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無意識のバイアス
人はなぜ人種差別をするのか
原書: Biased: Uncovering the Hidden Prejudice That Shapes What We See, Think, and Do
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2020年12月30日
- 書店発売日
- 2020年12月25日
- 登録日
- 2020年11月27日
- 最終更新日
- 2020年12月25日
書評掲載情報
2021-04-24 | 日本経済新聞 朝刊 |
2021-03-06 |
朝日新聞
朝刊 評者: 本田由紀(東京大学教授・教育社会学) |
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紹介
悪意の有無に関係なく存在する偏見、バイアス。それがいかにして脳に刻まれ、他者に伝染し、ステレオタイプを形作っているかを知ることなしに人種差別を乗り越えることなどできない。米国の学校・企業・警察署の改革に努める心理学者が解く無意識の現実とは。
目次
はじめに
Ⅰ 私たちの目に映るもの
第1章 互いの見え方――認知とバイアス
認知の科学
人種のイメージング
ひったくり犯の青年たち
第2章 何が育むのか――カテゴリー化とバイアス
バイアスのメカニズム
「恐怖を感じる」
バイアスの伝達
Ⅱ 自らをどう見出すか
第3章 悪人とは?――警察とバイアス1
ティファニーと夕食を
科学のレンズ
第一幕 目に見える男
第二幕 実際よりも大きく
第三幕 人種の働き
第四幕 丸腰でも危険
第五幕 撃つか撃たないか
別れの時
第4章 黒人男性――警察とバイアス2
警察の反応
手続き的正義
不完全な盾
公園にいた無邪気な少年少女
第5章 自由な人の考え方――刑事司法とバイアス
まだ自由とは言えない
事件が残した傷痕
まだまだ自由とは言えない
投獄された者
死に値する者
第6章 恐ろしい怪物――科学とバイアス
恐ろしい怪物の科学
非人間化の新科学
Ⅲ 抜け出すための道はあるか
第7章 ホームの快適さ――コミュニティとバイアス
分離された空間
汚染された人々
空間を吸収する
移住するということ
新たな場所でバイアスと闘う
第8章 厳しい教訓――教育とバイアス
共に歩く
迫りくる格差
人種問題を避けるということ
バーニスの出世と帰還
第9章 シャーロッツビルの出来事――大学とバイアス
姿を示すということ
事件の余波
第10章 最後に得るもの、失うもの――ビジネスとバイアス
トレーニングの効果
研修の先にあるもの
終わりに
謝辞
解説[高史明]
参考文献
前書きなど
解説[高史明]
はじめに
本書は、Eberhardt, J. L. (2020). Biased: Uncovering the hidden prejudice that shapes what we see, think, and do. Penguin Books. を日本語に訳したものである。
本書の著者エバーハート博士は、一九九三年にハーバード大学大学院にて博士号を取得した後、イェール大学勤務を経て、一九九八年よりスタンフォード大学で研究と教育に携わる社会心理学者である。人種に基づくバイアス、特に黒人に対するそれについて長年にわたって研究してきた。Psychological Science やJournal of Personality and Social Psychology といった心理学・社会心理学分野の有力な学術雑誌にも数々の論文を発表し、科学者として高い評価を得ている。
(…中略…)
本書の構成
本書は計一〇章と、印象的な「はじめに」「終わりに」からなる。一〇個の章は、さらに幾つかの章ごとに、問題提起にあたる第Ⅰ部、刑事司法の現状と科学の歴史を論じる第Ⅱ部、社会の様々な領域におけるバイアスの現状と必ずしも明るくはない前途についての第Ⅲ部に整理されている。いずれの章も具体的な事件・出来事を挙げつつ平易な文章で執筆され訳されており、人種問題や社会心理学について専門的な知識がない一般の読者にとっても、容易に読み通せるものであろう。一方で、数多くの実証的研究が参照されており、また翻訳書においてしばしば割愛されてしまう参考文献リストも掲載されていることから、この分野について知見を深めたいという研究者や研究者の卵にとっても有益なリファレンスとなっている。
(…後略…)
上記内容は本書刊行時のものです。