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チリを知るための60章 細野 昭雄(編著) - 明石書店
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チリを知るための60章 (チリヲシルタメノロクジッショウ)

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発行:明石書店
四六判
380ページ
並製
価格 2,000円+税
ISBN
978-4-7503-4858-2   COPY
ISBN 13
9784750348582   COPY
ISBN 10h
4-7503-4858-9   COPY
ISBN 10
4750348589   COPY
出版者記号
7503   COPY
Cコード
C0336  
0:一般 3:全集・双書 36:社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2019年7月15日
書店発売日
登録日
2019年7月2日
最終更新日
2019年7月31日
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紹介

日本と同様に地震大国であり、最近はワインやサケなど食卓でもお馴染みとなったチリ共和国。南北に延びる細長い国土のほか、南極の一部や太平洋上のイースター島なども領有する多様性に満ちた自然や、激動の歴史、知られざる日本との関係などを紹介した概説書。

目次

 はじめに
 地図


Ⅰ 歴史

第1章 先スペイン時代――多様な先住民の歴史と文化
第2章 植民地時代――3世紀におよぶ戦いと社会・経済の変化
第3章 チリの独立――オヒギンズとサン・マルティン
第4章 共和国の確立――ディエゴ・ポルタレスと1833年憲法
第5章 南米の「太平洋戦争」――硝石をめぐるチリとペルー・ボリビアの戦い
第6章 チリの繁栄と挫折――硝石ブームとその終焉


Ⅱ 政治経済

第7章 経済構造とシステムの特徴――中南米における経済改革の先駆者
第8章 1930年代からフレイ政権まで――「チリ化」に向けて動き出す
第9章 アジェンデ政権――選挙で選ばれた世界で初めての社会主義政権
第10章 ピノチェット政権――1990年まで続く軍事政権の誕生
 【コラム1】シカゴ・ボーイズ
第11章 民政への移行とエイルウィン政権からラゴス政権まで――ピノチェット政権の終焉
 【コラム2】チリモデル
第12章 バチェレ政権、ピニェラ政権、第2次バチェレ政権まで――政権交代でもブレない政策路線
第13章 2017年の総選挙――ピニェラ政権の返り咲きと新興左派の台頭
第14章 貿易政策――政権を問わず一貫して維持される開放路線
第15章 FDI政策――活発化するチリ企業の対外進出
 【コラム3】チリ経済の世界ランキング
第16章 米国、欧州、アジア太平洋諸国との通商関係――FTA先進国
第17章 中南米諸国との通商関係――貿易投資で補完性が高い近隣国について
第18章 国連ラテンアメリカ・カリブ経済委員会(ECLAC)――中南米で有数のシンクタンク


Ⅲ 産業

第19章 産業構造――州・地域によって異なる産業特化
第20章 鉄鉱石・鉄鋼業――小粒ながら存在感
第21章 銅産業――チリは「銅」だ
 【コラム4】33人救出劇
第22章 そのほかの鉱業――なくてはならぬ鉱石たち
第23章 農林畜水産業――銅に続く輸出産業の柱
第24章 サケ養殖産業――サケのいなかったチリがサケ輸出大国へ
第25章 ワイン――驚異的な成長を遂げた
第26章 環境・エネルギー――最新の技術を導入
第27章 観光――行きたいところ盛り沢山
 【コラム5】ラピスラズリ――チリのナショナル・ストーン


Ⅳ 国土と主要地域

第28章 多様な地域性――問われる地域性を生かした開発戦略
第29章 北部――鉱産資源豊かな「アンデス・マクロリジョン」の要
第30章 サンティアゴ首都圏――一極集中の光と影
第31章 中央部――南米のゲートウエーとしての発展が期待される
第32章 南部――活力ある産業を摸索する
第33章 最南部(パタゴニア)――世界最南端の都市プンタ・アレナスを拠点とする発展
 【コラム6】知られざるペンギン王国――日本との浅からぬ縁
第34章 イースター島――絶海の孤島、謎を秘めたモアイ
 【コラム7】ロビンソン・クルーソー島――チリに実在したロビンソン・クルーソー


Ⅴ 日本とチリの関係

第35章 修好120周年と強まる絆――ユニークな日智関係を俯瞰する
第36章 日本とチリの交流史(1)――江戸末期から第二次世界大戦まで
 【コラム8】チリに最初に足跡をしるした日本人、ジョン万次郎
 【コラム9】「坂の上の雲」の時代の日本とチリ――日本をロシアから救ったエスメラルダ
第37章 日本とチリの交流史(2)――戦後から修好100周年まで
第38章 日本とチリの交流史(3)――修好100周年以降から120周年まで
第39章 日系人社会――集団移民による苦労を知らない仲良し社会
第40章 日本とチリの交流を支えた人々――忘れてはならない人物と国旗にまつわる話
第41章 経済関係史概要――日系企業の対チリ市場進出
第42章 関係強化に貢献する諸団体――文化交流団体を中心に
第43章 日本チリ経済連携協定(EPA)――官民連携の賜物
 【コラム10】対チリFTA(EPA)交渉を振り返って
第44章 日本とチリの協力(1)――サケ・貝類養殖協力
第45章 日本とチリの協力(2)――日本の参加する銅鉱山の開発
第46章 日本とチリの協力(3)――社会開発、環境・防災協力
 【コラム11】早期津波警報システムの開発
第47章 日本とチリの協力(4)――域内の南南協力・三角協力のパイオニアとしてのチリ
第48章 文化交流――アニメから震災交流、日本庭園
第49章 学術交流――中南米初の東大フォーラム
 【コラム12】標高世界一の天文台TAO――未知なる宇宙の姿を求めて
 【コラム13】アンデスの巨大電波望遠鏡ALMA
 【コラム14】「Doctor Feca(ウンコの先生)」と呼ばれて
第50章 日本・チリ関係の展望――修好120周年を経て新たな時代へ


Ⅵ 社会と文化

第51章 チリ人・チリ社会の特徴――中南米の中で一味違う国民性
第52章 チリの名家――新たなファミリーも加わる
第53章 活躍する女性たち――民政移管と女性の進出
第54章 スポーツ――成長著しいサッカーを中心に
第55章 食生活――食材の豊富さにもかかわらず、食文化が育たなかった背景
第56章 変化するチリ社会――増える海外からの移住者
第57章 ボディ・アートから短編アニメ映画まで――多様性・外国の影響
第58章 日本から見たチリの文化――さらなる相互理解と交流に向けて
 【コラム15】日本の文学に現われたチリ――作家をひきつけるチリの魅力
第59章 チリ文学――詩と小説と
第60章 音楽――ムシカ・ポプラールとビオレタ・パラ
 【コラム16】クラシック音楽家群像――巨匠クラウディオ・アラウを中心に
 【コラム17】サンティアゴ市立劇場


 チリについてさらに知りたい人のための文献案内

前書きなど

はじめに

 チリは、もっと注目されるべき国である。アンデス山脈、アタカマ砂漠、太平洋、パタゴニアに囲まれ、周囲の国々から隔てられた島国のような、しかも非常に細長い国であり、かつ、世界の大市場から遠い国であるが、多くの困難を乗り越えて、着実な発展を達成してきた国である。平和裏での軍政から民政への移行、安定した民主主義の定着、長期にわたる持続的成長、貧困の克服と中間層の拡大などの社会的発展を実現してきた。その成果は、中南米域内はもとより、グローバルに見ても特筆すべきであり、その経験は多くの国にとって参考になると思われる。今や、経済協力開発機構(OECD)に加わり、多くの分野で国際的課題への取り組みをリードする役割も担いつつある。

 (…中略…)

 本書は、明石書店のエリア・スタディーズのシリーズならではの、二つの特徴を持っている。まずは、総合的にチリについて書かれた本が少ない現状を念頭に、チリの総合的理解につながるような、この国の入門書となることを目指した。同時に、政治、経済、社会、文化などの研究者にも参考となるようチリの研究書としても役に立てるよう工夫した。そのため、様々な分野で、チリで活動してきた、あるいは、チリと交流を行ってきた、多くの方々に執筆に加わっていただいた。実は、本書は、15年余り前に、一度企画された経緯がある。当時、その企画に加わられていた水野浩二氏は、チリへの熱い思いを込めてかなりの章を執筆されていたが、その思い叶わず2005年5月に急逝された。今回改めて企画を実現するにあたり、水野氏の執筆された部分については、その後の14年間の変化を編者が加筆するなどの増補を行った上で掲載させていただいた。このことについて快諾してくださった水野家の皆様に心から感謝申し上げる次第である。

 (…後略…)

著者プロフィール

細野 昭雄  (ホソノ アキオ)  (編著

国際協力機構(JICA)研究所シニア・リサーチ・アドバイザー、ラテンアメリカ協会副会長。アジア経済研究所を経て、筑波大学社会工学系、神戸大学経済経営研究所、政策研究大学院大学教授、在エルサルバドル大使。1966年より76年までチリに滞在し、国連ラテンアメリカ・カリブ経済委員会(CEPAL) 経済調査部、国際貿易部勤務。著書に、西島章次・細野昭雄編『ラテンアメリカ経済論』(ミネルヴァ書房、2004年)、Hosono, Iizuka, and Katz (2016). Chile's Salmon Industry: Policy Challenges in Managing Public Goods. Springer他。

工藤 章  (クドウ アキラ)  (編著

ラテンアメリカ協会理事。
元三菱商事理事(2012年退職)、元ラテンアメリカ協会専務理事・事務局長(2012~2017年)。チリ・ベネズエラ・ブラジルに通算22年駐在、40年を超えラテンアメリカでのビジネスに従事、青山学院大学、浜松学院大学などの教壇に立ち、2012年以降はラテンアメリカ協会の運営に携わる。主な著作に『中南米が日本を追い抜く日』(執筆取り纏め、朝日新聞出版、2008年)。

桑山 幹夫  (クワヤマ ミキオ)  (編著

神戸大学経済経営研究所リサーチフェロー、ラテンアメリカ協会常務理事、元法政大学兼任講師。1983年より国連ラテンアメリカ・カリブ経済委員会(CEPAL)職員。国際貿易統合部部長代行、国際貿易課課長を歴任し、2010年に退職、12年までリージョナル・アドバイザーとして在勤。専攻は開発比較論(アジア・ラテンアメリカ)、国際貿易論。著書にNuevas politicas comerciales en America Latina y Asia: algunos casos nacionales, Libro de la CEPAL No. 51, ECLAC, Santiago, Chile, 1999;「ラテンアメリカの国際経済への参入の『質』を考える――新構造主義派の見地から」(『神戸大学経済経営研究所DPシリーズ』DP2017-J11、2017年11月)他。

追記

【執筆者一覧】

稲本都志彦(いなもと・としひこ)
元三菱商事震災復興支援担当。モアイプロジェクト実行委員会メンバー。

江石義信(えいし・よしのぶ)
東京医科歯科大学教授(2019年3月末日定年退職)
専攻:人体病理学
主な著作:Screening for colorectal cancer in Uruguay with an immunochemical faecal occult blood test. Eur J Cancer Prev 2006; Diagnostic accuracy of immunochemical versus guaiac faecal occult blood tests for colorectal cancer screening. J Gastroenterol 2010; International collaboration between Japan and Chile to improve detection rates in colorectal cancer screening. Cancer 2016; A pilot trial to quantify plasma exosomes in colorectal cancer screening from the international collaborative study between Chile and Japan. Digestion 2018; Histopathologic study from a colorectal cancer screening in Chile: results from the first 2 years of an international collaboration between Chile and Japan. Eur J Cancer Prev 2019.

小川元(おがわ・はじめ)
日本チリ協会副会長、ラテンアメリカ協会理事、元在チリ特命全権大使。

笠井萌里(かさい・めり)
前在チリ日本国大使館専門調査員。現在はメキシコにてフリーランスの翻訳業に従事。
主な著作:「2013年チリ大統領選挙」(『ラテンアメリカ時報』2013/14年冬号、2014年)。

工藤章(くどう・あきら) ※編著者紹介を参照。

久野量一(くの・りょういち)
東京外国語大学大学院総合国際学研究院准教授
専攻:ラテンアメリカ文学
主な著作:『島の「重さ」をめぐって――キューバの文学を読む』(松籟社、2018年)、『鼻持ちならないガウチョ』(ロベルト・ボラーニョ著、白水社、2014年)、『コスタグアナ秘史』(フアン・ガブリエル・バスケス著、水声社、2016年)、『ハバナ零年』(カルラ・スアレス著、共和国、2019年)。

桑山幹夫(くわやま・みきお) ※編著者紹介を参照。

阪本成一(さかもと・せいいち)
国立天文台教授・チリ観測所長(2017年執筆当時)
専攻:電波天文学・星間物理学
主な著作:『最新!宇宙探検ビジュアルブック』(監修、主婦と生活社、2014年)、『新・天文学事典』(共著、講談社ブルーバックス、 2013年)、『シリーズ現代の天文学第4巻銀河1銀河と宇宙の階層構造』(共著、日本評論社、2007年)、『私たちは暗黒宇宙から生まれた――ALMAが解き明かす宇宙の全貌』(共著、日本評論社、 2004年)。

櫻井英充(さくらい・ひでみつ)
2016年2月から2018年7月まで国際協力機構(JICA)チリ支所長。
国際協力機構に在職中、パラグアイ事務所長、コロンビア支所長などを歴任。
チリで実施した技術協力プロジェクト「水産養殖プロジェクト(日本産サケ類移植プロジェクト)」で、1985年6月から87年10月までチリ南部第11州コジャイケ市に駐在。

佐々木修(ささき・おさむ)
ラテンアメリカ協会専務理事
元三菱商事理事(2017年4月退職)、スペイン・チリ・ブラジル・メキシコに駐在、出張を合わせ通算27年滞在。40年以上ラテンアメリカでのビジネスに従事、2017年6月以降はラテンアメリカ協会の運営に携わる。

佐野淳(さの・あつし)
ペンギン会議スタッフ(2001年~)。
1982~2001年志摩マリンランド勤務、1991年よりペンギン飼育、同時期にペンギン会議に参加、1993年よりほぼ毎年チリを訪問、野生地保護活動に参加、2012年よりペルーも併せ訪問、現在に至る。

立川利幸(たつかわ・としゆき)
下関市立しものせき水族館(2001年~)、現職:展示部長。
2001年4月開業した同館は国内最大級のペンギン展示施設「ペンギン村」に、チリ・アルガロボ島を再現した展示エリアも有す。チリ国立サンティアゴ・メトロポリタン公園の協力を得て、チリでの調査を踏まえ野生に近いフンボルト・ペンギンの姿の展示に努めている。

細野昭雄(ほその・あきお) ※編著者紹介を参照。

水野浩二(みずの・こうじ)
1940年生まれ。1963年神戸大学卒、同年三菱商事入社、メキシコに6年、チリに5年駐在。智利三菱商事社長、日智商工会議所会頭を務め、1997年本社環境・資源プロジェクト部・部長を経て退職。その後、駐日チリ大使館経済顧問、日智修好100周年行事・チリ側アドバイザー、多数の大学で中南米に関わる講義・講演および執筆など、日本・チリ関係強化のために貢献した。2005年逝去。

山口恵美子(やまぐち・えみこ)
外務省国際協力局緊急・人道支援課 課長補佐。元在チリ日本国大使館勤務。

吉井譲(よしい・ゆずる)
東京大学アタカマ天文台(TAO)プロジェクト代表、東京大学名誉教授、アリゾナ大学スチュアード天文台教授
研究分野:観測的宇宙論、銀河形成・進化・構造論
主な著作:『東京大学マグナム望遠鏡物語』(東京大学出版会、2003年)、『論争する宇宙――「アインシュタイン最大の失敗」が甦る』(集英社新書、2006年)。

上記内容は本書刊行時のものです。