版元ドットコム

探せる、使える、本の情報

文芸 新書 社会一般 資格・試験 ビジネス スポーツ・健康 趣味・実用 ゲーム 芸能・タレント テレビ・映画化 芸術 哲学・宗教 歴史・地理 社会科学 教育 自然科学 医学 工業・工学 コンピュータ 語学・辞事典 学参 児童図書 ヤングアダルト 全集 文庫 コミック文庫 コミックス(欠番扱) コミックス(雑誌扱) コミックス(書籍) コミックス(廉価版) ムック 雑誌 増刊 別冊 ラノベ
はじめて保育・教育を学ぶ人のために 〈わかちあい〉の共育学【応用編】 笹倉 千佳弘(著) - 明石書店
.

書店員向け情報

在庫ステータス

在庫あり

取次情報

取次: ト|ニ|楽天|中|地方小|協和|鍬谷|三和|JRC|新日本|大学|日キ販|日教販|西村|八木
直接取引: なし

はじめて保育・教育を学ぶ人のために 〈わかちあい〉の共育学【応用編】 子どもと共に未来図を描こう

このエントリーをはてなブックマークに追加
発行:明石書店
A5判
160ページ
並製
価格 1,800円+税
ISBN
978-4-7503-5190-2   COPY
ISBN 13
9784750351902   COPY
ISBN 10h
4-7503-5190-3   COPY
ISBN 10
4750351903   COPY
出版者記号
7503   COPY
 
Cコード
C0037
一般 単行本 教育
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2021年3月30日
書店発売日
登録日
2021年3月19日
最終更新日
2021年4月27日
このエントリーをはてなブックマークに追加

紹介

人はひとりでは生きていくことができない。人は「ひと・もの・こと」をわかちあい、「ひと・もの・こと」と共にある。「何ができるようになるか」によって個人を評価・序列化する現代社会の価値観とは異なる観点から保育・教育のあり方を見つめ直す試み。

目次

はじめに

Ⅰ 保育・教育の場における営み

第1章 「育つ」ってどういうこと?
 考えてみよう! 勝ち負けのないリレー
 さらに考えてみよう! 自分自身を創りだしていくこと

第2章 「学ぶ」ってどういうこと?
 考えてみよう! 人間性の育成としての無言清掃
 さらに考えてみよう! みずからの世界が拡がること

第3章 「働く」ってどういうこと?
 考えてみよう! 多忙な教員の日常
 さらに考えてみよう! 自分と子どもを大切にすること

第4章 「育つ・学ぶ・働く」を読み解く視点
 1 他者と共に育つ私
 2 主体性の教育と矮小化する学び
 3 特別視される教職からの解放

Ⅱ 育ちゆく子どもへのかかわり

第5章 「理解する」ってどういうこと?
 考えてみよう! 仲間づくりと子ども理解
 さらに考えてみよう! わかろうとしつづけること

第6章 「配慮する」ってどういうこと?
 考えてみよう! 特別な支援が必要な子どもへの配慮
 さらに考えてみよう! 当事者と対話を積み重ねること

第7章 「支援する」ってどういうこと?
 考えてみよう! 育児に悩む母親を助ける子育て支援
 さらに考えてみよう! パートナーとして共に歩むこと

第8章 「理解・配慮・支援」を読み解く視点
 1 理解しようとする私
 2 納得できる配慮
 3 支え援けあう支援

Ⅲ 子どもの育ちと社会

第9章 「自立する」ってどういうこと?
 考えてみよう! 施設を退所した社会的養護経験者
 さらに考えてみよう! 困った時に頼ること

第10章 「責任を担う」ってどういうこと?
 考えてみよう! 学校の全教職員によるいじめ対応
 さらに考えてみよう! 積極的な関与者になること

第11章 「保障する」ってどういうこと?
 考えてみよう! 夜間中学校の実際
 さらに考えてみよう! 満たされた状態を保護し守ること

第12章 「自立・責任・保障」を読み解く視点
 1 自立と安心
 2 責任から呼応へ
 3 支配されない保障

 おわりに

前書きなど

はじめに

 本書『〈わかちあい〉の共育学【応用編】――子どもと共に未来図を描こう』は、『〈わかちあい〉の共育学【基礎編】――教職課程コアカリキュラムに基づく教員養成テキスト』の続編である。基礎編では、各章の前半で、文部科学省によって教職課程の学生が在学中に習得すべきとされる内容をコンパクトにまとめ、後半で、その内容にたいする批判的な検討をおこなった。しかし紙幅の関係で、十分に展開できたとはいいがたい。そこで本書では、基礎編で書ききれなかったテーマもとりあげ、事例も交えながら議論している。
 教職課程コアカリキュラムが是とする人間観や保育・教育観と、私たちが是とするそれらとは大きく異なっている。その違いを端的に表現すれば、〈わかちあい〉という言葉になる。人はひとりでは生きていくことができない。この、当たり前の事実を前にすると、人間本来の姿が〈わかちあい〉にあることに気がつく。たとえ何らかの事情があって無人島にひとりでとり残され、衣食住のすべてを自分だけで賄うことになったとしても、ひとりで生きていることにはならない。ひとりで過ごしながら、これからの暮らしについてあれこれ思いをめぐらす。その時、無人島に来るまでに出会った「ひと・もの・こと」に思いを馳せる。思いはそれ自体で成立することはない。人は「ひと・もの・こと」を〈わかちあい〉、「ひと・もの・こと」と共にある。
 人間本来の姿は〈わかちあい〉にある。それゆえ教育は共育、すなわち共に育つ以外の営みを想定することができない。『〈わかちあい〉の共育学』としたゆえんである。
 本書の構成について述べる。本書は大きく3つのパートに分かれている。パートⅠを例にして説明する。パートⅠのタイトルは「保育・教育の場における営み」で、「育つ」「学ぶ」「働く」をキーワードとする第1章から第3章と、それらを読み解くためのいくつかの視点を紹介する第4章で構成されている。第1章から第3章は、それぞれ、前半に事例が配置され、後半ではその事例をふり返りながら、各章で提示されている問いを切り口にして検討を加えるという形式をとっている。
 パートⅠにつづくパートⅡ「育ちゆく子どもへのかかわり」(第5章から第8章)では「理解」「配慮」「支援」をキーワードとし、パートⅢ「子どもの育ちと社会」(第9章から第12章)では「自立」「責任」「保障」をキーワードとし、パートⅠと同様の構成になっている。
 最後に、サブタイトル「子どもと共に未来図を描こう」にふれておく。未来図を描くことは、どのような社会を望むのかという議論をともなう。基礎編で明らかになったように、教職課程コアカリキュラムでは、「何ができるようになるか」によって個人が評価され序列化される。そのような社会では、人々は互いに引き離され、他者は自分が生き残るための競争相手とみなされるようになる。それに抗おうとすれば、教職課程コアカリキュラムと異なる未来図を描かざるをえない。未来図を描くには、共に育つ者どうしとして子どもとおとなが協力する必要がある。どのような人間観や保育・教育観を土台に置くのかという検討から始まり、議論は尽きないであろう。だからこそ本書では、具体的な未来図を描くことはせず、そのための視点の提示にとどめている。子どもと共に未来図を描こうとするその時、本書が何らかの手がかりになるとすれば、これほどうれしいことはない。

 (…後略…)

著者プロフィール

笹倉 千佳弘  (ササクラ チカヒロ)  (

同志社大学文学部卒業後、公立高等学校に10年間勤務した後、関西大学大学院文学研究科に入学。同大学院修了後、夙川学院短期大学、就実短期大学を経て、現在、滋賀短期大学生活学科教授。主な著書に、『子どもを育てない親、親が育てない子ども――妊婦健診を受けなかった母親と子どもへの支援』(共編著、生活書院、2015年)、『虐待ゼロのまちの地域養護活動――施設で暮らす子どもの「子育ての社会化」と旧沢内村』(共編著、生活書院、2017年)、『〈わかちあい〉の共育学【基礎編】――教職課程コアカリキュラムに基づく教員養成テキスト』(共著、明石書店、2019年)ほか。

井上 寿美  (イノウエ ヒサミ)  (

関西大学大学院文学研究科修了後、YMCAプレスクール講師、保健所の心理相談員などを経験する。関西福祉大学社会福祉学部、同大学発達教育学部勤務を経て、現在、大阪大谷大学教育学部教授。2012年度~2015年度の4年間、兵庫県川西市子どもの人権オンブズパーソンを務める。主な著書に、『子どもを育てない親、親が育てない子ども――妊婦健診を受けなかった母親と子どもへの支援』(共編著、生活書院、2015年)、『虐待ゼロのまちの地域養護活動――施設で暮らす子どもの「子育ての社会化」と旧沢内村』(共編著、生活書院、2017年)、『〈わかちあい〉の共育学【基礎編】――教職課程コアカリキュラムに基づく教員養成テキスト』(共著、明石書店、2019年)ほか。

齋藤 尚志  (サイトウ ヒサシ)  (

関西大学大学院文学研究科単位取得退学後、夜間中学・定時制高校・大学等の非常勤講師を経験し、夙川学院短期大学、小田原短期大学勤務を経て、現在、京都文教短期大学准教授。主な著書に、『揺らぐ主体/問われる社会』(共著、インパクト出版会、2013年)、『〈わかちあい〉の共育学【基礎編】――教職課程コアカリキュラムに基づく教員養成テキスト』(共著、明石書店、2019年)。

上記内容は本書刊行時のものです。