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障がいの重い子どもと係わり合う教育 実践事例から読みとく特別支援教育Ⅱ
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2018年11月10日
- 書店発売日
- 2018年11月10日
- 登録日
- 2018年11月7日
- 最終更新日
- 2018年11月22日
紹介
国立特殊教育総合研究所(現 独立行政法人 国立特別支援教育総合研究所)の重度・重複障害児の教育支援に関する147事例の中から特に現代的意義のあるものを「行動の理解」「状況作り」「子どもの理解」「コミュニケーション」のテーマに基づき厳選した、日本の重度・重複障害児の教育実践研究として最高水準の、また特別支援教育の現場教員にとっても極めて有用な事例研究集。
目次
はじめに(出版にあたって)[松田直]
第Ⅰ部 子どもの理解に視点をおいた事例研究
子どもの理解に視点をおくということ[松田直]
1 運動機能の後退を示す子どもの行動調整の進展を目指した係わり合い――手を口に入れる行動、過呼吸等の積極的役割に注目して[小竹利夫]
コメント:高杉弘之
2 重度・重複障害者の外界への自発的行動を促す援助とその展開の経過――新たな行動の発現を求めて[二川善昭]
コメント:川住隆一
3 Sくんの願いを受け止めて[松川徹]
コメント:川住隆一
4 Kさんとの3年――訪問教育の実践を通して学んだこと[斎藤伸子]
コメント:菅井裕行
5 「自らの食事活動を自らが決めて動いていくこと」の生じにくかった人との相互輔生の歩み[神波修/吉武清實/須藤昌彦/原子健/浦坂昌子]
コメント:土谷良巳
6 Hさんの音とのかかわりと表現活動[橋本栄子]
コメント:川住隆一
7 一事例における自己調節を輔けていった過程と人間関係の展開――「問題行動」と呼ばれがちな行動に主たる焦点を当てて[中澤惠江]
討論:重複障害教育研究部
8 Fさんが泣いたり暴れたりすることについて――急性脳症後の13年間を振り返って[松田直]
討論:重複障害教育研究部
9 盲をともなう重度・重複障害児に対する食事場面を利用した行動拡大への取りくみ[落合俊郎]
討論:重複障害教育研究部
10 片耳の難聴を指摘されている一重複障害児の「音との係わり」と「人との係わり」[川住隆一]
討論:重複障害教育研究部
11 係わり合うなかでの子どもの理解――盲難聴二重障害であるNとの係わり合い[土谷良巳]
討論:重複障害教育研究部
第Ⅱ部 コミュニケーションに視点をおいた事例研究
コミュニケーションに視点をおくということ[土谷良巳]
12 「自閉症」といわれたUとのかかわりを求めて――母親とともに[木村幸子/竹田美栄子]
コメント:土谷良巳
13 無意味としか思えない活動をするK君に対して係わり手としてなし得たこと[小嵐恵子]
コメント:土谷良巳
14 Rくんの世界の広がりを目指して―微細な動きを通してのかかわりを中心に[斎藤恵子/服部基代乃/池田和夫]
コメント:川住隆一
15 運動障害が著しく重度である子どもとの係わり合い――意思の読み取りと表出の促進を目指して[松田直]
討論:重複障害教育研究部
16 接近・回避状況における関係的秩序の形成からみた「やりとりの成立」[土谷良巳]
討論:重複障害教育研究部
17 遊びの中でコミュニケーションを支援する試み[石川政孝]
討論:重複障害教育研究部
おわりに[土谷良巳]
本書に寄せて――障がいの重い子どもの実践事例から学ぶということ
事例研究をどのように読むか、何を学ぶか[中村保和]
国立特殊教育総合研究所 重複障害教育研究部
「重度・重複障害児の事例研究」テーマ一覧
前書きなど
はじめに(出版にあたって)
(…前略…)
この実践研究は、1976年度(昭和51年度)から2001年度(平成13年度)まで25年間にわたって取り組まれました。これは、単に研究テーマを決めてそれに関連する教育実践を集録して冊子にするというものではなく、学校現場や教育相談現場で研究員が感じたり、当研究所に長期または短期で研修に来られている先生方との係わり合いの中で感じたりした重度・重複障害児を巡る課題を研究テーマとし、全国でそのテーマに関して先進的な実践を継続しておられる教員や施設・病院の指導員に事例原稿(外部事例)を依頼するものでした。しかし、単に原稿を依頼するだけでなく、重複障害研究部の研究員がその現場を最低一度は訪ね、担当教員・指導員の係わりを実際に見せていただき、研究協議を行うことと、依頼した教員・指導員全員と重複障害教育研究部の全スタッフ、さらには外部の研究協力者が一堂に会してテーマに沿って研究協議を行ったこと、重複障害教育研究部のスタッフからも必ず研究部事例を一つ提供し、研究部スタッフ全員で研究協議を行い、ディスカッションの概要も掲載したこと、外部事例については担当スタッフがコメントを添えることという原則を維持しました。ただし、予算の制約があり、残念ながら全国の盲学校・聾学校・養護学校・教育センター・教員養成系大学学部のすべてに配付することはできませんでした。
最後の第25集が刊行されてからすでに15年以上が経過していますが、近年の特別支援学校における幼児・児童・生徒の障がいの重度化・重複化・多様化や教員の専門性の実情を見ておりますと、25年間に取り上げられた全147事例の中から、特に現代的意義のある事例をピックアップして刊行することは、その必要性が高いという判断に至りました。
(…後略…)
上記内容は本書刊行時のものです。