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ヒューマンライブラリーへの招待 坪井 健(著) - 明石書店
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ヒューマンライブラリーへの招待 (ヒューマンライブラリーヘノショウタイ) 生きた「本」の語りがココロのバリアを溶かす (イキタホンノカタリガココロノバリアヲトカス)

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発行:明石書店
A5判
224ページ
並製
価格 2,000円+税
ISBN
978-4-7503-5137-7   COPY
ISBN 13
9784750351377   COPY
ISBN 10h
4-7503-5137-7   COPY
ISBN 10
4750351377   COPY
出版者記号
7503   COPY
Cコード
C0036  
0:一般 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2020年12月25日
書店発売日
登録日
2020年12月24日
最終更新日
2021年1月13日
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書評掲載情報

2021-02-13 朝日新聞  朝刊
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紹介

人を「本」として貸し出す「人の図書館」が誕生して20年。ふだん接点のないマイノリティの人とも一人の個人としてふれあう場となり、「本」の生きた語りと「読者」の共感が心のバリアを溶かしてきました。大学や地域、オンラインの実践まで広く紹介します。

目次

 はじめに

序章 人間図書館!?――ヒューマンライブラリーってなに?

第一章 ヒューマンライブラリーを開こう
 第一節 ヒューマンライブラリー開催までの流れ
  1 開催までの全体の流れ
  2 企画コンセプトを決めよう
 第二節 どうやって開催するの?
  1 開催の規模
  2 開催日時と会場
  3 「本」協力者を集める
  4 運営資金・広報宣伝
  5 当日の役割について
 第三節 どうやって「本」を集めるの?
  1 ヒューマンライブラリーの「本」体験者に依頼する
  2 TV・ネット・書籍から探す
  3 当事者団体を訪ねる
  4 当事者に直接アプローチする
 第四節 どうやってヒューマンライブラリーを運営するの?
  1 開催当日の流れ
  2 対話の仕方
  3 「本」の貸出方法
  4 「本」との対話――タイムキーパーの役割
  5 その他――振り返り会

第二章 「本」からの贈り物
 第一節 「本」の勇気がすべてを語る
 第二節 「本」の自己開示を可能にする
 第三節 「本」のいちばんの理解者はだれ?
  1 「司書」の役割について
  2 「司書」は「本」の編集者にもなる
  3 ヒューマンライブラリーの対話は人生を変える
 第四節 いろいろな「本」を紹介しよう
  1 ココロに生きにくさを抱えて
  2 身体に生きにくさを抱えて
  3 性に生きにくさを抱えて
  4 社会に生きにくさを抱えて

第三章 ヒューマンライブラリーにどんな効果があるか
 第一節 ヒューマンライブラリーはどう偏見を低減させるか
 第二節 「本」当事者の自信と希望を育む
 第三節 「司書」の学習効果
 第四節 ダイバシティ時代のココロを育てる
 第五節 ヒューマンライブラリーの効果のまとめ

第四章 ヒューマンライブラリーのいろいろ
 第一節 日本初のヒューマンライブラリー
  1 ATACカンファレンスがはじまり
  2 インタビューを終えて
 第二節 大学のヒューマンライブラリー
  1 東京大学の場合
  2 駒澤大学の場合
  3 獨協大学の場合
  4 明治大学の場合
  5 その他
 第三節 市民団体などのヒューマンライブラリー
  1 BLUE BIRDS――学生有志団体による開催
  2 ブックオフ・りーふぐりーん――市民開催の初めてのHL
  3 世田谷ボランティアセンター――地域団体の開催
  4 NPO法人シブヤ大学の場合
  5 ヒューマンライブラリーNagasakiの場合
  6 ヒューマンライブラリー新潟の場合
  7 その他のヒューマンライブラリー

第五章 ヒューマンライブラリー体験――アンケート結果と体験記
 第一節 アンケート結果にみるヒューマンライブラリー
  1 「読者」体験者の意識変化
  2 「本」の体験後の感想
 第二節 主催した学生の体験記
  1 第一回(二〇一一年九月)開催時の体験記
  2 第二回(二〇一二年九月)開催時の体験記

第六章 日本のヒューマンライブラリーの現状
 第一節 量的な広がりと質的変化
 第二節 多様な実践主体と教育研究活動の広がり
 第三節 背景としての対話不要社会
  1 「対話」が困難な現代社会
  2 現代人のココロの癒し
 第四節 オンラインによる対話について

 あとがき
 参考文献
 関連団体一覧
 執筆者紹介

前書きなど

はじめに

 現在、「ヒューマンライブラリー」(Human Library)という対話イベントが世界中を席捲しています。セクシャルマイノリティやホームレス、薬物依存症、障害者、見た目に問題を抱えた人など、日ごろ誤解や偏見をもたれやすい人を図書館の「本」に見立てて、一般の人である「読者」に貸し出す(対話する)イベントが、ヒューマンライブラリーです。
 日ごろ、私たちはこうした人をテレビなどのメディアをとおして見たり聞いたりして知ったつもりでいます。町で見かけてもあえて「見て見ぬふり」をして通りすぎているのではないでしょうか。しかし、直接会って彼らの人生話を聞いてみると、無知ゆえに勝手な思い込みでココロに壁をつくっていた自分に気づかされます。「ちがう」(異質な)と思っていた彼らを、自分たちと同じ身近な仲間としてとらえられるようになります。図書館形式の対話空間で異質な人たちの出会いの場をつくり、多様性に寛容な社会をつくる試みがヒューマンライブラリーなのです。

 (…中略…)

 本書は、高校生にも受け入れられることをめざしたヒューマンライブラリー入門書であり、開催案内書ですので、あくまでも親しみやすい文体(ですます調)を貫きました。ぜひ多くの人に本書に親しんでいただき、ヒューマンライブラリーを体験し、自ら開催していただきたいと思います。ヒューマンライブラリーを通じて、より多くの皆様がココロのバリアを溶かす新しい体験を楽しんでくださることを期待しています。

 (…後略…)

著者プロフィール

坪井 健  (ツボイ ツヨシ)  (

1947年岡山市生まれ、駒澤大学名誉教授。
専門は社会学・社会心理学。日本ヒューマンライブラリー学会理事長、一般社団法人東京ヒューマンライブラリー協会代表理事。
おもな著書に『ヒューマンライブラリー――多様性を育む「人を貸し出す図書館」の実践と研究』(編著、明石書店)、『多文化社会の偏見・差別――形成のメカニズムと低減のための教育』(明石書店)、論文に「ヒューマンライブラリーの可能性を探る――「読者」「本」「司書」効果を中心に」松本・高橋編『社会・人口・介護から見た世界と日本』(時潮社)所収、「ヒューマンライブラリーから見た異文化間能力――コンピテンシーを育てる実践の立場から」『異文化間教育』45号(異文化間教育学会)など。

上記内容は本書刊行時のものです。