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中国の家族とジェンダー 坂部 晶子(編著) - 明石書店
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中国の家族とジェンダー 社会主義的近代化から転形期における女性のライフコース

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発行:明石書店
A5判
260ページ
上製
価格 4,000円+税
ISBN
978-4-7503-5197-1   COPY
ISBN 13
9784750351971   COPY
ISBN 10h
4-7503-5197-0   COPY
ISBN 10
4750351970   COPY
出版者記号
7503   COPY
Cコード
C0036
一般 単行本 社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2021年3月31日
書店発売日
登録日
2021年3月19日
最終更新日
2021年4月27日
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紹介

中国の政治イデオロギーとの関連をとおした家族研究の学説史から、中国の主流社会の農村・都市部女性の生、また少数民族や国際移住当事者など様々な中国女性の生の変容を考察した、現代中国の家族研究、ジェンダー研究論集。

目次

序章 社会主義的近代化とジェンダーからみた中国女性のライフコース研究[坂部晶子]
 1.中国女性の生の経路へのまなざし
 2.中国の家族研究とジェンダー
 3.「近代家族論」の中国社会分析への適用
 4.社会主義的近代という時期区分
 5.転形期の社会変容――家族の「個体化(個人化)」の傾向
 6.本書の構成

第Ⅰ部 中国社会における多様なジェンダー経験

第1章 転形期中国における家族のイデオロギー化と左翼右翼の闘争[呉小英/翻訳:坂部晶子]
 1.西洋の思想界における左翼右翼の分岐、および家族の領域におけるその表れ
 2.中国の思想界における左翼右翼の闘争とそこからくる家族のイデオロギー化
 3.家族研究と中国的コンテクストにおける「ポリティカル・コレクトネス」

第2章 家族の紐帯と権力ゲーム――中国南方における向都離村夫婦のジェンダー秩序の再構築[杜平/翻訳:奈倉京子]
 1.研究背景
 2.研究方法
 3.向都離村における家族主義とジェンダー秩序の再構築
 (1)家族主義におけるジェンダー利益の統合と妥協
 (2)家族の経済的戦略を含む労働の性別分業
 (3)夫婦間の権力ゲームと多様化の現れ
 4.結論と課題

第3章 三重の期待――中国都市家族における母親規範のロジック[鄭楊]
 1.問題意識
 2.専業主婦の必然性と特殊性――市場経済期の崇高なる「母親役割」
 3.働く母親の大衆化――計画経済期に選択せざるを得なかった権利と義務:「仕事」と「母業」
 4.近代家族の出現――離脱した「家」と復帰する「家」
 (1)三つの家族:伝統家族、近代家族、ポスト近代家族
 (2)中国都市部に誕生した「近代家族」
 5.三重の期待――実家、嫁ぎ先、自分の家庭からの期待
 (1)luluの物語:娘、嫁、母親という三つの役割の日常的な実践
 (2)双の物語:実家からの育児援助と自分一人での子育ての体験
 (3)梅の物語:3世代同居と母親だけの育児
 (4)葳の物語:仕事で稼ぐ意味と赤ん坊に与える愛と付き添い
 6.分析と結論
 (1)近代家族の大衆化:専業ママの多様性と選択の一致
 (2)女性の価値観の変化:仕事と「母業」
 (3)三つの期待と「母業」の変化

第Ⅱ部 周辺部における女性の生

第4章 浙江省義烏市における回族女性のジェンダー役割に関する語りと実践――女性のネットビジネスへの参入を中心に[李之易]
 1.はじめに
 2.中国主流社会と回族コミュニティにおけるジェンダー・イデオロギー
 (1)社会主義的な「男並みの男女平等」と市場経済における「現代淑女」
 (2)回族コミュニティにおけるジェンダー・イデオロギー
 3.研究地域と研究対象
 (1)義烏市における回族女性
 (2)移動の中の回族女性通訳
 4.回族女性のネットビジネスへの参入
 (1)市内における最初の回族女性微商
 (2)微商会社――クライシュ会社
 (3)主婦であり、微商である――AYSの例
 (4)回族主婦たちの微商経験
 5.現代中国における回族女性の能動性
 6.おわりに――挑戦とチャンス

第5章 シーサンパンナ・タイ族の養取慣行からみる「不妊」とジェンダー[磯部美里]
 1.はじめに
 2.調査地の概況
 (1)シーサンパンナについて
 (2)調査地について
 3.タイ族の出産状況と貰い子の特徴
 (1)計画出産政策とタイ族の家族のあり方
 (2)調査地における貰い子の特徴
 (3)貰い子と誕生儀礼
 4.考察――なぜ子どもを望むのか
 (1)貰い子と実子
 (2)貰い子が必要な理由
 (3)母になること
 (4)不妊の対処法の多様化
 5.おわりに

第6章 ジェンダーから見た朝鮮族女性における国際結婚の研究[全信子/翻訳:磯部美里]
 1.はじめに
 2.朝鮮族女性の国際結婚の動機
 3.朝鮮族女性の国際結婚のパターン
 4.朝鮮族女性におけるジェンダー・ロールの転換と再構築
 5.おわりに

第Ⅲ部 移住とジェンダーの変化

第7章 中国人の海外移住にともなう家族・ジェンダー観の変容――移住する男性の妻・嫁から自ら移住する妻・母への着目[奈倉京子]
 1.はじめに
 2.伝統的な移民システムのなかの女性
 (1)海外へ移住する男性の妻・嫁
 (2)移住と宗族
 (3)地域のもつジェンダー秩序の不変性
 3.「新移民」――自ら海外へ移住する妻・母
 (1)子どもの養育と生産労働をめぐる選択からみる家族と女性
 (2)「男女平等」の相対化
 (3)女性の個人化
 4.おわりに

第8章 日本における高学歴結婚移民女性の仕事と家事・育児――専業主婦、バートタイム労働、フルタイム労働の中国人女性の場合[賽漢卓娜]
 1.はじめに
 2.高学歴移民女性はなぜ専業・兼業主婦になるのか?
 (1)制度障壁説と受け入れ国構造
 (2)ジェンダー規範説
 (3)人的資本・社会関係資本不足説
 3.調査方法
 4.高学歴既婚中国移住女性の就労をめぐる経験
 (1)社会とつながりたい「暫定的な専業主婦」
 (2)現実と就労願望の「妥協点であるパートタイム」
 (3)借りられるサービスはすべて借りる「マネージメントフルタイム」
 5.せめぎあうジェンダー意識
 6.中国人高学歴結婚移民の「社会とつながる願望」と「自己実現の願望」――人的資本と社会関係資本と関連して
 7.おわりに

第9章 国際結婚移住と親密性の変容――中国東北地域のグローバル家族の事例から[郝洪芳]
 1.はじめに
 2.先行研究
 3.グローバル家族の姿
 4.トランスナショナルな家族形成の契機
 5.ヨンさんとメイさんの結婚
 (1)姉たちからの経済的なサポート
 (2)トランスナショナル仲介業者ネットワークの役割
 (3)韓国から中国へ:メイさんの事情
 6.考察
 7.結論

 あとがき

 索引

前書きなど

序章 社会主義的近代化とジェンダーからみた中国女性のライフコース研究[坂部晶子]

 (…前略…)

6.本書の構成
 本書では、1950年代の社会主義的近代の推進期から80年代以降の改革開放の時代への転形期において、中国の女性たちにとっての生の経路の実態を描きだし、そこに絡まるさまざまな時代的、国家的、地域的、集団的な規範の要因に目をとめている。本書の主題は、女性の生き方やライフコースおよびそれに伴う家族のあり方の変容である。第Ⅰ部「中国社会における多様なジェンダー経験」では、中国の政治イデオロギーとの関連をとおした家族研究の学説史を含め、中国の主流社会の農村と都市における女性の生の変化についてとりあげる。第Ⅱ部「周辺部における女性の生」では、回族、タイ族、朝鮮族という少数民族女性を事例とする。第Ⅲ部「移住とジェンダーの変化」では、特にグローバリゼーション以降の国際移住に伴う女性の生き方の変化やジェンダーについて論じられる。
 第Ⅰ部第1章では、中国の家族研究がおかれている状況を理解するために、思想史におけるイデオロギー対立と、中国社会におけるイデオロギー対立を踏まえたうえで、中国における家族研究のイデオロギー化が論じられる。(……)
 第2章では、中国農村の伝統的な家父長制的家族主義の規範が、都市への出稼ぎのなかで揺れ動き、再編されていく過程を扱っている。(……)
 第3章では、中国都市部において専業主婦となる選択をした女性たちについて、中国の家族研究の現状を踏まえて、近代家族論を援用しながら論じている。(……)
 第Ⅱ部第4章では、中国最多のムスリム民族である回族をとりあげ、近年特に沿海都市部に働きに出ている回族女性の生の経路を分析し、そのジェンダー役割との関係について論じている。(……)
 第5章では、中国最南端、雲南省シーサパンナに居住するタイ族の出産と養子縁組や養取慣行を通して、タイ族社会における「子どもを産むこと」の意味、女性たちが「子どもをもつこと」を望む理由、「不妊への対処法」に見られる多様化について論じている。(……)
 第6章では、主として中国東北地域に居住する朝鮮族のあいだで、1990年代から急速に増加した韓国での国際結婚がとりあげられる。(……)
 第Ⅲ部第7章では、中国人の海外移住による家族、ジェンダー観の変容について、歴史的な経緯から現在までを通時的に論じている。(……)
 第8章では、日本に居住する中国系移民女性をとりあげ、その主婦化の要因が検討される。(……)
 第9章では、中国東北地域のある家庭が、国際結婚の仲介業者や親族をつうじてグローバルに家族ネットワークを形成している事例をとりあげ、中国社会の社会変容とグローバリゼーションの展開、およびそれらに伴う中国の家族像や親密性の変容について検討している。(……)

 (…後略…)

著者プロフィール

坂部 晶子  (サカベ ショウコ)  (編著

名古屋大学人文学研究科 准教授
専攻:中国地域研究、植民地研究、社会学
主な著作:『「満洲」経験の社会学――植民地の記憶のかたち』(世界思想社、2008年)、「中国北方民族オロチョンの民族イベントにおける「伝統」意識――建旗60周年記念大会を事例に」(『北東アジア研究』第26号、2015年)、「地域に残る加害の記憶と贖罪意識――岐阜県瑞浪市「化石山」の中国人犠牲者の慰霊碑をめぐって」(『フォーラム現代社会学』第17号、2018年)。

上記内容は本書刊行時のものです。