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Q&A 生活保護ケースワーク 支援の基本
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2017年11月
- 書店発売日
- 2017年11月10日
- 登録日
- 2017年11月6日
- 最終更新日
- 2017年11月6日
紹介
全国公的扶助研究会が半世紀を越える成果を生かして編む、生活保護現場における支援・実践の基本ガイドシリーズ。第2巻は生活保護実践の「肉」となるケースワークの使い方を、実践例をもとに50のQ&Aでわかりやすく説く。
目次
『よくわかる 生活保護ガイドブック』シリーズの発刊にあたって
はじめに
1 生活保護ケースワークへの招待――いま、なぜ 生活保護ケースワークなのか
1 貧困の拡大――誰もが生活困窮状態に陥ってもおかしくない社会
(1)高止まりする貧困率
(2)社会保障制度の後退
(3)ますます重要となる生活保護の役割、生活保護は「出番」
2 生活保護ケースワークに必要なもの
(1)生活保護ケースワークとは
(2)生活保護ケースワークに必要なもの
3 生活保護ケースワークの特徴
(1)生活保護制度は「生活を丸ごと支える」強力なツール
(2)生活問題・福祉需要を「発見」し、「支援」につなげる有効な制度
(3)利用者の生活への介入度が強い制度
(4)CWと利用者の力関係、情報格差がある制度
(5)生活保護が権利であること
4 ケースワーカーが置かれている現状
5 いま、生活保護ケースワークに求められているもの
2 支援者と利用者、対象者とその関係
Q1 ケースワーカー・支援者とは?
Q2 利用者理解
Q3 利用者との適切な距離
Q4 望ましい援助関係の作り方
3 自立助長と自立支援の意味
Q5 「自立」とは?
Q6 経済的自立(就労自立) 日常生活自立 社会生活自立の考え方
Q7 自立支援とケースワーク、ソーシャルワーク
4 ケースワークとソーシャルワーク
Q8 生活保護ケースワークの基本的プロセス・流れ
Q9 新規相談からのケースワークとソーシャルワークの展開
Q10 引き継いだ世帯
Q11 ケースワークの基本・バイスティックの7原則
Q12 ストレングス視点とエンパワメント
Q13 ケースワークとソーシャルワーク
5 ケースワークの基本・訪問と記録
Q14 訪問の基本①
Q15 訪問の基本②
Q16 記録の目的
Q17 記録の書き方の7つのポイント
6 課題別の支援のポイント
Q18 ひとり親世帯の支援
Q19 子どもがいる世帯への支援
Q20 ホームレスへの支援
Q21 高齢者への支援
Q22 DV・虐待被害者への支援
Q23 債務・浪費に対する支援
Q24 病気のある人への支援
Q25 身体障害のある人への支援
Q26 知的障害のある人への支援
Q27 発達障害が疑われる人への支援
Q28 精神疾患のある人への支援
Q29 アルコール依存症の人への支援①
Q30 アルコール依存症の人への支援②
Q31 ひきこもり状態の人への支援
Q32 自殺を考える人、希死念慮のある人への支援
Q33 パーソナリティに障害のある人への支援
Q34 若者への支援
7 就労支援ソーシャルワーク
Q35 就労支援と就労指導
Q36 一見、就労意欲のない人への支援
Q37 仕事が続かない若い人への支援
Q38 子どもがいる世帯への就労支援
Q39 病気、障害と就労支援
8 生活保護制度の強みを活かしたケースワーク
Q40 扶養照会とケースワーク
Q41 救護施設の利用
Q42 医療扶助とケースワーク
Q43 就労支援と収入認定
9 連携・協働
Q44 医療機関との連携
Q45 高齢者への支援と連携
Q46 障害者への支援と連携
Q47 子どもへの支援と連携
Q48 地域との連携
10 ケースワーカーとして、組織として、福祉事務所の中ではぐくむチカラ
Q49 人づくり(CWとしての成長のために)
Q50 魅力的な職場づくり
前書きなど
はじめに
利用者や関係機関の方から「ケースワーカー(以下、CW)によって私(利用者)の人生が変わった」という言葉を聞くことがあります。同じ生活保護法を使い、同じ組織目標をもとにしたとしても、支援力はどうしてもプラスにも、マイナスにも、差が生じてしまう事実は否めません。
全国公的扶助研究会が主催する研修やセミナーなどで、現役CWによく言われるのが、「新人が読む本を作ってほしい」「研修に使える本が欲しい」「ステップアップするための実践書があれば」という言葉でした。CWが実践として使える本を意識し、CWの支援する力の向上に少しでも寄与し、ニーズ、リクエストにこたえようとしたのが本書を企画した理由です。
CWが生活問題を抱える利用者を支援するには、生活保護制度を利用しながら、ケースワークなどの支援、援助のための専門技術、知識が求められています。それらへのニーズは高いものの、実態としてはCWの支援力の弱体化が指摘されています。背景には社会構造の変化による生活問題の複雑化、多様化による支援の難しさがあるでしょうし、人事異動によるCWの経験年数の短期化、事務の増大や煩雑化などによる影響があると思われます。これらを個人の問題としてではなく、CWの育成、支援のあり方や仕組みの構築のあり方など、広く様々な局面で見ていく必要があります。
本書では生活保護ケースワークとしていますが、個人支援であるケースワークの視点のみでは、今日の様々な複雑な問題への対応、解決ができません。本来はケースワークを包括したソーシャルワークの視点が必要であり、今後は生活保護ソーシャルワークという呼び方が主流となっていく時代が来ることでしょう。(……)
(…後略…)
上記内容は本書刊行時のものです。