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人工知能と株価資本主義 本山 美彦(著) - 明石書店
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人工知能と株価資本主義 (ジンコウチノウトカブカシホンシュギ) AI投機は何をもたらすのか (エーアイトウキハナニヲモタラスノカ)

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発行:明石書店
四六判
352ページ
並製
価格 2,600円+税
ISBN
978-4-7503-4777-6   COPY
ISBN 13
9784750347776   COPY
ISBN 10h
4-7503-4777-9   COPY
ISBN 10
4750347779   COPY
出版者記号
7503   COPY
Cコード
C0036  
0:一般 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2018年12月12日
書店発売日
登録日
2018年12月19日
最終更新日
2019年1月18日
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紹介

際限なく拡大するIT社会に拍車をかけるAI技術の進歩。GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)をはじめとする巨大IT企業の影響力が増し、株式が巨額の富と巨大な力を揮う「株価資本主義」が到来している。フィンテック、ブロックチェーン、ロボット人材がもたらす未来を金融、貨幣、コンピュータの淵源をたどりながら論じ、AI賛美論がもたらす投機的ユーフォリア(多幸感)に警鐘を鳴らす

目次

 まえがき

序章 株価資本主義の旗手――巨大IT企業の戦略
 1 フィンテックとリバタリアン
 2 諜報機関に育成されてきた有力IT企業

第1章 高株価を武器とするフィンテック企業
 1 創業者支配の強化
 2 創業者への反発

第2章 積み上がった金融資産――フィンテックを押し上げる巨大マグマ
 1 異次元を常態化させた日銀
 2 億万長者と貧困層の増加
 3 フィンテックと投資の短期化

第3章 金融の異次元緩和と出口リスク
 1 ブロックチェーン・ブーム
 2 マイナス金利政策の評価
 3 流動性の罠

第4章 新しい型のIT寡占と情報解析戦略
 1 目白押しの新技術
 2 巨大プラットフォーマーへの危惧
 3 進化した世論解読術

第5章 フィンテックとロボット化
 1 人手不足とロボット導入
 2 ロボット化を急ぐ金融機関
 3 ロボット化への恐怖

第6章 煽られるRPA熱
 1 RPAを生み出した環境
 2 RPA開発に見る科学の夢と怖さ
 3 バブルを呼び込むスタートアップ企業熱

第7章 簡素化される言葉――安易になる統治
 1 短くなる一方のメッセージ
 2 AI社会を透視していたジョージ・オーウェル
 3 沈黙のスパイラル
 4 IA開発の促進が必要

第8章 性急すぎるAI論議――アラン・チューリングの警告
 1 人間より賢くなったコンピュータ?
 2 デジタル・コンピュータの思考
 3 機械の誤りと論理の限界

第9章 なくなりつつある業界の垣根
 1 進む金融のデジタル化
 2 相次ぐ金融規制再緩和

第10章 エイジングマネー論の系譜
 1 ゲゼル貨幣論の意図的誤用
 2 老化貨幣論

第11章 フェイスブックの創業者たち――株価資本主義の申し子
 1 新興IT企業のガヴァナンス
 2 フェイスブック――称賛と非難の間で
 3 株式富豪者を呼び寄せる政策

終章 株価資本主義の克服――超高齢化時代のオルタナティブ・ファイナンス
 1 医療・介護に頼る超高齢社会の到来
 2 進まない介護ロボットの導入
 3 オルタナティブ・ファイナンス市場の活用
 4 おわりに――株価資本主義の克服

 あとがき

 注
 参考文献

前書きなど

まえがき

 (…前略…)

 本書は、朝野挙げて明るい未来を切り拓くと喧伝されているAIの諸様相を素材にして、現在の社会の支配的な精神状況を理解しようとする試みである。
 はびこるAI到来期待論には、第二次世界大戦中に、優秀な科学者、心理学者たちが動員された「マンハッタン計画」と似たような危うさが、現在のAI論議にはある。
 もちろん、私は真摯な研究から生み出されたAIの歴史的偉業を否定するものではない。正しくつき合えば、AIは社会に豊かな恩恵をもたらしてくれる。それは確かである。しかし、現在のAI賛美論には「投機的」ユーフォリアが色濃く染みついている。このまま事態を放置してしまえば、社会は確実に堕落する。

著者プロフィール

本山 美彦  (モトヤマ ヨシヒコ)  (

1943年神戸市生まれ。兵庫県立神戸高校、京都大学経済学部卒業。京都大学大学院経済学研究科修士・博士課程を経て、1969年甲南大学経済学部助手、1977年京都大学経済学部助教授、同・教授、2006年同・大学停年退職。福井県立大学経済経営研究科、大阪産業大学経済学部教授を経て、現在、国際経済労働研究所長。京都大学経済学博士、京都大学名誉教授。京都大学経済学部長、日本国際経済学会会長、第18期日本学術会議第3部会員、大阪産業大学学長を歴任。2018年6月より国際経済労働研究所「AI社会を生きる研究会」主宰。

主要著書
『貿易論序説』(有斐閣、1982年)、『貨幣と世界システム――周辺部の貨幣史』(三嶺書房、1986年)、『環境破壊と国際経済――変わるグローバリズム』(有斐閣、1990年)、『南と北――崩れ行く第三世界』(筑摩書房、1991年)、『豊かな国、貧しい国――荒廃する大地』(岩波書店、1991年)、『売られるアジア――国際金融複合体の戦略』(新書館、2000年)、『ESOP株価資本主義の克服』(シュプリンガー・フェアラーク東京、2003年)、『民営化される戦争――21世紀の民族紛争と企業』(ナカニシヤ出版、2004年)、『売られ続ける日本、買い漁るアメリカ――米国の対日改造プログラムと消える未来』(ビジネス社、2006年)、『金融権力――グローバル経済とリスク・ビジネス』(岩波新書、2008年)、『《集中講義》金融危機後の世界経済を見通すための経済学』(作品社、2009年)、『韓国併合――神々の争いに敗れた「日本的精神」』(御茶の水書房、2011年)、『アソシエの経済学――共生社会を目指す日本の強みと弱み』(社会評論社、2014年)、『人工知能と21世紀の資本主義――サイバー空間と新自由主義』(明石書店、2015年)、他。

上記内容は本書刊行時のものです。