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家庭養護のしくみと権利擁護 相澤 仁(編集代表) - 明石書店
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家庭養護のしくみと権利擁護 (カテイヨウゴノシクミトケンリヨウゴ)

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発行:明石書店
B5判
232ページ
並製
価格 2,600円+税
ISBN
978-4-7503-5234-3   COPY
ISBN 13
9784750352343   COPY
ISBN 10h
4-7503-5234-9   COPY
ISBN 10
4750352349   COPY
出版者記号
7503   COPY
Cコード
C0336  
0:一般 3:全集・双書 36:社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2021年6月30日
書店発売日
登録日
2021年6月16日
最終更新日
2021年7月28日
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紹介

今日の家庭養護実践を推進していくうえで実践者が理解しておくべき基礎的知識を学ぶ。里親・ファミリーホーム・養子縁組における実施体制や理念、法的根拠、子どもの権利擁護について、歴史的文脈にも目配りしながらわかりやすく解説する。

目次

 シリーズ刊行にあたって
 はじめに

第1章 現代社会と子どもの権利擁護
 1.子どもを取り巻く社会の現状
 2.子どもの権利擁護とは
 3.子ども家庭福祉の中の社会的養護

 コラム 子どもの虐待死亡事例から考える

第2章 社会的養護の制度と動向
 1.社会的養護とは
 2.社会的養護のしくみ
 3.国際的動向と社会的養護における里親委託推進
 4.社会的養護を必要とする子どもたち
 5.社会的養護の現状と課題
 6.これからの社会的養護

第3章 家庭養護とは
 1.家庭養護の概念
 2.家庭養護の体系(里親制度/ファミリーホーム/養子縁組)
 3.家庭養護の対象
 4.家庭養護の実施体制

 コラム 里親リクルートについて

第4章 家庭養育支援と家庭養護の役割
 1.家庭養護に関する法制度
 2.児童虐待防止における家庭養護の役割と意義
 3.家庭養護に関連する理念――パーマネンシー、実家族の養育の優先等
 4.里親から実親への家族再統合に向けた支援

 コラム イギリスの民間チャリティ団体による里親支援等の事業

第5章 家庭養護の歴史的展開
 1.戦前の家庭養護
 2.戦後から子どもの権利条約批准まで
 3.子どもの権利条約批准以降の家庭養護の推進

 コラム 我が国における里親/養子縁組の歴史的な文脈とこれからの里親/養子縁組

第6章 我が国における家庭養護の現状と展望
 1.児童福祉法制定初期の社会的養護の状況
 2.近年の家庭養護の状況
 3.これからの家庭養護推進に向けた課題

 コラム 写真と言葉でつむぐプロジェクト「フォスター」

第7章 要保護児童と養子縁組制度
 1.家庭養育優先の原則と養子縁組
 2.社会的養護と要保護児童を対象とした養子縁組
 3.実親子支援と特別養子縁組の現状
 4.制度改正に向けた動向と改正内容
 5.今後の課題

 コラム 要保護児童を対象とした国際養子縁組とその原則

第8章 里親及びファミリーホーム養育指針に見る家庭養護のあり方
 1.里親・ファミリーホームの役割と理念
 2.里親・ファミリーホームの対象児童
 3.里親・ファミリーホームに期待されること
 4.里親・ファミリーホームと地域との連携

第9章 家庭養護における子どもの権利擁護
 1.子どもの権利擁護と養育
 2.被措置児童等虐待の防止
 3.権利主体としての子どもの参画・意見表明
 4.児童福祉審議会
 5.権利擁護を推進するための今後の取り組み

 コラム 胎児アドボカシー――すべての子どもが公平なスタートを切るために

 コラム 訪問アドボケイトの取り組み

資料
 ①社会的養護の現状
 ②里親委託等の推進
 ③都道府県等における里親等委託推進に向けた個別項目ごとの取組事例
 ④自立支援の充実
 ⑤養子縁組制度等
 ⑥統計表等

 おわりに

前書きなど

はじめに

 すべての子どもには、生まれてきた家庭で愛情を受け、幸福を実感しながら健やかに成長・発達する権利があります。しかし、現実には、保護者からの虐待や育児放棄、経済的事情などさまざまな理由によって社会的養護を必要とする子どもたちが全国にいます。
 2017(平成29)年8月に取りまとめられた「新しい社会的養育ビジョン」では、社会的養護を必要とする子どものための代替的養育については、家庭での養育を原則とし、里親委託を推進するという方向性が示されました。これまで施設養護を中心に展開されてきた日本の社会的養護は、これまでとは異なるかたちで展開することを目指し始めたのです。
 本書は、「シリーズ みんなで育てる家庭養護(里親・ファミリーホーム・養子縁組)」の第1巻として、家庭養護のしくみの全体像について、子どもの権利擁護という観点から説明しています。
 具体的には、第1章では、現代社会における子どもを取り巻く状況を理解した上で、社会的養護を必要とする子どもたちの背景や必要としている支援等について考えます。第2章では、社会的養護に関する制度の全体像と今後目指すべき方向性と課題について概説しています。第3章では、社会的養護の中でも家庭養護(里親・ファミリーホーム・養子縁組)に焦点をあて、より詳細にその内容や実施体制等について解説します。第4章では、家庭養護の役割や意義、価値や理念について、子どもの権利という視点から考えていきます。第5章では、日本における古代から現在に至るまでの家庭養護の歴史的変遷について概観します。第6章では、家庭養護の現状と直面している課題を踏まえ、今後の展望について説明します。第7章では、家庭養護の中でも特に養子縁組に焦点をあて、制度の概要と今後の課題や方向性について解説します。第8章では、「里親及びファミリーホーム養育指針」の内容を概観しながら、これからの家庭養護のあるべきすがたについて考えていきます。第9章では、家庭養護に委託される子どもの声を聴く(アドボケイト)を中心に、家庭養護における子どもの権利擁護のためのしくみづくりについて考えます。
 本書は、現在、里親として活動されていてさらなるステップアップを目指す人、これから里親になることや養子縁組を考えている人にぜひ読んでいただきたいと思います。本書が、自分たち(里親・ファミリーホーム・養親)が担っている役割について理解したり、これから里親になろうとする人に伝えるべきことについて考えたりするきっかけになればうれしいです。また、里親家庭や養子縁組家庭を支援する立場にある人にも広く読んでいただきたいと思います。
 里親制度や養子縁組制度が、子どものための制度であることをあらためてみなさんと確認した上で、今後の家庭養護や社会的養護のあり方について一緒に考え創造していくことができれば幸いです。

 2021年5月 伊藤嘉余子

著者プロフィール

相澤 仁  (アイザワ マサシ)  (編集代表

1956年埼玉県生まれ。
立教大学大学院文学研究科教育学専攻博士課程後期課程満期退学。
国立武蔵野学院長を経て、2016年4月より、大分大学福祉健康科学部教授。
日本子ども家庭福祉学会会長、日本子ども虐待防止学会理事。
『子どもを健やかに養育するために』(共編、2003年、日本児童福祉協会)、『児童生活臨床と社会的養護』(分担執筆、2012年、金剛出版)、『やさしくわかる社会的養護シリーズ全7巻』(編集代表、2012~2014年、明石書店)

澁谷 昌史  (シブヤ マサシ)  (編集

上智大学大学院文学研究科社会学専攻社会福祉コース博士前期課程修了。
上智社会福祉専門学校社会福祉士・児童指導員科専任教員、社会福祉法人恩賜財団母子愛育会日本子ども家庭総合研究所研究員などを経て、2007年4月に関東学院大学文学部に准教授として着任。現在、同大学社会学部教授。
『子どもの養育・支援の原理――社会的養護総論』(やさしくわかる社会的養護シリーズ1)(共編、2012年、明石書店)、『児童・家庭福祉』(最新社会福祉士養成講座3)(共編、2021年、中央法規出版)

伊藤 嘉余子  (イトウ カヨコ)  (編集

同志社大学大学院文学研究科博士前期課程修了、修士(社会福祉学)。
日本社会事業大学大学院社会福祉学研究科博士後期課程修了、博士(社会福祉学)。
福島学院大学講師、埼玉大学准教授等を経て、現在、大阪府立大学地域保健学域教育福祉学類/大学院人間社会システム科学研究科教授。
『児童養護施設におけるレジデンシャルワーク』(単著、明石書店、2007年)、『子どもと社会の未来を拓く――相談援助』(単著、青踏社、2013年)、『子どもと社会の未来を拓く――保育相談支援』(単著、青踏社、2013年)、『児童福祉――子ども家庭福祉と保育者』(共編著、樹村房、2009年)、『アメリカの子ども保護の歴史』(共訳、明石書店、2011年)、「社会的養護の子どもと措置変更――養育の質とパーマネンシー保障から考える」(編著、2017年、明石書店)

上記内容は本書刊行時のものです。