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アルコールと酔っぱらいの地理学
秩序ある/なき空間を読み解く
原書: Alcohol, Drinking, Drunkenness: (Dis)Orderly Spaces
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2019年7月30日
- 書店発売日
- 2019年7月30日
- 登録日
- 2019年7月9日
- 最終更新日
- 2019年7月31日
紹介
イギリスの地方都市と農村での聞き取り調査を基礎に、都市・田園・ジェンダー・エスニシティなどのテーマから「飲酒空間の地理」を構築する。近年英語圏で急速に発展中の「アルコールの地理学」の嚆矢となった一冊。「イギリス人と酒」の素顔を知りたい人にも。
目次
日本語版へのはしがき
謝辞
序章 酒・飲酒・酩酊の地理
アルコール研究と地理学的アプローチ
地理学と酒・飲酒・酩酊
秩序ある/なき空間を読み解く
第1章 都市
「飲酒の害悪」と近代都市
ビンジ・シティ? 酒・飲酒・酩酊と現代の都市生活
おわりに
第2章 田園
田園における飲酒の理論化
田園におけるアルコールと若者
おわりに
第3章 ホーム
ホームの欠如――イギリスにおける飲酒の地図を描く
家庭内の飲酒実践、社会的意味、社会的差異
おわりに
第4章 ジェンダー
男性性、女性性とアルコール消費
ジェンダー化された飲酒パターン、場所、目的
ジェンダー化された飲酒をめぐるさまざまな場面
おわりに
第5章 エスニシティ
禁欲というムスリムの文化
不在の存在――パキスタン系ムスリム・コミュニティにおけるアルコール
夜間経済――出会いと社会結合へのインパクト
おわりに
第6章 世代
私の世代――記憶のなかのアルコールに対する態度と消費
飲酒実践における世代間の連続性と非連続性
おわりに
第7章 感情と身体
アルコール消費の感情と身体の地理
記憶
通過儀礼
感情的会話
おわりに
「もう一杯いかが?」――あとがき
付録1 事例研究と研究デザイン
付録2 ビンジ・ドリンキングの定義とアルコール量単位の解説
付録3 イギリス政府による全国統計の社会経済的分類
「酔いに任せてもう一杯」――訳者あとがき
文献一覧
索引
前書きなど
「酔いに任せてもう1杯」――訳者あとがき
本書は、Jayne, M., Valentine, G. and Holloway, S.L. (2011), Alcohol, Drinking, Drunkenness: (Dis)Orderly Spaces (Aldershot: Ashgate)の全訳である。原題を直訳すれば『アルコール・飲酒・酩酊――(無)秩序の諸空間』となろうが、「アルコール」という語(アルコール含有飲料を意味する場合もあるため訳書中では主に「酒」と表記)に付随する病理的な意味や時と場合により相反する意味を帯びる酔いの状態を強調することと、どの学問分野からのアプローチなのか明確になるよう『アルコールと酔っぱらいの地理学』とし、副題には本書の目的を端的に表した序章の節タイトルを援用することにした。
著者たち3名は「社会・文化地理学(Social and Cultural Geography)」を専門とするイギリスの人文地理学者である。いずれも、後期近代の社会・文化と空間の読解を主軸に据えた著作を数多く発表し、複数の国際的学術誌編集を務め、ウェールズおよびイングランドの著名な研究型大学の教授職にあり、年齢的にも50歳前後ということもあって、専門コミュニティのなかでも中核を担う立場にいる研究者たちといえる。
(…後略…)
上記内容は本書刊行時のものです。