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歩く・知る・対話する琉球学 松島 泰勝(編著) - 明石書店
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歩く・知る・対話する琉球学 (アルクシルタイワスルリュウキュウガク) 歴史・社会・文化を体験しよう (レキシシャカイブンカヲタイケンシヨウ)

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発行:明石書店
四六判
368ページ
並製
価格 2,000円+税
ISBN
978-4-7503-5279-4   COPY
ISBN 13
9784750352794   COPY
ISBN 10h
4-7503-5279-9   COPY
ISBN 10
4750352799   COPY
出版者記号
7503   COPY
Cコード
C0036  
0:一般 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2021年11月10日
書店発売日
登録日
2021年9月29日
最終更新日
2021年11月5日
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書評掲載情報

2021-12-18 朝日新聞  朝刊
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紹介

「日本」とは異なる歴史・社会・文化をもつ琉球(沖縄)を知るための琉球学事始め。最新の研究、ジャーナリズム、社会活動の最先端から書かれた文章に加え、資料館・博物館等のQRコードを収録した。修学旅行の事前・事後学習、旅行・フィールドワークに最適の一冊。

目次

 まえがき フィールドワークを通して琉球(沖縄)を「自分事」として考えてみよう

QA歴史
 1 琉球人の祖先について
 2 八重山諸島の先史時代
 3 グスク時代、三山時代
 4 琉球王国
 5 薩摩の侵略と日支両属について
 6 明治政府と琉球国の滅亡
 7 日本同化と沖縄差別
 8 貧困と移民の時代
 9 なぜ、沖縄戦は起きたか
 10 サンフランシスコ講和条約と米軍統治
 11 日本「復帰」と日本国憲法の関係
 12 1972年以降の沖縄県
 13 世界に広がるウチナーンチュ
 14 首里城の歴史
 15 奇跡の1マイル国際通り

QA社会
 16 戦後の沖縄の扱いにかんする「天皇メッセージ」
 17 沖縄は75年も基地の島のまま
 18 全国平均2倍といわれる深刻な子どもの貧困率
 19 沖縄の新聞とメディア
 20 沖縄のテレビは偏っているか
 21 琉球独立運動
 22 国連は琉球(沖縄)をどう見ているか
 23 国際関係のなかの沖縄
 24 琉球(沖縄)経済の動向
 25 米軍基地に反対する人びと
 26 米軍基地の環境汚染
 27 基地返還地の未来像
 28 今もつづく「沖縄差別」

QA文化
 29 「しまくとぅば」とはなにか
 30 琉球・沖縄研究の先駆者たち
 31 遺骨盗掘問題
 32 昆布ロードと北前船
 33 陶器と漆器、琉球ガラス
 34 琉球の染織・織物文化
 35 琉装と普段着
 36 沖縄の芸能
 37 活躍するスポーツ選手たち
 38 沖縄の音楽
 39 食文化、どこからどこへ
 40 島ごとに異なる文化や歴史
 41 琉球の世界遺産
 42 琉球諸島の生物多様性
 43 宗教・神話と国家的な神女組織・制度

フィールドワークのすすめ
 ① 琉球(沖縄)のグスク、百按司墓、渡久地古墓群
 ② 戦跡、慰霊碑、平和祈念資料館等を通じて戦没者の「死の意味」を考える
 ③ 沖縄島北部エコツアー
 ④ 西表島エコツーリズム
 ⑤ 南風原文化センターと沖縄陸軍病院南風原壕群20号
 ⑥ 伊江島での民泊による生活体験
 ⑦ 普天間・辺野古でのピース・スタディー
 ⑧ 基地の街・コザ 米軍との75年
 ⑨ めんそーれ、銀天街 コザ十字路界隈を歩く
 ⑩ 新しい街(基地跡地)を歩く
 番外① インターネットのなかの琉球
 番外② 公文書のなかの琉球 県公文書館の資料を活用する

ひと
 ① 華岡青洲よりも115年早く全身麻酔による手術を成功させた 高嶺徳明
 ② 伝統の歌や踊りを総合した歌劇を創始した 玉城朝薫
 ③ 情熱的な恋愛詩人 恩納ナビ
 ④ 1609年の薩摩藩による琉球侵略に抵抗した王府幹部 謝名親方利山
 ⑤ 琉球救国運動のリーダー 林世功
 ⑥ 近代沖縄に輝く北斗星 謝花昇
 ⑦ 自由民権運動や辛亥革命に身を投じた快男児 新垣弓太郎
 ⑧ 不屈の革命家 徳田球一
 ⑨ 戦後、琉球独立を唱えた実業家 照屋敏子
 ⑩ 復帰を実現させた苦悩の知事 屋良朝苗
 ⑪ 不屈の現代政治家 瀬長亀次郎
 ⑫ すべては沖縄戦から 大田昌秀
 ⑬ 保革の対立を解消し、オール沖縄を実現した 翁長雄志
 ⑭ 「日本(ヤマト)」への憧憬と沖縄 山之口貘
 ⑮ 琉球が抱える矛盾を描いた小説家 大城立裕
 ⑯ 琉球(沖縄)のガンジーと呼ばれた米軍基地反対運動家 阿波根昌鴻

 琉球をさらに詳しく知るためのブックガイド
 あとがき

 執筆者紹介

前書きなど

まえがき フィールドワークを通して琉球(沖縄)を「自分事」として考えてみよう

 本書を手にとって、琉球(沖縄)の島々を歩き、住民の声を聴いて、島々の歴史、文化、社会の各事象を自分の心と頭で感じ、考えてみませんか。さまざまな体験を通して島の魅力を体感し、住民と喜怒哀楽を共有するうえで必要な多くのヒントが、本書に分かりやすく書かれています。本書を読めば、琉球の人びとの心に触れ、島や人から多くのことを学ぶことができるでしょう。
 まずはじめに、修学旅行の事前・現地・事後学習に実践的に役立つことを期待して、本書は作成されました。事前学習をしっかり行うことで、現地での学びをより効果的にすることができます。どこを訪問するのか、誰の話を聞くのか、何をするのかなどを考えるときにも、モデルコースなどを具体的に提案している本書は、役立つでしょう。事後学習として、修学旅行で学んだことをグループ発表する機会を設けると、生徒のプレゼン能力を高めることができます。 もちろん、高校生だけでなく、琉球を訪問するその他の観光客も、本書を通じて、琉球の歴史や文化の基本的知識や情報、最新の社会的動き、推奨される観光地などを知ることができます。
 琉球にかんする情報がWEBサイト、雑誌、本に溢れています。今や「琉球情報」がスマホで手軽に入手できますが、そのなかには根拠のない、偏見に基づく「誤った情報」も少なくありません。ネット情報すべてが問題なのではなく、どのように「正しい情報」を入手し、修学旅行に活用するのかが重要なのです。本書では、琉球の歴史、文化、社会などにかんする、信頼できるウェブサイト、you tube番組なども紹介しています。

 (…中略…)

 本書の執筆者は、新聞記者、放送局制作プロデューサー、ユーチューバー、大学教員、写真家、公文書専門員、沖縄近代史家、地域文化センター学芸員、郷土史家・伝統芸能伝承者、県議会議員、ケアワーカー、持続的発展研究所所長等、さまざまな職業に携わりながら、琉球の歴史、文化、社会の現場、課題、未来のあり方にこだわり続けてきた方々です。修学旅行の事前・現地・事後学習において、執筆者の方々から直接、お話を聴いて、質疑応答する場が設けられたら、本書に基づく学びはさらに深いものになるでしょう。修学旅行が双方向型の学習になります。
 本書を手にとってフィールドワークの旅に出て、さまざまな体験を通じて、自分と琉球との関係、命の大切さ、人権の重さ、人や動植物の多様性、歴史や文化とアイデンティティとの関係等について「自分事」として考えてみてください。多くの新たな発見や人との出会いの喜びを手にすることができるように、皆さんが本書を十分活用してくださいましたら、大変うれしいです。

著者プロフィール

松島 泰勝  (マツシマ ヤスカツ)  (編著

龍谷大学経済学部教授。島嶼経済論。
『帝国の島』(明石書店、2020年)、『談論風発 琉球独立を考える』(前川喜平氏との編著、明石書店、2020年)、『琉球 奪われた骨』(岩波書店、2018年)ほか

上記内容は本書刊行時のものです。