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地球社会と共生 福島 安紀子(著) - 明石書店
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地球社会と共生 (チキュウシャカイトキョウセイ) 新しい国際秩序と「地球共生」へのアプローチ (アタラシイコクサイチツジョトチキュウキョウセイヘノアプローチ)

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発行:明石書店
四六判
248ページ
並製
価格 2,400円+税
ISBN
978-4-7503-4861-2   COPY
ISBN 13
9784750348612   COPY
ISBN 10h
4-7503-4861-9   COPY
ISBN 10
4750348619   COPY
出版者記号
7503   COPY
Cコード
C0036  
0:一般 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2019年6月30日
書店発売日
登録日
2019年6月19日
最終更新日
2019年7月9日
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紹介

「共生」との用語・概念の歴史をはじめ、グローバル時代における「共生」の阻害要因とリスクを分析、さらに国民国家を超えた新たな国際秩序の枠組みを踏まえ共生の利益とコストを考察する。地球市民が目指すべき理念としての「地球共生」の現実的課題と実現に向けた取り組みを示す。

目次

 はじめに

第一章 共生とは何か
 一 「共生」とは何か
  ◇生物学に見る共生
  ◇宗教で説かれる共生
  ◇共生のかたち
  ◇国際政治学に見る共生
 二 社会的な共生への取り組み
  ◇日本における共生を巡る議論
  ◇日本における多文化共生への取り組み
  ◇海外における多文化共生への取り組み
 三 なぜ「共生」が必要なのか
  ◇グローバル化が必要とする共生
  ◇反グローバル化の台
 四 「地球共生」とは何か
  ◇地球全体の共生
  ◇国境では止まらない自然災害
  ◇国境をまたぐ感染症
  ◇内戦後の共生

第二章 地球化と反地球化の相克
 一 地球化のベクトル
  ◇グローバル化のうねり
  ◇経済の地球化の潮流
  ◇情報通信技術(ICT)による地球化の潮流
  ◇文化の地球化の潮流
 二 反地球化のベクトル
  ◇グローバル化への反発
  ◇反グローバリズムの潮流
  ◇人の移動と反グローバリズム
  ◇環境と反地球化の潮流
  ◇文化にも渦巻く反地球化の波
 三 地球社会分裂のリスク
  ◇対立するベクトルの行く末
  ◇分裂のリスク

第三章 新地球秩序と地球共生
 一 地殻変動を起こす地球儀
  ◇「不満」と「不安」が地球儀を塗り替えるか
  ◇国際秩序の変容の歴史
  ◇ヨーロッパの協調から国際秩序へ
  ◇リベラルな国際秩序の変容
  ◇国際秩序から新しい地球秩序へ
  ◇地球秩序の求心力
  ◇地球秩序を支える機能的協力と地域協力
 二 文化が紡ぐ地球共生
  ◇グローバル関係で周縁ではなくなった文化
  ◇北大西洋条約機構(NATO)の文化財保護への取り組み
  ◇地球共生の紐帯としての文化・芸術・スポーツ
  ◇スポーツと共生
  ◇音楽と共生
  ◇共生への触媒としての文化活動と潜む落とし穴
 三 新しいグローバル関係のベースとしての地球共生
  ◇二一世紀地球社会の共通利益と共通価値
  ◇地球共生のコスト
  ◇地球共生の利得
  ◇地球共生のコストパフォーマンスの計算

終わりに 地球共生への道
  ◇地球共生の構図
  ◇地球共生への覚悟

 あとがき
 注

前書きなど

はじめに

 (…前略…)

 今後、地球から紛争がなくなることはなかなか想定しがたい。また、激甚自然災害の発生は気候変動と共に増加の一途を辿っている。さらにこのような有事の場合のみならず、政治・経済・文化のグローバル化は進展し、人の移動も多様な形態で今後とも増えることが予想される。それだけにますます小さくなる地球では、平時の共生もグローバル化が多面的にスピードアップする中で今後増すことはあっても減じることのない課題である。筆者は紛争地での経験から共生が容易に実現できるとは考えていない。むしろ、響きは綺麗だが、実現はなかなか困難であると考えている。しかしながら、いかに難しかろうとも現実的に可能な共生こそが地球市民の目指すべき究極の理念であろうと確信している。そのことからこの共生の課題を、専門とする国際政治学の視点を中心に様々な角度から考察してきた。特に第二次世界大戦後維持されてきた国際秩序に綻びが目立つようになってきたことに危機感を覚え、近年新たな秩序を追究し、思索をしてきた。新しい国際秩序は複数考えられることから英語では複数形で「new global orders」ないしは「new world orders」の語が用いられることが多いが、本書では「地球社会」との対比の観点から、あえて日本語では「地球秩序」としてみた。これまでの研究を本書としてまとめ、タイトルを「地球社会と共生」と銘打った。

 (…後略…)

著者プロフィール

福島 安紀子  (フクシマ アキコ)  (

 京都生まれ。1994年米国ジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院(SAIS)より修士号(国際関係論、国際経済学)。1997年大阪大学より博士号(国際公共政策)。総合研究開発機構(NIRA)国際研究交流部主任研究員、同機構主席研究員、国際交流基金特別研究員、カナダ ブリティッシュ・コロンビア大学客員教授、防衛施設中央審議会委員等を務め、現在は青山学院大学地球社会共生学部教授。2013年、安倍総理の国家安全保障と防衛力に関する懇談会有識者委員、2014年より外務人事審議会委員、在ブラッセルEU-Asia Centre 国際諮問委員、Global Governance誌 Co-editor、東京財団上席研究員等を兼務。
 主な著作にJapanese Foreign Policy: A Logic of Multilateralism(英国マクミラン社、1999年)、『レキシコン―アジア太平洋安全保障対話』(日本経済評論社、2002年)、『人間の安全保障』(千倉書房、2010年)、『紛争と文化外交』(慶応義塾大学出版会、2012 年)、共著にHuman Security in East Asia(Routledge、2009年)、Asia's New Multilateralism(Columbia University Press、2009年)、Public Diplomacy and Soft Power in East Asia(Palgrave、2011年)、『ヒューマン・セキュリティ―ヒューマンケアの視点から』(医学評論社、2013年)、『日米安全保障同盟』(原書房、2013年)、Human Security and Japan’s Triple Disaster( Routledge、2014年)、『安全保障論』(信山社、2015年)、『グローバル・コモンズ』(岩波書店、2015年)、『国際共生と広義の安全保障』(東信堂、2017年)、『人間の安全保障と平和構築』(日本評論社、2017年)、“Multilateralism Recalibrated,” in Postwar Japan(CSIS、2017)、Japan's New Security Partnerships(Manchester University Press、2018)等。
 2011年日本NPO学会優秀賞受賞。

上記内容は本書刊行時のものです。