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異文化間教育のとらえ直し 異文化間教育学会(企画) - 明石書店
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9784750343532

異文化間教育のとらえ直し (イブンカカンキョウイクノトラエナオシ)

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発行:明石書店
A5判
228ページ
上製
価格 3,000円+税
ISBN
978-4-7503-4353-2   COPY
ISBN 13
9784750343532   COPY
ISBN 10h
4-7503-4353-6   COPY
ISBN 10
4750343536   COPY
出版者記号
7503   COPY
Cコード
C0337  
0:一般 3:全集・双書 37:教育
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2016年6月
書店発売日
登録日
2016年5月27日
最終更新日
2016年6月2日
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紹介

異文化間教育学会がこれまで蓄積してきた研究成果を、「社会的視点」「心理的視点」「言語的視点」の3領域でレビュー。社会・心理・言語という研究領域の視点と交差させながら問い改め、異文化間教育学の大系化を図るとともに、新たな知の創出を試みる。

目次

序章 異文化間教育のとらえ直し
 1.全体の概要
 2.各領域の概要
  2.1 社会的視点でとらえた異文化間教育(馬渕仁)
  2.2 心理的視点でとらえた異文化間教育(塘利枝子)
  2.3 言語的視点でとらえた異文化間教育(山本雅代)
 3.各章の構成

第1章 アイデンティティ再考――振り返りと今後の課題
 1.はじめに
 2.これまでの主な研究
  2.1 紀要に掲載された論文における研究
  2.2 書評などで言及された他の研究
 3.これまでの研究の傾向とその検討
  3.1 自己アイデンティティと社会・文化的アイデンティティ
  3.2 国(文化)を単位としたアイデンティティ
  3.3 発達とアイデンティティ
 4.本学会で重点が置かれなかった点
  4.1 ナショナリズムとアイデンティティ
  4.2 隣接領域におけるアイデンティティ研究の検討
  4.3 社会学的視点からのアイデンティティ研究
 5.課題――今後に向けて
  5.1 発達か変化か
  5.2 「ルーツ」なのか「錨」なのか
  5.3 アイデンティティの複数性

第2章 偏見・差別の構造
 1.はじめに
 2.異文化間教育学会において差別・偏見に言及した研究
  2.1 海外・帰国児童生徒教育からみた差別・偏見
  2.2 在日朝鮮人(オールドカマー)教育からみた差別・偏見
  2.3 ニューカマーの教育問題からみた差別・偏見
  2.4 「日本人性」「共生」
  2.5 社会心理学の観点からみた差別・偏見
 3.差別・偏見とは?
  3.1 差別に関する理論
  3.2 偏見とは?
 4.差別・偏見に関係した異文化間教育研究の特徴
  4.1 研究方法上の特徴による差別・偏見に対する基本的視点の違い
  4.2 本質主義的な視点から構築主義的な視点に基づく研究の増加
  4.3 学校文化の問い直し
  4.4 理念先行の傾向
 5.だれもが当事者として生きる「共生」社会をどう築くのか――「日立就職差別事件」とその後から
  5.1 「日立就職差別裁判闘争」
  5.2 当事者とは?
 6.おわりに――異文化間教育学会における差別・偏見に関する研究の課題と可能性

第3章 多文化共生教育の社会的課題
 1.はじめに
 2.異文化間教育学における多文化教育と多文化共生の位置づけ
  2.1 多文化教育をめぐる言説
  2.2 多文化共生をめぐる言説
  2.3 残された課題
 3.政策的枠組みの形成に向けて――韓国の事例を中心に
  3.1 多文化教育政策の変遷
  3.2 マジョリティをも対象とした多文化教育の展開
  3.3 政策形成のダイナミズム
 4.「多文化共生教育」の再構築と異文化間教育学

第4章 異文化体験をした子どもの教育・学習
 1.はじめに
 2.異文化体験をした児童・生徒の教育・学習に関わる研究
  2.1 日本にはみられない学習スタイルへの注目
  2.2 帰国生の学習スタイルの特徴
  2.3 子どもを取り巻く状況と学習意欲
  2.4 学力と学習言語力、認知発達の問題
  2.5 学ぶ意欲と将来展望・アイデンティティ形成
 3.異文化体験のある子どもの教育・学習の研究課題――発達の視点を組み込んで
  3.1 乳幼児期――「学習」をとらえる新たな視点
  3.2 児童期――認知発達を支える学習とは
  3.3 青年期――学習の質的向上と自己のとらえ直し
  3.4 成人期以降の課題――生涯発達を見据えた教育に向けて
 4.おわりに

第5章 異文化間の人間関係
 1.はじめに
 2.異文化間の人間関係の変容
  2.1 乳幼児期から始まる差異化と前偏見の形成
  2.2 文化間移動をした児童・生徒の視点からとらえた人間関係
  2.3 就学生・留学生の人間関係
  2.4 結婚・子育てをめぐる人間関係の変容
 3.異文化間トレランス
 4.おわりに

第6章 異文化間における心の支援
 1.はじめに
 2.異文化間教育学会における異文化間カウンセリング研究
  2.1 初期から特集に取り上げられるまで
  2.2 特集号における課題
  2.3 心理学・医学領域の学会紀要における異文化間カウンセリング研究の変遷
  2.4 一般の学術雑誌における異文化間カウンセリング研究の変遷
 3.異文化間カウンセリングの対象者の年齢と場の広がり
  3.1 乳幼児期から児童期・青年期前期
  3.2 青年期後期
  3.3 成人期前・中期
  3.4 成人期後期から高齢期
 4.異文化間カウンセリングの支援方法の展開
  4.1 従来のカウンセリングとの違い
  4.2 異文化間カウンセラーの役割
 5.おわりに――異文化間教育学会における「心の支援」研究の今後の課題

第7章 異文化間コミュニケーション
 1.はじめに
 2.学会での「異文化間コミュニケーション」の位置づけ
  2.1 学会会員の主な研究・実践分野
  2.2 異文化「間」コミュニケーション
  2.3 出版物と発表の場
 3.「 異文化間コミュニケーション」と「コミュニケーション」「文化」の関係
  3.1 「異文化間コミュニケーション」と「コミュニケーション」
  3.2 パラダイムと「文化」
 4.「異文化間コミュニケーション」に着目した論考事例
  4.1 「非言語コミュニケーション」の取り扱い
  4.2 サブカルチャーとしてのろう文化
  4.3 自文化中心主義的な教師の言動
  4.4 新しい日本語行動パターン創出の可能性
  4.5 相互作用時の会話の調整
  4.6 構築主義的文化概念へのアプローチ
 5.「異文化間コミュニケーション」と教育――教授方法
 6.異文化間教育学への提言

第8章 主流派言語母語話者の第2言語習得・学習
 1.はじめに
 2.海外在住および帰国児童・生徒の言語能力
  2.1 『異文化間教育』に掲載された論文5件
  2.2 関連の文献に記載された研究
  2.3 言語喪失研究分野よりの知見
 3.朝鮮学校における朝鮮語イマージョン教育
 4.小学校英語教育と国際理解教育
 5.大学教育における複数言語化現象
 6.おわりに

第9章 少数派言語母語話者の第2言語習得・学習
 1.はじめに
 2.少数言語母語話者の言語習得・学習をとらえる視座
 3.異文化間コミュニケーションとしての日本語教育
 4.地域日本語学習支援
  4.1 多文化共生パラダイム具現化の葛藤
  4.2 学びの場としての地域社会の可能性――地域ネットワーキング研究
 5.少数派言語母語話者の子どもたちの言語習得・学習
  5.1 言語能力の育成と教育保障
  5.2 母語と第2言語の両側面からの学習言語能力の育成
  5.3 言語的相互行為における子どもの言葉の学び
  5.4 家庭における言語習得
 6.ライフ・コースを視野に入れた言語習得の研究
 7.おわりに

第10章 デフォルトとしてのバイリンガリズム
 1.はじめに
 2.デフォルトとしてのバイリンガリズム
 3.本学会における「言語に関わる諸課題」の位置づけ
  3.1 閲読の対象とした論文等
  3.2 論文等に通底するある観点
  3.3 当該観点の生成背景
 4.本学会における潜在的観点に包摂される問題点――バイリンガリズムという見地から
 5.学会における新たな潮流の胎動と研究のさらなる発展の必要性
 6.おわりに

終章 課題と展望
 1.社会的視点からとらえた考察(馬渕仁)
  1.1 今回の検討で見えてきたもの
  1.2 課題と展望
  1.3 まとめ
 2.心理的視点からとらえた考察(塘利枝子)
  2.1 今回の検討で見えてきたもの
  2.2 課題と展望
  2.3 まとめ
 3.言語的視点からとらえた考察(山本雅代)
  3.1 今回の検討で見えてきたもの
  3.2 課題と展望
  3.3 まとめ

 参考文献
 索引
 あとがき
 執筆者紹介

前書きなど

「異文化間教育学大系」の刊行にあたり


 異文化間教育学会は1981年に設立された。学会設立の趣旨には、「異質な文化の接触によって生ずるさまざまな教育の問題を学問対象として取り上げ、その研究を促進しようとするところにあります」と記されている。学会が設立され35年が経過し、本学会では多くの研究成果を蓄積してきた。学会の研究成果を世に問うてきたのが学会誌である『異文化間教育』であり、2015年5月時点で43号を数えるまでになった。その特集テーマをみると、研究主題は多様化し、研究対象も拡大してきた。研究領域としては、コミュニケーション、日本語教育、バイリンガル教育、アイデンティティ、差別・偏見、カウンセリングなどが取り上げられてきた。さらに、多文化教育、小学校の英語教育、総合学習、多文化共生の教育、キャリアといった教育の現代的課題なども取り上げられている。研究対象や主題は多様化しているが、学会設立時の趣旨にあるように、文化間移動をキーワードにして人間形成や発達を文化間や他者との相互作用を通して把握していくという共通の課題意識がその基底にあったといえる。

 (…中略…)

 本企画の目的は、第1に異文化間教育学会としてこれまでの研究成果を整理分析することで、研究成果の現段階での一定の到達点を示すこと、第2にその検討作業を通して異文化間教育学研究の今後の視点や方向性を示すこと、そして第3に全体を通して異文化間教育学の大系化を図ることである。こうした異文化間教育学の大系化は、これから異文化間教育学の研究・教育を目指す人たちの重要な指針になることはいうまでもないが、多文化化する社会にあってこれまでの本学会の成果を新たな社会づくりに活かすことも可能にすると思われる。
 本企画は全4巻からなる。第1巻『異文化間に学ぶ「ひと」の教育』では、「海外子女」「帰国児童生徒」「留学生」「外国人児童生徒」など異文化間教育学が対象としてきた「ひと」とその教育に焦点をあてた。第2巻『文化接触における場としてのダイナミズム』では、家族、小・中・高等学校、大学、外国人学校、地域など異文化間教育が展開する場に焦点をあてた。第3巻『異文化間教育のとらえ直し』では、アイデンティティ、差別・偏見、多文化共生、カウンセリング、言語習得、バイリンガル、異文化間コミュニケーションなど異文化間教育学会が主要な研究主題にしてきたものを取り上げた。そして、第4巻『異文化間教育のフロンティア』では、異文化間教育学の大系化や学的な自立の試み、異文化間教育学の方法論や新しい研究の試みなどを取り上げた。各巻のねらいや構成については、それぞれの巻の序章に詳しく述べられている。
 各巻とも最後に参考文献と索引を掲載した。この異文化間教育学大系は、会員はもとより異文化間教育に関心を持つ一般読者や学生などを対象にしている。全4巻の各章・節を理解するための背景知識や基礎的知識を得たり、さらに各巻を読み進め学習を深めたりする上で必要となる文献を巻末に参考文献として掲載した。また、索引についてはキーワードを中心にした。全4巻の各章・節の重要なキーワードを容易に探し出せるように抽出したものである。参考文献、索引ともぜひ、活用していただきたい。
 この全4巻を通して、異文化間教育学の大系化を図ることを目指し、タイトルも異文化間教育学大系とした。このシリーズが学会員だけでなく、幅広く多くの方に読んでいただくことで、異文化間教育学が広く浸透し、新たな研究、実践につながることを期待したい。

 (…後略…)

著者プロフィール

山本 雅代  (ヤマモト マサヨ)  (

関西学院大学国際学部教授/言語コミュニケーション文化研究科教授
『バイリンガリズム入門』(編著、大修館書店、2004年)、“Language Use in Interlingual Families: A Japanese-English Sociolinguistic Study”(Multilingual Matters, 2001)。

馬渕 仁  (マブチ ヒトシ)  (

大阪女学院大学副学長
『クリティーク 多文化、異文化――文化の捉え方を超克する』(単著、東信堂、2010年)、『「多文化共生」は可能か――教育における挑戦』(編著、勁草書房、2011年)。

塘 利枝子  (トモ リエコ)  (

同志社女子大学現代社会学部教授
『子どもの異文化受容――異文化共生を育むための態度形成』(単著、ナカニシヤ出版、1999年)、『アジアの教科書に見る子ども』(編著、ナカニシヤ出版、2005年)。

追記

【執筆者一覧】

山本雅代(やまもと まさよ)
関西学院大学国際学部教授/言語コミュニケーション文化研究科教授
『バイリンガリズム入門』(編著、大修館書店、2004年)、“Language Use in Interlingual Families: A Japanese-English Sociolinguistic Study”(Multilingual Matters, 2001)。

馬渕 仁(まぶち ひとし)
大阪女学院大学副学長
『クリティーク 多文化、異文化――文化の捉え方を超克する』(単著、東信堂、2010年)、『「多文化共生」は可能か――教育における挑戦』(編著、勁草書房、2011年)。

塘 利枝子(とも りえこ)
同志社女子大学現代社会学部教授
『子どもの異文化受容――異文化共生を育むための態度形成』(単著、ナカニシヤ出版、1999年)、『アジアの教科書に見る子ども』(編著、ナカニシヤ出版、2005年)。

出羽孝行(でわ たかゆき)
龍谷大学文学部准教授
「韓国・京畿道児童生徒人権条約の成立過程に関する一考察」(日本比較教育学会編『比較教育学研究』第48号、東信堂、pp.24-25、2014年)。「在日朝鮮人教育研究と異文化間教育学の関連について」(小島勝編著『異文化間教育学の研究』ナカニシヤ出版、2008年)。

金 侖貞(きむ ゆんじょん)
首都大学東京准教授
『多文化共生教育とアイデンティティ』(単著、明石書店、2007年)、「韓国における地域づくりと平生学習の展開」佐藤一子編『地域学習の創造――地域再生への学びを拓く』(共著、東京大学出版会、2015年)。

小澤理恵子(おざわ りえこ)
山梨大学教育学部非常勤講師
「異文化間トレランスの〈耐性〉と〈寛容さ〉について」(異文化間教育学会編『異文化間教育』、第15号、31-52頁、2001年)、「関係性の視点からアイデンティティをとらえるための事例分析[3]青年期」(小島勝編著『異文化間教育学の研究』、ナカニシヤ出版、2008年)

佐藤千瀬(さとう ちせ)
聖学院大学人間福祉学部准教授
『幼児の外国人幼児への差異の気付きと前偏見の形成過程――前偏見の低減に向けて』(東京学芸大学大学院連合学校教育学研究科博士論文、2005年)、『多文化社会の偏見・差別――形成メカニズムと低減のための教育』(共著、明石書店、2012 年)。

久保田真弓(くぼた まゆみ)
関西大学総合情報学部教授
『異文化コミュニケーション論――グローバル・マインドとローカル・アフェクト』(共著、松柏社、2012年)、“The Passive Use of Information Communication Technologies by Japanese Undergraduate Students”(International Journal for Educational Media and Technology, Vol.8, No.1, 41-55, 2014)。

湯川笑子(ゆかわ えみこ)
立命館大学文学部教授
『小学校で身につくコミュニケーション能力』(共著、三省堂、2009年)、“L1 Japanese Attition and Regaining : Three Case Studies of two Early Bilingual Children.”(Kuroshio, 1998)。

石井恵理子(いしい えりこ)
東京女子大学現代教養学部教授
「年少者日本語教育の構築に向けて――子どもの成長を支える言語教育として」(単著、『日本語教育』128号、日本語教育学会、pp.3-12、2006年)、「第5章 共生社会形成をめざす日本語教育の課題」(馬淵仁編著『「多文化共生」は可能か――教育における挑戦』(勁草書房、2011年)。

上記内容は本書刊行時のものです。