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ミャンマーの基礎教育 吉田 夏帆(著) - 明石書店
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ミャンマーの基礎教育 (ミャンマーノキソキョウイク) 軍政から民政にかけての教育政策の効果検証 (グンセイカラミンセイニカケテノキョウイクセイサクノコウカケンショウ)

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発行:明石書店
A5判
208ページ
上製
価格 3,800円+税
ISBN
978-4-7503-5458-3   COPY
ISBN 13
9784750354583   COPY
ISBN 10h
4-7503-5458-9   COPY
ISBN 10
4750354589   COPY
出版者記号
7503   COPY
Cコード
C0037  
0:一般 0:単行本 37:教育
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2022年11月5日
書店発売日
登録日
2022年10月12日
最終更新日
2022年11月18日
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紹介

ミャンマー連邦共和国の軍政から民政にかけての約30年間における基礎教育を事例に、教育政策の実施が修学状況の改善にいかに有効に機能したのか、マクロデータから溢れ落ちてしまうミクロな修学実態に着目しつつ、社会・経済の影響を踏まえて検証をする。

目次

 はしがき
 図一覧
 表一覧

序章 本研究の目指すところ
 1 本研究の背景ならびに研究課題
 2 本研究対象の設定
 3 本研究の目的ならびに意義
 4 本書の構成

第1章 世界の教育開発の潮流と開発途上国における教育政策の効果検証
 1 世界における教育開発政策および教育目標の変遷
 2 なぜ開発途上国における教育政策の効果検証は進まないのか
 3 教育評価制度改定の効果と学習者を取り巻く社会・経済の影響
 4 ミャンマーの教育評価制度に関する先行文献

第2章 ミャンマーの基礎教育ならびに社会・経済の概況
 1 ミャンマーの基礎教育の変遷
 2 ミャンマーの社会・経済の変遷

第3章 研究方法――教育政策の効果をいかに検証するか
 1 分析フレームワーク
 2 仮説の設定
 3 調査方法
 4 学習者の社会・経済水準の分類
 5 分析対象

第4章 教育評価制度の改定前後で修学状況はいかに推移したか
 1 分析方法――修学軌跡を視覚化する
 2 修学軌跡分析の結果

第5章 学習者を取り巻く社会・経済は教育政策の効果にいかに影響するか
 1 分析方法――重回帰分析で要因を見る
 2 重回帰分析の結果

第6章 なぜ教育評価制度の改定以降も退学は解消されないのか
 1 なぜ教育評価制度改定は退学状況の改善に寄与しないのか
 2 退学の誘因は何か――退学の発生と学習者を取り巻く社会・経済状態との関連
 補論ⅰ なぜ中等教育段階におけるSES中位グループの退学状況は顕著に改善されたのか――全国規模の民主化運動(1988)に伴う学校閉鎖と学習者の就学時年齢との関連
 補論ⅱ 初等教育段階のSES高位および中位グループにおける退学の理由や背景に関する考察

第7章 なぜ教育評価制度の改定以降も留年は解消されないのか
 1 初等教育段階における学習者の留年事情
 2 中等教育段階における学習者の留年事情
 補論ⅲ 初等教育段階のSES中位グループにおける留年の理由や背景
 補論ⅳ 転校に隠された(強制)退学の可能性

第8章 教育評価制度改定は公平な教育普及に真に貢献できているのか
 1 分析対象
 2 分析方法――修了状況の格差に着目する
 3 教育評価制度改定前後における修了状況の格差はいかに推移したか
 4 各教育段階における修了状況の格差の推移にいかなる違いが見られるか
 5 なぜ修了状況の格差は拡大あるいは縮小したのか
 補論ⅴ 転出者を退学者と仮定した場合の修了状況の格差の推移のシミュレーション

終章 基礎教育の完全普及に向けて
 1 仮説の総括とリサーチクエスチョンの答え
 2 結論
 3 政策提言
 4 本研究の限界および今後の課題
 補論ⅵ 結びに代えて

 付録
  ミャンマーの国家構成
  ミャンマーの信仰宗教
  ミャンマーの民族
  ミャンマーのCOVID-19パンデミックにおける社会や教育の状況

 現地調査の風景
 文献一覧
 あとがき
 索引

前書きなど

はしがき

 SDGsの達成期限である2030年まで、残すところ10年を切った。開発途上国では、社会・経済環境が厳しい者ほど教育政策の効果を十分享受し得ない可能性が指摘される一方、教育セクターの枠組みを超えて政策効果をつぶさに検討した研究は乏しい。学習者を取り巻く社会・経済の状態が芳しくなければ、教育政策は有効に機能しないのか。いかなる方策であれば、不利な立場に残された者の状況改善に的確に対応できるのか。
 本研究は、ミャンマー連邦共和国の基礎教育を事例に、マクロデータから溢れ落ちてしまうミクロな修学実態に着目しつつ、学習者を取り巻く社会・経済の影響を踏まえた教育政策の効果検証を目的としている。具体的には、軍政から民政にかけての約30年間における社会・経済水準の異なる学習者一人ひとりの修学実態を分析し、それが教育政策の実施前後でいかに改善されたかについて検討した。そして、その修学状況の改善が本当に教育政策の効果によるものであるのか、あるいは学習者を取り巻く社会・経済の状態も影響しているのかについて重回帰分析を行い検討した。最後に、教育政策の実施前後で異なる社会・経済水準にあるグループごとの教育格差の推移を分析し、教育政策が公平な基礎教育の完全普及に真に貢献できているかについて検討した。その上で、開発途上国におけるSDGsの教育分野の目標(SDG4)達成に向けた具体的な政策提言を試みた。
 さらに、本書の最後の補論や付録では、2020年以降、世界中を混乱の渦に巻き込んだCOVID-19パンデミックが学習者の修学状況や教育政策の効果にもたらし得る影響についても考察を加えることで、議論の総括とした。本書の成果が、今後のミャンマーの、そして世界中の子どもたちの、教育状況の改善や発展につながれば望外の幸せである。

著者プロフィール

吉田 夏帆  (ヨシダ ナツホ)  (

1992年大阪府大阪市生まれ、和泉市育ち。2015年3月に関西学院大学国際学部を卒業後、同大学院国際学研究科へ進学。2020年3月、同大学院博士課程後期課程修了。博士(国際学)。
日本学術振興会特別研究員(DC1)、関西学院大学大学院国際学研究科研究員、高崎経済大学地域政策学部特命助教を経て、現在、兵庫教育大学大学院学校教育研究科教育実践高度化専攻グローバル化推進教育リーダーコース講師。専門分野は教育社会学(教育開発)ならびに国際理解教育やグローバル教育など。

上記内容は本書刊行時のものです。