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新自由主義的な教育改革と学校文化 濱元 伸彦(編著) - 明石書店
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新自由主義的な教育改革と学校文化 (シンジユウシュギテキナキョウイクカイカクトガッコウブンカ) 大阪の改革に関する批判的教育研究 (オオサカノカイカクニカンスルヒハンテキキョウイクケンキュウ)

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発行:明石書店
A5判
232ページ
上製
価格 3,800円+税
ISBN
978-4-7503-4769-1   COPY
ISBN 13
9784750347691   COPY
ISBN 10h
4-7503-4769-8   COPY
ISBN 10
4750347698   COPY
出版者記号
7503   COPY
Cコード
C0037  
0:一般 0:単行本 37:教育
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2018年12月10日
書店発売日
登録日
2018年11月22日
最終更新日
2018年12月20日
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紹介

全国学テの市町村別結果公開や高校入試制度改革等、注目を浴びる大阪府・市の教育改革。教育社会学の質的調査の手法をベースに、学校現場の視点から大阪府・市の新自由主義的な教育改革の特質を明らかにし、人権教育に根ざした学校文化と教育実践への影響を考察する。

目次

 まえがき[濱元伸彦]

序章 大阪における新自由主義的な教育改革の展開と学校文化[濱元伸彦]
 1.本書の課題と視座
 2.海外および日本における新自由主義的な教育改革
 3.大阪における人権・同和教育に根ざした学校文化
 4.大阪における新自由主義的な教育改革の導入
 5.新自由主義的な教育改革と大阪の学校文化の葛藤
 6.本章のまとめ

第1章 大阪の高校入試改革と進路保障実践のひずみ[前馬優策]
 1.はじめに
 2.大阪の高校入試制度改革
 3.データの説明
 4.高校入試制度改革の影響
 5.進路指導のひずみ
 6.おわりに

第2章 チャレンジテストに基づく評定システムは中学校現場に何をもたらしたか――教育制度および実践における公正性と応答性の揺らぎ[濱元伸彦]
 1.問題の所在
 2.政策の実施過程――政治主導による新評定システムの導入
 3.新たな内申点評定システムの概要
 4.調査方法
 5.調査結果――チャレンジテストに基づく評定システムの影響
 6.知見のまとめと考察
 7.結びにかえて

第3章 新自由主義は教員たちに何をもたらしたか――改革と現場の間でゆれる教員たちの葛藤とアイデンティティ[中村瑛仁]
 1.はじめに
 2.データの概要
 3.教員に関わる施策の特徴と求める教員像――〈競う教員〉
 4.改革の中の教員――改革による変化と困難の諸相
 5.「実践者」と「公務者」のジレンマ――なぜ教員たちは苦しむのか
 6.まとめ――教員たちはどこに向かうのか

第4章 新自由主義的な教育改革と人権・同和教育に根ざしたA校の学校文化――教師のストラテジーと学校文化のレジリエンス[原田琢也]
 1.本章の目的と背後にある問題意識
 2.研究の枠組みと目的――「教師のストラテジー」と「学校文化のレジリエンス」について
 3.研究の方法とフィールドの概要
 4.人権・同和教育に根ざしたA校のインクルーシブな学校文化
 5.新自由主義的な教育施策の実際
 6.教育施策は学校現場の教師にどう捉えられていたか
 7.結び

第5章 「みんながつくるみんなの学校」――大空小学校の挑戦[原田琢也]
 1.はじめに
 2.調査の方法とフィールドの紹介
 3.大空小学校の学校文化
 4.結び

終章 新自由主義的な教育改革下における学校文化の危機と継承への展望[濱元伸彦・原田琢也]
 1.本書がねらいとしたもの
 2.新自由主義的な教育改革が学校文化に与える問題
 3.学校文化のレジリエンスとその条件
 4.大阪の教育改革におけるさらなる研究課題
 5.日本における新自由主義的な教育改革に関する研究のこれから
 6.学校文化の継承と発展にむけて

 あとがき[濱元伸彦]

 索引

前書きなど

まえがき

 (…前略…)

 以下、本書の構成を簡単に示したい。
 序章では、濱元が本書の問題意識や理論枠組みを明確にし、大阪の学校文化および大阪で導入された新自由主義的な教育改革がどのような特徴をもつものであるかを明らかにする。まず、先行研究をもとに、人権・同和教育に根ざした大阪の学校文化の歴史と特徴を整理する。加えて、橋下徹氏が大阪府知事に就任して以降、大阪府・市の新自由主義的な教育改革が進行してきた過程やその内容について記述し、そうした改革が大阪の学校教育にどのような変化を生み出すのかについて理論的に検討する。

 これに続く各章は、上記の科研費プロジェクト以降、筆者らが行ってきたフィールド調査結果をまとめた事例研究である。各章は対象とする校種や調査手法も若干異なるが、それぞれのアングルから、大阪府・市の新自由主義的な教育改革の特質やそれに向き合い葛藤する教員および学校の状況にアプローチしていく。

 (…後略…)

著者プロフィール

濱元 伸彦  (ハマモト ノブヒコ)  (編著

1977年大阪府生まれ。ラトガーズ大学教育学大学院博士校期課程修了。
博士(教育学)。公立中学校教員を経て、現在、京都造形芸術大学准教授。
専門は、教育社会学、学校臨床学、人権教育論。
[主な著書・論文]
『「生きる力」を語るときに教師たちの語ること』(単著、行路社、2014年)
「ノーチャイルド・レフトビハインド法におけるアカウンタビリティシステムの現状と課題――ニュージャージー州の事例から」(『日本教育経営学会紀要』第47号、2005)
「中学校生徒の人権感覚と学級の関係に関する一考察――福岡県A市学力向上プロジェクトにおける「人権の効力感」に着目して」(『人権教育研究』第19号、2018)

原田 琢也  (ハラダ タクヤ)  (編著

1962年京都府生まれ。大阪大学人間科学研究科博士後期課程修了。
博士(人間科学)。公立中学校教員を経て、現在、金城学院大学教授。
専門は、教育社会学、人権教育論、インクルーシブ教育論。
[主な著書・論文]
『アイデンティティと学力に関する研究――「学力大合唱の時代」に向けて、同和教育の現場から』(単著、批評社、2007年)
「インクルーシブ教育に関する日英比較研究――『特別な教育的ニーズ』概念の違いに注目して」(『法政論叢』第54巻 第2号、2018年)

追記

【執筆者一覧】

濱元伸彦(はまもと・のぶひこ)※編著者プロフィールを参照

原田琢也(はらだ・たくや)※編著者プロフィールを参照

前馬優策(まえば・ゆうさく)
1983年大阪府生まれ。大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程退学。
甲子園大学助教を経て、大阪大学大学院人間科学研究科講師。
専門は、教育社会学、学力格差論。
[主な著書、論文]
『福井県の学力・体力がトップクラスの秘密』(共編著、中央公論新社、2014年)
「授業改革は学力格差を縮小したか」(志水宏吉・髙田一宏編著『マインド・ザ・ギャップ!――現代日本の学力格差とその克服』大阪大学出版会、2016年)

中村瑛仁(なかむら・あきひと)
1985年福井県生まれ。大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程修了。
博士(人間科学)。現在、大阪大学大学院人間科学研究科助教。
専門は、教育社会学、教員文化論。
[主な著書、論文]
「教員集団内における教職アイデンティティの確保戦略――アイデンティティ・ワークの視点から」(『教育社会学研究』第96集、2015年)
「教員世界における格差――職場における承認感に着目して」(『大阪大学教育学年報』第21号、2016年)
「福井の教師――学校を支える『まじめさ』」(志水宏吉・前馬優策編『福井県の学力・体力がトップクラスの秘密』、中公新書ラクレ、2014年)

上記内容は本書刊行時のものです。