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図表でみる移民統合 OECD/EUインディケータ(2018年版) 経済協力開発機構(OECD)(編著) - 明石書店
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図表でみる移民統合 OECD/EUインディケータ(2018年版) (ズヒョウデミルイミントウゴウオーイーシーディーイーユーインディケータニセンジュウハチネンバン)
原書: Settling In 2018: INDICATORS OF IMMIGRANT INTEGRATION

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発行:明石書店
A4変形判
336ページ
並製
価格 6,800円+税
ISBN
978-4-7503-4940-4   COPY
ISBN 13
9784750349404   COPY
ISBN 10h
4-7503-4940-2   COPY
ISBN 10
4750349402   COPY
出版者記号
7503   COPY
Cコード
C0036  
0:一般 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2020年2月27日
書店発売日
登録日
2020年1月29日
最終更新日
2020年2月25日
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紹介

移民とその子どもの定住状況について、EU及びOECDの全加盟国、そして一部のG20諸国を国際比較。労働市場とスキル、生活状況、市民参加と社会統合という主要3分野の指標をもちいて移民人口と移民世帯の傾向やその特徴について取り上げる。

目次

 監訳者解説
 はじめに
 刊行にあたって
 頭字語・略語
 概要

第1章 移民統合インディケータ:序論および概要
 第1節 政策論議の鍵としての移民やその子どもの統合に関する正確なデータ
 第2節 国際比較可能な指標がもつ困難さと有益さ
 第3節 移住先の国ぐにの類型
 注と出典

第2章 移民人口と世帯の構成
 結果概要
 指標2.1 移民人口の規模
 指標2.2 地域分布
 指標2.3 年齢
 指標2.4 同族パートナーシップと出生率
 指標2.5 移民世帯
 指標2.6 世帯構成
 指標2.7 滞在資格ごとの移民フロー
 指標2.8 在住期間と出生地
 注と出典

第3章 移民の技能と労働市場における統合・排除
 結果概要
 指標3.1 学歴
 指標3.2 言語能力
 指標3.3 成人教育・訓練
 指標3.4 就業率・労働力率
 指標3.5 失業率
 指標3.6 長期失業率
 指標3.7 雇用契約類型
 指標3.8 労働環境
 指標3.9 職能スキル
 指標3.10 学歴過剰
 指標3.11 自営業
 注と出典

第4章 移民の生活状況
 結果概要
 指標4.1 世帯所得
 指標4.2 相対的貧困
 指標4.3 過密居住
 指標4.4 居住環境
 指標4.5 主観的健康感
 指標4.6 未充足医療・歯科ニーズ
 注と出典

第5章 移民の市民参加と社会統合
 結果概要
 指標5.1 国籍取得
 指標5.2 投票率
 指標5.3 移民に対する受け入れ社会の見方
 指標5.4 移民との交流
 指標5.5 ジェンダー分業観
 指標5.6 帰属意識
 指標5.7 被差別感
 指標5.8 生活満足度
 注と出典

第6章 移民統合におけるジェンダー
 結果概要
 指標6.1 女性人口の割合
 指標6.2 学歴
 指標6.3 就業率・労働力率
 指標6.4 失業率
 指標6.5 経済活動における不本意な不参加
 指標6.6 労働時間
 指標6.7 職能スキル・経済活動
 指標6.8 学歴過剰
 指標6.9 被差別感
 注と出典

第7章 移民背景をもつ若者の統合
 結果概要
 指標7.1 移民背景をもつ若者
 指標7.2 親の出生地
 指標7.3 幼児教育・保育
 指標7.4 移民背景をもつ子どもの集中
 指標7.5 読解力
 指標7.6 15歳時点での基礎的読解力の欠如
 指標7.7 学校での帰属意識とウェルビーイング
 指標7.8 25~34歳の若者の学歴
 指標7.9 早期離学
 指標7.10 ニート
 指標7.11 就業率
 指標7.12 失業率
 指標7.13 学歴過剰
 指標7.14 公共部門雇用
 指標7.15 子どもの相対的貧困
 指標7.16 投票率
 指標7.17 被差別感
 注と出典

第8章 EUにおける第三国国民の統合
 コラム8.1 サラゴサ指標:EUにおける統合政策の成果のモニタリング指標
 結果概要
 指標8.1 人口規模・年齢構成
 指標8.2 国籍の地域別構成・在住期間
 指標8.3 就業率・労働力率
 指標8.4 失業率
 指標8.5 自営業
 指標8.6 学歴過剰
 指標8.7 学歴
 指標8.8 世帯所得
 指標8.9 相対的貧困
 指標8.10 住居所有状況
 指標8.11 主観的健康感
 指標8.12 長期在留者
 指標8.13 投票率
 指標8.14 国籍取得
 指標8.15 被差別感
 注と出典

 付録A 移民人口と移民世帯の構成
 付録B 技能と労働市場
 付録C 生活状況
 付録D 社会参加と社会的指標
 付録E 移民背景をもつ若者

 用語解説
 訳者あとがき

前書きなど

監訳者解説

 (…前略…)

2.2 構成と特徴
 第1章では、移民の統合に関する国際比較の意義を述べると同時に、移民受け入れ国をその特徴から8つに類型化している。それらは、①入植国家、②高い学歴の移民が多い伝統的移民受け入れ国、③低い学歴の移民が多い伝統的移民受け入れ国、④人道移民受け入れ国、⑤低い学歴の労働移民受け入れ国、⑥高い学歴の労働移民受け入れ国、⑦国境の変更によって外国生まれや外国籍となった人びとを多く抱えることとなった移民受け入れ国、⑧移民の少ない新興移民受け入れ国、である。また、主要な指標について、外国生まれと現居住国生まれの成果を比較対照しており、第1章は移民統合の全体像を把握するためには不可欠の章といえる。
 つづく第2章以下の各章では、それぞれ統合にかかわる指標を取り上げ、成果を国際比較し、分析している。たとえば第2章では、移民人口と世帯にかかわる指標、具体的には移民の地域分布、年齢、世帯構成、滞在資格、出生地など、移民グループとしての特徴をとらえる基礎データをとりあげる。また第3章では、移民の技能と労働に着目した指標、具体的には、学歴、言語能力、就業率、失業率、労働環境、職能スキル等の指標が検討される。第4章では、移民の生活にかかわる指標、たとえば、世帯所得、相対的貧困、住居、居住環境、主観的健康感や医療・歯科ニーズ等の指標が分析される。第5章では、移民の市民参加にかかわる指標、たとえば国籍取得、投票率、移民に対する見方、移民との交流、ジェンダー分業観、帰属意識や被差別感、生活満足度等がとりあげられている。
 後半の第6章から第8章は、移民の中でも女性、若者、第三国国民という3つのグループに着目し、その統合の成果を各指標にもとづいて分析したものである。移民のグループの中でも統合に困難を抱えるサブグループを見出しているという点で、この3つの章の存在は大きい。
 最後にSettling In 2018の特徴を述べておこう。各国の移民統合を測る指標はこれまでにもいくつか存在している2。このうち代表的なものとして、MIPEX(Migrant Integration PolicyIndex)があげられる。MIPEXは、移民政策グループ(MPG)、国際バルセロナ問題センター、ブリティッシュ・カウンシル等が主催し、EUや世界の40団体が協力をして開発した移民政策の指標で、2004年以来すでに数回にわたって報告書を出している。MIPEX2015年版への参加国は計38か国、またMIPEX2015年版で用いられた指標項目は、労働市場へのアクセス、家族呼び寄せ、長期滞在、政治参加、国籍取得、反差別、教育、健康の合計8分野の計167指標であった。MIPEXでは、各国の現行の法令および政策をこれらの指標にもとづいて数値化している。具体的には、各指標において欧州の最高水準(政策の最良事例)であれば満点(3点)とし、不十分である場合は2点が、遠く及ばない場合は1点がつけられた。国によってその指標を示す関連の法令や政策が存在しない場合も1点が与えられ、得点の1-3を0-100に再計算して提示されている(丸山 2016: 224-238)。
 一方、法律や制度だけでなく実際の統合の結果を重視したEUにおいては、欧州連合統計局(Eurostat)が2010年4月の移民統合に関する閣僚会議宣言(「サラゴサ宣言」)にもとづいて「移民統合指標」(通称「サラゴサ指標」)を2011年に公表した。統合を測る分野は、雇用、教育、社会的包摂、アクティブ・シティズンシップの4つに分けられ、指標として、就業率・失業率・労働力率、教育水準、高等教育修了率、早期離学率、相対的貧困率、健康感、国籍取得率、議員選出率などがあげられていた(European Union 2011: 10)。この「サラゴサ指標」こそ、Settling Inシリーズの前身といえる。
 したがって、Settling In 2018の統合指標は、OECDおよびEUに加盟する41の国および地域を分析の対象としているが、各国のみならずEUの移民統合政策がどのような成果をあげているかを継続的に測る試みといえる。成果を測る主な領域としては、人口学的特徴、教育、労働、所得、住宅、健康、医療、国籍取得、政治参加、生活満足度、帰属意識、差別などであり、合計74の指標からなっている。とくに、こうした指標にもとづいて、女性、若者、第三国国民という移民のサブグループに着目した分析を詳細におこなったことは、今回のSettling In 2018の特徴ともいえる。

 (…後略…)

著者プロフィール

斎藤 里美  (サイトウ サトミ)  (監訳

1990年一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程満期退学。現在、東洋大学文学部教授。専門は教育社会学、教育目標・評価論。主な著訳書に、『多様性を拓く教師教育:多文化時代の各国の取り組み』(監訳、OECD教育研究革新センター編著、明石書店、2014年)、『OECD教員白書:効果的な教育実践と学習環境をつくる〈第1回OECD国際教員指導環境調査(TALIS)報告書〉』(監訳、OECD編著、明石書店、2012年)、『移民の子どもと格差:学力を支える教育政策と実践』(監訳、OECD編著、明石書店、2011年)、『移民の子どもと学力:社会的背景が学習にどんな影響を与えるのか〈OECD-PISA2003年調査 移民生徒の国際比較報告書〉』(監訳、OECD編著、明石書店、2007年)、『シンガポールの教育と教科書:多民族国家の学力政策』(編著・監訳、明石書店、2002年)など。

三浦 綾希子  (ミウラ アキコ)  (監訳

2013年一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程修了。博士(社会学)。現在、中京大学国際教養学部准教授。専門は、教育社会学、異文化間教育学。主な著書・論文に、『移民から教育を考える:子どもたちをとりまくグローバル時代の課題』(額賀美紗子・芝野淳一・三浦綾希子編著、ナカニシヤ出版、2019年)、『ニューカマーの子どもと移民コミュニティ:第二世代のエスニック・アイデンティティ』(勁草書房、2015年)、「ニューカマーの若者の現在:第二世代が直面する格差問題」(『現代思想』4月号、2016年)など。訳書に、『移民の子どもと学校:統合を支える教育政策』(共訳、OECD編著、明石書店、2017年)、『多様性を拓く教師教育:多文化時代の各国の取り組み』(共訳、OECD教育研究革新センター編著、明石書店、2014年)など。

藤浪 海  (フジナミ カイ)  (監訳

2018年一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程修了。博士(社会学)。現在、日本学術振興会特別研究員PD。専門は、国際社会学、国際移民研究。主な著書・論文に、『沖縄ディアスポラ・ネットワーク:グローバル化のなかで邂逅を果たすウチナーンチュ』(明石書店、2020年)、「沖縄系住民をめぐる民族関係の再編成と都市政策:横浜市鶴見区の植民地主義・新自由主義的文脈に着目して」(関東社会学会編『年報社会学論集』第32号、2019年)、「ブラジル系移民コミュニティと第二世代男性の進路選択:横浜市鶴見区の学習教室の事例から」(移民政策学会編『移民政策研究』第9号、2017年)など。訳書に、『移民の子どもと学校:統合を支える教育政策』(共訳、OECD編著、明石書店、2017年)、『多様性を拓く教師教育:多文化時代の各国の取り組み』(共訳、OECD教育研究革新センター編著、明石書店、2014年)など。

鄭 康烈  (チョン カンリョル)  (

2017年一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了。現在、一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程、日本学術振興会特別研究員DC1。専門は、国際社会学、移民研究。主な著書・論文に、「平和の担い手としての越境人を育てる:在日コリアンの生の軌跡、アイデンティティ形成から」(金敬黙編著『越境する平和学:アジアにおける共生と和解』、法律文化社、2019年)、「在日コリアンの一般労働市場への編入に関する一考察:日本企業のアジアへの市場拡大とブリッジ人材としての役割期待」(社会学研究会編『ソシオロジ』第64巻1号、2019年)など。

大西 公恵  (オオニシ キミエ)  (

2013年一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程単位取得退学。現在、和光大学現代人間学部准教授。専門は、教育史、教育方法論。主な著書に、『日本の学校受容:教育制度の社会史』(共著、木村元編著、勁草書房、2012年)など。主な論文に、「1950年代初期における職業・家庭科のカリキュラム編成:長野県飯田市立飯田東中学校の事例を通して」(〈教育と社会〉研究会編『〈教育と社会〉研究』第26号、2016年)、「1930年代初期における国語科の教育目的の問い直し:第34回全国小学校訓導協議会の議論を通して」(和光大学現代人間学部編『和光大学現代人間学部紀要』第9号、2016年)、「山路兵一「遊びの善導」論再考:学習雑誌『伸びて行く』との関連に注目して」(教育目標・評価学会編『教育目標・評価学会紀要』第16号、2006年)など。訳書に、『21世紀型学習のリーダーシップ:イノベーティブな学習環境をつくる』(共訳、OECD教育研究革新センター編著、2016年、明石書店)など。

布川 あゆみ  (フカワ アユミ)  (

2016年一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程修了。博士(社会学)。現在、東京外国語大学世界言語社会教育センター特任助教。専門は、比較教育学、教育社会学。主な著書・論文・訳書に、『現代ドイツにおける学校制度改革と学力問題:進む学校の終日化と問い直される役割分担のあり方』(晃洋書房、2018年)、「教育をめぐる学校・家庭・学校外の関係性の変容:ドイツ・ブレーメン州における移民集住地域の終日学校を事例に」(日本教育社会学会編『教育社会学研究』第102集、2018年)、『移民の子どもと世代間社会移動:連鎖する社会的不利の克服に向けて』(共訳、OECD編著、2018年、明石書店)など。

大野 恵理  (オオノ エリ)  (

2010年一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程修了。博士(社会学)。現在、ライプツィヒ大学教育科学部研究員、東洋大学アジア文化研究所客員研究員。専門は、教育思想史、比較教育学、バイオグラフィ研究。主な論文・訳書に、「移民背景をもつ教師の自伝を読む:アフガニスタン出身ムスリム女性にとってのドイツにおける多様性の問題」(東洋大学アジア文化研究所編『アジア文化研究所研究年報』第51号、2016年)、「移民の子どもの教育からみるドイツの統合と多文化社会(園山大祐編著『岐路に立つ移民教育:社会的包摂への挑戦』ナカニシヤ出版、2016年)、『21世紀型学習のリーダーシップ:イノベーティブな学習環境をつくる』(共監訳、OECD教育研究革新センター編著、2016年、明石書店)、『移民の子どもと世代間社会移動:連鎖する社会的不利の克服に向けて』(共訳、OECD編著、明石書店、2018年)など。

立花 有希  (タチバナ ユキ)  (

2007年早稲田大学大学院教育学研究科博士後期課程満期退学。博士(教育学)。現在、宇都宮大学国際学部講師。専門は、比較教育学、異文化間教育。主な論文に、「ドイツの就学前教育における移民の子どもの言語発達の評価と支援:ヘッセン州における取組を中心として」(異文化間教育学会編『異文化間教育』第45号、2017年)、「ドイツにおける幼小連携の取組に関する一考察:ヘッセン州教育計画(BEP)を中心として」(関東教育学会編『関東教育学会紀要』第43号、2016年)など。

上記内容は本書刊行時のものです。