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保育の質を考える 近藤 幹生(編著) - 明石書店
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保育の質を考える (ホイクノシツヲカンガエル) 安心して子どもを預けられる保育所の実現に向けて (アンシンシテコドモヲアズケラレルホイクジョノジツゲンニムケテ)

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発行:明石書店
A5判
240ページ
並製
価格 2,300円+税
ISBN
978-4-7503-5168-1   COPY
ISBN 13
9784750351681   COPY
ISBN 10h
4-7503-5168-7   COPY
ISBN 10
4750351687   COPY
出版者記号
7503   COPY
Cコード
C0036  
0:一般 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2021年2月28日
書店発売日
登録日
2021年1月29日
最終更新日
2021年3月15日
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紹介

昨今、保育の無償化に伴う諸問題、最低基準緩和による悪質な事業者の増加など、保育所をめぐって様々な課題が発生している。本書では、「保育の質」をキーワードに論点を整理し、保育所を見る目を養うことを目指す。

目次

 推薦のことば[小熊英二]
 はじめに

第1部 保育所は今――保育の質の観点から

第1章 保育の質の重要性[本田由紀]
 はじめに――日本社会と保育
 1.保育の効果
 2.日本の保育の「質」
 3.保育士の労働条件
 4.近年の政策とコロナ禍が日本の保育にもたらしたもの
 おわりに

第2章 行政施策は保育の質をどのように支えうるか[普光院亜紀]
 1.子どもが体験する保育の質
 2.保育の質は子どもの育つ権利を保障する
 3.待機児童対策が保育の質に与えた影響
 4.行政施策は保育の質をどのように支えうるか
 5.保育の質は社会の未来をつくる

第3章 公共の存在である保育所の変質[小林美希]
 1.保育の現場から
 2.「やりがい搾取」される保育士たち
 3.保育士が本来得られるはずの給与とは
 4.保育士の賃金を抑制する「委託費の弾力運用」のからくり
 5.「実地検査」から見えてくるもの
 6.幼児教育・保育無償化の実情
 7.保育士配置基準と経済界からの規制緩和圧力
 8.コロナ禍における休業補償をめぐって

第2部 子どもの健全な成長を担う保育所の役割

第1章 子どもの成長における保育所の重要性――発達心理学の知見を踏まえて[川田学]
 はじめに
 1.人間の成長・発達の基本的条件
 2.「保育の質」と子どもの発達に関わる議論
 3.家庭だけでは豊かな経験と成長を保障できない
 4.乳幼児にふさわしい保育環境となっているか
 5.「志向性の質」の議論を

第2章 保育所の課題と新たな実践――保育者の立場から考える[近藤幹生]
 1.無償化・規制緩和策と保育運営・実践への影響
 2.保育の質の向上と「保育の自由」
 3.子どもの権利を核とした保育運営・保育実践――具体例の提示を通して
 4.職員集団のあり方と園としての夢・目標(ビジョン)
 おわりに

第3章 国際的な視点から見た日本の保育――保育の質確保に向けた海外の取り組みとの比較から[池本美香]
 はじめに
 1.保育制度の位置づけ――福祉から教育へ
 2.国による第三者評価機関設置の動き
 3.親の参画の促進
 4.保育者に関する制度
 おわりに

第3部 自治体の保育行政

第1章 世田谷区の保育の質の向上に向けた取り組み[後藤英一]
 はじめに
 1.保育所保育の質の向上のための体系的な支援
 2.新規保育施設への開設前からの支援
 おわりに

第2章 問題事例から見た保育行政のあるべき姿勢[幸田雅治・小林美希]
 1.横浜方式
 2.板橋区の保育事故への対応
 3.中野区行政不服審査会
 4.企業主導型保育の制度的欠陥
 5.コロナ禍における小平市の対応
 6.その他の不適切保育事例
 7.自治体の保育行政への姿勢

第4部 パネルディスカッション 安心して子どもを預けられる保育所の実現――子どもの立場から見た良き保育所とは
[パネリスト:小林美希・後藤英一・寺町東子・濱和哲/コメンテーター:普光院亜紀/コーディネーター:幸田雅治]
 1.保育をめぐる昨今の課題状況
 2.保育の質をどのように確保するか
 3.保育の質の評価
 4.監査・指導の仕組みと課題
 5.保育の無償化について
 6.入園・利用調整のあり方
 7.保育事故への対応
 8.新型コロナウイルスによる保育園への影響
 9.保育制度のあるべき姿


 おわりに

 索引

前書きなど

はじめに

 (…前略…)

 本書は、「保育の質」をキーワードに4部構成で論点を整理し、保育の質について掘り下げ、その確保・向上のために何が必要なのか、問題提起をする。第1部では、保育とその質が子ども、保護者、社会に及ぼす効果の重要性を確認した上で、日本における保育の質の現状と保育士の労働条件・労働環境を検討し、これからの日本の保育の方向性について論ずる。次に、保育制度の変遷における待機児童対策と保育の質の関係を振り返り、子どもにとっての質とは何か、行政施策がいかにして質を支えることができるのかを論ずる。さらに、質が低下する保育現場をルポし、保育士が低賃金に留まる背景にある「委託費の弾力運用」などの制度の問題点に迫る。
 続く第2部では、子どもの健全な成長を担う保育所の役割について、発達心理学的な知見を踏まえた保育所の重要性と保育の質を論じるとともに、保育者の立場からの保育所の課題と現場の実践、国際的な視点から見た日本の保育について解説する。
 第3部では、世田谷区の保育の質の維持、向上への取り組みとともに、自治体の保育行政の問題事例を紹介する。児童福祉法によって保育所を設置する責務が自治体にあることから、自治体の姿勢そのものが保育の質を左右するといっても過言ではない。
 また、このような問題意識から、子どもの立場から見た良い保育所とはどういったものなのか、自己形成の場としての保育所についてパネルディスカッションを行い、その内容を第4部にまとめた。

 (…後略…)

著者プロフィール

近藤 幹生  (コンドウ ミキオ)  (編著

白梅学園大学・短期大学学長・教授。
1953年東京都生まれ。信州大学教育学部卒業、聖徳大学大学院博士課程修了。博士(児童学)。1978年~2004年山梨県、長野県、千葉県にて私立保育園保育士・園長を経験。2004年~2007年長野県短期大学幼児教育学科講師・同付属幼稚園長兼務。2007年より白梅学園短期大学准教授、同大学教授を経て2018年より現職。専門は保育学・保育史。日本保育学会、幼児教育史学会会員。著書は『保育とは何か』(岩波書店、2014年)『保育の自由』(岩波書店、2018年)ほか。

幸田 雅治  (コウダ マサハル)  (編著

神奈川大学法学部教授・弁護士。
1979年東京大学法学部卒業、自治省(現総務省)入省。内閣官房内閣審議官、総務省自治行政局行政課長、総務省消防庁国民保護・防災部長など。2014年より現職。2013年弁護士登録(第二東京弁護士会)。日弁連では自治体等連携センター委員、公害対策・環境保全委員会委員等。著書は『行政不服審査法の使いかた』(法律文化社、2016年)『地方自治論――変化と未来』(法律文化社、2018年)ほか。

小林 美希  (コバヤシ ミキ)  (編著

ジャーナリスト。
1975年、茨城県生まれ。2000年、神戸大学法学部卒業。株式新聞社、週刊エコノミスト編集部を経て2007年にフリーのジャーナリスト。労働問題がライフワークで保育や医療分野にも詳しい。2013年、マタニティ・ハラスメント問題で貧困ジャーナリズム賞を受賞。著書は『ルポ保育崩壊』(岩波新書、2015年)『ルポ保育格差』(岩波新書、2018年)ほか多数。

上記内容は本書刊行時のものです。