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社会関係資本 ジョン・フィールド(著) - 明石書店
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社会関係資本 (シャカイカンケイシホン) 現代社会の人脈・信頼・コミュニティ (ゲンダイシャカイノジンミャクシンライコミュニティ)
原書: Social Capital Third edition

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発行:明石書店
四六判
208ページ
上製
価格 2,400円+税
ISBN
978-4-7503-5440-8   COPY
ISBN 13
9784750354408   COPY
ISBN 10h
4-7503-5440-6   COPY
ISBN 10
4750354406   COPY
出版者記号
7503   COPY
Cコード
C0036  
0:一般 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2022年11月24日
書店発売日
登録日
2022年10月12日
最終更新日
2022年12月9日
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紹介

社会の格差はどこからくるのか? それを克服する展望は? 人々の関係性に着目してこの問題に接近する「社会関係資本」概念。この概念を起源から紐解き、人脈や信頼が持つ正と負の影響力、デジタル時代の新たな動向も踏まえ、この概念の全体像を描き出す入門書。

目次

 はじめに

第1章 概念の起源
 ピエール・ブルデュ
 ブルデュの限界
 ジェームズ・コールマン
 コールマンの限界
 ロバート・D・パットナム
 パットナムの限界
 社会関係資本の古典がもたらしたもの

第2章 人脈の力
 社会関係資本と教育
 経済領域の人脈
 健康とウェルビーイングに対する効果
 犯罪と逸脱
 概念の洗練――互酬性と信頼
 概念の細分化に向けて

第3章 隘路の散策
 社会関係資本と不平等
 同質性と多様性
 社会関係資本の逆効果
 社会関係資本の隘路

第4章 インターネットは社会関係資本を破壊するのか
 パットナムの命題――コミュニティの崩壊
 SNSは社会関係資本を壊しているのか
 液状化する社会の社会関係資本――縛られない友人関係へ

第5章 社会関係資本の政策と実践
 社会関係資本のための政策を開発する理由
 社会関係資本の測定
 社会関係資本のための政策実施
 政府は社会関係資本を生成できるか

 おわりに
 訳注
 解説
 訳者あとがき
 参考文献・資料
 索引

前書きなど

はじめに

 社会関係資本概念はいま、成熟期を迎えている。本著の前版までは、この考え方が新奇性という価値を持ちつつも、確立された概念的体系を得るには至っていない段階で刊行された。現在は、異なる理論的伝統を背景に持つ社会科学者たちの多くが、学問分野を超えて、この概念を利用し発展させている。少数ながらも、この概念への批判を主題とする卓越した専門書さえ存在する。
 この成熟により、社会関係資本に関する研究は広範囲に普及した。もはや私には、社会関係資本に関する著作や論文のすべてを調査することが、大西洋を泳いで渡るよりも困難となった。ここで私がおこなったのは、特に重要であり、あるいは、広範囲に及ぶ傾向の好例であると判断した思考や議論の潮流を、要約し評価することである。つまり本書は、広範に及ぶ議論の一部を切り取ったものである。よって、もし先行研究をより深く掘り下げたいとの希望があれば、ぜひ他書をお読みいただきたい。本書の第1章で紹介しているように、パットナム、コールマン、ブルデュの著作を探索することからはじめるのが妥当だろう。彼らの著作は、今日もなお、この語の用い方を枠づけているからである。この第三版では、彼らの研究体系に基づきつつ、いくつかの文献について情報を更新するとともに、(民族的・宗教的な)多様性が私たちのコミュニティの結束に影響を与える方法や、オンラインのコミュニケーションが私たちの社会性に与えるインパクトについて触れる章を厚くした。
 本書第三版を完成させることができたのは、私を支援してくれた多くの友人や同僚のおかげである。彼らの思考があればこそ、私は、社会的紐帯の広範に及ぶ重要性についての興味とアイディアを絶えず形づくることができた。私はまた、ケルン大学の客員教授として楽しくも刺激的な時間から恩恵を得ることができ、アクティブ・シティズンシップや成人学習に関する研究をして過ごした。とりわけ協力的で気さくな同僚たち、人々の生活スタイルや民族性における多様性など、多くの理由から、ケルンは本書の最新版を刊行するのに理想的な環境であった。

著者プロフィール

ジョン・フィールド  (ジョン フィールド)  (

スターリング大学(University of Stirling)教育研究所の名誉教授。ウォーリック大学(University of Warwick)継続教育研究の名誉教授。ケルン大学(University of Cologne)の客員教授。社会関係資本と成人教育の研究を含め、生涯学習の社会経済的側面に関する広範な研究成果を残している。

佐藤 智子  (サトウ トモコ)  (

東北大学高度教養教育・学生支援機構准教授、学習支援センター副センター長。博士(教育学)。主な編著書として『学習するコミュニティのガバナンス:社会教育が創る社会関係資本とシティズンシップ』(明石書店、2014年)、『多様性が拓く学びのデザイン』(共編著、明石書店、2020年)、『公教育制度の変容と教育行政』(共編著、福村出版、2021年)など。

西塚 孝平  (ニシヅカ コウヘイ)  (

東北大学大学院教育学研究科博士後期課程。日本学術振興会特別研究員(DC)。専門は、教育アセスメント論。Journal of Disaster Research、Journal of Teaching and Learning(University of Windsor)、SAGE Open、『日本教科教育学会英文誌(UCDP)』、『ホリスティック教育/ケア研究』、『日本評価研究』、『活動理論研究』などに論文を発表している。

松本 奈々子  (マツモト ナナコ)  (

東京大学教育学研究科生涯学習基盤経営コース博士課程。専門は、高齢者学習、老年社会学。社会保障政策分野において提示されてきた高齢者像を批判的に検討しつつ、「老い」の表象をめぐる学びの理論と方法論について研究している。

矢野 裕俊  (ヤノ ヒロトシ)  (解説

武庫川女子大学教育学部教授、教育学部長。博士(文学)。主な著書・編著書に『自律的学習の探求:高等学校教育の成立と回帰』(晃洋書房、2000年)、『子どもの貧困/困難/不利を考えるⅠ:理論的アプローチと各国の取組み』(共編著、ミネルヴァ書房、2015年)、『子どもの貧困/困難/不利を考えるⅢ:施策に向けた総合的アプローチ』(共編著、ミネルヴァ書房、2019年)、『人間教育をめざしたカリキュラム創造:「ひと」を教え育てる教育をつくる』(共編著、ミネルヴァ書房、2020年)など。

上記内容は本書刊行時のものです。