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「体を動かす遊びのための環境の質」評価スケール
保育における乳幼児の運動発達を支えるために
原書: Movement Environment Rating Scale (MOVERS) for 2-6-year-olds provision: Improving physical development through movement and physical activity
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2018年5月
- 書店発売日
- 2018年5月15日
- 登録日
- 2018年5月11日
- 最終更新日
- 2018年5月18日
紹介
本書は、これまでの認知的発達、社会情動的発達のための保育環境スケールではカバーできなかった、運動による身体発達面のスケールとして開発された。また、これら三領域を関連づけて、子どもの発達全体を包括的に捉えることができるように工夫されている。
目次
日本語版刊行にあたって[キャロル・アーチャー]
謝辞
序文[アンソニー・オークレイ]
MOVERSのご紹介
MOVERSの作成経緯
身体の発達と動きについて――理解を深めるために
・子どもたちと一緒に、動きに関する言葉を使う
・子どもたちは身体的に活発である必要がある
・誕生から6、7歳までの子どもの、いくつかの早期の運動パターンにより育まれるもの
・乳幼児のための健康的な食事
・睡眠
【はじめにこちらをお読みください】
MOVERSを使用する前の準備
・はじめる前のガイド【重要】
・判断のポイント
・ポジティブな行動・応答・かかわりについての判断
・ネガティブな行動・応答・かかわりについての判断
・観察の手順
・評定の手順
・MOVERSのスコアシート・プロフィール・信頼性確認シート
MOVERSの内容
【サブスケール1】身体の発達のためのカリキュラム、環境、道具や遊具
・項目1 身体活動を促すための環境空間を作ること
・項目2 可動式・固定式の設備・備品を含む道具や遊具を提供すること
・項目3 粗大運動スキル
・項目4 微細運動スキルを支える体の動き
【サブスケール2】身体の発達のためのペダゴジー
・項目5 保育者が、屋外・屋内での子どもたちの運動にかかわること
・項目6 屋内・屋外で子どもたちの身体の発達を観察し評価すること
・項目7 屋内・屋外における身体の発達のために計画すること
【サブスケール3】身体活動と批判的思考を支えること
・項目8 子どもたちの動きに関する語彙を支え、広げること
・項目9 身体活動を通してコミュニケーションをとり、相互にかかわることで、「ともに考え、深めつづけること」を支えること
・項目10 屋内・屋外で子どもたちの好奇心や問題解決を支えること
【サブスケール4】保護者と保育者
・項目11 子どもたちの身体の発達と彼らの学び、発達、健康により育まれるものについて保育者が家庭に伝えること
スコアシート(事前記入用)
観察した保育施設の大まかな図面(室内・室外)
スコアシート(観察直後記入用)
プロフィール(複数回の観察・共同観察用)
評価者間の信頼性確認シート(共同観察用)
参考文献
【座談会】日本の保育現場で本書の知見をどう活かすか[安家周一×桶田ゆかり×松嵜洋子]
【解説】「体を動かす遊びのための環境」の社会文化的文脈――本書を読んでいただくにあたって[秋田喜代美]
あとがき[秋田喜代美]
前書きなど
解説 「体を動かす遊びのための環境」の社会文化的文脈――本書を読んでいただくにあたって[秋田喜代美]
1.本書の成り立ち
本書『「体を動かす遊びのための環境の質」評価スケール』は、第一著者と第二著者の共著で2015年に刊行された“Encouraging Physical Development through Movement-play”(体を動かす遊びを通して身体の発達を促進すること)の著書がもとになっています。特に第一著者のキャロル・アーチャー氏が長年子どもたちのために実施してきた実践や指導経験がもとになって生まれたものです。評価スケールとして開発を行い完成させたものとするためには、スケールの信頼性が高いということが求められます。そのために、著者らは、本スケールを開発するために、実際にロンドン市内の園で小規模パイロット研究をまず実施し、さらに子どもの体を動かす遊び環境への介入を行うことが子どもの運動発達に及ぼす影響について調べる研究を実施しました。また、そこからさらに本スケールを用いたより大規模な調査で、より多くの評定者が本スケールを用いても一致して安定して活用できる信頼性の高いスケールであることを検証したうえで、本書として刊行されています。そしてこのスケールは、現在ではイングランドだけではなく、アイルランドやオーストラリア等、他の英語使用圏でも実際に広く使われ始めてきています。これはイングランドの文化的文脈に埋め込まれた保育に沿う形で開発されてきたスケールです。ですから本書を読んでいただく際には、常にこれをそのまま当てはめるのではなく、日本の社会文化的文脈ではどうなのかと批判的な思考の眼を持ちつつ読んでいただくことが大事なことになってくると、訳者は考えています。
(…後略…)
上記内容は本書刊行時のものです。