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ダルク 回復する依存者たち ダルク(編) - 明石書店
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ダルク 回復する依存者たち その実践と多様な回復支援

発行:明石書店
四六判
272ページ
並製
価格 2,000円+税
ISBN
978-4-7503-4688-5
Cコード
C0036
一般 単行本 社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月
2018年6月
書店発売日
登録日
2018年5月29日
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紹介

薬物依存からの当事者による回復実践を行う「ダルク」の30年以上の歴史を踏まえ、日本全国の代表者たちが「回復」「実践」「連携」をキーワードに、各地における個性豊かな活動とそこから得られた知見をまとめた。ダルクとして初めての書籍。

目次

 はじめに


第1部 回復

第1章 これからの回復支援――ダルクの向かう未来[中川賀雅(長崎ダルク)]
 1 My story
 2 To recovery
 3 Tries to continue our journey

第2章 私たちの回復とは[加藤武士(木津川ダルク)]
 1 薬物依存者相互援助の歴史
 2 ダルクの特徴とは
 3 回復の4つの側面
 4 病気か犯罪か
 5 ミーティング
 6 サポートとスピリチュアリティ
 7 アディクションの対極はコネクション
 8 多様な回復
 9 おわりに

第3章 回復の主体性[市川岳仁(三重ダルク)]
 1 はじめに
 2 回復とエンパワーメント
 3 環境が回復を育てる
 4 奇跡の人
 5 ダルクスタッフの職業アイデンティティ
 6 最大の危機と新たな役割

第4章 回復の役割[幸田実(東京ダルク)]
 1 仲間の中での役割(誰もが誰かの役に立つ)
 2 当事者同士だからこそできること
 3 ダルクで働くということ(入寮者からスタッフへ)
 4 先駆者たちから受け継ぐもの
 5 前例がないからこそできること
 6 時代がダルクを追い越してゆく?
 7 役割分担

第5章 ダルクの独立性[飯室勉(仙台ダルク)]
 1 ダルクとの出会い
 2 ダルク創設者・近藤恒夫の流儀
 3 ダルクと一般的な組織の違い
 4 「横の関係」の問題点
 5 これまでとこれから
 6 ダルクの独立性
 7 まとめ


第2部 実践

第6章 初期施設でのプログラム――藤岡モデル[山本大(藤岡ダルク)]
 はじめに
 1 生活訓練
 2 プログラム
 3 就労支援
 まとめ

第7章 回復支援施設における階層式プログラムの実践[栗坪千明(栃木ダルク)]
 はじめに
 1 栃木ダルクの沿革
 2 利用者の動向
 3 理想的な回復とテーマ
 4 階層式プログラム
 5 ロールモデル
 6 リビングスキル
 7 就労支援
 8 家族支援
 9 事例紹介
 10 その他の事業と他機関連携
 11 総論・課題
 おわりに

第8章 施設運営――山梨ダルクの実例[佐々木広(山梨ダルク)]
 はじめに
 1 山梨ダルクの黎明期
 2 山梨ダルク誕生期
 3 山梨ダルク成長期 組織・事業の二分化――NPO法人山梨ダルク・山梨ダルク本部設立
 4 「甲府市地域活動支援センター」スタート
 5 支援団体について
 6 こんにちの山梨ダルク
 7 現在の問題点と課題
 おわりに


第3部 連携

第9章 司法との連携[森亨(北海道ダルク)]
 1 刑務所の経験
 2 ダルクの生活の中で
 3 北海道ダルクがスタートして
 4 刑務所内の薬物依存離脱指導(R1)
 5 刑の一部執行猶予制度
 余談

第10章 医療との連携[白川雄一郎(千葉ダルク)]
 1 従来のダルクと精神科医療機関との連携
 2 千葉ダルクと医療機関との連携
 3 下総精神医療センターとの連携
 4 館山病院との連携――チバープ(認知行動療法)について
 5 千葉県の精神保健福祉センターとの連携
 総括 

第11章 地域福祉との連携――重複障害の視点から[市川岳仁(三重ダルク)]
 はじめに
 1 薬物依存者の生きづらさ
 2 障害者総合支援法とダルク
 まとめ――依存症ネットワークの必要性

近藤恒夫との対話――これからの回復支援
 ダルクは当事者が当事者とともにやっていく場所
 ダルクが組織ではない、というのはどういうことか
 ダルクの活動と「余計なおせっかい」
 今再び、ダルクのスピリットを共有する必要がある

特別寄稿 薬物依存症からの回復とダルク[成瀬暢也(埼玉県立精神医療センター副院長・埼玉ダルク理事)]
 はじめに
 1 薬物依存症とは
 2 薬物依存症の治療
 3 これまでのわが国の依存症治療の問題点
 4 海外で実践されている心理社会的治療
 5 薬物依存症の背景にあるもの
 6 薬物依存症からの回復とは
 7 ダルクが示していること
 8 ダルクの役割と課題
 9 これからの回復支援
 おわりに


 おわりに

前書きなど

はじめに

 (…前略…)

 本書は基本的に三部構成になっている。第1部は「回復」に関すること、第2部は「実践」、第3部は「連携」についての記述である。
 第1部はダルクの第二世代が担当した。あたり前に使われつつも、明確ではない「回復」というキーワードについて、様々な角度から検証するようにした(……)

 (…中略…)

 以上が第1部である。これらを読み終える頃には、私たちのいう「回復」というものがどのようなものであるか、理解していただけているのではないかと思う。
 第2部は「実践」の記述である。主にダルクの第三世代が引き受けた。ここでは、回復の諸段階における支援の実際を「回復初期」「~社会復帰」「運営」の三つに分けて、三人のダルク代表により分担して述べられている。これにより、実際のダルクでの取り組みがよくわかるのではないだろうか。

 (…中略…)

 この第2部を読まれた方は、抽象的な「回復」ではなく、より現実的なダルクの実践を知ることになるだろう。
 第3部は「連携」の記述である。今日全国のダルクは、医療・司法・福祉の分野と緊密な連携を取りながら活動している。この部では、特徴的な取り組みを行っている三か所のダルク代表が「連携」について報告し、そこにある課題についても述べている。

 (…中略…)

 以上が第3部の概要である。この三つの章を読んでいただくことにより、今日のダルクが単に薬物依存の自助コミュニティとしてではなく、それをはるかに超えた取り組みを行っていることを理解していただけるだろう。
 そして最後に、これらの各報告を踏まえ、私たちは「共通の理念」について言及することにした。クライアントとの関係性、社会との関係性、運営モラル、スタッフ教育など、ダルクの活動を続けていく上での避けては通れない課題について、私たちが何年もの間議論してきた事柄について、「理念」という形でまとめたいと思う。

 (…中略…)

最後に、埼玉県立精神医療センターの成瀬暢也先生に寄稿をお願いした。寄稿をお願いするのは成瀬先生以外に思い浮かばなかった。というのも、なんと、成瀬先生は、私たちの全国セミナーをすべて(北は北海道から南は九州まで!)聴きにきてくださったのである。(……)

 (…後略…)

著者プロフィール

ダルク  (ダルク)  (

ダルクは1985年、東京で始まった薬物依存者自身による回復のムーヴメントである。国や専門家が主導し回復支援の諸施設を整備してきた欧米と異なり、既存の制度や専門性に縛られない独自の発展を遂げてきたが、近年は公的資金を受けて運営するダルクも増えており、同時に新たな課題も生まれてきている。創始者は近藤恒夫。各ダルクは独立しており、本部・支部関係になく、現在、全国で80か所以上の活動がそれぞれに展開されている。精神科医などの専門家からは「治療共同体」と呼ばれることもある。

上記内容は本書刊行時のものです。