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無意識 東條 由紀彦(著) - 明石書店
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無意識 (ムイシキ) うんこの名の隠喩 (ウンコノナノインユ)

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発行:明石書店
A5判
120ページ
並製
価格 1,200円+税
ISBN
978-4-7503-5109-4   COPY
ISBN 13
9784750351094   COPY
ISBN 10h
4-7503-5109-1   COPY
ISBN 10
4750351091   COPY
出版者記号
7503   COPY
Cコード
C0036  
0:一般 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2020年11月10日
書店発売日
登録日
2020年10月23日
最終更新日
2021年4月13日
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紹介

社会の在り方を根底的に問うてきたシリーズ三作目は、より人間の内面に踏み込み、「無意識」とは何かを、フロイトの肛門期理論に端を発し古今東西の神話・習俗・宗教・哲学に表れる「うんこ」の多義性を軸に考察し、現代資本主義の抑圧からの解放を模索する。

目次

 プロローグ

第1章 無意識と去勢
 1 鏡像段階
 2 エディプス期の去勢
 3 肛門期の去勢
 4 最初のシニフィアン
 5 グレート・マザー
 6 他者の欲望

第2章 無意識とファルス
 1 ファルス
 2 うんこの神
 3 黄金信仰
 4 ペニス信仰
 5 蛇信仰
 6 穢れ

第3章 母性と父性
 1 古代の古層
 2 地母神の闘争
 3 トーテム信仰
 4 家産制と封建制
 5 母性原理の残存
 6 救済宗教としての仏教
 7 救済宗教としてのキリスト教
 8 魔女狩り
 9 山姥

第4章 エロスとタナトス
 1 空の世界
 2 識の世界
 3 真言の世界
 4 道の世界
 5 生成と流動の世界
 6 欲望と幻想の世界
 7 バナナフィッシュ

第5章 ファルスの覚醒
 1 プロテスタンティズムと資本主義
 2 タナトスと資本主義
 3 エロスの活用
 4 資本のヘゲモニー
 5 腐朽化の果てに
 6 死の恐怖
 7 惜しみなき贈与のために
 8 ニルヴァーナが再構築する世界

 エピローグ

 あとがき
 参考文献

前書きなど

プロローグ

 人間は無意識によって支配されている。意識によって支配されているのではない。別の言い方をすれば、意識は無意識によって支配されている。意識のなかでの思考や行動も、実は無意識にしたがっているのである。
 意識は無意識を知ることができない。一方的に無意識にしたがうだけである。確かに、夢などを通じて、検閲つきで、その一部を垣間見ることはできる。しかし、意識が無意識を動かすことはできない。
 無意識については、これまで多くの学説が提出されてきた。しかし、ほとんどどれも肝心なものが抜け落ちている。それは何かというと、うんこである。
 うんこは通常、汚いもの、触れてはならないものとして忌み嫌われている。聞くだけでも、おぞましいとされている。いわばタブーとさえなっている。ほとんど毎日、付き合っているのにである。
 しかし、タブーのなかにこそ、真実がある。にもかかわらず、うんこについては、無意識との関連では、ほとんど研究の対象にはされてこなかった。それほどまでに、おぞましいものなのであろう。
 その一方で、うんこは直接的にではないにせよ、神聖なものとして崇められてもいる。例えば、黄金は人間を魅了してやまない。古今東西を問わずにである。それは、黄金がうんこの象徴だからである。

 (…中略…)

 もはや社会は、資本のヘゲモニーを維持できなくなってきている。それにより、綻びが生じてきている。その先にあるのは、互酬、惜しみなき贈与に基づいた、新しい市民社会ではないのか。また、そうであるべきではないのか。本書は、それを実現する上での、より内面に焦点をあてた考察でもある。
 「シリーズあしたのために」に共通していることだが、本書においても、われわれの最初の共著書『ヘゲモニー・脱ヘゲモニー・友愛――市民社会の現代思想』〔二〇一一〕を下敷きに、原稿の執筆を断続的に進めてきた。以前、「神田デンケン」と称する勉強会において、参加者から、貴重な指摘、意見も多数いただいた。本書はそれらをもとにした、「シリーズあしたのために」の第三作目である。
 無意識とは何か。父性と母性とは何か。エロスとタナトスとは何か。無意識におけるうんこの役割を解明することで、すべてが一直線につながっていく。
 互酬、惜しみなき贈与を行うためにも、新しい市民社会を引き寄せるためにも、うんこを隠蔽していてはならない。

著者プロフィール

東條 由紀彦  (トウジョウ ユキヒコ)  (

明治大学経営学部教授。経済学博士。
1953年、宮崎県生まれ。東京大学文学部国史学科卒業。東京大学大学院経済学研究科修了。東京大学社会科学研究所助手、小樽商科大学商学部助教授を経て、現職。
主要著書:『「労働力」の成立と現代市民社会――近代日本の歴史認識Ⅱ』(編著、ミネルヴァ書房、2016年)、『ヘゲモニー・脱ヘゲモニー・友愛――市民社会の現代思想』(共著、ミネルヴァ書房、2011年)、『近代・労働・市民社会――近代日本の歴史認識Ⅰ』(ミネルヴァ書房、2005年)、『製糸同盟の女工登録制度――日本近代の変容と女工の「人格」』(東京大学出版会、1990年)

志村 光太郎  (シムラ コウタロウ)  (

合同会社国際人材戦略研究所代表。博士(経営学)。
1967年、神奈川県生まれ。明治大学政治経済学部経済学科卒業。明治大学大学院経営学研究科博士後期課程単位取得退学。明治大学兼任講師、青山学院大学客員研究員、株式会社NTTデータユニバーシティチーフコンサルタント、株式会社ヒューマネージディレクター等を経て、現職。
主要著書:『労働と生産のレシプロシティ――いまこそ働き方を変革する』(世界書院、2018年)、『ヘゲモニー・脱ヘゲモニー・友愛――市民社会の現代思想』(共著、ミネルヴァ書房、2011年)、『ラーニング・リーダーシップ入門――ダイバーシティで人と組織を伸ばす』(共著、日本経済新聞出版社、2011年)

上記内容は本書刊行時のものです。