書店員向け情報 HELP
出版者情報
在庫ステータス
取引情報
仏教の底力
現代に求められる社会的役割
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2020年5月30日
- 書店発売日
- 2020年5月30日
- 登録日
- 2020年5月22日
- 最終更新日
- 2021年4月16日
紹介
高齢化、過疎化、核家族化、都市への人口流出、そして後継者の不在などにより、2040年までに仏教寺院を含め35%の宗教法人が消えてなくなるといわれている。岐路に立たされている日本仏教だが、決して人心が仏教自体から離れているわけではない。今の時代に要請されている仏教者像とは、そして仏教の社会的役割はどのようなものなのかを3名の専門家へのインタビューを通して捉え直し、今後の日本仏教の活性化への道を探る。
目次
はじめに
第一章 今、仏教に期待されるもの
一 現代仏教の歴史的位置とは[島薗進]
二 三・一一が仏教の再認識を促した[島薗進]
〈視点〉日本のナイチンゲール、瓜生岩[大菅俊幸]
第二章 「人生一〇〇年時代」と仏教――日本仏教の現状
一 「人生一〇〇年時代」とは何か[川又俊則]
二 宗勢調査から見えてきたもの[川又俊則]
〈視点〉「居場所・つながり・役割」と「生きがい」[大菅俊幸]
第三章 僧侶――死と生に寄り添う存在――これからの僧侶とは①
一 これからの僧侶像とスピリチュアリティ――臨床宗教師が問いかけるもの[島薗進]
二 僧侶にはコミュニケーション能力が必要[前田伸子]
〈視点〉人間は死んで終わりではない――岡部医師の願い[大菅俊幸]
第四章 時代に呼応する仏教者――これからの僧侶とは②
一 次世代教化システムの構築へ[川又俊則]
二 僧侶の役割を現代社会から捉え直す[島薗進]
〈視点〉社会課題に向き合う僧侶たち[大菅俊幸]
第五章 「共生社会」と寺院の可能性――これからの寺院とは
一 「地域社会」が一つの鍵である[島薗進]
二 ソーシャル・キャピタルとしてのお寺[川又俊則]
三 お寺と大学と地域の連携[前田伸子]
〈視点〉「生き心地」の良い地域づくり――「共生社会」のヒント[大菅俊幸]
第六章 社会の苦悩に向き合う――これから求められる仏教の役割とは
一 シャンティは仏教の現代的表現なのか[島薗進]
二 世界的視野で慈悲の社会化を[島薗進]
〈視点〉生きた文殊に出会う旅――有馬実成と普遍思想[大菅俊幸]
おわりに
前書きなど
はじめに
(…前略…)
本書は、二〇一八年から二〇一九年にかけて、月刊誌『曹洞宗報』に連載された「仏教の社会的役割を捉え直す」の記事を大幅に加筆編集したものである。
気候変動に伴う自然災害、世界に広がる分断と対立、紛争やテロ、AIなどの技術革新、金融危機。そして国内では人口減少社会、人生一〇〇年時代といわれ、私たちを取り巻く世界は激しく流動し、従来の通念や方法では立ちゆかなくなっている。
そこで、これからの時代に必要とされる仏教の社会的役割について考えるきっかけにしたいとの願いから、二〇一八年、曹洞宗の定期刊行物、月刊誌『曹洞宗報』において、連続インタビュー「仏教の社会的役割を捉え直す」がスタート。そして、ほぼ一年間にわたって連載された。仏教に造詣の深い専門家から様々にご意見やご提言をいただくという企画である。
その原案は、仏教界とのさらなる連携を深めたいと願ってシャンティが提案したものであり、様々な検討を重ねて実現することになった。連載自体は終了したのだが、そこで披瀝された知見は大変貴重で、広く仏教諸派、他宗教の人々にも伝えるだけの価値があるのではないか、そして、来たるべき〈共生社会〉のデザインを模索する上でも参考になるのではないか、とのご意見をいただき、大幅に加筆編集の上、一冊の書物として上梓することになった次第である。
(…後略…)
上記内容は本書刊行時のものです。