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現代メキシコを知るための70章【第2版】
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2019年1月10日
- 書店発売日
- 2019年1月10日
- 登録日
- 2018年12月26日
- 最終更新日
- 2019年1月18日
紹介
豊富な世界遺産を有し、OECD加盟国にして対日ビジネスも極めて隆盛。一方で深刻な格差社会、劣悪な治安に汚職の常態化、貿易や移民における重度の対米依存などの問題も。左派大統領の就任で世界が注目するメキシコの姿を、2010年代を中心に多面的に紹介する。
目次
はじめに
Ⅰ 現代メキシコへの招待
第1章 2018年のメキシコ――地理と数字でみる「21世紀の大国メキシコ」
第2章 変貌した2010年代の社会――グローバリズムがもたらした生活環境の変化
第3章 岐路に立つメキシコ経済――経済成長の低迷と「失われた30年」
第4章 拡大した階層間格差――貧困率60%の社会の姿
第5章 階層社会と地域格差――近代民主国家になれないメキシコの理由
第6章 メキシコの汚職文化――権力者の汚職に寛大なメキシコ国民
第7章 幸せを感じて暮らすメキシコ人――アンケート調査から読むメキシコ人像
【コラム1】地震大国メキシコの首都圏大地震体験記
Ⅱ 21世紀の社会改革
第8章 メキシコ革命の遺産――公正で公平な社会建設を目指した革命の理想と現実
第9章 サパティスタ25年の歩みと現状――インターネットによる社会運動の先駆け
第10章 一党支配体制の終焉――分権化によるPRI体制の崩壊とPAN政権の政治
第11章 構造改革の取り組みと失敗――再登場したPRI政権の現実
第12章 首都メキシコ市の革新都政――民主革命党による20年間の市政と変革
第13章 2018年7月1日の総選挙――史上最大規模の「民主的」大統領選挙
第14章 国家再生運動(MORENA)政権への期待――中道左派新政権の改革提言
【コラム2】汚職の一掃――「聖域」を支配した巨悪との対決
Ⅲ 国際政治とメキシコ外交
第15章 内政不干渉主義と中立外交の伝統――カランサ・ドクトリンとエストラーダ・ドクトリン
第16章 対米外交――反米と依存と共存の関係
第17章 21世紀のメキシコ外交――グローバル化の中で模索する新外交政策
第18章 ラテンアメリカを非核武装地域にしたメキシコ人――アルフォンソ・ガルシア=ロブレス
第19章 メキシコ人の意識を世界に向けさせたエチェベリア大統領――「アメリカの隣国」から第三世界のリーダーへ
第20章 「先進国クラブ」OECDの事務総長になった元財務大臣――リスケ交渉人から「金持ちクラブ」のトップに
【コラム3】超一流教育を受けたテクノクラート集団と英語力
Ⅳ 国境の壁で分断されるメキシコと米国
第21章 メキシコと米国の国境地帯――21世紀における国境の意味
第22章 「国境の壁」――米国トランプ大統領が構想する「現代版万里の長城」
第23章 「豊かな北の国」を目指して――越境するメキシコ移民
第24章 米国におけるメキシコ系移民社会――その姿と影響力
第25章 在米メキシコ人の出稼ぎ送金――メキシコにとっての意味
第26章 国境で分断された家族――世代を超えた絆とメキシコ社会
第27章 国境を越える麻薬と犯罪組織の活動――市場と供給の関係からみる実態
【コラム4】米墨国境と麻薬問題の話題作が続くメキシコ映画
Ⅴ 資源大国の経済運営
第28章 メキシコとNAFTA――発効後24年の姿と新貿易協定USMCAの誕生
第29章 メキシコの地下資源――恵まれた鉱物環境と高い外資依存度
第30章 天国と地獄を往復した石油政策の軌跡――石油開発の光と影
第31章 国営企業PEMEXの21世紀の課題――民間資本との協調に向けて
第32章 メキシコ経済と外国資本――最強先進国米国に隣接することの活用
第33章 メキシコ民族資本――継続する家族による所有・経営支配
第34章 観光資源――豊かな観光資源と開発の現状
【コラム5】メキシコ新国際空港の建設
Ⅵ 21世紀のメキシコ社会
第35章 男女平等社会形成への取り組み――ジェンダー・クオータ制による女性の政界進出
第36章 女性の社会進出――マチスモ社会の変化
第37章 家族の多様化――核家族・ひとり親家族・ディンクス・生涯独身者
第38章 悪化する21世紀のメキシコの治安――日常生活における暴力と犯罪
第39章 多文化社会のなかの先住民――保護ではなく対等な立場を求めて
第40章 メキシコにおけるリーガルプルーラリズム――潜在的多元性から公認された多元性へ
第41章 多文化・多民族社会のメキシコ――受け入れられた欧米・中近東・アジア系移民社会
【コラム6】メキシコ人の肥満
Ⅶ 21世紀のメキシコにおけるビジネス環境
第42章 メキシコにおけるビジネス環境――改善が進む現状と課題
第43章 メキシコにおけるEコマース――アマゾン参入により本格普及へ
第44章 統合が進む国内小売資本――主役ウォルマートと統合を進めるソリアーナ
第45章 メキシコのベンチャー企業――台頭するベンチャー企業を取り巻く環境
第46章 メキシコにおけるシェアリングエコノミー――成長と課題
第47章 アエロメヒコ航空と全日空の直行便――再び活況を呈する日墨航空路線
第48章 メキシコの自動車産業――外資主導による北米偏重度の高い輸出依存
【コラム7】メキシコ石油と心中した邦銀の貴重な教訓
Ⅷ メキシコにおける日本企業
第49章 メキシコの日系企業――自動車産業と広がる日本人向けサービス企業
第50章 メキシコに定着した日本の食品・雑貨ブランド――消費市場を攻略する
第51章 メキシコの教育市場と躍進する日本企業――公文式からクイッパーまで
第52章 注目が集まる日本のポップカルチャー――市場規模の拡大と課題
第53章 メキシコにおける日本映画ブーム――ラテンアメリカ地域への拡大の期待
第54章 日本を目指すメキシコ企業――進出企業の取り組みと現況
【コラム8】本格派日本食レストランで成功するメキシコ企業
Ⅸ 魅惑の文化大国メキシコの姿
第55章 魅惑のメキシコ――34の世界遺産を持つ国
第56章 悠久のメキシコ食文化――ユネスコの無形文化遺産に登録されたメキシコ料理
第57章 テキーラ――ユネスコ文化遺産に登録されたメキシコのアルコール文化
第58章 骸骨が躍る「死者の日」――メキシコ人の死生観
第59章 芸術大国――メキシコ造形美術の鼓動
第60章 現代メキシコ文学への招待――時代に呼応する文学の流れ
第61章 フォルクローレ――多様な地域文化と洗練された文化表象
【コラム9】博物館大国――「時の記憶」を訪ねて
Ⅹ 21世紀の日本とメキシコ――相互交流の実績と現況
第62章 日墨平等条約の回顧と展望――日墨外交の伝統と歴史遺産
第63章 日本人移住120周年と21世紀の日系社会――ピオネロスの足跡とコロニアの現在
第64章 日墨交換留学制度の40年――その成果とさらなる期待
第65章 日本とメキシコの学術文化交流――日本とメキシコを結ぶ知的交流
第66章 メキシコ大学院大学――ラテンアメリカ地域の日本研究センター
第67章 日本の対メキシコ技術協力の歴史――二国間協力とJMPP
第68章 バヒオ地域に進出した日本の自動車産業――直面している課題
第69章 メキシコにおけるJICAの自動車産業支援――生産現場の改善活動と人材育成
第70章 エスパシオ・メヒカーノ――駐日メキシコ大使館の文化活動
【コラム10】異文化共生を学ぶ日本メキシコ学院
参考文献
前書きなど
はじめに
本書は、2011年に出版された『現代メキシコを知るための60章』の改訂増補版である。この改訂版の作成過程が編者のメキシコ長期滞在というタイミングと重なったため、当初予定した一部だけの加筆修正という計画を変更し、メキシコで活躍している日本人専門家をお誘いしたことで大幅な改訂版となった。本書を通じて読者の皆様が、現地の事情に精通した各執筆者の知見と専門知識によって紹介されている21世紀のメキシコの姿を知り、日本との深い関係に新たな「発見」をしていただけたら幸いである。地理的に遠いメキシコが日本と非常に近い関係を有し、欧米先進諸国に劣らぬ芸術・文化・観光大国であることを知ると、読者は驚くと同時にメキシコを是非とも訪れてみたいと考えるに違いない。しかも成田とメキシコ市の間には、直行便が毎日2便も出ている。空の旅は快適である。メキシコ人は陽気で優しい。近年、編者は1年の半分をそのようなメキシコで暮らしている。
メキシコは、1994年に世界の「先進国クラブ」とも称される経済協力開発機構(OECD)にラテンアメリカ地域で最初に加盟した国である。このように20世紀末には世界の先進国の仲間入りをしたメキシコは、あらゆる分野で著しい変化を遂げてきた。林立する高層ビル、主要都市を結ぶ快適な高速道路、近代的な公共施設、ショッピングセンター、そして国民生活全般を含めて、2010年代のメキシコは10年前のメキシコを知る者にとってさえその変貌ぶりに驚く。また世界の多くの国々と同様にグローバル化が進んでいる。もっとも21世紀に入って著しく悪化した治安と長年にわたる経済成長の低迷によって、社会経済が必ずしも順調な発展を遂げてきたわけではない。本書ではこのようなメキシコの政治・経済・社会・文化・対日関係などを、2010年代に焦点を当てて紹介しようと試みた。執筆者17名の間にはそのみる視点と分析に相反する部分もあるが、それもまたメキシコの現状をみる多様な視点である。さらに、本書で紹介されている北米自由貿易協定(NAFTA)の改訂交渉や6年に一度の大統領選挙といった「歴史的な年となった2018年」の展開を追うテーマでは、最初に設定した「原稿〆切」をぎりぎりまで延ばしてまとめたことから、関連するいくつかの章の間で若干の時間差が生じている。また固有名詞や人名表記をできるだけ統一したが、「アメリカ合衆国」の国名表記が「米国」と「アメリカ」としても表記され、「ラテンアメリカ」も「中南米」という表記を使用している章もある。しかし、それぞれの分野で使用されるこの種の用語を編者は敢えて統一しなかった。さらに多様な分野の情報元がインターネットを含めて膨大なため、参考・参照文献欄にすべての関係資料を掲載することができなかった。これらの事情をご了解いただければ幸いである。
(…後略…)
追記
【執筆者一覧】
エルナンデス、J. (Julia Hernandez)
管理栄養士。公務員保険・社会サービス庁(ISSSTE)付属国立栄養大学(EDN)修了(栄養学士)。スペイン・リオハ国際大学で「栄養とスポーツ専門コース」、メキシコ遺伝研究所で「遺伝理論コース」などをとったのち、大手レストランの管理栄養士として勤務。
上島篤志(かみしま・あつし)
国際協力機構(JICA)メキシコ自動車産業クラスター振興プロジェクト・チーフアドバイザー。社会学士(一橋大学)。JICA勤務34年。この間、メキシコ、エルサルバドル、ボリビアで日本大使館、JICA事務所、中米統合機構(SICA)事務局に計14年間勤務。著作:Desarrollo Inclusivo en Centro America y la Republica Dominicana(共著、Tokyo: JICA, 2016)。
カレーニョ、G. (Gloria Carreno)
キシコ国立定期刊行物資料館専門司書。メキシコ国立自治大学(UNAM)講師(情報・資料処理技術講義)。メキシコ・ユダヤコミュニティComunidad Maguen David歴史資料室管理責任者。サンニコラス・デ・イダルゴ・ミチョアカン大学卒(メキシコ史専攻)。主な著作:Los ninos de la Hacienda de Santa Rosa: Una historia de refugiados polacos en Mexico 1943-1947(共著、Mexico, D.F.: Centro de Documentacion de la Comunidad Ashkenazi y CONACYT, 2010)、Estudio Historico Demografico de la Migracion Judia a Mexico, 1900-1950(共著、Mexico, D.F.: Tribuna Israelita : Comunidad Ashkenazi Mexico, 2005)、El Convenio Ilusorio: Refugiados polacos de guerra en Mexico, 1943-1947(共著、Mexico, D.F.: Ed. Cartapacio, 1998)など、メキシコ近現代史およびメキシコにおけるユダヤ人コミュニティを対象とした論文著作多数。
国本伊代(くにもと・いよ) ※編著者紹介を参照。
柴田修子(しばた・のぶこ)
同志社大学嘱託講師。東京大学大学院総合文化研究科博士課程満期退学。学術修士(東京大学)。専門:ラテンアメリカ地域研究。主要業績:「サパティスタ22年の歩み」(『ラテンアメリカ・レポート』vol.33, No.1、2016年)、『創造するコミュニティ ラテンアメリカの社会関係資本』(共著、晃洋書房、2014年)、『ジェンダーと比較政治学』(共著、ミネルヴァ書房、2011年)、ギオマル・ロビラ『メキシコ――先住民女性の夜明け』(翻訳、日本経済評論社、2005年)など。
杉浦篤(すぎうら・あつし)
日本ボリビア協会専務理事、神戸大学経済学部卒。トヨタ自動車、関西デジタルホン、ウィルソン・ラーニング・ワードワイドなどに勤務する。主要著作:「日本のODA政策とドミニカ共和国」「顔の見えるODA政策」「新しい支援政策の現場をみる」(国本伊代編著『ドミニカ共和国を知るための60章』明石書店、2013年);「カリブ海の観光産業」「日本とカリブ海域とのヒトとモノの交流」「カリブ海域諸国への日本の開発援助」「日本のカリブ海域水産産業への支援」「カリブ海域の気候変動・防災・環境への支援」(国本伊代編著『カリブ海世界を知るための70章』明石書店、2017年);「フリーゾーンと経済特区」「観光立国への取り組み」「パナマ社会に定住する外国人たち」「スポーツにみるパナマの社会」(国本伊代編著『パナマを知るための70章【第2版】』明石書店、2018年)など。
高山智博(たかやま・ともひろ)
上智大学名誉教授。ラテンアメリカ文化史専攻。主な著書・訳書に『古代文明の遺産:調和と均衡――メキシコからボリビアにかけて』(ASAHI ECO BOOKS、アサヒビール、2008年)、『メキシコ多文化思索の旅』(山川出版社、2003年)、オスカー・ルイス『貧困の文化――メキシコの〈五つの家族〉』(共訳、ちくま学芸文庫、筑摩書房、2003年)など。
長岡誠(ながおか・まこと)
日本メキシコ学院事務局長。筑波大学第二学群日本語・日本文化学類卒業。1996年に渡墨以来、日本語教師、日系商社、日系自動車部品メーカー勤務を経て現職。
西尾瑛里子(にしお・えりこ)
日本貿易振興機構(ジェトロ)メキシコ事務所所員。早稲田大学政治経済学部卒(経済学専攻)、経営学修士(MBA, 神戸大学)。2007年ジェトロ入構。グローバル・マーケティング課勤務などを経て2013年よりメキシコ駐在。メキシコにおける日本映画やJ-POPの普及、日本食プロモーション、外食等サービス産業進出支援、およびキューバを担当。修士論文:「中小小売企業の国際化に関する研究――日本の中小フードサービス企業の事例を元に」。主な著作物に「特集・中南米サービス市場のポテンシャル(メキシコ)」(『月刊ジェトロセンサー』4月号、2017年)、「TPPで変わるか? メキシコの経済・産業」(『ラテンアメリカ時報』No.1414、2016年)、「キューバ フロンティア市場での商機は?」(『月刊ジェトロセンサー』4月号、2016年)、『週刊エコノミスト』ワールドウォッチへの寄稿など。
西側赳史(にしがわ・たけし)
起業家。関西学院大学商学部在学中に1年半の海外放浪を経験。同大学を卒業後、双日株式会社に入社し、機械部門自動車第一部に配属。中南米向けトレーディング事業、事業投資案件に従事した後、株式会社Encounter Japan、Encounter de Mexico Japon S.A. de C.V.を創業し、代表取締役社長に就任。メキシコ合州国と日本を拠点としながら会社経営に注力する傍ら、自治体や教育機関等でセミナーや講演を行なうなど幅広い活動を行なっている。
額田有美(ぬかだ・ゆみ)
大阪大学COデザインセンター招聘研究員。立命館大学他非常勤講師。大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程修了。博士(人間科学)。主な著作:「裁判員裁判を経験した法廷通訳人――聞取り調査結果とその考察」(共著、水野かほる・津田守編著『裁判員裁判時代の法廷通訳人』大阪大学出版会、2016年)、「年に一度のカバグラの祭日――ブリブリ族の調査の旅から」(国本伊代編著『コスタリカを知るための60章【第2版】』明石書店、2016年)、「先住民の権利と〈リーガルプルーラリズム〉――先駆的なパナマの取り組み」「越境する先住民女性――ノベ=ブグレ先住民特別区の季節農業労働者の現在」(国本伊代編著『パナマを知るための70章【第2版】』明石書店、2018年)。主な論文:“El perito cultural como traductor cultural: anlisis cualitativo del peritaje cultural en Costa Rica”(『ラテンアメリカ研究年報』第35号、2015年)、「法廷において文化と向き合う――コスタリカにおける『裁判所』の民族誌的研究」(博士論文、大阪大学、2018年)など。
松本仁(まつもと・ひとし)
独立行政法人国際協力機構(JICA)メキシコ事務所長。東京外国語大学外国語学部スペイン語学科卒業。ボリビアでの日系社会青年ボランティアなどを経て2000年JICA入構後、メキシコ事務所員、モザンビーク事務所次長、ニジェール支所長、中南米部計画・移住課長などを歴任し、2018年より現職。
丸谷雄一郎(まるや・ゆういちろう)
東京経済大学経営学部教授。商学修士(中央大学)。グローバル・マーケティング論専門。主な著作:『グローバル・マーケティング論(第5版)』(創成社、2015年)、『ウォルマートのグローバル・マーケティング戦略[増補版]』(創成社、2018年)、『ラテンアメリカ経済成長と広がる貧困格差』(創成社、2009年)、『変貌するメキシコ小売産業――経済開放政策とウォルマートの進出』(白桃書房、2003年)。主な共著:『小売&サービス業のフォーマットデザイン』(共著、同文舘出版、2016年)、『ドミニカ共和国を知るための60章』(共著、明石書店、2013年)、『現代メキシコを知るための60章』(共著、明石書店、2011年)など。
丸谷吉男(まるや・よしお)
元国士舘大学教授。経済学博士(国士舘大学)。主な著作・論文に『現代メキシコを知るための60章』(共著、明石書店、2011年)、『冷戦後中南米の政治・経済の変動』(TOKO出版社、2005年)、「欧州連合と中南米の政治的、経済的関係」(『国士舘大学政経論叢』平成14年4号、2002年)、「米国の中南米政策の経済的、思想的背景」(『国士舘大学政経論叢』平成14年3号、2002年)、『ラテンアメリカの経済開発と産業政策』(アジア経済研究所、1985年)、『メキシコ――その国土と市場』(科学新聞社、1980年)など。
水野真鈴(みずの・まりん)
国際協力機構(JICA)所属。東京外国語大学スペイン語学科卒、民間企業で4年半のキューバ駐在を経て、サセックス大学開発学研究所(IDS)グローバリゼーション・ビジネス・開発学修士号を取得。2016年にJICAに入構し、産業開発・公共政策部民間セクターグループにてメキシコ自動車産業支援の技術協力プロジェクトを担当。修士論文“Industrial Policy in Cuba after the Normalisation with the US: Lessons from the Literature and the Experience of Vietnam” (2016)。
柳沼孝一郎(やぎぬま・こういちろう)
神田外語大学教授(副学長)。歴史学修士(UNAM)。主な著作:「スペイン語圏と日本――大洋をこえて」(『NHKテレビ・スペイン語会話』日本放送出版協会、2004年4月~2005年3月)、「越境するカネ・モノ・ヒト~豊かさを求めて――メキシコからアメリカへ」(『グローカリゼーション――国際社会の新潮流』、神田外語大学出版局、2009年)、『現代メキシコを知るための60章』(分担執筆、明石書店、2011年)、『環太平洋の言語と文化』(共著、神田外語大学出版局、2016年)、主な論文:「日本メキシコ経済連携協定(EPA)の史的背景」(『神田外語大学紀要』第18号、2006年)、「日本とメキシコ――日墨関係400年の系譜」(神田外語大学国際社会研究所『国際社会研究』創刊号、2010年)、『メキシコのディアス政権下における産業開発・殖民政策と日本人移民に関する研究』(科研費基盤研究C、2010年)、“Trasfondo historico del envio del Embajador Hasekura a Espana y la Nueva Espana en 1614”(Mexico y la Cuenca del Pacifico, Ano 17, numero 50, mayo 2014. Guadalajara, Jal.: CUCSH, Universidad de Guadalajara)。主な訳書に、『ホセ・マルティ選集・第2巻 飛翔する思想』(共訳、日本経済評論社、2005年)、アルフレド・ロペス=アウスティン『カルプリ――メソアメリカの神話学』(共訳、文化科学高等研究院出版局、2013年)、「7章 ラティーノ」(A. アギーレ& J. H. ターナー『アメリカン・エスニスティ――人種的融和を目指す多民族国家』明石書店、2013年)など。
柳原孝敦(やなぎはら・たかあつ)
東京大学文学部教授。文学博士(東京外国語大学)。主な著作:『映画に学ぶスペイン語』(東洋書店、2010)、『ラテンアメリカ主義のレトリック』(エディマン、2007)、『劇場を世界に』(谷川道子との共編著、エディマン、2008)。主な執筆分担書:『クリス・マルケル――遊動と闘争のシネアスト』(港千尋監修、金子遊/東志保編、森話社、2014)、『アンダルシアを知るための53章』(立石博高/塩見千加子編、明石書店、2012)、『概説近代スペイン文化史――18世紀から現代まで』(立石博高編著、ミネルヴァ書房、2015)、『世界文学としての村上春樹』(柴田勝二/加藤雄二編、東京外国語大学出版会、2015)。主な翻訳書:フアン・ガブリエル・バスケス『物が落ちる音』(松籟社、2016)、アルフォンソ・レイェス『アナワクの眺め(1519)』(対訳版、ヌエボレオン州立大学〔メキシコ、モンテレイ〕、2016)、ロベルト・ボラーニョ『第三帝国』(白水社、2016)、セサル・アイラ『文学会議』(新潮社、2015)、エドゥアルド・メンドサ『グルブ消息不明』(東宣出版、2015)、セサル・アイラ『わたしの物語』(松籟社、2012)、エルネスト=チェ・ゲバラ『チェ・ゲバラ革命日記』(原書房、2012)、カルロス・バルマセーダ『ブエノスアイレス食堂』(白水社、2011)、ロベルト・ボラーニョ『野生の探偵たち』(松本健二との共訳、白水社、2010)、アレホ・カルペンティエール『春の祭典』(国書刊行会、2001)など。
上記内容は本書刊行時のものです。