版元ドットコム

探せる、使える、本の情報

文芸 新書 社会一般 資格・試験 ビジネス スポーツ・健康 趣味・実用 ゲーム 芸能・タレント テレビ・映画化 芸術 哲学・宗教 歴史・地理 社会科学 教育 自然科学 医学 工業・工学 コンピュータ 語学・辞事典 学参 児童図書 ヤングアダルト 全集 文庫 コミック文庫 コミックス(欠番扱) コミックス(雑誌扱) コミックス(書籍) コミックス(廉価版) ムック 雑誌 増刊 別冊 ラノベ
無意識 東條 由紀彦(著) - 明石書店
.
シリーズ あしたのために 3

無意識 うんこの名の隠喩

発行:明石書店
A5判
120ページ
並製
価格 1,200円+税
ISBN
978-4-7503-5109-4
Cコード
C0036
一般 単行本 社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2020年11月10日
書店発売日
登録日
2020年10月23日
最終更新日
2020年11月25日
このエントリーをはてなブックマークに追加

紹介

社会の在り方を根底的に問うてきたシリーズ三作目は、より人間の内面に踏み込み、「無意識」とは何かを、フロイトの肛門期理論に端を発し古今東西の神話・習俗・宗教・哲学に表れる「うんこ」の多義性を軸に考察し、現代資本主義の抑圧からの解放を模索する。

目次

 プロローグ

第1章 無意識と去勢
 1 鏡像段階
 2 エディプス期の去勢
 3 肛門期の去勢
 4 最初のシニフィアン
 5 グレート・マザー
 6 他者の欲望

第2章 無意識とファルス
 1 ファルス
 2 うんこの神
 3 黄金信仰
 4 ペニス信仰
 5 蛇信仰
 6 穢れ

第3章 母性と父性
 1 古代の古層
 2 地母神の闘争
 3 トーテム信仰
 4 家産制と封建制
 5 母性原理の残存
 6 救済宗教としての仏教
 7 救済宗教としてのキリスト教
 8 魔女狩り
 9 山姥

第4章 エロスとタナトス
 1 空の世界
 2 識の世界
 3 真言の世界
 4 道の世界
 5 生成と流動の世界
 6 欲望と幻想の世界
 7 バナナフィッシュ

第5章 ファルスの覚醒
 1 プロテスタンティズムと資本主義
 2 タナトスと資本主義
 3 エロスの活用
 4 資本のヘゲモニー
 5 腐朽化の果てに
 6 死の恐怖
 7 惜しみなき贈与のために
 8 ニルヴァーナが再構築する世界

 エピローグ

 あとがき
 参考文献

前書きなど

プロローグ

 人間は無意識によって支配されている。意識によって支配されているのではない。別の言い方をすれば、意識は無意識によって支配されている。意識のなかでの思考や行動も、実は無意識にしたがっているのである。
 意識は無意識を知ることができない。一方的に無意識にしたがうだけである。確かに、夢などを通じて、検閲つきで、その一部を垣間見ることはできる。しかし、意識が無意識を動かすことはできない。
 無意識については、これまで多くの学説が提出されてきた。しかし、ほとんどどれも肝心なものが抜け落ちている。それは何かというと、うんこである。
 うんこは通常、汚いもの、触れてはならないものとして忌み嫌われている。聞くだけでも、おぞましいとされている。いわばタブーとさえなっている。ほとんど毎日、付き合っているのにである。
 しかし、タブーのなかにこそ、真実がある。にもかかわらず、うんこについては、無意識との関連では、ほとんど研究の対象にはされてこなかった。それほどまでに、おぞましいものなのであろう。
 その一方で、うんこは直接的にではないにせよ、神聖なものとして崇められてもいる。例えば、黄金は人間を魅了してやまない。古今東西を問わずにである。それは、黄金がうんこの象徴だからである。

 (…中略…)

 もはや社会は、資本のヘゲモニーを維持できなくなってきている。それにより、綻びが生じてきている。その先にあるのは、互酬、惜しみなき贈与に基づいた、新しい市民社会ではないのか。また、そうであるべきではないのか。本書は、それを実現する上での、より内面に焦点をあてた考察でもある。
 「シリーズあしたのために」に共通していることだが、本書においても、われわれの最初の共著書『ヘゲモニー・脱ヘゲモニー・友愛――市民社会の現代思想』〔二〇一一〕を下敷きに、原稿の執筆を断続的に進めてきた。以前、「神田デンケン」と称する勉強会において、参加者から、貴重な指摘、意見も多数いただいた。本書はそれらをもとにした、「シリーズあしたのために」の第三作目である。
 無意識とは何か。父性と母性とは何か。エロスとタナトスとは何か。無意識におけるうんこの役割を解明することで、すべてが一直線につながっていく。
 互酬、惜しみなき贈与を行うためにも、新しい市民社会を引き寄せるためにも、うんこを隠蔽していてはならない。

著者プロフィール

東條 由紀彦  (トウジョウ ユキヒコ)  (

明治大学経営学部教授。経済学博士。
1953年、宮崎県生まれ。東京大学文学部国史学科卒業。東京大学大学院経済学研究科修了。東京大学社会科学研究所助手、小樽商科大学商学部助教授を経て、現職。
主要著書:『「労働力」の成立と現代市民社会――近代日本の歴史認識Ⅱ』(編著、ミネルヴァ書房、2016年)、『ヘゲモニー・脱ヘゲモニー・友愛――市民社会の現代思想』(共著、ミネルヴァ書房、2011年)、『近代・労働・市民社会――近代日本の歴史認識Ⅰ』(ミネルヴァ書房、2005年)、『製糸同盟の女工登録制度――日本近代の変容と女工の「人格」』(東京大学出版会、1990年)

志村 光太郎  (シムラ コウタロウ)  (

合同会社国際人材戦略研究所代表。博士(経営学)。
1967年、神奈川県生まれ。明治大学政治経済学部経済学科卒業。明治大学大学院経営学研究科博士後期課程単位取得退学。明治大学兼任講師、青山学院大学客員研究員、株式会社NTTデータユニバーシティチーフコンサルタント、株式会社ヒューマネージディレクター等を経て、現職。
主要著書:『労働と生産のレシプロシティ――いまこそ働き方を変革する』(世界書院、2018年)、『ヘゲモニー・脱ヘゲモニー・友愛――市民社会の現代思想』(共著、ミネルヴァ書房、2011年)、『ラーニング・リーダーシップ入門――ダイバーシティで人と組織を伸ばす』(共著、日本経済新聞出版社、2011年)

上記内容は本書刊行時のものです。