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ジェンダー・クオータ 三浦 まり(編著) - 明石書店
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9784750339740

ジェンダー・クオータ 世界の女性議員はなぜ増えたのか

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発行:明石書店
A5判
276ページ
上製
定価 4,500円+税
ISBN
978-4-7503-3974-0   COPY
ISBN 13
9784750339740   COPY
ISBN 10h
4-7503-3974-1   COPY
ISBN 10
4750339741   COPY
出版者記号
7503   COPY
Cコード
C0036  
0:一般 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2014年3月
書店発売日
登録日
2014年2月20日
最終更新日
2014年3月7日
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書評掲載情報

2014-04-20 日本経済新聞
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紹介

政治代表における男女の不均衡を是正するため、候補者・議席の一定数を女性に割り当てる制度、ジェンダー・クオータ。いまや世界の趨勢となっているこの制度を、ヨーロッパ、アジア、南米の事例から検証し、日本で導入される政治的条件を探る、画期的な試み。

目次

はじめに(三浦まり・衛藤幹子)

第1章 なぜクオータが必要なのか――比較研究の知見から(衛藤幹子・三浦まり)
 はじめに
 1.クオータの世界潮流
 2.クオータの必要性
 3.クオータの論拠
 4.クオータ導入の契機
 5.クオータの効果
 おわりに

第2章 多様な政治的アイデンティティとクオータ制の広がり――日本の事例から(スティール若希/早川美也子訳)
 はじめに
 1.民主主義と権力分有:実践としての政治的平等
 2.日本における地域的クオータ制の実際
 3.代表制再考:イデオロギー、地域性、身体性
 おわりに

第3章 スウェーデンにおける政党型クオータと女性運動(衛藤幹子)
 はじめに
 1.スウェーデン・モデルをめぐる2つの誤解
 2.スウェーデン社会の変化と女性の政治代表:1960年代から1980年代まで
 3.女性運動と政党とのせめぎ合い:1990年代、2000年代
 おわりに

第4章 フランス共和国とパリテ(石田久仁子)
 はじめに
 1.クオータからパリテへ
 2.EU の男女機会平等政策とフランスのパリテ運動
 3.パリテ論争
 4.フェミニストとフランス社会党
 5.進化を続けるパリテ法
 おわりに

第5章 アルゼンチンにおける法律型クオータの導入とその効果(菊池啓一)
 はじめに
 1.法律型クオータのアルゼンチンへの導入
 2.ジェンダー・クオータと女性議員数
 3.女性議員数の増加と政策
 おわりに

第6章 韓国における女性候補者クオータ制の成立過程と効果(申琪榮)
 はじめに
 1.クオータ制の導入:新しい政治的機会構造と女性団体
 2.クオータ制の効果
 3.クオータ制の実効性と女性団体の「政治運動」
 おわりに

第7章 台湾の女性定数保障制(福田円)
 はじめに
 1.初期条件
 2.戒厳令下における政治空間の拡大
 3.立法院における女性定数拡大の背景
 4.立法委員選挙制度の改革と女性定数保障制
 おわりに

第8章 スコットランドにおける権限移譲とジェンダー・クオータ(渕元初姫)
 はじめに
 1.女性の過少代表
 2.クオータの構想と導入
 3.クオータの後退
 4.成果と課題
 おわりに

 補論 イギリス労働党と女性のみの公認候補者名簿(木村真紀)

終章 日本におけるクオータ制成立の政治的条件(三浦まり)
 はじめに
 1.ジェンダー・クオータの成立条件:国際比較研究の成果
 2.日本における言説状況:政党、国会、審議会
 3.実効性のあるクオータ
 おわりに

 あとがき
 索引

前書きなど

はじめに(三浦まり・衛藤幹子)


 本書は、多数の国・地域、政党によって採用され、いまや世界の趨勢となっているジェンダー・クオータをヨーロッパ(フランス、スウェーデン、スコットランド、イギリス)、アジア(韓国、台湾)、ラテンアメリカ(アルゼンチン)の事例から検証し、日本への示唆を得ることを目指している。
 ジェンダー・クオータは政治代表における男女の不均衡を是正するために、候補者あるいは議席の一定比率を女性(あるいは両性)に割り当てる制度である。通常、男性と比べて女性の政治代表は過少であるため、女性の過少代表を解決する公正で有効な方法として、多くの国において導入が相次いでいる。
 ジェンダー・クオータ(gender quota)は割当制とも訳され、韓国の制度は「女性割当制」と呼ばれ、台湾の制度は「女性定数保障(婦女保障名額)」といわれるが、別途「性別比例原則」という制度も存在する。今後、日本でクオータを根付かせるためにどのような言葉を用いるべきかについては議論が必要であるが、本書では、すでにある程度浸透していると思われる「クオータ」を用いる。

 (…中略…)

 まず第1章では、衛藤幹子と三浦まりがクオータ制の全体像を次の4つの観点から概観する。すなわち、なぜクオータが必要とされるのか、クオータはどのように正当化されるのか、なぜクオータなるものが導入されたのか、そしてクオータの実施がもたらす成果である。
 第2章では、スティール若希が民主主義と代表制に関する議論を整理した上で、ジェンダー・クオータという制度が必ずしも新奇なものではないこと、日本の選挙制度において実は地域的クオータが導入されていることを論証する。(……)
 第3章では、衛藤幹子が政党クオータを導入したスウェーデンの事例を扱う。政治的機運と女性運動とクオータとの関連性に注目して、スウェーデンにおける女性の政治的代表性向上の要因について検証する。(……)
 第4章では、石田久仁子がフランスのパリテ(男女同数)について論じる。フランスでは50%クオータと呼ばず、パリテという名称を用いている。なぜなら、ある集団に一定比率を割り当てるクオータがフランス共和国の普遍主義原理に抵触するからである。(……)
 第5章では、アルゼンチンにおける法律型クオータの導入過程およびその効果について菊池啓一が論じる。アルゼンチンは法律型クオータを制定した世界で最初の国であり、アルゼンチンの動きに触発されてラテンアメリカではクオータの導入が相次いだ。(……)
 第6章では、韓国における法律型クオータ導入の政治過程を申琪榮が論じる。韓国では2000年の法改正を経て、小選挙区比例代表並立制の比例代表部分に50%、小選挙区部分に30%のクオータが導入されている。(……)
 第7章では、福田円が台湾における女性定数保障制度に焦点を当てる。戦後台湾に持ち込まれた中華民国憲法に、民意代表機関に女性定員を設ける必要性が明記されていたことが、台湾における女性の政治代表に大きな影響を与えた。(……)
 第8章では、渕元初姫がスコットランドにおける政党クオータの取り組みについて、その効果と限界を論じる。スコットランドはイギリスの一部であるが、1999年の権限移譲により1707年以来停止されていた議会が復活した。(……)
 また補論において木村真紀がイギリスにおける政党クオータの試みを解説する。小選挙区制を採用するイギリスでは、労働党が「女性のみの公認候補者名簿」を1997年総選挙の候補者選出時(1993年)に採用したことが契機となり、女性議員比率が向上した。(……)
 終章では、本書のこれまでの事例研究を基礎に、三浦まりが日本においてクオータが導入される政治的条件を探る。比較政治研究の蓄積で指摘される条件、すなわち女性運動の隆盛、政治エリートの戦略的判断、国際圧力、政治文化・規範との親和性が日本では整っていなかったことを明らかにした上で、今後は導入に向けて機運が高まることを示唆し、そのためには実効性の高いクオータが設計される必要があると主張する。(……)

 (…後略…)

著者プロフィール

三浦 まり  (ミウラ マリ)  (編著

上智大学法学部教授。米国カリフォルニア大学バークレー校政治学博士課程修了、Ph.D.(政治学)。専門は比較福祉国家論、現代日本政治、ジェンダーと政治。主著に Welfare Through Work: Conservative Ideas, Partisan Dynamics and Social Protection in Japan (Cornell University Press, 2012)、「政権交代とカルテル政党化現象――民主党政権下における子ども・子育て支援政策」『レヴァイアサン』53号(2013年秋)、『壁を超える――政治と行政のジェンダー主流化』(共著、岩波書店、2011年)ほか。

衛藤 幹子  (エトウ ミキコ)  (編著

法政大学法学部教授。スウェーデン・ストックホルム大学政治学博士課程修了、Ph.D. (政治学)。専門はジェンダー政治学。主著に“Reframing Civil Society from Gender Perspectives: A Model of a Multi-layered Seamless World,” Journal of Civil Society 8(2): 101-121 (2012); “Making a Difference in Japanese Politics: Women Legislators Acting for Gender Equality,” Harvard Asian Quarterly XIV(1 & 2): 25-34 (2012); “Women and Representation in Japan: The Causes of Political Inequality,” International Feminist Journal of Politics 12(2): 177-201 (2010) ほか。

上記内容は本書刊行時のものです。