版元ドットコム

探せる、使える、本の情報

文芸 新書 社会一般 資格・試験 ビジネス スポーツ・健康 趣味・実用 ゲーム 芸能・タレント テレビ・映画化 芸術 哲学・宗教 歴史・地理 社会科学 教育 自然科学 医学 工業・工学 コンピュータ 語学・辞事典 学参 児童図書 ヤングアダルト 全集 文庫 コミック文庫 コミックス(欠番扱) コミックス(雑誌扱) コミックス(書籍) コミックス(廉価版) ムック 雑誌 増刊 別冊
男子という闇 エマ・ブラウン(著) - 明石書店
.
【利用可】

書店員向け情報 HELP

書店注文情報

注文サイト:

在庫ステータス

在庫あり

取引情報

直接取引:なし

出版社への相談

店頭での販促・拡材・イベントのご相談がありましたらお気軽にご連絡ください。

男子という闇 (ダンシトイウヤミ) 少年をいかに性暴力から守るか (ショウネンヲイカニセイボウリョクカラマモルカ)
原書: To Raise a Boy

このエントリーをはてなブックマークに追加
発行:明石書店
四六判
400ページ
並製
価格 2,700円+税
ISBN
978-4-7503-5281-7   COPY
ISBN 13
9784750352817   COPY
ISBN 10h
4-7503-5281-0   COPY
ISBN 10
4750352810   COPY
出版者記号
7503   COPY
Cコード
C0036  
0:一般 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2021年11月18日
書店発売日
登録日
2021年10月5日
最終更新日
2021年12月14日
このエントリーをはてなブックマークに追加

書評掲載情報

2022-01-22 日本経済新聞  朝刊
評者: 田中俊之(大正大学准教授)
MORE
LESS

紹介

全米各地で研究者、学校関係者や親子など数百名に聞き取りを行い男子の性加害・被害実態を調査。男子大学生の22%が入学前に性暴力を振るった経験をもつ国の、語られざる物語を紡ぐ。男らしさの常識に挑み、あるべき性教育を模索する、この時代の必読書。

目次

 プロローグ

第1章 私たちには見えていないもの――少年に対する性的暴行の密かな流行
 少年たちが助けを求めない(あるいは「女々しさを見せない」)理由
 スポーツの文化
 性的暴行は「悪ふざけ」ではない
 我々がいまだに信じている、少年に関する誤った常識
 男性が声を上げることの重要性
 傷ついた町

第2章 少年はいずれ男性になる――生まれ・育ち・少年期を再考する
 ホルモンと脳、そして男の子への接し方を無自覚にも変えている親
 男の子を成功へと導くために
 「マンボックス」と男性の健康
 男の子の感情リテラシーを育てる
 父親が「マンボックス」を作り上げる、または打ち砕く方法
 あなた自身の人間関係が重要な理由
 変化の表れ

第3章 性教育の危機――セックスの話をしないことが子どもにとって危険なわけ
 セックスについての会話を始める方法
 セクスティング――オフラインのエチケットをオンラインに適用する
 男の子がポルノなしで自慰行為を練習すべき理由
 「性的市民権」について学校で教える
 性的自己抑制教育の問題点
 新しい性教育――ポルノリテラシー

第4章 若者の心の形成――学校は子どもたちをいかに導き損ねているか
 学校で性暴力を無視することの問題点
 罰することの問題点
 ジョン・ドウ2の場合
 別の手段の可能性――修復的司法

第5章 「同意」とは何か――アジズ・アンサリの告発者、グレースから学ぶ
 「いや」は必ずしも一つの方法で伝えられるわけではない
 オーラルセックスは同意ではない
 拒絶にうまく対処する方法を学ぶ
 アルコールのせいにできること(とできないこと)
 変化の兆し

第6章 人種差別、暴力、トラウマ――親しい関係が少年の心の支えになる
 人種、人種差別、そしてアメリカの黒人少年たち
 トラウマと暴力の関連性
 「取り締まりで現状打破はできない」
 「今でも毎日痛みと向き合っている」
 銃暴力と家庭内暴力(DV)の関連性
 「頼れる誰かがいる」

第7章 ハリーにサリーが必要な理由――男子校が時代遅れにならないために
 「女子と関わる方法が分からない」――男女別学教育と社会的スキル
 男子校の文化を変革する
 男の子とどう話すか
 男子校に求めるもの

第8章 少年たちの居場所――男の友情が新たな文化を作り上げる
 セクハラの本質
 スポーツの力を活用する
 学校における「社会性と情動の学習」の可能性
 男子にもジェンダーがあることを教える
 変革をもたらす力があることを少年たちに気づかせる
 少年が少年を導く

 エピローグ

 訳者あとがき
 註

前書きなど

訳者あとがき

 近年ニュースで報道されている性的暴行事件、それらは長年口をつぐんできた女性たちが勇気を振り絞り、ようやく口を開いたことで判明したものばかりです。容疑をかけられた男性の中には、同意の上だったと主張する者もいます。それが苦し紛れの言い訳なのか、本当にそうだと思っていたのかは定かではないものの、息子を持つ母親たちにとって、これほどまでに居心地の悪い報道はないでしょう。
 しかし、性的暴行被害に遭うのは必ずしも女性だけではないということが本書を通して明らかにされています。男性は、性的暴行事件の加害者にも被害者にもなる可能性があるのです。性的暴行と聞くと、自然と女性の被害者を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。しかし、男性が被害に遭うケースは決して少なくありません。アメリカでは、男性の六人に一人が幼少期に、四人に一人が生涯のうちに、性暴力の被害に遭っているという調査結果もあります。正直、私自身も本書に携わるまでは、著者と同じように、男の子が性暴力の被害に遭うことは考えもしませんでした。
 今までは女の子を守るために男の子を教育する必要があると考えられていましたが、彼ら自身のためにも、男の子の育て方を見直さなければならないと著者は語っています。しかし、本書を通して、著者は男の子の育て方を教えようとしているわけではありません。男の子としてこの世で生きることはどういうことなのか、そんな中で我々には何ができるのかを考えるきっかけになってほしいと彼女は考えています。

 (…後略…)

著者プロフィール

エマ・ブラウン  (エマ ブラウン)  (

ワシントン・ポスト紙の調査報道記者。ジャーナリストになる前は、ワイオミング州で自然保護官、アラスカ州で中学校の数学教師として勤務。夫と2人の子どもとワシントンDCに在住。

山岡 希美  (ヤマオカ キミ)  (

翻訳家。16歳まで米国カリフォルニア州で生活。同志社大学心理学部卒。訳書に『無意識のバイアス』(明石書店)。共訳に『リモートワーク』(明石書店)、『教えて! 哲学者たち』(全2巻、大月書店)など。

上記内容は本書刊行時のものです。