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スタディツアーの理論と実践
オーストラリア先住民との対話から学ぶフォーラム型ツアー
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2019年2月28日
- 書店発売日
- 2019年2月28日
- 登録日
- 2019年2月25日
- 最終更新日
- 2019年2月28日
紹介
自治体・大学における海外研修・スタディツアーを実施運営してきた著者が、ゲストとホストの「交流」に焦点を当て、間に立つ人びとを含めた三者の〈出会い・関わり・交流と変容〉の場と機会を提供する「フォーラム型スタディツアー」を提唱するガイドブック。
目次
本書刊行に寄せて(藤原孝章)
1.現代観光の多様化とスタディツアー
2.フォーラム型スタディツアーの提唱
はじめに
スタディツアーとの出会い
現地からの要望
スタディツアーのお膳立て
調査する側とされる側
コーディネーターとしての立場
本書の概要
序章 スタディツアーとは何か
第1節 スタディツアーのあけぼの
第2節 スタディツアーの定義と求める人材
第3節 スタディツアー研究の枠組み
第4節 「ホスト/ゲスト」論の再検討
第2章 政令指定都市でのスタディツアー
第1節 政令指定都市のスタディツアー概況
第2節 インターユース堺のスタディツア
(1)インターユース堺の役員体制
第3節 インターユース堺のオーストラリア・スタディツアー
(1)スタディツアーの事前研修
(2)オーストラリア南東部スタディツアー
(3)スタディツアーの事後研修
第4節 小括
付記
第3章 大学でのスタディツアー
第1節 大学でのスタディツアー概況
第2節 龍谷大学の実践プログラム概要
第3節 「実践プログラムⅡ」の概要
第4節 龍谷大学「実践プログラムⅡ」のオーストラリア・スタディツアー
(1)スタディツアーの事前研修
(2)オーストラリア南東部スタディツアー
(3)スタディツアーの事後研修
第5節 小括
付記
第4章 自治体と大学におけるスタディツアー
第1節 自治体と大学におけるスタディツアーの類似点と相違点
第2節 インターユース堺と龍谷大学のスタディツアーにおけるそれぞれの立場
(1)インターユース堺スタディツアーにおける団員の立場
(2)龍谷大学スタディツアーにおける学生の立場
(3)インターユース堺の立場
(4)龍谷大学国際学部の立場
(5)コーディネーターの立場
(6)ホストの立場
第3節 「ホスト」「ゲスト」「コーディネーター」という立場の欺瞞
第4節 小括
第5章 フォーラム型スタディツアーを目指して
第1節 「フォーラム型スタディツアー」
(1)ホストの役割
(2)ゲストの役割
(3)企画主体とコーディネーターの役割
第2節 「ホスト」「ゲスト」「コーディネーター」を超えて
終章 おわりに
参考文献
あとがき
図表・写真一覧
索引
著者紹介
前書きなど
はじめに
(…前略…)
本書の概要
本書は、次のような構成をなしている。はじめにでは、スタディツアーを実施するに至った経緯を、私が2005年から継続するオーストラリア南東部の先住民コミュニティでのフィールドワークの経験から明らかにした。
つづく序章では、なぜスタディツアーのニーズが高まったのかについて観光と関連づけながら述べる。さらにスタディツアーの定義また、スタディツアーで育成する人材像をめぐる論点をあげ、次いでスタディツアー研究の枠組みについて示す。
第2章では、私が2012年度から2014年度までコーディネーターとして携わり、2015年度から顧問を務める大阪府堺市の外郭団体インターユース堺が実施する青年に対する「海外派遣事業」について詳述する。
さらに第3章では、2016年度から私が所属する龍谷大学国際学部で展開する「実践プログラムⅠとⅡ」を概観し、その後「実践プログラムⅡ」の1プログラムである「オーストラリア語学文化研修」について詳述する。
つづく第4章では、まず自治体と大学におけるスタディツアーの類似点と相違点を示す。さらにそうしたスタディツアーの「ゲスト(参加者)」、「ホスト(受入先)」、「コーディネーター(仲介者)」、それぞれの立場を明らかにし、そこに現れる現状と課題を提示する。
その後の第5章では、国立民族学博物館が提唱する「フォーラム型情報ミュージアム構想」を説明し、それを構成する3つの主要アクター、すなわち見る側、見られる側、展示する側の視点に注目して、そうした構想をスタディツアーに援用する。これにより、従来のスタディツアーが見る側の立場、すなわち参加者である「ゲスト」の育成などに研究の力点が置かれていたのに対し、これまで見過ごされがちであった、見られる側である「ホスト」の役割とスタディツアーを介した「ホスト」と「ゲスト」さらには「コーディネーター」との相互関係について考察する。そこでは、「ゲスト」「ホスト」「コーディネーター」という固定化された枠組みに収まらない多様な人びとが、複雑かつ流動的に関与し合うスタディツアーの様相が明らかになる。
最後に終章では、これまで論じてきた事例や、議論を総括し結論を述べる。
(…後略…)
上記内容は本書刊行時のものです。