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SDGs時代のグローバル開発協力論 重田 康博(編著) - 明石書店
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SDGs時代のグローバル開発協力論 (エスディージーズジダイノグローバルカイハツキョウリョクロン) 開発援助・パートナーシップの再考 (カイハツエンジョパートナーシップノサイコウ)

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発行:明石書店
A5判
264ページ
並製
価格 2,300円+税
ISBN
978-4-7503-4912-1   COPY
ISBN 13
9784750349121   COPY
ISBN 10h
4-7503-4912-7   COPY
ISBN 10
4750349127   COPY
出版者記号
7503   COPY
Cコード
C0036  
0:一般 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2019年10月15日
書店発売日
登録日
2019年10月2日
最終更新日
2020年10月22日
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紹介

開発援助から開発協力への転換期を迎え、地球規模の課題解決のために多様な担い手との包括的なパートナーシップ構築が求められている。紛争と難民、復興支援、農業開発、貧困・格差など、開発経験の実証的考察を踏まえ「共感」と「協働」の視点から展望する。

目次

 序文
 はじめに

第1部 戦後の開発援助の変化とグローバルな貢献

序章 SDGs時代の開発協力を考える
 Ⅰ 本書の問題意識の背景と目的
 Ⅱ グローバル開発協力を考える
 Ⅲ 本書の基本方針と構成
 おわりに

第1章 戦後の開発論の変化とグローバルな貢献――日本の政府開発援助(ODA)を事例として
 Ⅰ 開発論の変化
 Ⅱ 政府による開発協力の変化とグローバルな貢献――日本のODAを事例として

第2章 SDGsと世界を変える新たな枠組み
 はじめに
 Ⅰ 国連の新目標(SDGs)に内在するさまざまな側面
 Ⅱ 持続可能な開発・発展は、何を目指すのか
 Ⅲ 世界を変革するためのビジョン

第2部 開発援助の再考――事例編1

第3章 紛争・難民時代に考える「開発協力」――日本の自立によるグローバルな協力を目指して
 Ⅰ 「SDGs」の流布と「文化的暴力」?
 Ⅱ SDGs達成のために見過ごせない紛争・戦争
 Ⅲ 「難民支援」の「人道支援」へのすり替え
 Ⅳ 紛争・戦争と開発を考える
 Ⅴ 開発と倫理――武器輸出という戦争加担
 Ⅵ グローバル市民科学の可能性
 おわりに

第4章 「開発援助を評価する援助関係者」を考える――アフガニスタンをめぐる復興・開発援助
 はじめに
 Ⅰ 開発援助の再考?
 Ⅱ 「援助関係者の認識」――アフガニスタン復興・開発援助を再考する私たち
 Ⅲ 自らを囲い込む援助――開発援助を「プレゼンス」という名で解釈する
 Ⅳ 治安のギャップ――私たちの見る紛争影響国とそこに暮らす人々の見る生活
 おわりに

第5章 主権者を置き去りにする援助――モザンビーク農業開発プロジェクトからの再考
 序論
 Ⅰ プロサバンナ事業とは何か?
 Ⅱ プロサバンナの背景――食料安全保障とアグロ・フードレジームの再編
 Ⅲ プロサバンナ事業とともに成長する農民
 Ⅳ 「主権者」となる農民
 結論

第3部 世界の貧困・格差問題――事例編2

第6章 人身取引課題から開発を再考する――メコン地域の事例から
 はじめに――人身取引課題における「グローバル開発協力」
 Ⅰ メコン地域における人身取引の現状
 Ⅱ 人身取引対策を推進するアクター
 Ⅲ 人身取引課題に取り組むアクター:NGO
 Ⅳ LPNから見るSDGsと「人間の安全保障」
 結論 人の移動と人身取引

第7章 アジアの格差・貧困問題に関する考察――カンボジアにおける日本のNGOによる支援活動を事例に
 はじめに
 Ⅰ カンボジアの政治・経済の現状
 Ⅱ カンボジアの農村の貧困・格差の原因――「新しい貧困の罠」
 Ⅲ シュムリアップ県における農村の貧困問題と日本のNGOによる農村開発支援活動調査の考察
 おわりに

第8章 トップダウンの開発と住民の相互扶助や在来知――タンザニアにおける事例から
 本章のねらい・目的
 Ⅰ トップダウン・外部依存型開発の功罪
 Ⅱ 住民の自助努力と相互扶助
 Ⅲ 在来知・在来資源の活用
 Ⅳ 私たちの役割とSDGs

第4部 課題と展望

終章 グローバル開発協力への展望――SDGs時代に「協働」や「共感」をどう醸成するのか?
 Ⅰ はじめに――SDGs時代の課題
 Ⅱ 「協働」や「共感」の醸成――事例が浮き彫りにする難しさ
 Ⅲ グローバル開発協力の役割――人間の自然な感情の発露
 Ⅳ まとめ――「協働」と「共感」の醸成に向けた道筋

補章 開発と倫理――倫理的開発学を目指して
 はじめに――なぜ倫理的開発学が必要か?
 Ⅰ 開発と倫理性――二重の意味
 Ⅱ 倫理的開発の探究
 Ⅲ 開発学の新しい地平

資料
 持続可能な開発目標(SDGs)指標
 国際開発学会(JASID)「開発経験の実証的考察を通じた発展・開発のあり方の再考」研究部会の開催記録(2011年度‐2019年度)

 あとがき
 索引

前書きなど

はじめに

 (…前略…)

 本書は、このような「SDGs時代のグローバル開発協力」に焦点をあてた国際開発学会「開発経験の実証的考察を通した発展・開発のあり方の再考」研究部会の2015年度から2019年度までの主な研究報告の内容をまとめたものです。本書を発行した本研究会の発足の経緯は、2011年3月11日の東日本大震災を契機に、同年12月23日の「原発震災から再考する開発・発展のあり方」研究部会(於:東京外国語大学本郷サテライト)が立ち上がったことです。この研究部会は、原発事故が人びとの日常生活に与える影響やその背景にある構造について研究を進め、日本ひいては途上国の開発・発展、そして開発協力・国際協力のあり方について考察することを目的としました。

 (…中略…)

 本書の内容は、第1部の「戦後の開発援助の変化とグローバルな貢献」(序章~第2章)では、開発論、開発協力・対外援助の問題と見直し、SDGs時代のグローバルな開発協力のあり方について考えています。第2部の「開発援助の再考」(第3章~第5章)では、紛争と難民、復興支援、農業開発の3つの事例を取り上げて、援助を再考します。第3部は、「世界の貧困と格差問題」(第6章~第8章)として、国連や世界の多くの国々が2030年までにSDGsの達成を目指す中、実際には国内の貧富の格差が拡大する国、都市と農村の経済格差が拡大する国、土地問題や土地紛争で住民の人権が脅かされている事例を取り上げます。最後に第4部は、「グローバル開発協力への展望」(終章)として、国益優先の時代を超えて、担い手間の「共感」や「協働」を醸成するSDGs時代のグローバル開発協力のあり方を考えています。本書の最後には、昨2018年スペインで亡くなられた西川潤先生(早稲田大学名誉教授、元国際開発学会会長)の1997年の本研究部会の「開発と倫理―倫理的開発学を目指して―」の報告をご遺稿としてご家族の了解を得て補章に掲載させていただいています。

 (…後略…)

著者プロフィール

重田 康博  (シゲタ ヤスヒロ)  (編著

宇都宮大学国際学部教授。北九州市立大学大学院社会システム研究科博士後期課程修了(博士・学術)、専門は国際開発研究、国際NGO研究。国際協力NGOセンター政策アドバイザー、JICA環境社会配慮助言委員、開発教育協会評議員。主な著書に『激動するグローバル市民社会――「慈善」から「公正」への発展と展開』(明石書店、20017年)、『グローバル時代の「開発」を考える――世界と関わり、共に生きるための7つのヒント』(共著、明石書店、2017年)など。

真崎 克彦  (マサキ カツヒコ)  (編著

甲南大学マネジメント創造学部教授。国際協力の実務に8年間従事した後、サセックス大学大学院開発研究所(IDS)で博士号(開発研究)取得。オルタナティブ開発論、ブータン地域研究。著書に『支援・発想転換・NGO――国際協力の「裏舞台」から』(新評論、2010年)、論文に「ブータンの国民総幸福(GNH)と経済成長路線の「部分的つながり」――脱成長論に対する「重要な示唆」を探る」(『ヒマラヤ学誌』第20号、2019年)など。

阪本 公美子  (サカモト クミコ)  (編著

宇都宮大学国際学部准教授。1992年東京外国語大学卒業、1994年早稲田大学大学院経済学研究科修士課程修了、2003年同大学院アジア太平洋研究科博士課程修了、博士(学術)。ユニセフ及びUNDPタンザニア事務所勤務等を経て、現職。主な著作にSocial Development, Culture, and Participation(春風社、2009年)、Factors Influencing Child Survival in Tanzania (Springer, 2019)。

上記内容は本書刊行時のものです。