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交流史から学ぶ東アジア
食・人・歴史でつくる教材と授業実践
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2018年2月
- 書店発売日
- 2018年2月28日
- 登録日
- 2018年2月23日
- 最終更新日
- 2018年3月6日
紹介
中国・韓国・日本の研究者および教員が、国際理解の視点から東アジアの食・人・歴史の交流に着目した教材を共同開発し、授業で実践しながら有効性を検証した成果をまとめる。東アジアの友好関係を築いていく資質・能力を育成するための手がかりとなる一書。
目次
はしがき[高吉嬉]
第Ⅰ部 食文化でひろがる東アジア
第1章 箸の文化はどのように発展してきたか[蔡秋英]
はじめに
1.教材としての箸の文化
2.箸の教材化に向けて
3.授業の様子と生徒の感想
おわりに
第2章 あなたの街のカップ麺はなに味?[金玹辰]
はじめに
1.教材の背景
2.教材化に向けて
3.指導案
4.授業の様子と生徒の感想
おわりに
コラム① トウガラシとキムチ[金玹辰]
第Ⅱ部 人々でつながる東アジア
第3章 江戸時代に漂流するとどうなるのか[國分麻里]
はじめに
1.教材の背景
2.教材化に向けて
3.授業の様子と生徒の感想
おわりに
第4章 「境界人」旗田巍のアイデンティティとは何であったか[高吉嬉・石川学]
はじめに
1.教材について
2.学習指導案
3.生徒の感想と成果
おわりに
コラム② 李仲變と山本方子[高吉嬉]
第Ⅲ部 歴史から響き合う東アジア
第5章 自分の姓名が変えられたとき、人はどう感じるか[坂田彩実]
はじめに
1.教材の背景
2.教材化に向けて
3.授業の様子と生徒の感想
おわりに
第6章 東アジアの町は日本の歴史とどのような関係があるか[梅野正信・山元研二]
はじめに
1.授業の背景
2.教材化に向けて
3.指導案
4.授業の様子
5.授業の成果と課題―生徒の認識から―
おわりに
コラム③ 韓国映画:風の丘を越えて(西便制)[梅野正信]
あとがき[二谷貞夫]
前書きなど
はしがき
私は2002年に日本の大学の教壇に初めて立って以来、社会科教師一人ひとりの歴史認識や国際理解のあり方が、学生に対していかに大きな影響を及ぼすのか痛感してきた。稀に大学の授業の中で韓国や中国に関心を持ち、ある程度の歴史・社会・文化に関する基本的な知識を身に付けている学生に出会うことがある。後で聞いてみると、彼ら/彼女らのほとんどが小中高のある段階で朝鮮半島や中国にかかわる近現代史や文化などの授業を行った教師に出会っている。そこで思うのは、一人ひとりの社会科教師が国際社会、とりわけ交流の頻繁な東アジアに目を向けて、子どもに歴史の知識や認識を提示することの大切さである。
教師の役割は、過去と未来の間に立つことであり、また教育の質は教師の質を超えることはできないと言われている。子どもは未来に生きる存在であり、社会科の授業は未来への希望を与えるものでなくてはならない。子どもは、自分にはなすべき課題があると自覚したとき、初めて未来への希望を語ることができる。従って、社会科教育の第一歩として必要なのは、教師が子どもにとって世界の友だちとつながるための「窓」になることである。その意味で、社会科教師が授業の中で、初発の段階から子どもが東アジアの人々と「仲良くしたい」「友だちになりたい」という素朴に持っている思いを大事にしながら、過去の歴史が残した心の壁を乗り越えるための「内面的統一と和解」を語り、さらに東アジアにおける未来のビジョンを示していくことが求められている。
(…中略…)
本書は、このような問題意識を持ちながら、2012年から6年間、中国・韓国・日本と生まれも育ちも異なる9名の筆者が、国際理解の視点を踏まえて、東アジアの食・人・歴史の交流に着目した教材を開発してきた。その教材を日本や韓国の中学校や高校で実践しながら、教材の有効性を検証しその成果をまとめたものである。
(…後略…)
上記内容は本書刊行時のものです。