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日韓共同の歴史教育
21世紀をきりひらく授業実践交流の軌跡
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2019年11月10日
- 書店発売日
- 2019年11月10日
- 登録日
- 2019年11月5日
- 最終更新日
- 2019年11月18日
紹介
本書は、「日韓の未来は教育にある」との確信の基に、日韓双方の現場の教師たちが、両国の教育の現実を見つめながら、個性溢れる教育実践を追求し、子どもたちがどう成長していくかをぶつけ合い、学び合ってきた記録である。
目次
Ⅰ.日韓歴史教育交流の現在地――「はじめに」に代えて〔三橋広夫〕
1.日韓歴史教育交流のスタート
2.ぶつかり合う教育実践
3.小学校の授業実践交流
4.本書の位置
Ⅱ.授業実践
1.地域から日韓の授業をつくる〔木村誠〕
①生徒と学ぶ「四面石塔」の謎〔愛沢伸雄〕
②大地主家の新白丁 姜相鎬の生き方〔李珍煕・崔嘉恩〕
③戦没者名簿調べからはじまった小学校6年生の戦争学習〔石田裕子〕
④初等学校3年生が学ぶ「道の名前に込められた昔の人の生活」〔金銀児〕
2.日韓の橋渡しをめざす授業の追求〔平野昇〕
①日韓関係史を学ぶ意欲を育てる〔目良誠二郎〕
②人物(柳宗悦)を通して見た韓日友好の歴史〔李宰泉〕
③通信使についての高校生の歴史認識〔朴外淑〕
④在日同胞の友だちといっしょにつくる平和〔裵星澔〕
⑤世界の人たちとつながろう――小学校2年生の「生活べんきょう」〔藤田康郎〕
⑥韓国高校生との交流を通して学ぶ生徒たち〔関根千春〕
3.植民地支配と日韓の歴史授業〔申振均〕
①1枚の写真から追求する韓国併合の授業――中学校2年生の歴史認識と授業〔三橋広夫〕
②従軍慰安婦と望ましい韓日関係〔姜元順〕
③ドキュメンタリー映画を使った「日本軍慰安婦」の授業〔南宮真〕
④安重根義士殉国100周年記念授業と高校生の歴史認識〔申振均〕
⑤生徒が考える「明治初期の日本と朝鮮」の授業――江華島事件をめぐって〔山田耕太〕
4.子どもの現代認識と日韓関係の授業〔遠藤茂〕
①日韓の歴史と未来への道――総合学習“内側からの国際化”を考える〔西村美智子〕
②朝鮮戦争を金聖七の日記から考える〔三上真葵〕
③中学生に日韓条約を授業する〔大谷猛夫〕
④平和教育をめざす韓国戦争の授業〔朴順天〕
⑤朝鮮人特攻隊員と韓国の子どもたち〔羅勇虎〕
5.東アジア前近代史のなかで日韓の歴史を学ぶ〔大谷猛夫〕
①日本の中学生は中世東アジアをどうとらえたか〔関誠〕
②三浦と対馬を通してみた韓日関係史〔安炳甲〕
③対馬から考える「秀吉の朝鮮侵略」の授業づくり〔石井建夫〕
④円仁から見た新羅人〔鄭勍任〕
Ⅲ.日韓歴史教育の課題と展望
1.日韓教育実践研究会結成の意味〔石渡延男〕
2.韓国の歴史教育と韓日歴史教育交流〔申振均〕
3.小学校授業実践交流の意味〔平野昇・崔鍾順〕
Ⅳ.「日韓歴史教育交流会」報告一覧(1993~2019)
あとがき〔三橋広夫〕
前書きなど
Ⅰ.日韓歴史教育交流の現在地――「はじめに」に代えて〔三橋広夫〕
(…前略…)
4.本書の位置
特に最近は、普段着の授業を意識するようになってきた。報告のための授業、特別な授業ではなく、子どもたちと日常の中でどのように授業をしていくかを課題として意識してきたためである。これは、教師に内在する、教師の獲得した正しい認識を子どもたちにしっかりと伝えるのが授業であるとする授業論との闘いであり、これは今後の課題の一つである。
もう一つの課題は、日韓高校生の交流を継続的に追求することである。
本書は、日韓の歴史教師が相互に学びあいながら歴史教育に取り組んできた成果を示したものであり、歴史教育における日韓相互理解の可能性を読者に提示するものである。
本書を通して、21世紀をきりひらく日韓歴史教育への提言としたい。かつて韓国をテーマにした授業実践記録(単行本)は朝鮮史研究会編『朝鮮の歴史をどう教えるか』(龍渓書舎、1976年)しかなかった。当時の朝鮮史教育の水準を示すものではあるが、いまは絶版である。しかも日本の教師による実践記録のみであった。
本書はそれ以来の単行本であり、また、韓国の歴史教育を韓国の教師の手により直接紹介するものでもある。日韓の子どもたちの歴史認識を正面に据えた実践が紹介される本書は、画期をなすものとなるだろう。
読者の忌憚のない意見を寄せて欲しい。
上記内容は本書刊行時のものです。