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アイルランドを知るための70章【第3版】
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2019年4月15日
- 書店発売日
- 2019年4月15日
- 登録日
- 2019年4月16日
- 最終更新日
- 2020年3月4日
紹介
美しい自然とケルトの文化に彩られたエメラルドの島、アイルランド。神話や妖精の物語、豊かな文学や音楽の伝統だけでなく、グローバル社会のなかでの発展と多様化にも焦点を当てる。経済発展と移民の流入で社会構造が変わりつつあるこの国のいまを紹介する。
目次
はじめに
Ⅰ 風土
第1章 個性豊かな地域の特色――カウンティ豆知識
第2章 移り気な天候――寒くて、雨ばかり?
第3章 豊かな自然と文化――世界遺産を巡る
第4章 素敵な都――ダブリン、フェアシティ
第5章 首都を満喫する――ダブリンの人気スポット
第6章 旅人が惹かれるエメラルドの島――恵まれた観光資源
Ⅱ 歴史
第7章 ケルトの再考――アイルランド人はどこから来たのか
第8章 聖者と学者の島――キリスト教の普及
第9章 北欧からの侵入者――ヴァイキングの時代
第10章 イングランドによる支配の始まり――クロムウェルのアイルランド征服
第11章 連合王国の成立――英国植民地のモデル
第12章 人口激減の引き金――ジャガイモ飢饉
第13章 海を越えたアイルランド人――移民
第14章 独立への流れ――ユナイテッド・アイリッシュメンからフィーニアンへ
第15章 自由への戦い――アイルランド独立戦争
第16章 カトリック国家の成立――新生アイルランド
第17章 英国との合同か、アイルランド統一か――北アイルランド紛争
Ⅲ 政治・経済
第18章 好景気にわいた時代――「ケルティック・タイガー」とは何であったか
第19章 ポスト・ケルティック・タイガー――2011年の政治的混乱
第20章 国の「かたち」をめぐる対立と協調――南北の政治体制
第21章 欧州に生きるアイルランド――EUとユーロ
第22章 ブレグジットとアイルランド国境問題――対立か協調か
Ⅳ 社会
第23章 女性の地位向上のための戦い――女性の社会進出
第24章 カトリックのモラルと女性――離婚、中絶、避妊、婚外子
【コラム1】教会の影響力と宗教の遺産
第25章 貧困との戦い――格差は減っているのか
第26章 7000万人のアイルランド人――アイリッシュ・ディアスポラ
第27章 移民の国の新たなかたち――アイルランドをめざす外国人
第28章 将来に対する大きな投資――教育重視の政策
第29章 学校と地域が共存する活動の場――学校とスポーツ
【コラム2】北アイルランドの教育事情
第30章 優秀な人材を育てる――質の高い大学教育
第31章 めざすは「医療・介護統合」モデルの充実――南北の医療制度
第32章 共感から対立へ――戦前の日愛関係
第33章 新たな関係の構築――戦後の日愛関係
Ⅴ 日常生活
第34章 働くためだけに生きているわけじゃない――データでみる仕事観
第35章 教会の鐘は鳴らない――晩婚化する社会の実情
第36章 子どもの笑う声が響く国づくり――少子化でも楽しく子育て
第37章 加速する高齢化社会――豊かな老後を送るために
第38章 家族と過ごす休暇――伝統的な祝いごと
【コラム3】ハロウィンはケルトが起源?
第39章 スポーツで健康増進――余暇の身体活動
第40章 独立運動のなかで役割を果たしたGAA――国民的な伝統スポーツ
第41章 エリートの象徴としてのスポーツ――ラグビー、クリケット、テニス
第42章 南北の対立を乗り越える希望の光――人気の高いサッカー
第43章 お酒を飲む人も、飲まない人も――社交の場としてのパブ
第44章 家庭的なおもてなし――B&B滞在でアイルランドを知る
第45章 ジャガイモ王国の変化――伝統料理と最近の肥満傾向
Ⅵ アイルランドの象徴
第46章 国の花といわれる植物――シャムロック
第47章 正式な国章――ハープ
第48章 国民的ブランド――ギネス
第49章 広く知られる国の色――緑色
第50章 ケルト的装飾――ケルトデザインとハイクロス
第51章 アイルランド的なアクセサリー――ターラブローチとクラダリング
Ⅶ 言語・文学・メディア
第52章 英語の200年、アイルランド語の1500年――アイルランド文学史
第53章 アイルランドから世界へ――ノーベル文学賞詩人イェイツとヒーニー
第54章 もう一つの世界へのまなざし――文学の力
第55章 物語の秘める真実――語りの文化としてのフォークロア
【コラム4】アイルランド神話の現在
第56章 劇場からみえる伝統――英国演劇と国民演劇
第57章 舞台が語る過去・現在・未来――演劇とアイルランド史
第58章 日本とアイルランドが出逢う舞台――ウィリアム・バトラー・イェイツと能狂言
第59章 世界的な広がりをみせる映画産業――アイルランドの映画
第60章 国際競争にもまれ続けて45年――大きな転換期を迎えたテレビ
【コラム5】ラフカディオ・ハーンとアイルランド
第61章 公用語はアイルランド語――アイルランド語の未来
Ⅷ 音楽とダンス
第62章 音楽から探るアイルランド人の世界観――アイルランド音楽の音階
第63章 グレート・キャラクター――アイルランド音楽の構造
第64章 酔っぱらうと弾けないヴァイオリン?――アイルランドの楽器
第65章 Poor People――アイルランドの音楽を支える人びと
第66章 伝統音楽ブームの火付け役――ミュージック・ビジネス
第67章 歌は世につれ――ポップ・ミュージック
【コラム6】セント・パトリックス・デイの祝い
第68章 旅するダンシング・マスター――アイリッシュ・ダンスの起源
第69章 ゲーリック・リーグによる脱英国化――アイリッシュ・ダンスの創造
第70章 グローバル化するダンス――アイリッシュ・ダンスの変貌
おわりに
アイルランドを知るための文献・情報ガイド
前書きなど
はじめに
(…前略…)
本書の第1版はアイルランド好景気の真っ只中である2004年に発行された。アイルランドの成功の秘訣、文学、音楽など伝統の魅力を紹介し、新しいアイルランドと昔ながらのアイルランドという両面を浮き彫りにした。
第2版発行は金融危機後の2011年であったことから、ケルティック・タイガー後の社会や生活の変化について描き出した。
そして今回、改訂版としての発行が実現した第3版では、伝統的なアイルランドのみならず、グローバル社会のなかで発展し、多様化するアイルランドに焦点を当てた。かつて、多くの人びとが海を越えてアメリカ大陸やオーストラリアに移民したアイルランドだが、現在では多くの移民が入り、社会構造が変化している。アイルランドの新たな挑戦に注目したい。
(…後略…)
追記
【執筆者一覧】
池田寛子(いけだ・ひろこ)
京都大学大学院人間・環境学研究科准教授。アイルランド文学。主な著作に『イェイツとアイリッシュ・フォークロアの世界』(彩流社、2011)、『語り継ぐ力 アイルランドと日本』(共著、アイルランドフューシャ奈良書店、2018)。訳書に『ヌーラ・ニゴーノル詩集』(新・世界現代詩文庫11、土曜美術社出版販売、2010)、ミホール・オシール『アイルランド語文法』(共訳、研究社、2008)、ブライアン・メリマン『真夜中の法廷――18世紀アイルランドの至宝』(共訳、彩流社、2014)など。
上野格(うえの・いたる)
成城大学名誉教授。経済学史、アイルランド史。主な著作に『イギリス現代史』(松浦高嶺との共著、山川出版社、1992)、『図説アイルランド』(アイルランド文化研究会との共編著、河出書房新社、1999)、「日本におけるアイアランド学の歴史」『思想』(617号、岩波書店、1975)、「東海散士『佳人之奇遇』の周辺」『成城教育』(第31号、1981年3月)など。
海老島均(えびしま・ひとし) ※編著者紹介を参照。
河口和子(かわぐち・かずこ)
愛知淑徳大学非常勤講師。現代アイルランド演劇。主な著作に『イギリス文化事典』(共著、丸善出版、2014)、訳書に『アイリッシュ・ハープの調べ――ケルトの神話集』(共訳、春風社、2007)、『ショーン・オフェイロン短編小説全集』(第1~4巻)(共訳、新水社、2011、2013、2014、2018)など。
小泉凡(こいずみ・ぼん)
小泉八雲記念館館長・焼津小泉八雲記念館名誉館長・島根県立大学短期大学部名誉教授。民俗学。主な著書に『民俗学者・小泉八雲』(恒文社、1995)、『怪談四代記―八雲のいたずら―』(講談社、2014)など。
小舘尚文(こだて・なおのり)
アイルランド国立大学ダブリン校(UCD)社会科学・法学部専任講師。比較社会政策・科学技術医療社会論。2012年より現職。主な著作に、Japanese Women in Science and Engineering: History and Policy Change(共著、Routledge、2015)、『ポピュリズムの本質:「政治的疎外」を克服できるか』(共著、中央公論新社、2018)など。
高神信一(たかがみ・しんいち)
大阪産業大学経済学部教授。アイルランド社会経済史。主な著作に『大英帝国のなかの「反乱」』(同文舘出版、2005)、『アイルランドの経験――植民・ナショナリズム・国際統合』(共著、法政大学出版局、2009)、『近代イギリスの歴史』(共著、ミネルヴァ書房、2011)など。
千葉優子(ちば・ゆうこ)
青山学院大学経営学部准教授。分断社会・社会的包摂。2017年より現職。主な著作に、Religious Education and Religious Liberty: Opt-Outs and Young People's Sense of Belonging(共著)In: M. Hunter-Henin (ed.) , Law, Religious Freedom and Education in Europe(Oxford University Press、2012)など。
林秀毅(はやし・ひでき)
国際大学国際関係学科特別招聘教授。東京大学卒業後、日本興業銀行入行。ルクセンブルグ興銀、調査部主任部員等を歴任。2005年以降、慶應義塾大学にてEU-Japan Economic Relationsの講義を担当、現在に至る。主な著作に、『EUは危機を超えられるか:統合と分裂の相克』(NTT出版、共著)、『EUを知るための63章』(明石書店、共著)、訳書に『国際金融アーキテクチャー』(東洋経済新報社、共訳)がある。
真鍋晶子(まなべ・あきこ)
滋賀大学教授。アイルランド文学・アメリカ文学。主な著作に『ヘミングウェイとパウンドのヴェネツィア』(今村楯夫との共著、彩流社、2015)、“W. B. Yeats and kyogen: Individualism & Communal Harmony in Japan's Classical Theatrical Repertoire,” ETUDES ANGLAISES revue du monde anglophone (2015), Cultural Hybrids of (Post) Modernism: Japanese/Western Literature, Art and Philosophy(共編著、Peter Lang、2016)など。
三神弘子(みかみ・ひろこ)
早稲田大学国際教養学部教授。英米文学、アイルランド文学、アイルランド演劇。主な著書に、Irish Theatre and Its Soundscapes(共編著、Glasnevin Publishing、2015)、『アイルランド・ケルト文化を学ぶ人のために』(共著、世界思想社、2009)、Frank McGuinness and His Theatre of Paradox(Colin Smythe、2002)など。
宮谷直樹(みやたに・なおき)
放送局勤務の後、現在アイルランドにて会社経営。
守安功(もりやす・いさお)
演奏家(アイルランドと英国の伝統音楽、およびヨーロッパのバロック音楽)。主な著作に『アイルランド 人・酒・音――愛蘭土音楽紀行』(東京書籍、1997)、『アイルランド 大地からのメッセージ――愛蘭土音楽紀行2』(東京書籍、1998)、『アイリッシュ・ダンスへの招待』(山下理恵子との共著、音楽之友社、2002)など。
山下理恵子(やました・りえこ) ※編著者紹介を参照。
山田朋美(やまだ・ともみ)
工学院大学教育推進機構国際キャリア科助教。国際文化交流論、アイルランド史。
上記内容は本書刊行時のものです。