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ポーランドの歴史を知るための55章 渡辺 克義(編著) - 明石書店
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エリア・スタディーズ 181

ポーランドの歴史を知るための55章

発行:明石書店
四六判
432ページ
並製
価格 2,000円+税
ISBN
978-4-7503-5071-4
Cコード
C0336
一般 全集・双書 社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2020年9月30日
書店発売日
登録日
2020年8月27日
最終更新日
2020年10月1日
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紹介

ロシアと西欧の間に位置し、特に自然の障壁といえる地形のないポーランドは、古来より様々な人々が行き交い周辺国の利害に翻弄され続けてきた。三度の領土分割を経て悲願の独立、そして二度の世界大戦、社会主義からの体制転換を経て今に至る激動の歩みを描く。

目次

 まえがき


第Ⅰ部 〈総論篇〉ポーランド史を見る眼

1 西欧文明とポーランド――西欧文明の境界となった国
2 主権について――国家の主人公は誰か
3 安全保障の問題――「我らが生きる限りポーランドは滅びない」のか
4 ユダヤ少数民族――ポーランドは「両民族共通の祖国」となるか


第Ⅱ部 〈通史篇1〉中世から近世にかけて

5 ポーランド年代記から見る、ポーランド国家建設伝承の意義――ヨーロッパ諸国の国家建設とキリスト教との相関の一典型として
6 ピャスト朝からヤギェウォ朝へ――中世のポーランド
7 東西キリスト教の境界域にて――ポーランド・リトアニアの教会合同
8 17世紀の戦乱――ポーランド・リトアニア国家、領土縮小への序章


第Ⅲ部 〈通史篇2〉近世から近代にかけて

9 近世ポーランドの地方社会と官職――クラシツキ家の例を中心に
10 国王スタニスワフ・アウグストと18世紀後半のポーランド――啓蒙主義、共和国再建、国家滅亡とともに生きる
11 18世紀の国制改革と一七九一年五月三日憲法――近世共和国の国制改革の行方
12 ナポレオン時代のポーランド――独立のための協力か、フランスによる搾取か
13 ポーランド王国と十一月蜂起――政治的ロマン主義の幕開け
14 中世から近代前半にかけての都市ワルシャワ――宮廷都市からブルジョア都市へ
  [コラム1]ワルシャワの街路――名称変更の歴史から
15 1830年代の合衆国亡命への道――ポーランド人亡命者に残されたもう一つの選択肢
16 一月蜂起と社会の変化――ポーランド独立運動の転換点
17 ポーランド人の民族運動と女性解放運動――キュリー夫人によせて


第Ⅳ部 〈通史篇3〉両大戦間期

18 ポーランドの復活そして消滅――生かされなかったチャンス
19 両大戦間期の経済――停滞と開発の試み
20 ロマン・ドモフスキ――建国の父か、反ユダヤ主義者か
  [コラム2]独立記念日のデモに見る急進右派の抬頭――ドモフスキの復権
21 ユゼフ・ピウスツキ――英雄か、独裁者か
22 ユダヤ人政治運動――民族の自立と共存を目指して
23 反ユダヤ主義――追い詰められるユダヤ人
  [コラム3]外務大臣ベックの英ポ同盟――誇りに酔って国を失う


第Ⅴ部 〈通史篇4〉第二次世界大戦

24 占領下のポーランド――ドイツとソ連の占領政策
25 カティン――真実を求める最終章なき闘い
26 イェドヴァブネ事件――ポーランド史の中の加害の歴史
27 ナチ・ドイツの強制収容所――ナチ占領下のユダヤ人の犠牲とポーランド人の犠牲
28 ワルシャワ・ゲットーの記録――歴史家リンゲルブルムの遺志とは
  [コラム4]ロヴェツキ逮捕の周辺――1943年夏、亡命政府陣営の転換点
29 ワルシャワ蜂起――スターリンは蜂起にどう対処したか


第Ⅵ部 〈通史篇5〉ポーランド人民共和国

30 戦後共産政権の成立――「PRL」の起源
31 人民民主主義の実験――新しい体制への夢と現実
32 スターリニズムの時代――一元的支配体制の確立と動揺
33 スターリン期の経済――工業化と農業集団化の強行
  [コラム5]ドイツ人「追放」問題
34 ポーランド現代史におけるウクライナ人――「ヴォウィンの悲劇」と「ヴィスワ作戦」
35 ゴムウカの時代――十月の春から三月事件へ
36 ゴムウカ期の経済――第二次工業化の行き詰まり
37 ギェレク期の経済――借款による高度成長と挫折
38 「連帯」運動――大いなる希望と挫折
39 戒厳令から円卓会議へ――社会主義体制終焉の始まり
  [コラム6]1989年体制転換とロック音楽――新しい時代への転回の原動力


第Ⅶ部 〈通史篇6〉体制転換以降

40 バルツェロヴィチ・プランと体制転換――自由主義への苦難の門出
41 現代ポーランド国家の国境線――カーゾン線とオーダー・ナイセ線
42 体制転換期の政治変動――揺れる政局、揺るがぬ政策
43 EU加盟――ヨーロッパ回帰の期待と不安
44 現代ポーランドの光と影――転機としての2015年?
45 国民記憶院(IPN)――記憶の国営企業


第Ⅷ部 〈テーマ篇1〉ポーランドにおけるローマ・カトリック教会

46 キリスト教への改宗から「カトリック改革」まで――カトリック教を基軸とする国家社会の建設
47 国家滅亡期のカトリック教会――「三国分割」時代の18世紀末~20世紀初め
48 史上初めて資本主義下で活動するカトリック教会――聖ヨハネ・パウロ二世の「残像」に生きる教会


第Ⅸ部 〈テーマ篇2〉ポーランド文化史

49 西ヨーロッパとの融合――共和国期のポーランド王室の宮廷美術と美術収集
  [コラム7]王に愛された美女――ジグムント二世アウグストとバルバラ・ラジヴィウヴナ
  [コラム8]死者の肖像――バロック期ポーランドを映す「棺の肖像画」
  [コラム9]ベルナルド・ベロットとワルシャワ王宮「カナレットの間」
50 ポーランドの近代美術――19世紀末から20世紀初頭、前衛の胎動と進展
  [コラム10]「若きポーランド」の時代――花ひらく世紀末芸術
51 国民教育委員会――「ヨーロッパ初の文部省」
  [コラム11]社会主義時代の亡命作家たち――亡命慣れしたポーランド人
52 カルパティア山系の少数民族ルシン――ウェムコとボイコ
53 ギュンター・グラス――ポーランドにおける受容
  [コラム12]「方言」から「言語」へ――カシュブ語の標準化の歴史
  [コラム13]シベリアにある「ポーランド」の歴史――イルクーツク州ヴェルシナ村
  [コラム14]クレスィの歴史と現在――東部辺境地域における多言語多文化社会
  [コラム15]ポーランド人の名字の歴史――ノヴァク、コヴァルスキ、ヴィシニェフスキ、ヴイチク、コヴァルチク


第Ⅹ部 〈テーマ篇3〉ポーランドと日本

54 日本におけるポーランド文学・語学研究の先達――木村彰一、吉上昭三、米川和夫、工藤幸雄
55 日本におけるポーランド史研究の先達――梅田良忠と阪東宏
  [コラム16]『灰とダイヤモンド』を観る三島由紀夫――日本におけるポーランド映画受容の一片
  [コラム17]『クォ・ヴァディス』を読む野上彌生子――日本におけるポーランド文学受容の一片


 参考文献
 ポーランドの歴史を知るためのブックガイド
 ポーランド史略年表

前書きなど

まえがき

 (…前略…)

 本書はポーランドの歴史を知るための簡便な一冊である。執筆陣には、今日第一線で活躍する我が国のポーランド史研究者が顔を揃える。日本がポーランドと国交を回復して間もない1960年代に留学をした超ヴェテランから、新進気鋭の若手まで、総勢20名を超える研究者からご寄稿願えた。語学や文学を専門とする研究者からも、「歴史との接点を重視して」という条件の下、原稿を執筆していただいた。執筆者にはポーランド留学の経験があり、皆がポーランド語を能くする。留学時期と期間はさまざまであるが、経済が安泰というわけではないなかで奨学金を出し、勉強させてくれたポーランドとポーランド人に、一様に深い恩義と愛着を感じている。留学を終え日本に戻ったなら、学ばせていただいたことを糧に、両国の利益のために汗をかくことを願った人ばかりである。その意味で、本書は、同胞へのポーランド史の紹介書であるだけでなく、執筆者がポーランドとポーランド人への感謝の気持ちを表した一冊でもある。

 本書は3部構成になっている。《総論篇》ではポーランド史がマクロ的視座から描写されている。《通史篇》では中世から現代までの歴史がほぼ時系列に沿って述べられている。《テーマ篇》では、「ポーランドにおけるローマ・カトリック教会」「ポーランド文化史」「ポーランドと日本」をキーワードに書き進められている。記述には重複する事件・事項もあるが、同時に執筆者による解釈の違いも見て取れよう。
 本書が目指したのは、どの章どのコラムからも読める一冊である。重要な歴史事項が網羅的に記述されているとはいいがたいが、本書で十分ポーランド史の概略はつかめるはずである。読者の中から将来ポーランド史研究者が現れるなら、これにまさる我々の喜びはない。

 (…後略…)

著者プロフィール

渡辺 克義  (ワタナベ カツヨシ)  (編著

長岡崇徳大学教授
主要業績:『ポーランドを知るための60章』(編著、明石書店、2001年)、『ポーランドの高校歴史教科書【現代史】』(監訳、明石書店、2005年)、『物語 ポーランドの歴史』(中公新書、2017年)。

追記

【執筆者一覧】

荒木勝(あらき・まさる)
岡山大学名誉教授
主要業績:『匿名のガル年代記 中世ポーランド年代記』(翻訳、麻生出版、2014年)、『ポーランド年代記と国家伝承『匿名のガル年代記』から『ヴィンセンティの年代記』へ』(群像社、2018年)。

家本博一(いえもと・ひろいち)
名古屋学院大学教授
主要業績:『ポーランド「脱社会主義」への道――体制内改革から体制転換へ』(名古屋大学出発会、1994年)、『中欧の体制移行とEU加盟(下)ポーランド』(三恵社、2004年)。

井上暁子(いのうえ・さとこ)
熊本大学准教授
主要業績:『東欧地域研究の現在』(共著、山川出版社、2012年)、『東欧文学の多言語的トポス』(編著、水声社、2020年)。

小川万海子(おがわ・まみこ)
元外務省職員
主要業績:『ウクライナの発見――ポーランド文学・美術の19世紀』(藤原書店、2011年)、『「雪風」に乗った少年――15歳で出征した「海軍特別年少兵」』(編著、藤原書店、2019年)。

小椋彩(おぐら・ひかる)
東洋大学助教
主要業績:О восточном мышлении в творчестве Ольги Токарчук, Славянский альманах, 2016. Вып. 3-4,『プラヴィエクとそのほかの時代』(翻訳、松籟社、2019年)。

梶さやか(かじ・さやか)
岩手大学准教授
主要業績:『ポーランド国歌と近代史――ドンブロフスキのマズレク』(群像社、2016年)、『リトアニアの歴史』(共訳、明石書店、2018年)。

加須屋明子(かすや・あきこ)
京都市立芸術大学教授
主要業績:『ポーランドの前衛美術――生き延びるための応用ファンタジー』(創元社、2014年)、『中欧のモダンアート』(共著、彩流社、2014年)。

加藤久子(かとう・ひさこ)
東京外国語大学特任助教
主要業績:『教皇ヨハネ・パウロ二世のことば――1979年、初めての祖国巡礼』(東洋書店、2014年)、『近代ヨーロッパとキリスト教――カトリシズムの社会史』(共著、勁草書房、2016年)。

金沢文緒(かなざわ・ふみお)
岩手大学准教授
主要業績:『視覚のイコノグラフィア〈トロンプ・ルイユ〉・横たわる美女・闇の発見(感覚のラビュリントゥス)』(共著、ありな書房、2015年)、『絵画と表象Ⅰガブリエル・デストレからユベール・ロベールへ(フランス近世美術叢書)』(共著、ありな書房、2015年)。

久山宏一(くやま・こういち)
東京外国語大学非常勤講師、ポーランド広報文化センター・エクスパート
主要業績:Sonety Mickiewicza a sonet rosyjski w dobie romantyzmu, Stęszew 1995,『コンラット・ヴァレンロット』(翻訳、未知谷、2018年)。

解良澄雄(けら・すみお)
高校教員
主要業績:「ドイツ人『追放』問題とポーランド――歴史の見直しの行方」(『歴史評論』第716号、2009年)、「ホロコーストと「普通の」ポーランド人――1941年7月イェドヴァブネ・ユダヤ人虐殺事件をめぐる現代ポーランドの論争」(『現代史研究』第57号、2011年)。

小山哲(こやま・さとし)
京都大学教授
主要業績:『ワルシャワ連盟協約(1573年)』(東洋書店、2013年)、『礫岩のようなヨーロッパ』(共著、山川出版社、2016年)。

白木太一(しらき・たいち)
大正大学教授
主要業績:『近世ポーランド「共和国」の再建――四年議会と五月三日憲法への道』(彩流社、2005年)、『[新版]一七九一年五月三日憲法』(群像社、2016年)。

鈴木輝二(すずき・てるじ)
ワルシャワ大学客員講師、元東海大学教授
主要業績:『EUへの道――中東欧における近代法の形成』(尚学社、2004年)、Prawo Japońskie, Warszawa 2008.

仙石学(せんごく・まなぶ)
北海道大学教授
主要業績:『脱新自由主義の時代?――新しい政治経済秩序の模索』(編著、京都大学学術出版会、2017年)、『新版 世界の社会福祉5 旧ソ連・東欧』(編著、旬報社、2019年)。

田口雅弘(たぐち・まさひろ)
岡山大学教授、ワルシャワ経済大学教授
主要業績:『ポーランド体制転換論――システム崩壊と生成の政治経済学』(御茶の水書房、2005年)、『現代ポーランド経済発展論――成長と危機の政治経済学』(岡山大学経済学部、2013年)。

中村年延(なかむら・としのぶ)
ノートルダム女学院中学高等学校教諭
主要業績:『ヨーロッパ史研究の新地平――ポーランドからのまなざし』(共著、昭和堂、2000年)、『ネイションとナショナリズムの教育社会史』(共著、昭和堂、2004年)。

西野常夫(にしの・つねお)
九州大学准教授
主要業績:『ポーランドを知るための60章』(共著、明石書店、2001年)、『ポーランドを学ぶ人のために』(共著、世界思想社、2007年)。

西村木綿(にしむら・ゆう)
日本学術振興会特別研究員
主要業績:『ユダヤ人と自治――中東欧・ロシアにおけるディアスポラ共同体の興亡』(共著、岩波書店、2017年)。

福嶋千穂(ふくしま・ちほ)
東京外国語大学准教授
主要業績:『ブレスト教会合同』(群像社、2015年)、『ロシア帝国の民族知識人――大学・学知・ネットワーク』(共著、昭和堂、2014年)。

野町素己(のまち・もとき)
北海道大学教授
主要業績:The Palgrave Handbook of Slavic Languages, Identities and Borders, co-edited by Tomasz Kamusella and Catherine Gibson, Palgrave Mcmillan, 2016; Slavic on the Language Map of Europe: Historical and Areal-Typological Dimensions, co-edited by Andrii Danylenko, De Gruyter Mouton, 2019.

松川克彦(まつかわ・かつひこ)
京都産業大学名誉教授
主要業績:『ヨーロッパ1939』(昭和堂、1997年)、『ヨーロッパ史研究の新地平――ポーランドからのまなざし』(共編著、昭和堂、2000年)。

宮崎悠(みやざき・はるか)
北海道教育大学准教授
主要業績:『ポーランド問題とドモフスキ――国民的独立のパトスとロゴス』(北海道大学出版会、2010年)、『ユダヤ人と自治――中東欧・ロシアにおけるディアスポラ共同体の興亡』(共著、岩波書店、2017年)。

森田耕司(もりた・こおじ)
東京外国語大学准教授
主要業績:Przemiany socjolingwistyczne w polskich społecznościach na Litwie i Białorusi. Studium porównawcze, Warszawa 2006,『文化財の保護及び文化財の管理に関する2003年7月23日付の法律(各国の文化財保護法令シリーズ[23]ポーランド)』(翻訳、独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所文化遺産国際協力センター、2019年)。

山田朋子(やまだ・ともこ)
明治大学非常勤講師
主要業績:『ポーランドの貴族の町――農民解放前期の都市、農民、ユダヤ人』(刀水書房、2007年)、『独ソ占領下のポーランドに生きて――祖国の誇りを貫いた女性の抵抗の記録』(翻訳、明石書店、2018年)。

吉岡潤(よしおか・じゅん)
津田塾大学教授
主要業績:『戦うポーランド――第二次世界大戦とポーランド』(東洋書店、2014年)、『越境する歴史認識――ヨーロッパにおける「公共史」の試み』(共著、岩波書店、2018年)。

渡辺克義(わたなべ・かつよし) ※編著者紹介を参照。

上記内容は本書刊行時のものです。