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多文化社会に生きる子どもの教育 佐藤 郡衛(著) - 明石書店
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多文化社会に生きる子どもの教育 (タブンカシャカイニイキルコドモノキョウイク) 外国人の子ども、海外で学ぶ子どもの現状と課題 (ガイコクジンノコドモカイガイデマナブコドモノゲンジョウトカダイ)

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発行:明石書店
四六判
216ページ
上製
価格 2,400円+税
ISBN
978-4-7503-4887-2   COPY
ISBN 13
9784750348872   COPY
ISBN 10h
4-7503-4887-2   COPY
ISBN 10
4750348872   COPY
出版者記号
7503   COPY
Cコード
C0037  
0:一般 0:単行本 37:教育
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2019年9月15日
書店発売日
登録日
2019年9月2日
最終更新日
2019年9月27日
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紹介

これまでの外国人児童・生徒の教育施策を踏まえ、外国人の子どもたちを文化間移動とそれに伴う異文化適応という視点で捉え直し、学校における多文化共生教育や人権教育を考察し、さらには海外に住む日本人の子どもの教育から国際バカロレアまで、今後の重要な政策課題を論じる。

目次

 はじめに

第1章 文化間移動と教育
 1.外国人の増加と教育
 2.文化間移動をとらえ直す
 3.文化間移動と異文化適応
 4.異文化適応とアイデンティティ
 5.学校と異文化適応
 6.地域と異文化適応

第2章 外国人の子どもの増加と多国籍化の歩み
 1.多文化へのプロローグ
 2.日系人の子どもの増加
 3.リーマンショックによる変化
 4.外国人の子どもの増加と多国籍化
 5.不就学の実態
 6.外国人学校への就学
 7.統計データの整備の必要性

第3章 外国人の子どもの教育はどこまで進んでいるか
 1.子どもにとっての問題は
 2.学校に行くこと――就学の保障
 3.学ぶ力の育成――JSLカリキュラム
 4.正規の授業時間内で日本語が学べる――「特別の教育課程」
 5.子どもたちの進路は――進路保障
 6.外国人の子どもの教育施策の課題

第4章 多文化共生の教育
 1.多文化共生の教育とは
 2.多文化共生の教育の基本的な視点
 3.どのような人間を育成するか
 4.多文化共生の教育の実践の視点
 5.多文化共生の教育の課題

第5章 外国人の子どもと人権の教育
 1.なぜ人権がキーワードになるか
 2.人権教育の位置づけ
 3.外国人の子どもの課題と人権教育
 4.外国人の子どもの人権教育の現状と課題
 5.人権教育の実践の視点

第6章 海外で学ぶ日本の子ども
 1.海外の子どもの就学形態
 2.補習授業校に通う子どもたち
 3.日本語の学習とアイデンティティの再構成
 4.友人関係の重要性
 5.補習授業校の役割の再考

第7章 グローバル人材育成と国際バカロレア
 1.グローバル人材の育成
 2.IB導入の背景
 3.IBの教育の特徴
 4.IBから学べる点は
 5.IBの今後の課題

第8章 「現場生成型研究」の課題
 1.実践との関わり
 2.実践の課題を共に解決するための研究
 3.「現場生成型研究」とは
 4.「現場生成型研究」の方法
 5.「現場生成型」研究の課題

前書きなど

はじめに

 グローバル化の進行で国境を越えた人の動きが急速に進行し、多様な背景を持つ人が共に生活し、共に学ぶようになってから久しい。しかし、実際にはこの多文化共生が極めて難しいことだということもわかってきた。イギリスやフランスのテロ事件などを契機にして、ヨーロッパでは移民や難民の排斥運動が活発化している。アメリカでも「アメリカファースト」を標榜するトランプ大統領が移民の受け入れを制限する施策を打ち出した。多様な文化や言語を持つ人たちが生活を共にするということの難しさを露呈している。しかし、他方で、多様な現実を受け入れ、多様性を組み込んでいくという努力も多くの国・地域で行われている。移民や難民をどのように受け入れ、どのような社会をつくるかがまさに問われている。こうした新しい社会づくりにとって教育の果たす役割は大きい。多様性を受け入れ、そこから新しい共通の価値を創造することがこれからの教育の役割であり、そうした社会を創造できる人材を育成しなければならない。それは、これまでの自国民の育成に代わる新しい教育の姿である。

 (…中略…)

 本書は、学術書というよりも、政策立案者、教師などの実践者を意識して執筆した。もちろん、こうした教育に関心を持つ研究者、学生、さらに一般の方々にも手にとっていただければ幸いである。本書は八つの章から成る。1章は外国人の子どもを文化間移動とそれに伴う異文化適応という視点からとらえ直したものであり、本書の基本的な枠組みになるものである。2章、3章は、外国人の子どもを対象に、その実態とこれまでの教育施策を中心に考察したものである。特に3章は、私がこれまで国の施策に関与してきたこともあり、その施策を振り返りつつ、今後の政策立案ための課題について提言した。4章は学校の多文化共生の教育について、5章は外国人の子どもを中心にした人権教育についてその現状と課題を示した。この両者は密接に関連しているが、ここでは多文化共生の教育を広くとらえこれからの学校教育全体の課題として位置づけた。人権教育は、外国人の人権に焦点をあてて、人権を保障する実践の課題を示した。多文化共生の教育のなかに位置づけていくことで、人権教育が効果を発揮するためである。1章から5章までは私がこの10年間に関わってきた研究会や教師研修などで話をしてきたことをもとに書き下ろしたものである。

 (…後略…)

著者プロフィール

佐藤 郡衛  (サトウ グンエイ)  (

東京大学大学院教育学研究科修了、博士(教育学)
東京学芸大学教授、理事・副学長、目白大学学長などを経て、2018年4月より明治大学国際日本学部特任教授。東京学芸大学名誉教授。専門は異文化間教育学。
[主な著書]
『異文化間教育のフロンティア』(横田雅弘・坪井健との共編著、明石書店、2016年)
『異文化間教育』(明石書店、2010年)
『文化間移動をする子どもたちの学び』(齋藤ひろみとの共編著、ひつじ書房、2009年)
『アメリカで育つ日本の子どもたち』(片岡裕子との共編著、明石書店、2008年)
『改訂新版 国際化と教育』(放送大学教育振興会、2003年)

上記内容は本書刊行時のものです。