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現代日本のエリートの平等観
社会的格差と政治権力
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2021年12月25日
- 書店発売日
- 2021年12月27日
- 登録日
- 2021年11月1日
- 最終更新日
- 2021年12月28日
書評掲載情報
2022-04-02 |
朝日新聞
朝刊 評者: 犬塚元(法政大学教授) |
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紹介
なぜ格差は是正されないのか? 1980年に三宅一郎氏らが実施した「エリートの平等観」調査。今あらためて同じ課題に取り組み、「一億総中流社会」から「格差社会」への40年間の変容を実証的に分析。第一線の政治学者たちが不平等の様々な側面を取り上げた。
目次
序[竹中佳彦]
第Ⅰ部 平等をめぐる理論と文脈
第1章 平等をめぐる理論と文脈[竹中佳彦・近藤康史・濱本真輔]
1 はじめに
2 なぜ「エリートの平等観」なのか
3 平等をめぐる規範理論
4 平等をめぐる実証研究
第2章 調査の方法と回答者のプロフィール[竹中佳彦・山本英弘]
1 はじめに
2 エリートの実証研究
3 調査の方法
4 回答者のプロフィール
5 おわりに
第Ⅱ部 エリートの社会経済的平等観
第3章 平等観と保革イデオロギー[竹中佳彦・遠藤晶久]
1 はじめに
2 エリートの保革イデオロギー
3 平等認知と保革イデオロギー
4 保革イデオロギーと平等価値
5 おわりに
第4章 経済的平等:不平等認知は再分配政策につながるのか[久保慶明]
1 はじめに
2 戦後日本における経済的平等と再分配政策
3 経済をめぐる平等認知と平等価値
4 社会保障と税制に関する態度
5 おわりに
第5章 ジェンダー平等:右傾化か,経済か,フェミニズムの定着か[大倉沙江]
1 はじめに
2 現代日本におけるジェンダー平等と女性政策
3 エリートの女性やジェンダー平等に対する態度とその変化
4 保革イデオロギー/平等認知との関係
5 おわりに
第6章 世代間平等:「シルバー民主主義」の実像[遠藤晶久]
1 はじめに
2 現代日本における世代間不平等
3 有権者は世代間不平等を認知しているか
4 エリートと高齢者の認知,選好は一致するか
5 おわりに
第7章 平等価値の階層構造:基底的平等価値の記述的分析[鈴木創]
1 はじめに
2 基底的な平等価値
3 平等をめぐる選好に基づく有権者とエリートの分類
4 機会の平等か結果の平等か
5 おわりに
第Ⅲ部 政治的平等の諸側面
第8章 政治権力構造とマスメディア:レファレント・プルーラリズムのゆくえ[山本英弘・竹中佳彦]
1 はじめに
2 エリートの政治的影響力
3 レファレント・プルーラリズムの現状
4 おわりに
第9章 政策ネットワーク:官民関係の現状と変容[柳至]
1 はじめに
2 官民の政策ネットワーク研究
3 ネットワークの現状と変化
4 おわりに
第10章 「一票の重み」の不平等が政治家に及ぼす影響[今井亮佑]
1 はじめに
2 背景
3 分析結果
4 おわりに
第11章 経済的平等に関する応答性:エリートと有権者の考えは一致しているのか[山本英弘]
1 はじめに
2 経済的平等に関する変数
3 エリートと有権者の平等観の整合性
4 おわりに
第12章 有権者の応答性認識にみる政治的平等:男性,高齢者,農村部に偏る政治[濱本真輔]
1 はじめに
2 応答性認識
3 誰に応答しているのか
4 おわりに
終章 現代日本のエリートの平等観の諸相と権力構造・ネットワーク・応答性[竹中佳彦]
1 結論:本書の問いに対する知見
2 規範理論との接点をめぐって
3 含意と今後の課題
[付録1]エリート調査の実施方法[一般社団法人 輿論科学協会]
[付録2]社会的平等についての各界リーダー意見アンケート票
[付録3]社会的平等についてのアンケート
参考文献一覧
事項・人名索引
執筆者紹介
前書きなど
序[竹中佳彦]
(…前略…)
グローバル化と「格差社会」の進展,統治機構改革は,エリートの「平等観」や政策選好をどのように変化させ,政策決定の影響力構造をどのようなものに変容させたのか。本書は,①エリート・対抗エリートの「平等観」や政策選好がどのように変化したか,②エリート・対抗エリートが,何を考え,市民から表出される利益をどのくらい政策に反映させているのか,③現代日本のエリートと対抗エリートがどのようなものであり,政策決定に対する影響力構造や政策ネットワークがどのように変容したのかを明らかにしようとするものである。
本研究は,1980年に三宅一郎神戸大学名誉教授,故・綿貫譲治上智大学名誉教授,故・嶋澄元武蔵大学教授が実施し,分析から蒲島郁夫熊本県知事が加わった「エリートの平等観」調査を模したものである。(……)
(…後略…)
上記内容は本書刊行時のものです。