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現代ホンジュラスを知るための55章 中原 篤史(編著) - 明石書店
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現代ホンジュラスを知るための55章 (ゲンダイホンジュラスヲシルタメノゴジュウゴショウ)

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発行:明石書店
四六判
324ページ
並製
価格 2,000円+税
ISBN
978-4-7503-5417-0   COPY
ISBN 13
9784750354170   COPY
ISBN 10h
4-7503-5417-1   COPY
ISBN 10
4750354171   COPY
出版者記号
7503   COPY
Cコード
C0336  
0:一般 3:全集・双書 36:社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2022年7月15日
書店発売日
登録日
2022年6月9日
最終更新日
2022年7月20日
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紹介

北はカリブ海、南は太平洋に面する中米の国ホンジュラス。豊かな歴史や文化が残る反面、そこでは政府による汚職が横行し、刻一刻と格差が広がっている。現代ホンジュラスの光と影をジャーナリスティックに映しだす入門書にして、人間のつながりとその強さを感じさせる希望の書。

目次

 はじめに

Ⅰ 自然と都市

第1章 図説:人口問題――時間と空間でみる人口動態
第2章 自然災害と国土――気候変動がもたらすもの
第3章 テグシガルパ――歴史的建築物をいかに保存するか
第4章 コマヤグア――コロニアル・スタイルの古都と新空港を軸にした経済成長戦略
第5章 サン・ペドロ・スラ――大都市圏中核都市の光と影
第6章 テラとラ・セイバ――カリブ海岸の「もう1つの」ホンジュラス
第7章 トルヒーリョ――国名「ホンジュラス」の由来にまつわるいくつかの話

Ⅱ 政治

第8章 ホンジュラスにおける「国家」の興亡①――独立から1970年代まで
第9章 ホンジュラスにおける「国家」の興亡②――中米紛争期から現代まで
第10章 シンチョネロとシンチョネロス――世紀を超える記憶
第11章 未完の農地改革――誰が農地を使うのか?
第12章 国民党エルナンデス大統領の8年間――悪化を続けた米国との関係
第13章 「制度性が脆弱」とはどういうことか――揺らぐ公職選定過程の正統性
第14章 政府事業の民間への権限移譲にみる様々な腐敗と不正――電力公社問題を事例にして
第15章 「松明運動」と「お金はどこに行った運動」――ホンジュラスの根深い汚職・無処罰問題
第16章 脆弱化する市民社会――国民党政権の抑圧的ガバナンスと絶望する市民
第17章 2021年ホンジュラス大統領選挙――長く続く政治改革のトンネルの中で

Ⅲ 経済

第18章 貿易概況からみるホンジュラス――郷里送金に支えられる経済
第19章 緩慢ではあるが改善するインフラストラクチャー――新旧国際空港と幹線道路CA5、カナル・セコ
第20章 中米経済統合銀行(CABEI)のユニークな姿――小国の巧みな外交手腕
第21章 ホンジュラス農業の現在――「二重構造」は解消されたか?
第22章 ホンジュラスとコーヒー――中米「コーヒー大国」の光と影
第23章 現代ホンジュラス企業の成長要因――民営化、国際援助、ファミリーネットワーク
第24章 マリベル――カカオで故郷を「再発見」したホンジュラス人ニューヨーカー
第25章 企業の社会的責任――サプライチェーンCSRの取り組み

Ⅳ 開発・環境問題

第26章 オモアとガス――イタリア人マッシモ・パリシの孤独な闘い
第27章 ランキングでみるホンジュラスの立ち位置――国際比較から見えてくるもの
第28章 ホンジュラスにおける新しい取り組み――ソーシャル・イノベーションの可能性
第29章 イノベーションの阻害要因――やはりガバナンスが問題に
第30章 環境活動家受難の国――ジャネット・カワスとベルタ・カセレスの事例
第31章 大規模リゾート観光開発の負の側面――テラの開発の事例
第32章 去る人々と残った人々――壊れゆくコミュニティと失われるガリフナ文化
第33章 ホンジュラスの開発はなぜ進まないのか?――東アジア諸国の経験から何を学べるのだろうか

Ⅴ 国際関係・移民

第34章 イタリア人とホンジュラス――時代を超えて国造りに貢献
第35章 証言「100時間戦争」――戦後50年を超えて
第36章 ニカラグアとホンジュラス――イデオロギーよりもお金でつながる? 二国間関係
第37章 中国とホンジュラス――台湾承認国ホンジュラスのアジア外交の一例
第38章 「持たざる国」の生存戦略――米州地政学とホンジュラスをめぐる国際政治
第39章 移民キャラバン――弱者の移民新戦略
第40章 不法移民の理由――貧困と暴力という単語だけでは説明できない根深い問題
第41章 現代版『シポーテス』――不法移民ホセ・ルイス・セラヤ少年の半生
第42章 家族再統合――「中継地点」メキシコ、モンテレイで奮闘する女性たち

Ⅵ ホンジュラスの制度・社会・文化

第43章 ホンジュラス人の自画像――文学にみるその心象
第44章 ホンジュラスにおける西洋音楽事情――教育と普及、実情と課題
第45章 ホセファ・ラスティリ――愛と革命
第46章 ホンジュラスの考古学研究――考古学的可能性とホンジュラス国立自治大学の役割
第47章 食文化――ホンジュラス地方料理あれこれ
第48章 ホンジュラスの祭り――「魚の雨」と「カーニバル」
第49章 ホンジュラスの通貨と歴史――「モラサン」になるはずだったレンピラ
第50章 ホンジュラスの公教育制度と教育改革――量的拡大から質的深化へ
第51章 ホンジュラスの保健医療制度――農村からみる保健医療サービスの課題

Ⅶ 日本とホンジュラス

第52章 明日への希望をともにつくる――日本のNGOの取り組み
第53章 フジヤマ・シンの物語――日系アメリカ人がホンジュラスに居住し、働いている理由
第54章 ホンジュラスコーヒーの人気――高品質なコーヒー作りに努力する生産者
第55章 ホンジュラスをどう支援すれば良いのか――問題の根源へのアプローチに期待

前書きなど

はじめに

 2014年に明石書店から『ホンジュラスを知るための60章』を発刊していただきました。しかし発刊から8年を迎え、ホンジュラスを取り巻く環境は大きく変化しました。国民党長期政権下で格差は広がり、希望を失った人たちが「移民キャラバン」と称して集団でアメリカ合衆国に徒歩で渡ろうとしたことは世界的なニュースにもなりました。2020年は新型コロナウイルスに加えて、11月にはハリケーンが立て続けに来襲し、国内に大きな被害を与えました。そんな中、2021年9月15日にホンジュラスを含めた中米各国が独立200周年という節目を迎えました。そして11月の総選挙では、ホンジュラスの政党政治140年で史上初めて国民党と自由党以外の政党であるリブレ党が勝利し、初の女性大統領も誕生しました。
 その節目となる200周年に、今回新しく『現代ホンジュラスを知るための55章』を刊行することになりました。「現代」にしたのは、私自身が普段、皆様から現代ホンジュラスの文化・社会の様相など現在社会を描いた文章を求められることが多かったからです。
 『現代ホンジュラスを知るための55章』は単なる改訂ではなく、すべての内容を新しくしました。そうすることによって『ホンジュラスを知るための60章』の「続編」の位置づけになり、2冊あわせて『ホンジュラスを知るための115章』になるため、多くの情報が網羅され、多様な読者ニーズに応えることができると考えています。

 (…後略…)

著者プロフィール

中原 篤史  (ナカハラ アツシ)  (編著

ホンジュラス国立フランシスコ・モラサン教育大学技術イノベーション研究所客員教授東北大学大学院専任助手のほか、独立行政法人国際協力機構(JICA)技術協力専門家などとしてグアテマラ、ホンジュラス、ニカラグア、コロンビアで勤務。
主な著書・論文:『ホンジュラスを知るための60章』(共編著、明石書店、2014年)、「途上国の地方行政能力強化に関する一考察――ホンジュラスにおける地方自治体間協力組織の取り組み」(『国際協力研究』第40号、JICA国際協力総合研修所、2004年)、「ホンジュラス教育セクター会合議長・副議長の1年半」(『ラテンアメリカ時報2015/16年冬号』日本ラテンアメリカ協会、2016年)、「ホンジュラス内政の不安定化と市民社会」(『ラテンアメリカレポート』Vol.35 No.1269号、アジア経済研究所、2018年)、「それでもホンジュラス人は米国を目指す――ホンジュラスにみる政府のガバナンス問題」(『ラテンアメリカ時報2019年冬号』、日本ラテンアメリカ協会、2019年)

追記

【執筆者紹介】

中原篤史(なかはら・あつし)
ホンジュラス国立フランシスコ・モラサン教育大学技術イノベーション研究所客員教授東北大学大学院専任助手のほか、独立行政法人国際協力機構(JICA)技術協力専門家などとしてグアテマラ、ホンジュラス、ニカラグア、コロンビアで勤務。
主な著書・論文:『ホンジュラスを知るための60章』(共編著、明石書店、2014年)、「途上国の地方行政能力強化に関する一考察――ホンジュラスにおける地方自治体間協力組織の取り組み」(『国際協力研究』第40号、JICA国際協力総合研修所、2004年)、「ホンジュラス教育セクター会合議長・副議長の1年半」(『ラテンアメリカ時報2015/16年冬号』日本ラテンアメリカ協会、2016年)、「ホンジュラス内政の不安定化と市民社会」(『ラテンアメリカレポート』Vol.35 No.1269号、アジア経済研究所、2018年)、「それでもホンジュラス人は米国を目指す――ホンジュラスにみる政府のガバナンス問題」(『ラテンアメリカ時報2019年冬号』、日本ラテンアメリカ協会、2019年)

浅倉寛子(あさくら・ひろこ)
メキシコ社会人類学高等研究所メキシコシティ支部教授
専攻:社会人類学、ジェンダー研究
主な著書・論文:Salir adelante: experiencias emocionales por la maternidad a distancia,(CIESAS, México, 2014); Asakura, Hiroko y Marta W. Torres Falcón (coords.), Entre dos fuegos: naturalización e invisibilidad de la violencia de género contra migrantes en territorio mexicano, (CIESAS-UAM Azcapotzalco, México, 2019);「 「トランジット」移民の再定義――遠隔母親業と家族再統合のプロセスからの考察」(松久玲子編著『国境を越えるラテンアメリカの女性たち――ジェンダーの視点から見た国際労働移動の諸相』晃洋書房、2019年)。

伊藤滋子(いとう・しげこ)
中南米史研究
主な著書:『幻の帝国』(同成社、2001年)、『女たちのラテンアメリカ(上)』(五月書房新社、2021年)、『女たちのラテンアメリカ(下)』(五月書房新社、2022年)

上谷直克(うえたに・なおかつ)
JETROアジア経済研究所新領域研究センター副主任研究員
専攻:政治学
主な著書・論文:「『競争的権威主義』と『委任型民主主義』の狭間で――ラテンアメリカの事例から考える」(日本比較政治学会編『競争的権威主義の安定性と不安定性』ミネルヴァ書房、2017年)、「多層的な政治問題に苛まれるラテンアメリカ政治」(『ラテンアメリカ・レポート』Vol.38、No.2、2022年)など。

木下雅夫(きのした・まさお)
早稲田大学他非常勤講師、立教大学ラテンアメリカ研究所研究員
専攻:人文地理学、中米地域研究
主な著書・論文:『ホンジュラスを知るための60章』(明石書店、2013年)、「マリア」とは誰か?─中南米ポピュラーソングを通じてみる「マリア」像」(『教養諸學研究』第139号、早稲田大学政治経済学部、2015年)、『ラテンアメリカ文化事典』(「農耕と近代化」、丸善出版、2021年)、“An analysis of the Agrarian Reform in Honduras: Its Historical Aspects after the Conflict between El Salvador and Honduras” (The Gakushuin Journal of International Studies Vol.4, 2017)。

古手川博一(こてがわ・ひろかず)
ホンジュラス国立自治大学社会科学部准教授
専攻:オルメカ考古学
主な論文:“Aspectos acuáticos de Estero Rabón: Reconstruyendo las actividades realizadas”,en Uso y Representación del Agua en la Costa del Golfo (Universidad Veracruzana e Instituto Literario de Veracruz S.C., México, 2020). “El trono de Estero Rabón”,Arqueología Mexicana Núm. 150: pp.56-57.

白川良美(しらかわ・よしみ)
特定非営利活動法人AMDA社会開発機構海外事業運営本部
専攻:国際保健・公衆衛生学
青年海外協力隊の看護師隊員として南米パラグアイの生活習慣病予防啓発に取り組む。公衆衛生学修士を取得後、JICA技術協力プロジェクトでエルサルバドル国病院前診療の能力強化プロジェクトに業務調整員として従事。2019年4月~2022年2月ホンジュラスのテウパセンティ市における妊産婦ケア改善支援事業を担当。

白石千登勢(しらいし・ちとせ)
ソプラノ歌手
エリザベト音楽大学、ベルギ-国モンス王立音楽院で声楽を専攻修了。広島でリサイタルを開催、ブリュッセルのサンジョブ教会コーラスのソリスト等をつとめる。1990年からホンジュラスに在住。以来ホンジュラス国立交響楽団、ホンジュラス音楽基金、フィルハ-モニ-協会楽団主催の数々のコンサ-ト、オペラにソリストとして出演。その他にも多くの音楽家らとリサイタル、コンサ-トで共演している。

シン・フジヤマ(Shin Fujiyama)
NGO「スチューデント・ヘルピング・ホンジュラス」創設者、ユーチューバー
ホンジュラスに2007年から居住し、以来、15年間コミュニティ開発のため奉仕している。

高橋祥子(たかはし・しょうこ)
ホンジュラスコーヒー豆輸入販売Puntalto(プンタルト)代表
ホンジュラスコーヒーを専門に輸入し、WEBを中心に販売。
元日本航空国際線客室乗務員。アメリカ合衆国(ニューヨーク)、ドミニカ共和国、エルサルバドル共和国、ホンジュラス共和国に合計9年半の滞在経験がある。

田中高(たなか・たかし)
中部大学国際関係学部教授
専攻:国際関係論、中南米地域研究
主な著書・訳書:フィデル・カストロ・ルス『フィデル・カストロ自伝――勝利のための戦略』(明石書店、2012年)、『ニカラグアを知るための55章』(明石書店、2016年)。

林和宏(はやし・かずひろ)
京都外国語大学ラテンアメリカ研究所客員研究員
専攻:文化研究、ラテンアメリカ地域研究
主な著書・論文:「AMLO政権下メキシコの日系進出自動車産業」『立教大学ラテンアメリカ研究所報』(No.49、立教大学、2022年)、「メキシコ――AMLOの社会改革と福祉政策」(『世界の社会福祉年鑑2021〈2022年度版〉』旬報社、2021年)、「対ベネズエラ援助:石油大国における貧しき「人民」の革命」『ハンドブック日本の国際協力――中南米編』(ミネルヴァ書房、2021年)

笛田千容(ふえた・ちひろ)
駒澤大学総合教育研究部講師
専攻:ラテンアメリカ地域研究、中米政治研究
主な著書・論文:「対ホンジュラス援助――貧困削減とグローバル・アジェンダの連携に向けて」(松下冽ほか編『日本の国際協力 中南米編』ミネルヴァ書房、2021年)、「エルサルバドル――女性の権利と命をめぐる論争」(国本伊代編『ラテンアメリカ21世紀の社会と女性』新評論、2015年)、「中米の企業社会と政治変動――エルサルバドルとグアテマラの経済頂上団体を中心に」(『ODYSSEUS』第18号)。

山田留美子(やまだ・るみこ)
特定非営利活動法人AMDA社会開発機構ホンジュラス事務所事業統括
法学部卒業後、民間企業での金融業務、英国イースト・アングリア大学開発学修士課程、青年海外協力隊(南米ボリビアで野菜種子の市場調査)を経て2011年10月より現職。母子保健、青少年育成、HIV/AIDS予防啓発(グローバルファンド)、家庭菜園普及等の事業を統括。現在JICA技術協力プロジェクトにDX/ICT、モニタリング専門家として参加。

上記内容は本書刊行時のものです。