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公立学校の外国籍教員 中島 智子(著) - 明石書店
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公立学校の外国籍教員 (コウリツガッコウノガイコクセキキョウイン) 教員の生(ライヴズ)、「法理」という壁 (キョウインノライヴズホウリトイウカベ)

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発行:明石書店
A5判
256ページ
並製
価格 2,700円+税
ISBN
978-4-7503-5227-5   COPY
ISBN 13
9784750352275   COPY
ISBN 10h
4-7503-5227-6   COPY
ISBN 10
4750352276   COPY
出版者記号
7503   COPY
Cコード
C0037  
0:一般 0:単行本 37:教育
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2021年11月30日
書店発売日
登録日
2021年10月26日
最終更新日
2021年12月14日
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書評掲載情報

2022-01-29 毎日新聞  朝刊
評者: 岩間陽子(政策研究大学院大学教授・国際政治)
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紹介

日本の公立学校のなかで正規外国籍教員は、多くが「任期の期限を附さない常勤講師」として採用される。授業はできるが、管理職にはなれず、校務の運営には参画できない。現場に立つ6人の外国籍教員のライフヒストリーを軸に、学校・制度の問題点と課題を浮き彫りにする。

目次

 刊行に寄せて[田中宏]
 はじめに[中島智子]

第1部 外国籍教員に出会う

第1章 外国籍(ルーツ)教員のライフストーリー[権瞳・中島智子・榎井縁]
 はじめに
1 金相文さん――教諭として全うした教員生活
2 方政雄さん――定時制高校の教員として
3 コンダイア・クリシュナさん――ALTから高校英語教員へ
4 長尾雅江さん――国際理解を身近にできる授業実践を
5 リー・タイワーさん――多様な外国籍教員がいることが大切
6 シェルトン・ジョンさん――PTA会長から民間人校長に

第2章 当事者の語りからみる外国籍(ルーツ)教員の世界[権瞳]
 はじめに
1 調査概要
2 外国籍(ルーツ)教員を取り巻く社会背景と採用世代
3 被教育経験・教員になるまでの道・教員となってからの経験
 おわりに

第3章 マイノリティ教員の経験[呉永鎬]
1 教員の多様性/多様な教員たち
2 マイノリティが教員になることを阻む社会構造的な問題
3 障害学生が直面する3つの壁
4 子どもにとってのマイノリティ教員
5 同僚との関係および職場環境
 おわりに

第2部 外国籍教員問題を考える

第4章 公立学校外国籍教員の「教諭」任用問題[中島智子]
 はじめに
1 旧植民地出身教員の処遇
2 国籍要件廃止と教諭任用の動き(1974年~1982年)
3 教諭任用をめぐる中央と地方の攻防(1982年~1990年)
4 国籍要件の廃止と〈常勤講師〉の固定化(1991年以降)
5 「91年」後の外国籍教員数の増加と横たわる課題
6 教諭は不可、講師は可の論理――「任用の期限を附さない常勤講師」という職
 おわりに

第5章 国公立大学外国人教員任用法と公立小中高校等の教員[中島智子]
 はじめに
1 外国人教員任用問題に関する大学教員の動き
2 国会での法案作成の経緯
3 「任用法」成立のその後
4 公立小中高校等の外国籍教員問題との関係

第6章 外国人公務就任権と公務員に関する「当然の法理」という制約[中島智子]
 はじめに
1 同「法理」はいつ生まれ、どのように変化してきたのか
2 同「法理」をどのように考えるか――外国人の人権の視点から
3 同「法理」が体現する外国人排除の構造

第7章 教育のグローバル化と外国籍教員[中島智子]
 はじめに
1 グローバル化への教育対応と教員採用の弾力化
2 英語能力を重視した特別選考と外国籍教員
3 ニューカマー児童生徒の教育支援と外国籍教員
 おわりに

第8章 諸外国における外国籍教員の任用・雇用状況[権瞳]
 はじめに
1 調査の概要と背景
2 国籍要件の要否状況
3 諸外国の状況と日本の位置づけ
 おわりに

終章 外国籍教員研究の問題構成と今後の課題[呉永鎬]
1 本書刊行の背景と問題意識――今、外国籍教員問題を語る意味
2 本書の知見と主張――研究史上の位置
3 外国籍教員問題を継続して考えていくために

 おわりに(謝辞)[中島智子]
 資料

前書きなど

はじめに[中島智子]

 (…前略…)

 本書は、外国籍教員の実態を扱った第1部(第1章~第3章)と、外国籍教員問題を多角的に検討した第2部(第4章~第8章)、及び終章で構成されている。
 第1部第1章では、6人の外国籍(ルーツ)教員のライフストーリーを紹介している。第2章では、私たちが聞き取りをした当事者の語りから、外国籍教員の実態を社会背景と採用世代から分析し、また教員生活の実際と課題をまとめた。第3章は、国籍以外の「マイノリティ」教員を取り上げた。
 第2部第4章は、戦後の公立学校外国籍教員任用の経緯をまとめている。第5章では、国公立大学外国籍教員任用問題を取り上げて、大学と高校以下での外国籍教員任用の違いに注目した。第6章では、教諭任用制約の問題を考えるために、外国籍者の公務就任権と公務員に関する「当然の法理」の検討を行った。第7章では、近年の教育のグローバル化対応の中で生じている「特性のある外国人」の教員採用を扱っている。第8章では、日本を相対化する視点を得るため、諸外国における外国籍教員採用状況の調査結果をまとめた。
 終章では、本書全体のまとめを行い、課題を整理している。
 全体としての構成を意識して執筆しているが、各章のどこから読んでもいいように説明が重複する部分もある。

 (…後略…)

著者プロフィール

中島 智子  (ナカジマ トモコ)  (

元プール学院大学教授。退職後は研究活動に専念。
関心領域は、在日外国人教育。
主な著書に、『小さな地域と小さな学校――離島、廃校、移住者受け入れから考える』(共編著、明石書店、2020年)、『日本の外国人学校――トランスナショナリティをめぐる教育政策の課題』(共編著、明石書店、2014年)。

権 瞳  (クォン ヒトミ)  (

阪南大学国際コミュニケーション学部教授。
関心領域は、英語教育、日米のマイノリティの教育関係。
主な著書に、『英語学習者はe-learningをどう使っているのか――自律学習におけるメタ認知ストラテジー能力の養成に向けて』(共編著、渓水社、2014年)、「多文化社会アメリカの葛藤と共生――黒人大学をめぐって」(『異文化間協働――国際文化学の展開』所収、アカデミア出版会、2011年)。

呉 永鎬  (オ ヨンホ)  (

鳥取大学地域学部准教授。朝鮮学校を対象に、脱植民地化、多文化共生について研究している。主な著書に、『朝鮮学校の教育史――脱植民地化への闘争と創造』(単著、明石書店、2019年)、『境界線の学校史――戦後日本の学校化社会の周縁と周辺』(共著、東京大学出版会、2020年)、『生活綴方で編む「戦後史」――〈冷戦〉と〈越境〉の1950年代』(共著、岩波書店、2020年)。

榎井 縁  (エノイ ユカリ)  (

大阪大学大学院人間科学研究科附属未来共創センター特任教授。外国につながる子どもの教育や地域の多文化共生に関して研究している。主な著書に、『移民政策とは何か――日本の現実から考える』(共著、人文書院、2019年)、『外国人と共生する地域づくり――大阪・豊中の実践から見えてきたもの』(共著、明石書店、2019年)、『外国人の子ども白書――権利・貧困・教育・文化・国籍と共生の視点から』(共編著、明石書店、2017年)。

上記内容は本書刊行時のものです。