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前川喜平 教育のなかのマイノリティを語る 前川 喜平(著) - 明石書店
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前川喜平 教育のなかのマイノリティを語る (マエカワキヘイキョウイクノナカノマイノリティヲカタル) 高校中退・夜間中学・外国につながる子ども・LGBT・沖縄の歴史教育 (コウコウチュウタイヤカンチュウガクガイコクニツナガルコドモエルジービーティーオキナワノレキシキョウイク)

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発行:明石書店
四六判
276ページ
並製
価格 1,500円+税
ISBN
978-4-7503-4714-1   COPY
ISBN 13
9784750347141   COPY
ISBN 10h
4-7503-4714-0   COPY
ISBN 10
4750347140   COPY
出版者記号
7503   COPY
Cコード
C0036  
0:一般 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2018年9月
書店発売日
登録日
2018年8月30日
最終更新日
2018年9月11日
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紹介

学校や教室で、マイノリティの子ども・生徒の生きづらさに共感し、どうかかわっていけばいいか。日本の学校文化のなかで見過ごされてきたマイノリティ問題にとりくんできた現場の教員と長く教育行政にかかわってきた元文科省幹部職員が現状の問題点とこれからの課題を縦横に語りあう。

目次

 まえがき

Ⅰ 高校中退――学習言語を習得できない子どもたち[青砥恭×前川喜平]
 埼玉の職業高校教員が出発点だった
 学びの多様化とは
 学習するための言語を獲得できない
 家族崩壊という現実
 高校中退者・ニートのための学習支援が必要だ
 高校入学率は98パーセントでも、卒業率は9割に減る
 「手をさしのべる」行政サービスが必要だ
 ロールモデルとの出会いが子どもを変える
 学習への動機づけはいろいろあっていい

Ⅱ 夜間中学――歴史・意義・課題[関本保孝×前川喜平]
 3年のつもりが36年
 ネパール人生徒が増えている
 すべての人に教育の機会を保障するはずなのに
 韓国・中国からの帰国者のための日本語教育
 80年代にはじまる生徒の多様化
 形式卒業者にも門戸を開いた
 まだまだ増やす必要がある
 映像の力で訴えよう

Ⅲ 外国につながる子ども――「いいものがいっぱい」ある多文化教育[善元幸夫×前川喜平]
 日本語学級教員としてのスタート
 「日本人」とは何か
 母語を維持する教育
 視点を変えてみよう
 方言は魅力的だ
 全国学力テストは、百害あって一利なし
 「主体的学び」の落とし穴
 万世一系のミニチュアのような道徳教科書
 総合学習の可能性は無限だ
 「ぼくは韓日本人、いいものいっぱいある」
 社会の分断を防ぐ教育の役割

Ⅳ LGBT――マイノリティの生きやすさとは[金井景子×前川喜平]
 アライのステッカー
 「あいだにいる子はおき去りですか」
 なぜ、法律が必要なのか
 「右へならえ」がこわい
 性指向と性自認がセットであることの意味
 生きづらさへの共感
 企業も変わりつつある
 それでも、少しずつよくなっている
 「なわけねーだろ運動」のすすめ

Ⅴ 沖縄の歴史教育――平和教育をつくりかえる視点[新城俊昭×前川喜平]
 なぜ、沖縄の歴史教師になったか
 沖縄史から、日本史が立体的に見える
 コスモスはいつ咲くか
 沖縄史をカリキュラムに組みこめるか
 世界に広がる地域史
 歴史修正主義とのたたかい
 平和教育の再構築

前書きなど

まえがき

 憲法には、「能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する」(第26条)と書かれています。能力というと、つい、ある、ないととらえられがちですが、ここはさまざまな能力に応じてと解釈すべきだと思います。能力とは、今回の5つの対談のなかでも話してきたように単一の尺度で測れるものではなく、一人ひとりがそれぞれ多種多様な能力をもっています。むしろ能力ということばよりも個性というほうがいいのかもしれません。
 それぞれの個性に応じてひとしく、このひとしくということばはもれなくという意味で、誰もが同じ内容・形式の教育を受けるということを意味するものではありません。
 誰もがそれぞれの個性に応じて教育を受ける権利をもっているはずですが、現実にはそれが実現されていません。とくにそれが実現されないケースが多いのはマイノリティの人たちに対してといえるでしょう。均質な人材を大量に育成しようという近代的な政治・経済の要請に従った教育政策のなかで、置き去りにされた人たちがたくさんいました。国の都合で行なわれてきた教育行政のなかではじきだされ、置き去りにされ、ほったらかしにされ、差別されてきた人たちが教育のなかのマイノリティだと思います。

 (…後略…)

著者プロフィール

前川 喜平  (マエカワ キヘイ)  (

1955年奈良県生まれ。東京大学法学部卒業後、1979年文部省(現・文部科学省)入省。文部大臣秘書官、初等中等教育局財務課長、官房長、初等中等教育局長、文部科学審議官を経て2016年、文部科学事務次官。2017年に退官。同年5月、加計学園の獣医学部新設について「行政が歪められた」と発言。現在、夜間中学のスタッフとして活動中。
主な著作 『これからの日本、これからの教育』(寺脇研との共著、ちくま新書)、『面従腹背』(毎日新聞出版)、『前川喜平「官」を語る』(山田厚史との共著、宝島社)

青砥 恭  (アオト ヤスシ)  (

元埼玉県立高校教諭。現在、NPO法人さいたまユースサポートネット代表、全国子どもの貧困・教育支援団体協議会代表幹事、明治大学講師。「子ども・家庭・学校」に関するコラムを朝日新聞に「まなぶ」「はぐくむ」シリーズで5年にわたって連載している。
主な著作 『日の丸・君が代と子どもたち』(岩波書店)、『ドキュメント高校中退』(筑摩書房)、『若者の貧困・居場所・セカンドチャンス』(編著、太郎次郎社エディタス)、『ここまで進んだ!格差と貧困』(共著、新日本出版社)、『続・移行支援としての高校教育』(共著、福村出版)

関本 保孝  (セキモト ヤスタカ)  (

1954年生まれ。1978年墨田区立曳舟中学校夜間学級着任。以後、2014年まで夜間中学教員。現在、基礎教育保障学会事務局長、えんぴつの会及びピナット学習支援ボランティア。
主な著作 『日本における外国人・民族的マイノリティ人権白書2018年』(共著、外国人人権法連絡会)、『いのちに国境はない―多文化「共創」の実践者たち』(共著、慶應義塾大学出版会)、『社会的困難を生きる若者と学習支援―リテラシーを育む基礎教育の保障に向けて』(共著、明石書店)

善元 幸夫  (ヨシモト ユキオ)  (

1950年生まれ。1973年、江戸川区立葛西小学校(日本語学級)で中国・韓国からの残留孤児2世の孤児に日本語教育を担当。1995年「日韓合同授業研究会}を作り、日本・韓国・中国の国際交流研究会を開催し、ベトナムの多言語教育にも関わり現在にいたる。2003年、新宿区立大久保小学校日本語国際学級に赴任し、ニューカマーの子どもたちの教育を担当する。琉球大学、立教大学、目白大学、東京学芸大学の非常勤講師。
主な著作 『カリキュラム改革としての総合学習5 地域と結ぶ国際理解』(編著、アドバンテージサーバー)、『国境を越える子どもたち』(共編著、社会評論社)、『いま、教師は何をすればいいのか』(小学館)、『生命の出会い』(筑摩書房)、『おもしろくなければ学校じゃない』(アドバンテージサーバー)、『ほんとはネ、いじめっ子じゃないよ』(ポプラ社)、『ぼく、いいものいっぱい』(子どもの未来社)

金井 景子  (カナイ ケイコ)  (

1957年大阪生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士課程後期満期退学。小学生向けの塾講師をはじめ、中学、高校、大学、専門学校、社会人向け講座など、さまざまな場所で「国語」と「文学」を教えてきた。亜細亜大学教養部助教授を経て、1999年より早稲田大学教育学部国語国文学科教授。日本近・現代文学、ジェンダー論。
主な著作 『真夜中の彼女たち―書く女の近代』『女子高生のための文章図鑑』『男子高生のための文章図鑑』(いずれも筑摩書房)、『ジェンダー・フリー教材の試み』(学文社)

新城 俊昭  (アラシロ トシアキ)  (

1950年沖縄生まれ。1974年、教職に就く。1995年に沖縄歴史教育研究会を立ち上げ、沖縄歴史と平和教育を高校教育に根づかせる運動を進める。沖縄県平和祈念資料館元監修委員、「沖縄全戦没者追悼式典」NHKゲストコメンテーターなどを務める。現在、沖縄大学客員教授。
主な著作 『沖縄から見える歴史風景』『教養講座 琉球・沖縄史』『新訂ジュニア版 琉球・沖縄史』(以上、東洋企画)、『戦後100年へのメッセージ 2045年のあなたへ』(沖縄時事出版)

上記内容は本書刊行時のものです。