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デジタル世界のスキル形成 経済協力開発機構(OECD)(編著) - 明石書店
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デジタル世界のスキル形成 (デジタルセカイノスキルケイセイ) デジタルトランスフォーメーションが導く仕事・生活・学び (デジタルトランスフォーメーションガミチビクシゴトセイカツマナビ)
原書: OECD Skills Outlook 2019: Thriving in a Digital World

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発行:明石書店
A4変形判
304ページ
並製
価格 6,800円+税
ISBN
978-4-7503-5269-5   COPY
ISBN 13
9784750352695   COPY
ISBN 10h
4-7503-5269-1   COPY
ISBN 10
4750352691   COPY
出版者記号
7503   COPY
Cコード
C0033  
0:一般 0:単行本 33:経済・財政・統計
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2021年10月8日
書店発売日
登録日
2021年8月23日
最終更新日
2021年10月13日
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紹介

デジタルテクノロジーの進歩は、人々の暮らしや働き方、学習にどのような変容をもたらすのか。デジタル化された職場や社会、学習環境において求められるスキルについて、国際成人力調査(PIAAC)の調査結果や最新の研究知見をもとに現状を分析し将来を展望する。

目次

 序文
 謝辞
 要約

第1章 デジタル世界における仕事・生活・学びのためのスキル関連政策:本書の概要
 1.1 デジタル化が人々の生活の多くの側面を変化させている
 1.2 デジタルトランスフォーメーションを最大限に活かすには、スキル、教育、訓練への投資が必要である
 1.3 デジタルトランスフォーメーションのもたらす便益を得るための各国の態勢は一様ではない
  コラム1.1 スキルとデジタル化に関するスコアボード
 1.4 大部分の職業が変化しているなかで労働者に求められる適応は何か
 1.5 教育や訓練に関する政策は職業間の可動性を高めるものでなければならない
 1.6 必要な教育や訓練努力はかなりのレベルであるが、正確な評価は難しい
 1.7 訓練プログラムを適正に対象化し設計しなければならない
 1.8 仕事と学習を統合した柔軟性の高い選択肢が必要である
 1.9 オープンエデュケーションの潜在的可能性はますます拡大する
 1.10 新たなテクノロジーは日常生活や社会も変容させている
 1.11 スキルはデジタルデバイスへのアクセス、利用、成果の点で重要な格差の発生源である
 1.12 初期教育はより将来を見据えたものにすることができる
 1.13 学校でのテクノロジー利用は多様なメリットを提供するが、その潜在的な可能性はまだ実現していない
 1.14 教職は将来を見据えた教育システムの礎石である
 1.15 すべての人の生涯学習を現実のものに
 1.16 スキル関連の政策を重要な要素とする多様な政策により、デジタル化の地理的特質に対処することができる
 1.17 協調的な政策取り組みが必要とされる
 付録1A スコアボード指標

第2章 仕事のデジタル世界:職業の変容と必要とされるスキルへの影響
 はじめに
 2.1 仕事の世界における近年の変化
 2.2 テクノロジーとスキルの代替と補完性:効果の理解
  コラム2.1 デジタル化、タスク、スキル間の代替と補完性:典型的事例
  コラム2.2 デジタルトランスフォーメーションによる雇用に対する影響の評価
 2.3 仕事におけるスキルニーズの変化
  2.3.1 PIAACを利用して職場におけるスキルニーズの変化を評価する
  コラム2.3 方法論:分析で用いるデジタル化指標とその他の指標
  2.3.2 デジタル化は仕事のタスク内容と労働者のスキルニーズをどのように変えるか
 2.4 実践による学習:デジタル化された職場でのスキルの開発
  2.4.1 経験とともにスキルはどのように進化するか
  2.4.2 職場での学習と学習レディネス
 2.5 新しい仕事の機会とスキルへの影響
  2.5.1 成長する職業と成長する分野で求められるスキル
  2.5.2 オンラインプラットフォーム
 2.6 スキルに対する将来の需要に関して予測可能なものと予測困難なもの
  2.6.1 予測可能なもの:国や職業間の影響に追いつく
  2.6.2 予測困難なもの:テクノロジーのフロンティア
  コラム2.4 ブレイクスルーとなったテクノロジー(2018年)
 まとめ

第3章 仕事のデジタル世界:職業の移動を通した変化への適応
 はじめに
 3.1 労働の移動が持つ役割
  コラム3.1 職種間の移動:経験的研究では何が示されているか
 3.2 スキル要件の観点からみた職種間の距離
  3.2.1 分析方法:職種間のスキル距離の算定
  コラム3.2 職種間の距離の測定
  3.2.2 分析結果:職種間の相互の距離はどの程度なのか
 3.3 労働者はどこに移動しうるか:可能な移動と容認できる移動
  3.3.1 分析方法:可能な移動と容認できる移動の環境の定義
  コラム3.3 分析方法に関する注意点
  3.3.2 分析結果:労働者にとってどのような移動があるのか
 3.4 職の移動の国ごとの特異性
 3.5 自動化のリスクの低い職種への移行
  コラム3.4 職種ごとの自動化のリスクを推計すること
  3.5.1 訓練への重要規模の投資が必要な自動化のリスクが高い職種
 3.6 自動化のリスクから逃れるのに必要とされる教育・訓練費用の算定
  3.6.1 分析方法:総訓練費用と直接・間接訓練費用を定義すること
  コラム3.5 職種間の移動にかかる国ごとの費用の算定
  3.6.2 「安全な居場所」への移動にかかる費用
  3.6.3 自動化のリスクから逃れるのにはどのような種類の訓練が必要か
 3.7 政策への示唆
  3.7.1 費用を抑えることと費用の負担
  3.7.2 職場内訓練プログラムの設計の改良と目標の設定
  3.7.3 成人学習への参加の障壁を克服すること
  3.7.4 教育到達度を高めるべきか
  3.7.5 「若い労働者」対「年配の労働者」
  3.7.6 認可が必要な職種
  3.7.7 ステークホルダー間の訓練費用の分担
 まとめ
 付録3A 方法論的仮定

第4章 デジタル社会のためのスキル
 はじめに
 4.1 オンライン活動の参加
  コラム4.1 新しいオンライン活動の出現
 4.2 接続格差から用途の格差へ
  4.2.1 接続に関する格差の原因
  4.2.2 インターネット接続の用途と恩恵に関する格差
 4.3 いかなる認知スキルがデジタル格差を埋めるのか
  4.3.1 インターネット利用者のプロフィールの確認
  コラム4.2 「成人スキル調査(PIAAC)」と「世帯と個人によるICT利用に関する欧州地域調査(CSIS)」の統計的マッチング
  コラム4.3 クラスター分析に基づく、オンラインで行われた活動によるプロフィールの確認
  4.3.2 スキルとインターネットプロフィール
 4.4 デジタル社会におけるウェルビーイングとリスク
  4.4.1 安全とプライバシーの課題
  4.4.2 サイバーいじめとその他の形態のオンラインハラスメント
  4.4.3 メンタルヘルスと社会関係
  コラム4.4 デジタルテクノロジーとメンタルウェルビーイング
  コラム4.5 テクノロジー利用と社会関係
  4.4.4 つながりとスキルの発達
  コラム4.6 デジタルテクノロジーと社会情動的スキルの発達
 4.5 デジタル社会のためのスキル関連の政策
 まとめ

第5章 デジタル環境での学び
 はじめに
 5.1 学校でテクノロジーを最大限に活用する
  5.1.1 学校でのデジタルテクノロジーの利用と活用方法
  5.1.2 学生の成果のための新たなテクノロジーの可能性
  コラム5.1 デジタルスキルの開発:各国の事例
  コラム5.2 計算論的思考、コンピュータプログラミング、コーディング
  5.1.3 実践における学校でのテクノロジー活用のインパクト
  5.1.4 教師による新たなテクノロジーの利用
  コラム5.3 教師のIT活用型問題解決能力と学生のデジタルパフォーマンス:方法論
 5.2 高等教育における学習と生涯を通じての学習:オープンエデュケーションの役割
  5.2.1 生涯学習のためのオープンエデュケーションの可能性
  5.2.2 MOOCによってもたらされた最近の契機
  コラム5.4 最も人気のあるMOOC(2017年時点)
 5.3 多様化する学びのソースとしてのスキルの認識と認定
  5.3.1 論理的根拠
  5.3.2 政策
  コラム5.5 オンライン証明書、バッジ、ポートフォリオ
 まとめ

第6章 デジタル世界において生涯学習や全国レベルの学習を支援していくための政策
 はじめに
 6.1 不確かさという背景状況のなかでの生涯学習の促進
  6.1.1 デジタルの世界において生涯学習を支援する合理的根拠
  6.1.2 あらゆる人に対する質の高い生涯学習の推進
  6.1.3 デジタル世界におけるスキルニーズの変化予想とキャリアの指導
 6.2 デジタル化の一様でない地理的影響を相殺するための調整政策
  6.2.1 国内におけるデジタル化の便益の平等な供給
  コラム6.1 集積の経済:経済活動はなぜ、これほどまでに地理的に集中しているのか
  6.2.2 子どもの教育機会の平等化
  6.2.3 大学の潜在的可能性の活用
  コラム6.2 高度教育機関の地理的分布
  6.2.4 地理的移動の実現
  6.2.5 デジタルインフラの到達範囲の改善
 6.3 政策領域や当事者全体に及ぶ協調的な政策対応
  6.3.1 関連する政策範囲の特定
  6.3.2 政策の相補性と政府全体での調整
  コラム6.3 デジタル時代における政策の調整
 まとめ

 監訳者あとがき

前書きなど

序文

 テクノロジーの進歩は、これまで経験したことのないほど、社会、経済、人々の生活を変化させている。私たちの働き方、学び方、コミュニケーション、消費は、デジタル化の影響を受けてまったく異なったものになっている。人工知能(AI)と機械学習の可能性は次第に明らかになりはじめ、変化の新しい波が何十年も続くようにみえる。

 デジタル化を利用することができる市民、企業、国は、デジタル化が生活を豊かにし、生産性を高め、学習を容易にするため、大きな利益を得ることができる。しかし、それを利用する能力を持たない人々は、はるか遠方に取り残されてしまう。デジタル化によって、一部の仕事が消滅し一部のスキルが時代遅れになると、現在の不平等を拡大し、新たな不平等を生み出す可能性があることを包み隠してしまうことを認めることになる。

 2019年版の『OECDスキル・アウトルック(OECD Skills Outlook)』は、人々に必要とされる幅広いスキルの組み合わせを習得できるようにすることによって、それぞれの国は今日の技術革新が人々の生活をより豊かなものにすることを確実にする点を取り上げる。本書は、OECDが行った国際成人力調査(PIAAC)をもとに、職場、教室、自宅、国内、国際関係において、デジタル化によって拡大される恐れのあるギャップと、それらのギャップを埋める最善の方法を特定するものである。

 職場では、デジタルテクノロジーが自動化の新しい波にさらされている。ロボットはますます日常的な仕事を引き受けており、一部の仕事においては労働者を追い出している。同時に、他の仕事をしている労働者は、これまで以上に洗練されたテクノロジーを利用して、仕事をより適切に実行できるようにすることができる。このような状況において、各国は、自動化のリスクが高い仕事に就いている労働者のスキルの構築に集中することが急務である。

 デジタル化された職場で成功するには、労働者は、デジタルスキルだけでなく、高度な認知スキルや社会情動的スキルなどの幅広いスキルを組み合わせる必要がある。デジタル革命は、すべての人生の歩みにおいて類似するスキルを必要に応じて組み合わせる。基本的なスキルがなければ、市民はインターネットのメリットから締め出されるか、インターネットの最も基本的な恩恵に浴するのみである。新たなテクノロジーを最大限に活用する方法をすべての人に提供する政策対応が必要である。このことは、すでに遅れを取っている地域に特に当てはまる。本書は、デジタル化が国内の地理的不平等を悪化させる可能性があるリスクに真っ向から取り組んでいる。

 デジタル化に必要なスキルは、すべての国が生涯学習を促進する必要性を強調している。このことは、学習機会の不平等を解消し、学校のカリキュラムをデジタルスキルを含むスキル要件の変化に適応させ、教師に可能な限り最高の訓練を提供することを意味している。それはまた、労働市場に対応する成人教育・訓練システムを構築することを意味している。

 これらの目標を達成し、デジタル化を最大限に活用するには、教育、労働市場、税金、住宅、社会保障、そして、研究とイノベーションに関する政策を調整する包括的なパッケージを各国が導入することが重要である。スキルと訓練に関する政策は、そのようなパッケージの根幹を形成する必要があり、デジタルトランスフォーメーション(DX)が包括的な成長に貢献することを保証するために不可欠である。急速にデジタル化する私たちの世界では、スキルは時勢の先を行くことと遅れることの違いを生みだすのである。

著者プロフィール

菅原 良  (スガワラ リョウ)  (監訳

東北大学大学院教育情報学教育部教育情報学専攻博士後期課程修了。博士(教育情報学)。現在は、明星大学附属教育研究機関明星教育センター特任教授。専門は、教育工学、教育情報学、キャリア教育。主要著書・訳書・論文:『若者のキャリア形成:スキルの獲得から就業力の向上、アントレプレナーシップの育成へ〈OECDスキル・アウトルック2015年版〉』(監訳、明石書店、2017年)、『国際化のなかのスキル形成:グローバルバリューチェーンは雇用を創出するのか〈OECDスキル・アウトルック2017年版〉』(監訳、明石書店、2019年)。

松下 慶太  (マツシタ ケイタ)  (監訳

京都大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。現在は、関西大学社会学部教授。主要著書として『ワークスタイル・アフターコロナ』(イースト・プレス、2021年)、『モバイルメディア時代の働き方』(勁草書房、2019年)、『キャリア教育論』(荒木淳子・伊達洋駆と共著、慶應義塾大学出版会、2015年)。論文として“Workations and Their Impact on the Local Area in Japan” In: Orel M., Dvouletý O., Ratten V. (eds.) The Flexible Workplace. Springer, 2021, pp. 215-229、“Mediated Workplaces and Work Styles as Second offline” In: Hidenori TOMITA (ed.) The Post-Mobile Society: from the Smart/Mobile to Second Offline, Routledge, 2016, pp. 37-46など。

坂本 文子  (サカモト アヤコ)  (

東京大学大学院人文社会系研究科基礎文化研究専攻言語学専門分野博士課程修了。博士(文学)。現在は、横浜国立大学非常勤講師。訳書:『国際化のなかのスキル形成:グローバルバリューチェーンは雇用を創出するのか〈OECDスキル・アウトルック2017年版〉』(経済協力開発機構(OECD)編著、共訳、明石書店、2019年)。論文:“Case-marking of O and S in Khmer” Mon-Khmer Studies 35: 1-19, 2005、“Attendant word complex in Modern Khmer” Linguistics of the Tibeto-Burman Area 33 (1): 41-70, 2010。

坂本 洋子  (サカモト ヨウコ)  (

獨協大学大学院外国語学研究科英語学専攻博士後期課程修了。博士(英語学)。現在は、獨協医科大学語学・人文教育部門准教授。専門は、英語学、音声学・音韻論。主要論文:Sakamoto Y., Sakata N. “A pilot study of medical English language learning materials using virtual reality and a communication robot” Journal of Medical English Education 17(3): 117-120, 2018。

佐久間 貴士  (サクマ タカシ)  (

東京電機大学大学院先端科学技術研究科情報通信メディア工学専攻博士課程(後期)単位取得満期退学。修士(工学)。現在は、千葉県立保健医療大学健康科学部歯科衛生学科講師。専門は、情報科学、情報工学、情報教育。主要著書:『コンピュータ会計用語辞典』(共著、日刊工業新聞社、2001年)、論文:『結託耐性を有する電子透かしに対する特性評価』(単著、国際ICT利用研究学会、2017年)、『観光振興資源発掘を目的としたアプリケーションの開発』(共著、国際ICT利用研究学会、2018年)。

神崎 秀嗣  (コウザキ ヒデツグ)  (

京都大学大学院医学研究科分子医学系専攻博士課程修了。博士(医学)(京都大学)。現在は、秀明大学看護学部教授。国家資格キャリアコンサルタント、ガイダンスカウンセラー。主要著書・訳書:『キャリア形成支援の方法論と実践〈コメディカルに必要なキャリア教育とリメディアル~看護師を中心に~〉』(共同編者・分担著者、東北大学出版会、2017年)、『国際化のなかのスキル形成:グローバルバリューチェーンは雇用を創出するのか〈OECDスキル・アウトルック2019年版〉』(第3章翻訳、経済協力開発機構(OECD)編著、明石書店、2019年)。

上記内容は本書刊行時のものです。