留学経験を持つ社会へ
13 キャリアチェンジと生涯学習を支えているもの
おわりに
初出一覧
前書きなど
はじめに
本書は、「北欧の教育と子育てを等身大に理解するための本」の第2弾です。北欧の教育というと、とかく憧れの眼差しで見られたり、理想郷のように語られたりしがちです。でも現地では、人々の挑戦や葛藤の姿も見られます。光も影も合わせて見た時に、お互いに学べることがあるのではないか。そんな想いで執筆者、編者一同取り組んできました。
第1弾『北欧の教育最前線――市民社会をつくる子育てと学び』(2021年、明石書店)には、いろいろな方からリアクションをいただきました。研究者仲間が読書会を開いてくれたこともありました。市民講座や公開講座で話をさせていただいたときは、少しでも日本の教育や社会を良くしようと取り組まれている先生方や地域の方に出会いました。ママ友から、「読んだよ!」と声をかけてもらうこともありましたし、興味を持ってくださった方が北欧に視察に訪れ、その経験を今度はご自身で執筆してくださった例もありました。
編著を行った「北欧教育研究会」は、研究者のみならず、社会人や主婦(夫)、学生など、多様な人たちが集まるいわば「北欧ファンクラブ」です。ですので、第1弾を出版したことがきっかけで、ますます北欧のファンの輪が広がっていくことは本望です。本書を手に取っていただいた皆さまにも、その魅力を少しでも伝えられたらと思います。
本書のベースになっているのは、編者メンバーのうち3人が2018年に子連れでスウェーデンのウプサラに渡航したことをきっかけに、『教育新聞』に掲載させていただいた連載記事「世界の教室から 北欧の教育最前線」です。さまざまな立場や専門領域をもつ北欧教育研究会のメンバーがオムニバスで書いてきました。本書は、第1弾の書籍にまとめたもの以降に掲載された記事を中心に、書き下ろし原稿も含めて構成しました。
本書の構成を考えるために記事を並べてみると、人々のウェルビーイングや基本的な権利、多様な人との共生をテーマにした記事が多いことに気付きました。子どもの権利やウェルビーイングはもちろん、それに関わる大人たちのウェルビーイングも大事にされていることが北欧の特徴かもしれません。それらの記事を第2章と第3章に持ってきました。第1章は、「ザ・北欧モデル」とも言えそうな実践とその変容、第4章は、幼少期から成人期までつながる生涯学習社会を垣間見てもらおうと、年齢・学校段階ごとの記事を集めました。
(…後略…)
上記内容は本書刊行時のものです。