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対話 韓国民主化運動の歴史
行動する知識人・李泳禧の回想
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2019年8月15日
- 書店発売日
- 2019年8月15日
- 登録日
- 2019年8月23日
- 最終更新日
- 2020年6月30日
紹介
1970、80年代、行動する言論人として軍事政権に果敢に立ち向かい、同時代の学生や知識人に最も影響を与えたジャーナリスト・知識人である李泳禧が、自らの人生と言論活動を振り返り、韓国民主化運動の軌跡を辿る。
目次
読者のみなさんに[李泳禧]
日本語版に寄せて――東アジアの平和への踏み石となることを願って[任軒永]
第1章 植民地朝鮮の少年
植民地朝鮮の少年――星雲の志を抱いて京城へ
解放、歓喜、そして分断――親日派の世の中で方向を見失った民族
第2章 戦争の中の人間を見つめて
戦争の中の人間1――同族相争う現場で泣く青年
戦争の中の人間2――火炎に焼かれる平和主義者
ジャーナリストに天職を求めて――偶像破壊者に生まれ変わる
第3章 闘うジャーナリストとして
希望の烽火が消えた後の暗黒――四・一九の戦列から血を流して得た成果とは
再び味わう悪夢――戦車が支配する社会
隠された真実に光をあてながら――国際部記者としての苦行
戦車の道をふさぐカマキリ――ベトナム人民と共に泣くジャーナリスト
論壇追放――インテリはしょせん観念論者!
第4章 学究の道へ――現代中国研究の開拓
現代中国研究の開拓
預言者は故郷で迫害される
無神論者の人間観と社会理念
第5章 一九八〇年、裏切られた「ソウルの春」
裏切られた「ソウルの春」
二三年ぶりに得た「自由の翼」
東洋と西洋のはざまに生きる
民衆の意志と希望の象徴『ハンギョレ』
第6章 アメリカ的資本主義の克服――ペンで闘った半世紀
二一世紀、人類幸福の条件――アメリカ的資本主義の克服は可能か
ペンで闘った半世紀の総括
訳者あとがき[舘野晳]
李泳禧年譜
人名索引
前書きなど
読者のみなさんに
この本は、対話形式で著した、短いとは言えないわが人生の回顧録、あるいは自叙伝である。回顧録の通常の形式である一人称の叙述ではなく、「対話」形式にしたのは、個人史的な事実と生き方の意味と価値の選択を、対話相手との批判的な討論方法で行ったためである。私の人生と絡み合って進行した韓国の状況と時代精神、二〇世紀の人類史的激動の意味と価値を、私の世界観の模索とともに吟味し、批判的に評価する「思想史」的議論が全体の半分を構成する。本のタイトルを『対話――ある知識人の生と思想』(原題)としたゆえんである。
前半部分は個人史的性格を持っている。日本の植民地支配下の少年時代から、李承晩政権末期までを扱った既刊の『歴程――私の青年時代 李泳禧自伝的エッセイ』(創作と批評社、一九八八)と時代的に重複している。そこで、単純な年代記的内容は大幅に割愛することにした。その時期は、言うなれば「知性人」として成長する、一個人の「前史」にあたる部分である。植民地支配下にあった朝鮮と朝鮮人の生存環境の体験的叙述と言えよう。
(…後略…)
上記内容は本書刊行時のものです。