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グアム・チャモロダンスの挑戦 中山 京子(著) - 明石書店
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グアム・チャモロダンスの挑戦 (グアムチャモロダンスノチョウセン) 失われた伝統・文化を再創造する (ウシナワレタデントウブンカヲサイソウゾウスル)

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発行:明石書店
A5判
176ページ
並製
価格 2,500円+税
ISBN
978-4-7503-4712-7   COPY
ISBN 13
9784750347127   COPY
ISBN 10h
4-7503-4712-4   COPY
ISBN 10
4750347124   COPY
出版者記号
7503   COPY
Cコード
C0036  
0:一般 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2018年9月
書店発売日
登録日
2018年8月31日
最終更新日
2018年10月12日
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紹介

グアム・マリアナ諸島の先住民族チャモロの伝統・文化は、植民地時代にほぼ消滅した。本書は聞き取り調査等からチャモロダンスを再創造したラボン氏らの活動の参与観察を通じ、民族意識の覚醒と「創られた伝統」の意味を論じる。

目次

 グマ・ファマグウン・タノ・ザニ・タシのパレオ図柄
 地図
 はじめに

1.創られた伝統としてのチャモロダンス
 1.1.チャモロダンスはなかった
 1.2.フランシスコ・B・ラボン氏の挑戦
 1.3.後継者の育成

2.教育における広がり
 2.1.チャモロダンスの学校教育への導入
 2.2.中学・高校におけるチャモロダンスシーン
 2.3.社会教育における広がり

3.チャモロダンスの衣装・道具・楽器
 3.1.歴史を表す衣装
 3.2.協働して作る道具
 3.3.使用される楽器

4.チャモロ・アイデンティティの覚醒
 4.1.島の多様化の中で
 4.2.チャモロ語への渇望とカバーソングの流行
 4.3.増えるチャモロダンスの担い手と指導者の苦悩

5.マリアナ諸島、本土への広がり
 5.1.北マリアナ諸島のチャモロダンス
 5.2.アメリカ本土での普及

6.グアム・太平洋芸術祭とチャモロダンス
 6.1.太平洋芸術祭による刺激
 6.2.「再創造としての伝統的なチャモロダンス」の完成

7.チャモロダンスと観光産業
 7.1.グアム政府観光局との連携
 7.2.日本での普及

8.「創られた伝統」は根付くのか
 8.1.シナヒの議論
 8.2.チャモロダンスの定着と多様化
 8.3.太平洋の島のモデルになるか

付章 日本で活動するグマ グマ・ファマグウン・タノ・ザニ・タシの挑戦
 1.Guma' Famagu'on Tano' yan i Tasiの歩み
 2.博物館企画展示「南の楽園マリアナ諸島の真実」
 3.グマのつながり
 4.グアムのアーティストと
 5.グマに集まる仲間を育てる

 引用文献
 おわりに

前書きなど

はじめに

 (…前略…)

 本書の構成は、まず第1章で、「創られた伝統としてのチャモロダンス」について述べる。植民地支配の歴史によって文化的虐殺がおこり失われてしまった文化の現状と再生について、チャモロダンスの事例を述べる。第2章では、チャモロダンスが教育を通して広がったこと、第3章ではチャモロダンスに用いられる衣装・道具・楽器の紹介を通して、文化の考察、再生のプロセスを考える。第4章では多文化化している島でどのようにチャモロ・アイデンティティが覚醒したのか、そして第5章ではチャモロダンスが北マリアナ諸島やアメリカ本土に広がる様子を述べる。第6章では2016年にグアムで開催された太平洋芸術祭とそこで「再創造としての伝統的なチャモロダンス」が完成した様子を述べる。第7章では、チャモロダンスがどのように島の観光産業と結びついているのかを示し、第8章では「創られた伝統的なチャモロダンス」が根付くのかどうか、検討する。最後に付章として、筆者らが取り組んでいる日本でのチャモロダンスの活動を紹介する。
 本書では、各章、各節の内容にふさわしいチャモロダンス曲の歌詞やチャント(詠唱)をいくつか紹介する。そこから島の外の筆者には伝えきれない当事者の願いを読み取っていただければと思う。また、これから日本でもチャモロダンスの愛好家が増えることが予想されるが、曲の背景や歴史的・社会的文脈の中で曲を理解していただけたらと思う。
 太平洋をフィールドにした文化人類学に興味を寄せる人、太平洋の芸能文化に興味がある人、チャモロダンスに興味がある人、ポストコロニアリズムに興味がある人、グローバリズムと文化に興味がある人など、多くの方に本書を手にとっていただければ嬉しい。そして植民地主義の中で生き抜いてきた人びとの「文化の再創造」という形を通した文化奪還の取り組みを知っていただけたら幸いである。

 (…後略…)

著者プロフィール

中山 京子  (ナカヤマ キョウコ)  (

帝京大学教授・博士(学術)
主な著書:
『グアム・サイパン・マリアナ諸島を知るための54章』〈エリア・スタディーズ105〉2012年、明石書店(編著)
『先住民学習とポストコロニアル人類学』2012年、御茶の水書房
『真珠湾を語る――歴史・記憶・教育』2011年、東京大学出版会(編著)
『入門 グアム・チャモロの歴史と文化――もうひとつのグアムガイド』2010年、明石書店(共著)

上記内容は本書刊行時のものです。