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当事者が語る精神障がいとリカバリー YPS横浜ピアスタッフ協会(編著) - 明石書店
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当事者が語る精神障がいとリカバリー (トウジシャガカタルセイシンショウガイトリカバリー) 続・精神障がい者の家族への暴力というSOS (ゾクセイシンショウガイシャノカゾクヘノボウリョクトイウエスオーエス)

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発行:明石書店
A5判
240ページ
並製
価格 2,500円+税
ISBN
978-4-7503-4690-8   COPY
ISBN 13
9784750346908   COPY
ISBN 10h
4-7503-4690-X   COPY
ISBN 10
475034690X   COPY
出版者記号
7503   COPY
Cコード
C0036  
0:一般 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2018年5月
書店発売日
登録日
2018年5月24日
最終更新日
2018年5月31日
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紹介

暴力の問題に苦闘する家族と当事者。この問題を解決するために、精神障がい当事者が自ら発信する。家族への暴力が起きる背景を、家族関係、医療での傷つき、地域社会での生きづらさの3つの視点から取り上げ、もう一方で希望としてのリカバリーに焦点を当てる。

目次

 はじめに[堀合悠一郎/蔭山正子]

序章[堀合研二郎]
 登場人物[堀合研二郎]
 本書における用語の定義[蔭山正子]


第Ⅰ部 精神障がい者にとって精神障がいとは

第1章 病気の辛さをわかってもらえない辛さ[堀合悠一郎]

第2章 精神障がいとは
 第1節 統合失調症――私の体験を通して[新谷総太]
  コラム▼妄想・認知機能障害と暴力[堀合悠一郎]
  コラム▼衝動性と暴力[前田直樹、サポート役:前田梨夏]
  コラム▼薬と暴力[相沢隆司]
 第2節 双極性障害――私の体験を通して[田村大幸]
 第3節 依存症――私の体験を通して[荒木雅也]


第Ⅱ部 なぜ家族に暴力を向けてしまうのか

第3章 わかってもらうための暴力[堀合悠一郎]
  コラム▼家族がいるから破壊した[桃太郎]
  コラム▼親への甘え[荒木雅也]
  コラム▼私の家庭内暴力体験に想うこと[藤井哲也]

第4章 医療での傷つき[堀合研二郎]
  コラム▼拭えない医療不信[山田潤]

第5章 地域社会での生きづらさ[相沢隆司]


第Ⅲ部 希望

第6章 リカバリー[根本俊史]
  コラム▼子どもがくれたリカバリー[前田梨夏]
  コラム▼ピアスタッフになって良かった[相沢隆司]

第7章 今後に向けて
 第1節 苦しさを越えて――当事者の視点から、今できること[堀合悠一郎]
 第2節 家庭の問題を社会の問題へ[蔭山正子]
 第3節 障がいが才能に変わる瞬間[福島政雄]
 第4節 学校でSOSを交わし合う練習を[黒木実生]


 あとがき[堀合悠一郎/蔭山正子]

 YPS横浜ピアスタッフ協会 活動紹介[住友健治]
 本ができるまで
 付録
 執筆者一覧
 プロフィール

前書きなど

はじめに

 (…前略…)

 精神障がい当事者の力、それが発揮された時、日本の精神保健医療は変わる。私はそう信じ、当事者の力に賭けている。当事者や家族が発言力をもって発信することは、今の日本に何より必要なことだと思う。
 本書は、前作『精神障がい者の家族への暴力というSOS』の続編である。前作は、埼玉県精神障害者家族会会員に実施した調査結果に基づいて書いた。精神障がい者の暴力は見ず知らずの人に向かうことは僅か1%と稀だが、家庭内では6割で発生していることが明らかになった。また、暴力は治療を受けても無くならないことが珍しくなく、10年20年と家庭崩壊まで家族が耐えていた。考察を繰り返して見えてきたことは、精神医療における精神障がい者への力による管理や、地域社会での生きづらさが精神障がい者を追い詰めた結果、家庭で傍らにいる家族に暴力として向かう、そのような側面だった。(……)

 (…中略…)

 この本は、当事者が自らの体験に基づき、意見を戦わせながら、合意したメッセージを発信している。これは、同じ苦境にある者が直の体験から得た情報や知恵であり、自己や仲間との会話において意味が見出された、「体験的知識」と言われる、「専門的知識」とは異なる価値ある知識である。皆が実際に体験した苦しみや喜びといった感情も詰まっている。体験した者同士が共有しなければ得られないことが詰まった、他に類を見ない画期的な書だ。少し先を行く当事者からの、このプレゼントが、今なお家庭で苦しむ家族と当事者に希望を与えられるものであることを願う。

著者プロフィール

YPS横浜ピアスタッフ協会  (ワイピーエスヨコハマピアスタッフキョウカイ)  (編著

2015年11月、神奈川県横浜市で結成。参加メンバーは現在、精神障害当事者、家族、支援者等、約400名。ピアスタッフ(精神障害当事者スタッフ)の普及をめざし、2か月に1回の定例会の他、ピアマスター(ピアスタッフ養成講座)、大学や研修での講演、スポーツなど多岐にわたる活動を展開。活動のモットーは「楽しさ」。開催するイベントには参加資格を設けないという開放路線を進めている。2017年6月に主催した『第1回神奈川ピアまつり!』には横浜市内外から約200名を動員。
ホームページ www.yokohama-peers.simdif.com/
メールマガジンでも活動案内を配信中。

蔭山 正子  (カゲヤマ マサコ)  (編著

大阪大学大学院医学系研究科公衆衛生看護学教室/准教授/保健師
大阪大学医療技術短期大学部看護学科、大阪府立公衆衛生専門学校を卒業。病院看護師を経験した後、東京大学医学部健康科学・看護学科3年次編入学。同大学大学院地域看護学分野で修士課程と博士課程を修了。保健所・保健センターでの勤務(保健師)、東京大学大学院地域看護学分野助教などを経て現職。
保健所勤務の際、精神障がい者の受診援助や通報対応などの危機介入を経験。主な研究テーマは、精神障がい者の家族支援・育児支援、保健師の支援技術。最近は当事者のピア活動にも関心あり。
主な著書に、『精神障がい者の家族への暴力というSOS――家族・支援者のためのガイドブック』(蔭山正子編著、明石書店、2016)、『精神障がいのある親に育てられた子どもの語り――困難の理解とリカバリーへの支援』(横山恵子・蔭山正子編著、明石書店、2017)がある。
趣味は研究活動と有酸素運動、暇があれば映画鑑賞や海外旅行。家族会の人との飲み会が好き。

上記内容は本書刊行時のものです。