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新 多文化共生の学校づくり
横浜市の挑戦
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2019年3月5日
- 書店発売日
- 2019年3月5日
- 登録日
- 2019年2月20日
- 最終更新日
- 2019年3月14日
紹介
本格的な外国人労働者の受入れに舵を切った日本において、とりわけ外国につながる子どもたちの数が激増している横浜市における、学校・教育委員会・国際交流協会・市民団体等の様々な取り組みを収載し、“横浜市の挑戦”として発信する一冊。
目次
はじめに[服部信雄]
第1部 ようこそ横浜の学校へ――教育委員会の取り組み[甘粕亜矢]
1 横浜市における多文化共生の現状
(1)外国人住民の状況
(2)多文化共生にかかわるビジョン
2 横浜市における多文化共生の学校づくりの現状
(1)外国につながる児童生徒の状況
(2)多文化共生の学校づくりの視点
3 教育委員会の取り組みの歴史
(1)帰国児童生徒教育から外国籍児童生徒教育へ
(2)外国籍児童生徒教育から日本語指導が必要な児童生徒への支援へ
4 多文化共生の学校づくりに向けた取り組みの現在
(1)外国につながる児童生徒への支援
(2)保護者への支援
(3)学校への支援
(4)日本語支援拠点施設「ひまわり」
5 今後の課題
第2部 世界とつながり、世界へはばたく――学校の取り組み
第1章 飯田北いちょう小学校 宮澤 千澄
1 学校の紹介と学校経営のビジョン
〈コラム〉いちょう小学校の卒業生として、横浜市の小学校教師として[吉野孝智]
2 多文化共生を進める取り組み
(1)「日本語教室」と「国際教室」
〈コラム〉「コクサイキョウシツ」への配慮[佐藤麗]
(2)全校での取り組み
〈コラム〉母語支援サポーターとして感じていること[岳歓歓]
〈コラム〉多文化共生の学校図書館づくり[佐藤貴子]
〈コラム〉多文化共生の学校ホームページづくり[中澤雅志]
(3)地域と連携した取り組み
〈コラム〉多文化共生のまちの中の学校と団地[八木幸雄]
〈コラム〉外国語補助指導員としての6年間を振り返って[ファン・ティ・タム・ジム]
3 今後の課題
〈コラム〉私の原点はいちょう小学校といちょう団地[福山満子]
第2章 潮田小学校
1 学校の紹介と学校経営ビジョン[緒方克行]
2 多文化共生を進める取り組み
(1)人権教育センター校としての取り組み[菊池麻子]
〈コラム〉多文化共生の学級づくり[田中利樹]
(2)国際教室の取り組み[岩間由季]
〈コラム〉安心できる国際教室を目指して[成田朋美]
〈コラム〉来日直後の児童への支援をして[吉田崇]
(3)アイデンティティの確立を目指して[岩間由季]
〈作文〉感謝への道[マウンズエ]
〈コラム〉母語支援サポーターとして[工藤文子]
(4)保護者への支援[横田那実]
〈コラム〉異国の地で子どもを育てる[永嶋へナタ]
(5)つるみーにょ(放課後学習支援)[岩間由季]
〈コラム〉つるみーにょと私[宮村ゆみ子]
3 今後の課題[緒方克行]
〈コラム〉一人を大切にすることが、他の子どもを大切にすることにつながる[外山英理]
第3章 南吉田小学校
1 学校の紹介と学校経営のビジョン[藤本哲夫]
2 多文化共生を進める取り組み[窪津宏美]
(1)国際教室の取り組み
〈コラム〉外からは見えにくい課題を抱えている児童のために[結城梨恵]
〈コラム〉追い風のときに帆をあげよ[王慶紅]
(2)全校での取り組み
〈コラム〉君たちにエールを![秋永佐恵子]
3 今後の課題[藤本哲夫]
(1)6年間を振り返って
(2)成果
(3)課題と今後の方針
第4章 横浜吉田中学校
1 学校の紹介と学校経営のビジョン[金澤眞澄]
〈コラム〉外国語補助指導員としての思い[唐淑華]
2 多文化共生を進める取り組み[熊田路代]
(1)国際教室の日本語指導
〈コラム〉中学生を対象にした教材開発の意義[志村ゆかり]
(2)学校への適応を図る取り組み
(3)多文化共生プログラム
(4)DSTを用いた多文化共生教育
〈コラム〉富士見中四人組との出会い[田口靖郎]
3 今後の課題[金澤眞澄、熊田路代]
〈コラム〉横浜市における夜間学級について[鈴木洋一]
第5章 国際教室担当教員のネットワーク[横溝亮]
1 横浜市国際教室担当教員の状況
2 「国際教室ネットワーク勉強会」の立ち上げ
〈コラム〉担当者のつながりを大切に[小泉幸]
3 2015年度の取り組み
〈コラム〉勉強会に参加する思い[大嵜整子]
4 2017年度の取り組み
5 今後の課題
第3部 学校と地域の連携――多様な団体の取り組み
第1章 横浜市国際交流協会
1 多言語相談窓口と学校通訳ボランティア[松田知佳、布施裕子]
2 多言語情報発信[由田弘美]
3 日本語・学習支援[藤井美香]
4 多文化共生を基盤としたグローバル人材育成[沼尾実]
5 横浜市国際学生会館[渋谷美佳]
6 外国につながる若者の支援[藤井美香]
7 今後の課題[岡田輝彦]
第2章 国際交流ラウンジ
1 鶴見国際交流ラウンジ[松井孝浩]
(1)夏休み宿題教室
(2)ラウンジ訪問の受入れ
(3)複言語・複文化主義から考える鶴見ラウンジの役割
〈コラム〉私が通訳ボランティアを始めた理由[石原美穂]
2 みなみ市民活動・多文化共生ラウンジ[上原敏子]
(1)学校を核にした多文化共生事業
(2)「地域の中の学校」との連携
〈コラム〉友だちがいれば頑張れる![深瀬美穂]
3 なか国際交流ラウンジ[木村博之]
(1)子どもたちは留学生ではない!
(2)学校でも家庭でもない「第三の居場所」
(3)多文化人材の育成へ
〈コラム〉支え[中村暁晶]
〈コラム〉なか国際交流ラウンジと私[林錦園]
4 都筑多文化・青少年交流プラザ[林田育美]
(1)小中学校との連携に向けた歩み
(2)小中学校との連携の取り組み
(3)今後の課題
5 ほどがや国際交流ラウンジ[杉本ひろみ]
(1)教育委員会との連携
(2)外国につながる児童生徒の増加への対応
(3)母語による初期適応支援
(4)今後の課題
第3章 市民団体
1 ABCジャパン[藤浪海]
(1)ABCジャパンのビジョン
(2)学校との連携の始まり
(3)学校との連携の展開
(4)今後の課題
〈コラム〉IAPEとつるみラティーノ[与座ロサ]
2 信愛塾[竹川真理子]
(1)信愛塾のビジョン
(2)学校との連携に向けた歩み
(3)学校との連携の具体例
(4)今後の課題
〈コラム〉アジアンジェイによるフィリピン文化の紹介[倉橋ジェラルデン]
おわりに――多文化共生の学校づくりに向けて[山脇啓造]
あとがき[服部信雄、山脇啓造]
前書きなど
はじめに[服部信雄(元横浜市立いちょう小学校長、現東京学芸大学教職大学院特命教授)]
(…前略…)
『新 多文化共生の学校づくり――横浜市の挑戦』の刊行に向けて
今回、本著書を通して“横浜市の挑戦”の具体的な取り組み内容や関係情報等を市内はもとより、市外・県外、全国に向けて発信・紹介できることに感謝するとともに、市内学校関係者や関係機関・団体、さらには、全国の行政関係者や大学関係者、支援団体等の方々が“横浜市の挑戦”をもとに、さらなる「多文化共生の教育・多文化共生の学校づくり」の推進に向けて考え合う機会をつくってくださることを願っている。
そこで、『多文化共生の学校づくり――横浜市立いちょう小学校の挑戦』の続編とも言える本著書『新 多文化共生の学校づくり――横浜市の挑戦』を編集するにあたり、思い考えたことは、“横浜らしい取り組み”“横浜ならではの取り組み”を発信したいということであり、強く願ったことは、この発信を受けて、多くの行政機関や学校関係者、関係機関や団体等からの多くのお声が市教委や国際交流協会・ラウンジ等はもとより、本著書に登場する小・中学校に寄せられるということである。
そこで、“横浜らしい取り組み”“横浜ならではの取り組み”を発信するにあたり、本著書の構成を第1部「ようこそ横浜の学校へ――教育委員会の取り組み」から始まり、第2部「世界とつながり、世界へはばたく――学校の取り組み」では、横浜市において「多文化共生の教育・多文化共生の学校づくり」に積極的に取り組んでいる飯田北いちょう小学校(2015年4月、いちょう小学校と飯田北小学校が統合され開校)、潮田小学校、南吉田小学校、横浜吉田中学校の取り組みに加え、「国際教室」担当者たちによる“学びのネットワークづくり”に向けた取り組みを紹介することとした。そして、第3部では各学校を支援する関係団体として、横浜市国際交流協会や各区国際交流ラウンジ、市民団体等の学校支援や子ども支援、保護者支援に向けた様々な支援の取り組みを発信することとした。
今、旧いちょう小の「全職員の協力指導体制による多文化共生の学校づくり」への挑戦が、横浜市の多くの学校につながってきている。そして、多くの学校の多文化共生の学校づくりを支援する市教委や横浜市国際交流協会、国際交流ラウンジ、さらには、市民団体・ボランティア団体等の様々な取り組みが展開されている。今回、これらの取り組みを“横浜市の挑戦”として発信させていただくことが、他の自治体にとっての先行事例として参考になることを心から願っている。
上記内容は本書刊行時のものです。