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日韓でいっしょに読みたい韓国史 徐 毅植(著) - 明石書店
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日韓でいっしょに読みたい韓国史 (ニッカンデイッショニヨミタイカンコクシ) 未来に開かれた共通の歴史認識に向けて (ミライニヒラカレタキョウツウノレキシニンシキニムケテ)

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発行:明石書店
B5変形判
220ページ
並製
定価 2,000円+税
ISBN
978-4-7503-3958-0   COPY
ISBN 13
9784750339580   COPY
ISBN 10h
4-7503-3958-X   COPY
ISBN 10
475033958X   COPY
出版者記号
7503   COPY
Cコード
C0022  
0:一般 0:単行本 22:外国歴史
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2014年1月
書店発売日
登録日
2014年1月28日
最終更新日
2014年1月28日
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紹介

日本の学生や一般読者に向けて韓国人研究者によって書かれた韓国史の概説書。韓国の歴史と文化、韓国と日本の文化交流の2部構成で、豊富な図版とともに大まかな流れが把握できるように叙述されている。韓国人の歴史認識を理解するうえで好適な入門書。

目次

 東アジア3国の時代変遷
 大極旗・無窮花・ハングル
 改訂版を出すにあたって
 初版の序文

 はじめの言葉
 韓国と韓国人
  東アジアで韓民族の歴史が展開される
  韓半島の自然、そして韓国人の歴史

第1部 韓国の歴史と文化

第1編 文明の発生と国家の登場
 1.琵琶形銅剣文化圏から古朝鮮が建国する
 2.古朝鮮の文化が発展する
 3.衛満朝鮮が中国勢力に倒される
 4.古朝鮮の遺民が東・南進しいくつかの国に分立する

第2編 いくつかの国から統一国家へ
 第1章 新羅・高句麗・百済・加耶
  1.いくつかの国が3国に統合される
  2.3国の社会と文化が発展する
  3.3国が互いに争いながら統一をめざす
  4.百済と高句麗の遺民が国家の復興をめざす
 第2章 統一新羅と渤海
  1.南北国時代が始まる
  2.南北国の社会と経済が発展する
  3.南北国の文化が発展する
  4.海外で活発に活動する
  5.新羅が後三国に分裂し渤海が滅亡する
  6.高麗が後三国を再統一して渤海遺民を受け入れる

第3編 統一国家の安定と文化の発展
 第1章 高麗の発展と繁栄
  1.いっそう強化された集権的官僚国家に成長する
  2.契丹を退け女真と争う
  3.門閥が貴族社会を築く
  4.国を挙げて八関会と燃灯会を催す
  5.高麗が世界に知られる
  6.武臣が政変をおこして実権を握る
  7.モンゴルの侵入に果敢に闘う
  8.40年間モンゴルと戦争をした末に元と講和する
  9.社会が動揺するなか新進士大夫が登場する
  10.貴族文化が栄えて仏教文化が花開く
  11.科学と技術が発達する
  12.侵入する倭寇を駆逐し武将勢力が成長する
 第2章 朝鮮の成立と発展
  1.儒教民本政治をめざす
  2.世宗大王がハングルをつくる
  3.朝鮮文化が大きく花開く
  4.儒教両班社会が成立する
  5.朝鮮性理学が発展する
  6.‘倭乱’と‘胡乱’の国難をのりこえる
  7.平和と信義を守り外交を展開する
  8.国家中興のために努力する
  9.郷村生活が変化して庶民文化が成長する
  10.実用的な学問がおこる
  11.国学の花が開く
  12.科学と技術を研究する
  13.西学を学び天主教会を建てる
  14.朝鮮社会が激変し農民が動揺する

第4編 欧米との出会いと近代社会
 第1章 近代化の試練と主権守護運動
  1.西洋勢力の侵入を防ぐ
  2.日本との葛藤のなかで政変がおこる
  3.西洋文物を受け入れて制度を改革する
  4.東学を広めて農民を救おうとする
  5.日清戦争に勝利した日本が内政に干渉する
  6.大韓帝国が樹立されて民衆運動がおこる
  7.日本が日露戦争をおこして統監統治を実施する
  8.国権回復のために抗日闘争を展開する
  9.近代文物を受け入れて社会生活が変わる
 第2章 日本の統治政策と国家独立のための抗争
  1.朝鮮総督が‘武断統治’を行う
  2.3・1運動がおこる
  3.‘文化政治’を標榜して韓国人を分裂させる
  4.韓半島を兵站基地にする
  5.皇国臣民を育成して戦争に動員する
  6.日本人が入ってきて韓国人は追い出される
  7.韓国の文化と精神を守ろう
  8.国の独立のために闘争する

第5編 南北分断と大韓民国の発展
 1.光復を迎えたが南北に分断される
 2.‘漢江の奇跡’を成しとげる
 3.民主主義が発展する
 4.家族の規模が小さくなり都市人口が増える
 5.文化的な力量が増大する
 6.南北韓が交流しながら葛藤する

第2部 韓国と日本の文化交流――文化交流の歴史を正しく理解しよう

第1章 原始時代、東北アジア大陸と日本列島の文化交流
 1.陸地と海洋を通じて文化交流が進展する
 2.先史文化が交流して稲作を伝える

第2章 3国から日本列島に向かった人々、そして文化
 1.3国が‘倭’と交流する
 2.日本列島に集団で移住する
 3.ヤマトが渡航移住民の文化を受け入れる
 4.学問と技術文化を伝える
 5.日本が遣隋使・遣唐使を派遣し、百済・高句麗の遺民を受け入れる

第3章 統一新羅と高麗による対日外交の閉塞と民間での文化交流
 1.統一新羅と日本が疎遠になるなか文化交流が展開する
 2.渤海と日本の交流が頻繁になる
 3.高麗と日本との疎遠な関係が続く
 4.倭寇をめぐって高麗と日本の対立が深まる

第4章 朝鮮から日本に向かう文化の流れ
 1.朝鮮文化が日本に流れる
 2.日本と朝鮮の貿易が活発に展開される
 3.日本の使臣が朝鮮の文物を求める
 4.戦争中でも文化は伝わる
 5.通信使が文化交流に貢献する
 6.通信使が途絶えて文化交流が少なくなる

第5章 日本の近代化と文化の流れの逆転
 1.近代の西洋文明が東洋に押しよせる
 2.韓国が近代文化を受け入れようと努力する
 3.日本文化が韓国に伝えられる
 4.韓国人と一緒に生きようとした日本人もいた

第6章 韓国と日本の新しい関係と文化交流
 1.日本に住んでいる韓国人
 2.国境を越えて文化が互いに影響を与える
 3.未来時代にふさわしい交流の姿勢

 おわりに

 図版目録
 用語解説
 索引
 翻訳者あとがき

前書きなど

翻訳者あとがき

 現在、日本と韓国は、政治的には冷たい関係になっています。いわゆる歴史問題や日本軍「慰安婦」問題、そして「独島・竹島」をめぐる領土問題などがその原因です。ですが、これらは、政府間の関係であって、日本を訪れる韓国人、韓国を旅行する日本人は、「韓流(한류)」現象が起こっていた数年前ほどではないにしても、相当な数に上っています。NHKが放送した韓国のドラマ「冬のソナタ」をきっかけに、今でもレンタルショップに行けば、韓国のドラマは人気があります。その結果、「韓国」や「朝鮮」という言葉に伴っていた差別や偏見が無くなっていることは事実です。しかし、他方で、「ヘイトスピーチ」と言われる、韓国人などに対する、悪意に満ちた行動が見られることも事実です。
 こんな複雑な状況の中で、この本を多くの人に読んで欲しいと思います。その理由は、まず第1に、友好関係を作り出した「韓流(한류)」に歴史認識をプラスして欲しいと思うからです。韓国をもっと良く知るためにも、韓国の歴史を知ることは重要です。第2に、この本は、韓国人研究者が、日本人に読んでもらうことを目的に書いた韓国史の本だからです。韓国史の本は、入門書も含めてたくさんあります。ですが、多くは日本人が書いたものであり、韓国人のために書いたものを翻訳したものです。ところがこの本は、最初から日本の高校生や一般の市民の方々に読んでもらうことを目的に書かれたのです。今までになかった本です。第3に、手軽に読めることを考慮して、簡潔に、要を得て書かれているからです。小さな本ですから、細かな事実は書かれていません。というよりも、難解な事件名や人名、地名などは、なるべく避けられているのです。韓国の歴史と日韓文化交流の歴史の大きな流れを把握して欲しいというのが著者の願いです。
 この本は、出発は日本と韓国のカトリック司教交流会に触発されて作られたものです。両国のカトリック首脳は、両国の長い過去の歴史を踏まえて、これからの歴史認識と歴史教育の問題を一緒に考えてきました。その中で、この本は企画されたのです。そんなわけで、未来志向的発想で書かれています。
 今回は、この本を底本にして、約10年間の歴史研究の成果を吸収して、大きく改訂しました。特に、第1部第1編の先史時代、つまり、韓国人のルーツに係わる部分や、中世の仏教文化に関する部分、韓国での近代化への努力に関する部分などを大きく書き変えました。
 このような改訂を踏まえて、翻訳では、読みやすく分かりやすい本を目指しました。そのために、直訳的翻訳にならないように努力しました。わかりにくい歴史用語には簡単な説明をつけたり、カッコで説明をつけました。韓国語独特の漢字語的表現は簡単な日本語に直しました。読みやすさを重視したからです。韓国人の執筆者は、日本語で本を出版し、日本語で講義ができるほど、日本語の上手な先生方です。適切な翻訳にするために、メールで訳語の相談をして、本文を整えました。
 私たち翻訳者は、韓国人の考え方、歴史認識を知って欲しいと思っています。韓国の4人の執筆者は、韓国のかなり多くの人々の考え方を代弁していると思います。この本に書かれていることが、多くの韓国人の歴史的思考様式なのだと理解して欲しいと思います。
 韓国の先生方は、精一杯未来志向的発想でこの本を書いています。私たちも同じ思考方法でこの本を読んで、一緒に考えて見ようではありませんか。この本が、韓国をより深く知る素材になれば幸いです。ご批判は韓国の先生方にお伝えし、一緒に考えてみます。
 最期に、この本の発行を引き受けてくださった明石書店の石井昭男社長、そして編集担当の森富士夫さんに、お世話になりました。感謝いたします。

2013年12月末日 翻訳者代表:君島和彦

著者プロフィール

徐 毅植  (ソ ウィシク)  (

韓国・忠清南道禮山出身 ソウル大学校師範大学歴史教育科卒業 ソウル大学校大学院国史学科(修士、博士)卒業 ソウル大学校師範大学教授
≪主な著書・論文≫
『韓国古代史の理解と「国史」教育』ヘアン、2010年(韓国語)
『新羅の政治構造と身分制度』ヘアン、2010年(韓国語)
『뿌리깊은 한국사 샘이깊은 이야기』1(古朝鮮・3国)・2(統一新羅) 솔출판사、2002年(共著・韓国語)

安 智源  (アン ジウォン)  (

ソウル大学校師範大学歴史教育科卒業 ソウル大学校大学院国史学科(修士、博士)卒業 ソウル大学校客員研究員、講師
≪主な著書・論文≫
『高麗の仏教儀礼と文化』ソウル大学校出版文化院、2011年(韓国語)
『奎章閣所蔵18世紀文集解説』3~6巻、ソウル大学校奎章閣韓国学研究院、2005年(共著・韓国語)
「八関会の儀礼構造」湖南史学会『羅州八関会と錦城山信仰』2013年10月(韓国語)
「高麗後期の金石文を通してみた仏教儀礼の新たな動き」韓国歴史研究会『歴史と現実』、2011年6月(韓国語)

李 元淳  (イ ウォンスン)  (

韓国・平安南道平原郡出身 ソウル大学校師範大学歴史教育科卒業 ソウル大学校師範大学教授、学長 ソウル大学校名誉教授 韓国教会史研究所顧問
≪主な著書≫
『韓国西学史研究』一志社、1986年(韓国語)
『韓国天主教会史研究』(正・続)韓国教会史研究所、1986年、2004年(韓国語)
『韓国から見た日本の歴史教育』青木書店、1994年(日本語)
『平壌三中 学窓の追遠史』明石書店、2010年(代表執筆、日本語、君島和彦監訳)

鄭 在貞  (チョン ジェジョン)  (

韓国・忠清南道唐津出身 ソウル大学校師範大学歴史教育科卒業 東京大学(修士)、ソウル大学校大学院国史学科(博士)卒業 ソウル市立大学校人文大学教授(国史学科)
≪主な著書≫
『帝国日本の植民地支配と韓国鉄道1892-1945』明石書店、2008年(三橋広夫訳)
『교토에서 본 韓日通史(日本から見た韓日通史)』효형출판、2007年(韓国語)
翻訳『일본의 문화내셔널리즘』도서출판 소화、2008年〔原本:鈴木貞美『日本の文化ナショナルリズム』、平凡社、2005年〕
翻訳『러일전쟁의 세기』도서출판 소화、2010年〔原本:山室信一『日露戦争の世紀-連鎖視点から見る日本と世界』岩波書店、2007年〕

君島 和彦  (キミジマ カズヒコ)  (

1977年:東京教育大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学
1977年:東京学芸大学講師、以後、助教授・教授
1996年:韓国ソウル市立大学校客員教授
2009年:ソウル大学校師範大学教授
2010年:ソウル大学校師範大学定年退職
現在:東京学芸大学名誉教授
≪主な著書≫
『朝鮮・韓国は日本の教科書にどう書かれているか』梨の木舎、1992年(共著)
『旅行ガイドにないアジアを歩く――韓国』梨の木舎、1995年(共著)
『教科書の思想――日本と韓国の近現代史』すずさわ書店、1996年
『日本と韓国の歴史共通教材をつくる視点』梨の木舎、2003年(共著)
『日韓歴史共通教材 日韓交流の歴史 先史から現代まで』明石書店、2007年(共著)
『日韓歴史教科書の軌跡――歴史の共通認識を求めて』すずさわ書店、2009年
『平壌三中 学窓の追遠史』明石書店、2010年(監訳)
『歴史教育から「社会科」へ』東京堂出版、2011年(編)

國分 麻里  (コクブ マリ)  (

2000年:韓国教員大学校大学院教育学研究科歴史教育専攻修了
2003年:東京学芸大学大学院教育学研究科修了、社会科教育学専攻
2008年:筑波大学博士課程人間総合科学研究科社会科教育学分野修了(博士:教育学)
2010年:筑波大学大学院人間総合科学研究科助教
現在:筑波大学人間系(教育学域)准教授
≪主な著書≫
『日本と韓国の歴史共通教材をつくる視点』梨の木舎、2003年(共著)
『日韓歴史共通教材 日韓交流の歴史 先史から現代まで』明石書店、2007年(共著)
『植民地期朝鮮の歴史教育――「朝鮮事歴」の教授をめぐって』新幹社、2010年

山﨑 雅稔  (ヤマサキ マサトシ)  (

2001年:國學院大學大学院文学研究科博士課程後期単位取得退学
2003年:東京学芸大学教育学部非常勤講師
2007年:帝京大学外国語学部非常勤講師
2012年:國學院大學文学部助教
現在:國學院大學文学部助教
≪主な著書≫
『日韓歴史共通教材 日韓交流の歴史 先史から現代まで』明石書店、2007年(共著)
『8世紀東アジアの歴史像』東北アジア歴史財団、ソウル、2011年(共著)
『新編史料でたどる日本史事典』東京堂出版、2012年(共著)

上記内容は本書刊行時のものです。