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ブラジルのアジア・中東系移民と国民性の構築 ジェフリー・レッサー(著) - 明石書店
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ブラジルのアジア・中東系移民と国民性の構築 (ブラジルノアジアチュウトウケイイミントコクミンセイノコウチク) 「ブラジル人らしさ」をめぐる葛藤と摸索 (ブラジルジンラシサヲメグルカットウトモサク)
原書: Negotiating National Identity: Immigrants, Minorities, and the Struggle for Ethnicity in Brazil

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発行:明石書店
四六判
400ページ
上製
価格 4,800円+税
ISBN
978-4-7503-4296-2   COPY
ISBN 13
9784750342962   COPY
ISBN 10h
4-7503-4296-3   COPY
ISBN 10
4750342963   COPY
出版者記号
7503   COPY
Cコード
C0322  
0:一般 3:全集・双書 22:外国歴史
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2016年3月
書店発売日
登録日
2016年3月23日
最終更新日
2016年6月2日
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紹介

世界中の様々な地域からの移民を受け入れて成り立ってきたブラジルにおいて、人々はどのように「ブラジル人」アイデンティティを獲得していったのか。主に少数派であるアジア系(日本、中国、中東)の移民に焦点をあて、彼らの国民性の形成の過程を論じる。

目次

 日本語版への序

第1章 隠されたハイフン
第2章 中国人労働と人種統合をめぐる論争
第3章 エスニックな空間の構築
第4章 ハイフンを求めて
第5章 交渉と新たなアイデンティティ
第6章 日本人になる
第7章 エピローグ

 原注
 訳者あとがき
 参考文献
 索引

前書きなど

日本語版への序

 (…前略…)

 本書は、ブラジルの過去について述べられてきた一般的なお題目を掘り下げ、読者に対し、祖先が移民であったブラジル人は今なおしばしば永久の外国人と見なされる、という一般的な風土の意味を考えるように促します(例えば、「ジャポネス」という言葉は、日本人も多くのブラジル人も同じように表します)。たとえハイフン付き(つまり、ドイツ系ブラジル人、日系ブラジル人、アラブ系ブラジル人)の場合であっても、すべての人々を標準的ブラジル人として扱うことによって、本書はブラジルを南北アメリカ全体の中に位置づけます。言い換えれば、どの国も特殊で比較できないものとして提示するナショナリストの研究とは異なるというわけです。
 『ブラジルのアジア・中東系移民と国民性の構築』は、「新しいエスニシティ研究」と見なされてきた高度に反本質主義的な学術的ムーブメントを代表しています。ユダヤ人(しばしばアラブ人であった)、アラブ人(しばしばキリスト教徒であった)、日系人(たいていブラジル人であった)を含む、種々のエスニック・グループについて幅広く議論しています。私の関心は、移民法やエリートの言説、ブラジルの国民的アイデンティティ構築において取り上げられる際の類似性にあります。さまざまな資料(ブラジル、日本、英国、イスラエル、米国の文書館、視覚文化、諸制度、一般の人々の声)を利用することによって、経験の連続性が明らかになります。これらの史資料は、移民とその子孫が、想像された単一のブラジルの国民性と、入国後に形成される自らの新しいエスニシティの両方を「交渉」することによって、大きな利益を獲得しえたことを示しています。

 (…後略…)

著者プロフィール

ジェフリー・レッサー  (ジェフリー レッサー)  (

 ブラウン大学政治学部卒業(1982年)、同大学院修士課程修了(1984年)、ニューヨーク大学(NYU)大学院博士課程修了(1989年、Ph.D)。カリフォルニア州オクシデンタル・カレッジ准教授、コネチカット・カレッジ教授等を経て、2000年よりジョージア州アトランタのエモリー大学歴史学部教授。この間、同大学ユダヤ研究所長、歴史学部長を歴任したほか、ブラジルのカンピーナス州立大学(UNICAMP)、サンパウロ大学(USP)等で客員教授を務めた。
 本書以外の主な著作に次のものがある。Welcoming the Undesirables: Brazil and the Jewish Question (Berkeley: University of California Press,1994). 1995 Best Book Prize, New England Council on Latin American Studies (NECLAS); A Discontented Diaspora: Japanese-Brazilians and the Meanings of Ethnic Militancy, 1960-1980 (Durham:Duke University Press, 2007). 2010 Roberto Reis Prize (Honorable Mention), Brazilian Studies Association; Immigration, Ethnicity and National Identity in Brazil (New York: Cambridge University Press, 2013).

鈴木 茂  (スズキ シゲル)  (

 東京外国語大学大学院総合国際学研究院教授。一橋大学大学院社会学研究科博士課程中退。専攻は歴史学(ブラジル史)。
 主な著書に『〈南〉から見た世界05 ラテンアメリカ―統合と拡散のエネルギー』(共著、大月書店、1999年)、『ラテンアメリカからの問いかけ―ラス・カサス、植民地支配からグローバリゼーションまで』(共著、人文書院、2000年)、『史料から考える 世界史二〇講』(共著、岩波書店、2014年)、訳書にシッコ・アレンカール他『世界の教科書シリーズ7 ブラジルの歴史―ブラジル高校歴史教科書』(共訳、明石書店、2003年)、ジルベルト・フレイレ『大邸宅と奴隷小屋―ブラジルにおける家父長制家族の形成(上・下)』(日本経済評論社、2005年)、ルシア・ナジブ編『ニュー・ブラジリアン・シネマ―知られざるブラジル映画の全貌』(監訳、プチグラパブリッシング、2006年)、ボリス・ファウスト『ブラジル史』(明石書店、2008年)など。

佐々木 剛二  (ササキ コウジ)  (

 東京大学大学院総合文化研究科学術研究員。慶應義塾大学SFC研究所上席所員、森記念財団都市戦略研究所研究員、国際日本文化研究センター共同研究員。
東京大学大学総合文化研究科単位取得退学。博士(学術)。日本学術振興会特別研究員(DC2、PD)などをつとめたのち現職。
 主な著作に“To Return or Not to Return: The Changing Meaning of Mobility among the Japanese-Brazilians 1908-2010.”In Return: Nationalizing Transnational Mobility in Asia, edited by Xiang Biao et al.(Duke University Press, 2013)、「ブラジル日本移民の政治、知識、徳:移民知識人をめぐる歴史民族誌」(博士学位論文、東京大学、2013年)、「統合と再帰性:ブラジル日系社会の形成と移民知識人」『移民研究年報』17(2011年)など。

上記内容は本書刊行時のものです。