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子どもの精神科入院治療 金井 剛(著) - 明石書店
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子どもの精神科入院治療 (コドモノセイシンカニュウインチリョウ) 子どもを養育するすべての人へ (コドモヲヨウイクスルスベテノヒトヘ)

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発行:明石書店
A5判
240ページ
並製
価格 2,400円+税
ISBN
978-4-7503-5262-6   COPY
ISBN 13
9784750352626   COPY
ISBN 10h
4-7503-5262-4   COPY
ISBN 10
4750352624   COPY
出版者記号
7503   COPY
Cコード
C0047  
0:一般 0:単行本 47:医学・歯学・薬学
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2021年10月30日
書店発売日
登録日
2021年9月1日
最終更新日
2021年11月5日
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紹介

精神科の入院治療において、どのように子供に関わり、社会で生きていくための力を身に付けさせていくのか。現場で実際に行われている治療を紹介しながら、医師のみならず、子どもを養育するすべての人にあるべき子どもとの向き合い方を解説。

目次

 序文

第1章 入院前の子どもたち
 はじめに
 第1節 子どもたちが入院前に経験していること
  1.外来治療の始まり
  2.入院に至る前に子どもたちが経験すること
  3.子どもが入院までに努めてきたこと
  4.破綻した努力・防衛機制
  5.具体的な方針
 第2節 入院に向けて
  1.入院を判断する
  2.入院を説得する
  3.子どもにとって入院することの意味
  4.子どもの入院が家族に及ぼす影響

 コラム 不安は子どものものか、職員のものか
 コラム 入院治療における、対人関係場面での媒介の意味

第2章 入院治療に向き合う基本的姿勢――子どもの成育を促すために
 はじめに
 第1節 入院治療に携わる人の心構え
  1.入院治療で育んでほしい力
  2.子どもの成育にとって必要なこと
  3.入院治療の場でスタッフに求められる心構え
 第2節 入院治療で子どもに提供されるべき環境
  1.入院治療における日常
  2.治療目標を明確にする
  3.さまざまな治療の仕掛け、そして治療的介入のあり方
  4.逸脱行動やトラブルへの対応
  5.重度知的障害を伴う発達障害児が他の子どもと共に生活することの意味

 コラム 身体距離について
 コラム 「言うことをきかせる」と「言うことをきくようになる」
 コラム 入院治療における「ゲーム」や「携帯電話」の扱い

第3章 具体的な入院治療の進め方――一人ひとりの子どもを見つめながら
 はじめに
 第1節 入院治療の進め方――入院治療管理システム
  1.入院時アセスメントの大切さ
  2.病棟カンファレンスで維持され、発展していく治療
 第2節 入院治療で提供される枠組み
  1.病棟生活の提示
  2.さまざまな治療の枠組み
 第3節 子どもの集団で生まれる治療
  1.集団の力を治療に生かす技
  2.個別的関わりから集団へ
  3.逸脱行動やトラブルを治療に生かす術

 コラム 体罰について
 コラム 退行をどう捉え、対応するか
 コラム 苦手なことの克服について

第4章 子どもの入院治療の実際――子どもの入院治療を円滑にするために
 はじめに
 第1節 親支援、親への関わり
  1.親のさまざまな姿
  2.入院直後の親への関わり
  3.親(親子関係)への治療的介入
 第2節 療育――治療につながる集団活動
  1.療育活動について
  2.治療キャンプ
 第3節 医療連携課の役割について
  1.医療連携課とは
  2.入退院調整会議について
  3.病棟における医療連携課の役割
  4.医療機関、教育・福祉機関、地域との連携
 第4節 地域支援課の役割について
  1.発達総合支援部地域支援課とは
  2.CLMと個別の指導計画について
  3.地域支援課(児童精神科)の役割
 第5節 学校教育と学校との連携について――主にあすなろ分校について
  1.三重県立かがやき特別支援学校について
  2.入院児童の教育について
  3.センターと学校(分校)との連携手段について
  4.入院している子どもを通じた連携
  5.連携における課題

 コラム 子どもの発した言葉をどう捉えるか
 コラム スプリッティングについて

第5章 退院について
 はじめに
 第1節 退院に向けて
  1.入院中に家庭や地域との関係をいかに保つか
  2.面会、外出、外泊の治療的意味と実際の活用
  3.退院後の地域の環境を整える
  4.テスト通学について
  5.さまざまな関係性や自分の特性などを整理する
 第2節 退院前後
  1.退院後の生活をイメージする
  2.退院に向けての具体的な準備
  3.退院後のフォローについて
  4.退院後に利用できるセンターの機能について

 コラム 大人が「枠」になることについて
 コラム 子どもの人権と入院治療について

付章 三重県立子ども心身発達医療センターについて
  1.沿革
  2.三重県立子ども心身発達医療センターの概要
  3.三重県立子ども心身発達医療センターの基本理念
  4.外来診療の概要
  5.入院治療の概要
  6.建物の構造等環境について

 コラム ミニカンファレンスについて
 コラム 思い入れと客観性について
 コラム コロナ禍において考えること

 あとがき

前書きなど

序文

 この本は、いわゆる入院治療のマニュアル本ではありません。当センターの職員に向けて伝えたいことを書こうと、共著者と話し合って書かれたものです。あすなろ学園の統合移転に伴う通勤のしにくさから、離職する職員がある一方、新たな職員が増えたことによって、これまであすなろ学園で培われた病棟の文化が薄らぎ、治療力が低下してしまう危機感を感じていました。「暴力に対して」「性的逸脱行為に対して」「摂食障害への対応」など、院内に設置されたプロジェクトチームによって作成された「マニュアル」があり、各々の専門職別の人材育成のノウハウも存在していましたが、治療における基本的な考え方や「治療する心構え」を伝えるのは難しいことだと感じていました。そのために、それを本にまとめて伝える必要があると考えました。
 それゆえ、子どもと関わり子どもを育てる姿勢を意識して著しているので、児童養護施設などの児童福祉関連の職員や、現在子育てをしている親が読んでも参考にできる内容になっているものと自負しています。もちろん各地で児童精神科病棟が新たに設立されるなかで、子どもの治療を模索している方々の参考にしていただけるよう、当センターの治療の在りようやある程度のノウハウも記載するように意識しました。すなわち子どもに関わるあらゆる職種の人々、養育者に手に取ってほしいと願って書き上げたつもりです。

 (…後略…)

著者プロフィール

金井 剛  (カナイ ツヨシ)  (

三重県立子ども心身発達医療センター長。児童精神科医。群馬県生まれ。1983年群馬大学医学部を卒業後、神奈川県立こども医療センター、横浜市立大学付属病院小児精神神経科等の勤務を経て、2001年より横浜市中央児童相談所に勤務。2014年に横浜市中央児童相談所長。2016年より三重県立小児心療センターあすなろ学園園長、2017年6月よりあすなろ学園の統合移転により現職。著書に『福祉現場で役立つ子どもと親の精神科』(明石書店)、『「特別企画」現場から考える愛着障害』『「特別企画」児童相談所は、いま』(いずれも編著、日本評論社)、『加害者臨床』(分担執筆、日本評論社)など多数。

中西 大介  (ナカニシ ダイスケ)  (

三重県立子ども心身発達医療センター副センター長。児童精神科医。京都府生まれ。2001年和歌山県立医科大学医学部医学科を卒業。京都府立医科大学精神医学教室、京都府立与謝の海病院精神科(現.京都府立医科大学附属北部医療センター)での研修後、2004年より三重県立小児心療センターあすなろ学園へ勤務。2012年島根県立こころの医療センター勤務を経て、翌2013年よりあすなろ学園へ。2017年6月より三重県立子ども心身発達医療センター児童精神科。2021年4月より現職。著書に『子どもの心の診療シリーズ7 子どもの攻撃性と破壊的行動障害』(共著、中山書店)、『臨床医のための小児精神医療入門』(共著、医学書院)など。

上記内容は本書刊行時のものです。