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アタッチメント・ハンドブック ジリアン・スコフィールド(著) - 明石書店
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アタッチメント・ハンドブック (アタッチメントハンドブック) 里親養育・養子縁組の支援 (サトオヤヨウイクヨウシエングミノシエン)
原書: Attachment Handbook For Foster Care And Adoption

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発行:明石書店
A5判
528ページ
並製
価格 3,800円+税
ISBN
978-4-7503-5493-4   COPY
ISBN 13
9784750354934   COPY
ISBN 10h
4-7503-5493-7   COPY
ISBN 10
4750354937   COPY
出版者記号
7503   COPY
Cコード
C0036  
0:一般 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2022年11月25日
書店発売日
登録日
2022年10月25日
最終更新日
2022年12月9日
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紹介

子どもの心と行動、養育者の心と行動の相互作用を理解するうえで重要な概念であるアタッチメント。本書は、アタッチメント理論を実践の場で活用したいと願う人たちに向けて書かれた。里親、養親、彼らを支援する人々にとって治療的養育の実践ガイドとなる一冊。

目次

 謝辞
 第2版
 前書き
 第2版への前書き

 はじめに

第Ⅰ部 アタッチメント理論

第1章 アタッチメント理論――中心的な概念
 ボウルビィとアタッチメント理論の起源
 近接性希求と安全基地の重要性
 マインドマインデッドネスと感情・行動の調整
 適応、心的表象、内的ワーキングモデル
 発達経路――内的ワーキングモデルの継続性と変化
 アタッチメント形成と発達――主な段階
 安定型・不安定型のアタッチメント
 アタッチメント障害
 安定型/不安定型アタッチメントの測定
 まとめ
 実践に向けた重要なメッセージ

第2章 安定型/自律型のパターン
 乳児期(出生~生後18カ月)
 小児期早期(生後18カ月~4歳)
 小児期中期(5~10歳)
 思春期(11~18歳)
 成人期と子育て期
 まとめ

第3章 回避型/軽視型のパターン
 乳児期(出生~生後18カ月)
 小児期早期(生後18カ月~4歳)
 小児期中期(5~10歳)
 思春期(11~18歳)
 成人期と子育て期
 まとめ

第4章 アンビバレント型、抵抗型、とらわれ型のパターン
 乳児期(出生~生後18カ月)
 小児期早期(生後18カ月~4歳)
 小児期中期(5~10歳)
 思春期(11~18歳)
 成人期と子育て期
 まとめ

第5章 無秩序型/統制型/未解決型のパターン
 無秩序とマルトリートメント
 乳児期(出生~生後18カ月)
 小児期早期(生後18カ月~4歳)
 小児期中期(5~10歳)
 思春期(11~18歳)
 成人期
 まとめ

第Ⅱ部 安全基地モデル

 はじめに
 利用可能性――子どもの信頼感を育む
 敏感性――子どもが感情に対処できるよう手助けする
 受容――子どもの自尊感情を形成する
 協調――子どもの効力感を育む
 家族メンバーシップ――子どもの所属感を育む

第6章 利用可能性――子どもの信頼感を育む
 子どもが委託家庭に持ち込むもの
 里親や養親がするべきこと
 乳児期(出生~生後18カ月)
 小児期早期(生後18カ月~4歳)
 小児期中期(5~10歳)
 思春期(11~18歳)
 結論
 まとめ
 子どもの信頼感を育むためのアプローチ

第7章 敏感性――子どもが感情に対処できるよう手助けする
 子どもが委託家庭に持ち込むもの
 里親や養親がするべきこと
 乳児期(出生~生後18カ月)
 小児期早期(生後18カ月~4歳)
 小児期中期(5~10歳)
 思春期(11~18歳)
 結論
 まとめ
 子どもが感情に対処できるよう手助けするためのアプローチ

第8章 受容――子どもの自尊感情を形成する
 子どもが委託家庭に持ち込むもの
 里親と養親がするべきこと
 乳児期(出生~生後18カ月)
 小児期早期(生後18カ月~4歳)
 小児期中期(5~10歳)
 思春期(11~18歳)
 結論
 まとめ
 子どもの自尊感情を形成するためのアプローチ

第9章 協調――子どもの効力感を育む
 子どもが委託家庭に持ち込むもの
 里親と養親がするべきこと
 乳児期(出生~生後18カ月)
 小児期早期(生後18カ月~4歳)
 小児期中期(5~10歳)
 思春期(11~18歳)
 結論
 まとめ
 子どもの効力感を育むためのアプローチ

第10章 家族メンバーシップ――子どもの所属感を育む
 子どもが委託家庭に持ち込むもの
 里親と養親がするべきこと
 乳児期(出生~生後18カ月)
 小児期早期(生後18カ月~4歳)
 小児期中期(5~10歳)
 思春期(11~18歳)
 結論
 まとめ
 子どもの所属感を育むためのアプローチ
 安全基地モデルの五つの側面のまとめ(図表9)

第Ⅲ部 理論と実践

第11章 アタッチメントと一般的な行動の問題
 子どもが委託家庭に持ち込むもの
 アタッチメント理論の適用
 行動の問題
 まとめ

第12章 アタッチメントを念頭に置いて①――子どものソーシャルワーカーの役割
 子どものアセスメントと計画
 年齢に関連する強みと困難さを特定する
 計画とマッチング
 ソーシャルワーカーの子どもとの関係性と仕事
 まとめ

第13章 アタッチメントを念頭に置いて②――里親養育・養子縁組のソーシャルワーカーの役割
 里親と養親のアセスメント
 里親と養親へのサポート
 結論
 まとめ

第14章 アタッチメントと交流
 乳児期(出生~生後18カ月)
 小児期早期(18カ月~4歳)
 小児期中期(5~10歳)
 思春期(11~18歳)
 結論
 まとめ

今後の展望――子ども、家族、ソーシャルワーカーに安全基地を提供する

 参考文献
 監訳者後書き
 索引

前書きなど

はじめに

 (…前略…)

本書の主な目的は、専門家、里親、養親が、アセスメントの実施や報告書の作成、意思決定などを行ったり、子どもの人生を立て直す助けになる日々の養育の提供や関係性の構築を行ったりする際に、アタッチメントという概念をより正確かつ建設的な方法で活用できるよう、アタッチメント理論とその研究を説明することにある。アタッチメント理論は、ファイルや報告書に記載された詳細な情報からわかる事実を理解する手がかりになるだけではなく、家庭への委託が必要な子どもの理解できない行動を理解する助けにもなる。アタッチメント理論の助けを借りれば、悲しい時に微笑んだり、自分を虐待した親にくっついて離れなかったり、新たな家庭で、子ども自身が何より恐れている拒絶を引き起こすような行動をとってしまう子どもへの理解を深めることができる。
 アタッチメントと発達に関する理論と研究の知識は、養育者が子どもの行動を理解し、手助けとなる対応を計画するための情報として役立つが、この対応は常に、子ども1人ひとりの強みと困難さ、ニーズを慎重に配慮したものでなければならない。課題は、思考、情動、行動のパターンに関わる理論と研究をどのように活用すれば、唯一無二の子ども1人ひとりの思考、情動、行動への対応を保ちつつ、養育の治療的な側面を強められるかだ。
 同じく重要な事実は、アタッチメント理論は、里親と養親が、問題を抱えた子どもに対する自分の反応が意味をなさないように思える時に、何が起こっているのかを理解するのに役立つことである。里親と養親は、親としての役割に幅広い経験をもって臨むが、どれほど経験豊富で入念に準備を整えた、敏感な親であっても、子どもが自分の内面に掻き立てるさまざまな強烈な感情に驚かされることがある。子どもを愛し守りたいという強い欲求と、同じくらい強烈な怒りと悲しみの感情が共存することもある。子どもの心と行動、養育者の心と行動の相互作用こそが、アタッチメント理論と、本書で検討する安全基地モデルという治療的養育の枠組み(Beek and Schofield,2014a, b)のまさに中核を成すものなのだ。
 本書では、家庭への委託の実践――アタッチメント理論を、子どもに関わって働く、または養育する上でどう役立てられるか――という視点から、アタッチメント理論とその研究について説明していく。本書は、ソーシャルワーカー、家族、子どもに実践的に役立つことを目的としているため、子どもの行動を説明する理論的モデルを示すとともに、アタッチメント理論を基盤とする養育の安全基地モデルも紹介していく。この安全基地モデルは、子どもの安心とレジリエンス(回復力)を高め、子どもが新たな発達課題を達成しやすくなるための実践的な枠組みとなるものだ。援助や支援を的確に把握するには、子どもと養育者1人ひとりの強みや脆弱性を考え、これらを理解することが重要だろう。

 (…後略…)

著者プロフィール

ジリアン・スコフィールド  (ジリアン スコフィールド)  (

イースト・アングリア大学の児童・家庭福祉学の教授。経験豊富なソーシャルワーカーであり、数年間、訴訟後見人として活動してきた。研究と教育のテーマは、アタッチメン理論と家庭委託の実践、子どもの発達に対するマルトリートメントの影響、養育と犯罪、社会的養護のもとにいるLGBTQの若者、そして積極的なパーマネンスの選択肢としての長期里親養育の役割である。

メアリー・ビーク  (メアリー ビーク)  (

イースト・アングリア大学の研究員で、養子縁組と里親の分野で20年以上の経験がある。特に年長の子どもの里親養育や養子縁組者のトレーニングとサポートに関心がある。1997年から2018年までは、実践と研究の仕事をつなげ、里親、養子縁組、離婚に関する研究に携わってきた。この本は、トレーニングプログラムとDVD/ビデオ(Beek M and Scofield G (2006)Attachment for Foster Care and Adoption, London BAAF)も伴っている。これらは、里親、養子縁組者、実務者が本著の理論やアイデアを活用できるように設計されている。里親、養親、実践者が、この本に書かれている理論や考え方を子どもの理解や養育に活用できるように設計されている。さらに、安全基地モデルを使用するためのリソースを提供するウェブサイトもある。
www.uea.ac.uk/providingasecurebase.

御園生 直美  (ミソノオ ナオミ)  (監訳

The Tavistock & Portman NHS(University of East London)Infant mental health MA. 臨床心理士、公認心理師、博士(心理学)。白百合女子大学研究助手(助教)、The Tavistock & PortmanNHS Research Assistantを経て、現在、早稲田大学社会的養育研究所研究院客員講師。NPO法人里親子支援のアン基金プロジェクト理事。
[主な著書]
『中途からの養育・支援の実際─子どもの行動の理解と対応』(編集、2021年、明石書店)、『児童虐待における公認心理師の活動』(分担執筆、2021年、金剛出版)、『ルーマニアの遺棄された子どもたちの発達への影響と回復への取り組み――施設養育児への里親養育による早期介入研究(BEIP)からの警鐘』(監訳、2018年、福村出版)、『フォスタリングチェンジ――子どもとの関係を改善し問題行動に対応する里親トレーニングプログラム【ファシリテーターマニュアル】』(監訳、2017年、福村出版)、『乳幼児虐待のアセスメントと支援』(分担執筆、2015年、岩崎学術出版社)、『Q&A 里親養育を知るための基礎知識【第2版】』(分担執筆、2009年、明石書店)、『子育て支援に活きる心理学――実践のための基礎知識』(分担執筆、2008年、新曜社)、『世界のフォスターケア――21の国と地域における里親制度』(分担翻訳、2008年、明石書店)、『マルトリートメント子ども虐待対応ガイド』(監訳、2008年、明石書店)など。

岩﨑 美奈子  (イワサキ ミナコ)  (監訳

お茶の水女子大学大学院人間文化創成科学研究科発達臨床心理学専攻博士後期課程満期退学。臨床心理士、公認心理師、博士(人間科学)。総合病院小児科の勤務を経て、現在、早稲田大学社会的養育研究所研究院講師。
[主な訳書]
『クラインとウィニコット――臨床パラダイムの比較と対話』(分担翻訳、2020年、岩崎学術出版社)など。

高橋 恵里子  (タカハシ エリコ)  (監訳

日本財団公益事業部長。上智大学文学部卒業、ニューヨーク州立大学修士課程修了。日本財団で特別養子縁組や里親制度を推進する「子どもたちに家庭を」プロジェクトを立ち上げる。
[主な著書]
『ルーマニアの遺棄された子どもたちの発達への影響と回復への取り組み――施設養育児への里親養育による早期介入研究(BEIP)からの警鐘』(監訳、2018年、福村出版)、『助成という仕事――社会変革におけるプログラム・オフィサーの役割』(共編著、2005年、明石書店)など。

上鹿渡 和宏  (カミカド カズヒロ)  (監訳

京都府立大学大学院公共政策学研究科福祉社会学専攻博士後期課程修了。
児童精神科医、博士(福祉社会学)。病院、児童相談所、大学等での勤務を経て、2019年4月より、早稲田大学人間科学学術院教授。2020年4月より早稲田大学社会的養育研究所所長。
[主な著書]
『中途からの養育・支援の実際――子どもの行動の理解と対応』(編集、2021年、明石書店)、『ルーマニアの遺棄された子どもたちの発達への影響と回復への取り組み――施設養育児への里親養育による早期介入研究(BEIP)からの警鐘』(監訳、2018年、福村出版)、『フォスタリングチェンジ――子どもとの関係を改善し問題行動に対応する里親トレーニングプログラム【ファシリテーターマニュアル】』(監訳、2017年、福村出版)、『欧州における乳幼児社会的養護の展開――研究・実践・施策協働の視座から日本の社会的養護への示唆』(2016年、福村出版)、『イギリス・ルーマニア養子研究から社会的養護への示唆――施設から養子縁組された子どもに関する質問』(翻訳、2012年、福村出版)など。

森田 由美  (モリタ ユミ)  (

翻訳者。京都大学法学部卒業。
[主な訳書]
『ギャンブルの何が問題なのか?――国際比較から見る公共政策アプローチ』(共訳、2021年、福村出版)、『子どもが勝手に学び出す! ハーバード流 子育ての公式』(2019年、東洋経済新報社)、『ルーマニアの遺棄された子どもたちの発達への影響と回復への取り組み――施設養育児への里親養育による早期介入研究(BEIP)からの警鐘』(共訳、2018年、福村出版)、『人を育む愛着と感情の力――AEDPによる感情変容の理論と実践』(共訳、2017年、福村出版)など。

門脇 陽子  (カドワキ ヨウコ)  (

翻訳者。津田塾大学学芸学部卒業。
[主な訳書]
『ギャンブルの何が問題なのか?――国際比較から見る公共政策アプローチ』(共訳、2021年、福村出版)、『ルーマニアの遺棄された子どもたちの発達への影響と回復への取り組み――施設養育児への里親養育による早期介入研究(BEIP)からの警鐘』(共訳、2018年、福村出版)、『人を育む愛着と感情の力――AEDPによる感情変容の理論と実践』(共訳、2017年、福村出版)、『自閉症スペクトラム障害のある人が才能をいかすための人間関係10のルール』(2008年、明石書店)など。

上記内容は本書刊行時のものです。