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シンガポールを知るための65章【第5版】 田村 慶子(編著) - 明石書店
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シンガポールを知るための65章【第5版】 (シンガポールヲシルタメノロクジュウゴショウダイゴハン)

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発行:明石書店
四六判
344ページ
並製
価格 2,000円+税
ISBN
978-4-7503-5253-4   COPY
ISBN 13
9784750352534   COPY
ISBN 10h
4-7503-5253-5   COPY
ISBN 10
4750352535   COPY
出版者記号
7503   COPY
Cコード
C0336  
0:一般 3:全集・双書 36:社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2021年10月1日
書店発売日
登録日
2021年8月23日
最終更新日
2021年10月22日
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紹介

国際的にも重要な地位を占めるに至った小さな都市国家シンガポール。本書は、日本の第一線で活躍する研究者をはじめとする、知見も経験も豊富な執筆者によって紹介する、絶好のシンガポール入門書。コロナ禍での経済危機、ロックダウン等、最新の状況も収録。

目次

 はじめに


Ⅰ 都市国家の登場――歴史を考える

第1章 ラッフルズ以前の歴史――中世の「シンガプラ」の繁栄
第2章 ラッフルズ――近代シンガポールの「建設者」
第3章 華人、マレー人、インド人――多様な移民社会の成立
第4章 抗日救国運動――「南洋華僑」の愛国
第5章 日本軍政期――「昭南島」の3年半
第6章 歴史教科書に見る「戦争の記憶」――どう語り継がれてきたか?
第7章 突然の独立――リー・クアンユーの涙
第8章 南洋大学の25年――「権力に祝福されない大学」の興亡史
第9章 シンガポールの経済発展と日本――刷新を続ける経済政策と日本企業進出
 【コラム1】知っているようで知らない? シンガポール人の名前


Ⅱ 多様なエスニシティ――人と文化を考える

第10章 民族の分類と多文化主義――「CМIО」で生きるシンガポール人
第11章 華人会館――華人アイデンティティを支える組織
第12章 食文化――食事の中の異文化
第13章 シングリッシュ――多民族国家とアイデンティティ
第14章 言語と階層――成功を決めるのは何か
第15章 ポップカルチャー――ポップ音楽界、海外頼みに変化の兆し
第16章 文学の多様性――英語、マレー、タミルそしてサイノフォン
第17章 文化政策――分断の克服と文化の卓越性をめぐる模索
第18章 演劇――規制と支援の狭間で、アイデンティティを探る場に
第19章 映画――黎明期からの脱皮
第20章 宗教――キリスト教と無宗教、二極化する宗教
第21章 移民――移民の国の反移民感情
第22章 マレー系シンガポール人――近代都市国家のムスリム・マイノリティ
第23章 インド系シンガポール人――多民族国家のなかの多様なインド系社会
第24章 ミャンマー人――歴史と生活
第25章 性的少数者――刑法377条A項とピンクドット
第26章 シンガポールで働く日本人――「就職しやすい国」から「狭き門」へ
 【コラム2】国民食となった日本食


Ⅲ 管理国家の諸相――社会のあり様を考える

第27章 マスコミ事情――「ОBマーカー」内での活動
第28章 コミュニティ・クラブ――「草の根」の管理機関から娯楽・奉仕活動の場へ
第29章 HDB団地――団地社会に生きなければならない人々
第30章 教育制度――すべての子どもの能力と努力を引き出す独自のシステム
第31章 大学生気質――人生を変えるために大学に行く
第32章 社会福祉――自立と家族支援が基本
第33章 老いるシンガポール――「家族介護」の限界
第34章 土地収用法――生者も死者も強制移転
第35章 外国人家事労働者――女性の社会進出を支える外国人女性
 【コラム3】罰金の国


Ⅳ 生存と繁栄の外交戦術――国際関係を考える

第36章 対マレーシア関係――紆余曲折の2国関係
第37章 対中国関係――「中国の影」と対峙する小国外交
第38章 対台湾関係――「特別な関係」とその終焉
第39章 対アメリカ関係――経済と安全保障を依存
第40章 対インドネシア関係――東南アジアと自国の安定の要
第41章 ASEAN│小国外交の最大化を図る外交装置
第42章 対日関係――「親日」は変わる?
第43章 軍事力と防衛政策――抑止力強化をめざす総合防衛
第44章 マラッカ海峡の安全航行――海上物流を支える国際中継拠点・シンガポール
 【コラム4】シンガポールの地名あれこれ


Ⅴ 多国籍企業のビジネス・ハブ――経済発展を考える

第45章 経済政策――新たな成長モデルにリセットへ
第46章 外資系企業――変化する投資家の顔ぶれ
第47章 政府系ファンド――GICとテマセク、拡大するその役割
第48章 スタートアップ――東南アジア最大級の企業拠点
第49章 労働組合――政府と経営者と連携する組合
第50章 チャンギ空港――再生なるか、シンガポールの象徴
第51章 港と貿易――港の都市の賭け
第52章 FTA政策――ハブ戦略の一翼を担うFTAネットワーク
第53章 都市交通政策――公共交通の充実と自動車の需要管理
第54章 観光産業――МICEの起爆剤としてのIR
第55章 スマート・ネーション――デジタル化、新型コロナで加速
第56章 都市計画――都市機能、集中から分散へ
第57章 所得格差――見えない貧困
 【コラム5】新型コロナ禍、ホテル隔離の悲喜劇


Ⅵ 強く巨大な政府――政治を考える

第58章 人民行動党――安定支配は国家の生存と繁栄の基礎
第59章 治安維持法――評価が割れる植民地時代のレガシー
第60章 弱小野党――「個人政党」から脱皮できるか?
第61章 選挙制度――与党有利の制度
第62章 リー・クアンユー――シンガポール「建国の父」
第63章 リー・クアンユー後の首相たち――「建国の父」の偉業との苦闘
第64章 新型コロナウィルスと政府の対応――独立以来の危機に、新型コロナの感染拡大
第65章 2020年総選挙――「二大政党制」の萌芽?


 関連書ガイド

前書きなど

はじめに

 (…前略…)

 本書は2001年に刊行した『シンガポールを知るための60章』、2008年の第2版『シンガポールを知るための62章』、2013年の第3版『シンガポールを知るための65章』、2016年の第4版に続く第5版である。第5版の目的は当初と変わらない。小さな都市国家がどのように世界史に登場したのか、アジアを中心とする世界各地からの移民がどのように「シンガポール人」になっていったのか、世界で最もビジネスのしやすい国として多国籍企業のハブとなり成長を続ける経済の現状や課題は何か、急激な経済成長のなかで人々の暮らしはどのように変容していったのか、近隣のアジア諸国やアメリカとはどのような国家間関係を築いているのか、長期にわたる抑圧的な政治体制はどのように形成され、なぜ継続しているのか、今後どうなるのかなど、シンガポールの歴史や社会、文化や娯楽、人々の暮らし、経済、国際関係や政治などについてより深く知ってもらうことである。さらに、2020年新型コロナウィルス(Covid-19)によってもたらされた未曾有の経済危機とその対応にも1章を割き、他の章のいくつかでもコロナ禍について触れ、海外からシンガポールに帰国した人のホテル隔離生活についての生々しい体験をコラムにした。
 各章の執筆は、それぞれの分野についてシンガポールや日本の第一線で活躍している研究者のみならず、シンガポール人との結婚や日系企業・メディアなどの研究員や特派員などとしてシンガポールに長く居住して仕事をされている方々にもお願いした。お忙しいなか、原稿を引き受けてくださったすべての執筆者の方々に、心からのお礼を申し上げたい。
 本書を読まれる方は、どこからでも興味のある章から自由に読んでいただければと思う。コラムを先に読んでくださっても構わない。章やコラムにはテーマに沿った写真や図表も多く挿入しているので、それらを眺めてシンガポールに思いをはせていただきたい。本の最後には関連書ガイドがついているので、より深く学びたい方はぜひガイドを利用してほしい。本書がシンガポールをよりよく理解する手引きとして、またシンガポール研究、東南アジア研究の入門書となれば、執筆者一同これにまさる喜びはない。

 (…後略…)

著者プロフィール

田村 慶子  (タムラ ケイコ)  (編著

北九州市立大学法学部政策科学科教授(国際関係論、東南アジア地域研究専攻)
国際関係学(修士)、法学(博士)
[主要業績]
『多民族国家シンガポールの政治と言語――「消滅」した南洋大学の25年』(明石書店、2013年)
『シンガポールの基礎知識――アジアの基礎知識2』(めこん、2016年)
『東南アジアのNGOとジェンダー』(明石書店、2004年〔共編著〕)
『現代アジア研究第1巻―越境』(慶應義塾大学出版会、2008年〔共編著〕)
『日本の国際政治学第3巻―地域から見た国際政治』(有斐閣、2009年〔共著〕)
『謎解き散歩シンガポール』(KADOKAWA、2014年〔本田智津絵との共著〕)
『東南アジア現代政治入門(改訂版)』(ミネルヴァ書房、2018年〔共編著〕)
『マラッカ海峡――シンガポール、マレーシア、インドネシアの国境を行く』(北海道大学出版会、2018年〔編著〕)
『20世紀の東アジア史 Ⅲ 各国史(2)東南アジア』(東京大学出版会、2020年〔共著〕)
『東南アジアと「LGBT」の政治』(明石書店、2021年〔共編著〕)

追記

【執筆者一覧】

田村慶子(たむら けいこ) ※著者プロフィールを参照

渡辺洋介(わたなべ ようすけ)
大阪経済法科大学アジア太平洋研究センター客員研究員/NPO法人ピースデポ研究員

小島英太郎(こじま えいたろう)
日本貿易振興機構(ジェトロ)海外調査部アジア大洋州課長

合田美穂(ごうだ みほ)
香港中文大学歴史学科兼任准教授

謝なおみ(しゃ なおみ)
フリーランス講師(日本語、日本文学)

藤田仁子(ふじた ひろこ)
南洋理工大学言語センター・SIM/バッファロー大学日本語講師

谷繭子(たに まゆこ)
日本経済新聞社シンガポール支局記者

舛谷鋭(ますたに さとし)
立教大学観光学部交流文化学科教授

齋藤梨津子(さいとう りつこ)
シンガポール国立大学カルチュラル・スタディーズ・イン・アジア・プログラム博士課程在籍

近藤明日香(こんどう あすか)
日経グループアジア本社ゼネラル・マネジャー

本田智津絵(ほんだ ちづえ)
ジェトロ(日本貿易振興機構)シンガポール事務所シニアアナリスト

市岡卓(いちおか たかし)
法政大学大学院国際文化研究科兼任講師

竹村嘉晃(たけむら よしあき)
国立民族学博物館南アジア研究拠点・特任助教

藏本龍介(くらもと りょうすけ)
東京大学東洋文化研究所准教授

鍋倉聰(なべくら さとし)
滋賀大学経済学部教授

シム チュン・キャット
昭和女子大学現代教養学科准教授、元シンガポール教育省政策企画官

湯玲玲(Thang Leng Leng)
シンガポール国立大学人文社会学部日本研究学科准教授

駒見一善(こまみ かずよし)
立命館大学国際教育推進機構准教授

椎野幸平(しいの こうへい)
拓殖大学国際学部准教授

古賀慶(こが けい)
南洋理工大学社会科学部助教授

佐々木生治(ささき せいじ)
マラッカ海峡協議会技術アドバイザー

兒山真也(こやま しんや)
兵庫県立大学国際商経学部教授

板谷大世(いたや たいせい)
広島市立大学国際学部准教授

上記内容は本書刊行時のものです。